枝野幸男代表は11日、参院広島選挙の再選挙(25日投開票)に立候補している無所属で新人の宮口はるこさんの応援のため広島県入り。広島市内安佐南区、中区での街頭演説会に参加、「お一人おひとりの暮らしの声が届く政治を作るためには、ふつうの暮らしをしている、あなたの力が必要」だと集まった聴衆に呼びかけました。今回の再選挙は、2019年の参院選をめぐる大規模買収事件で、公職選挙法違反で有罪が確定した河井案里元参院議員の当選無効に伴うものです。

 枝野代表は、安佐南区の街頭演説会で、政府の新型コロナウイルス感染症対策について、感染者数が増えると国民に外出自粛を、飲食店をはじめとした事業者には休業あるいは時短営業を求め、それにより感染者数が減るとすぐに緩め、その結果感染拡大を引き起こすということを繰り返していると指摘。今回、まん延防止等重点措置の適用が拡大されることにも、3月下旬に首都圏の緊急事態宣言を解除する際、立憲民主党は第4波を警戒して時期尚早だと主張したとして、「何でこんなことになっているのか。それはこのコロナ禍で困っている、苦しんでいらっしゃる一人ひとりの暮らしに目が向いていないからではないか。自分が感染したら家族にもうつしてしまう。だから、本当に我慢に我慢をして、その一方で大変ハードな仕事をしている医療従事者の皆さん、介護現場の皆さん、保育士さんなどがたくさんいらっしゃる。せっかくお店が軌道に乗ってきたのにまた自粛か、またお客さんが来ない。これではもう倒産だ、いや、現に倒産されている方たくさんいる。そうした人たちの暮らしに目が向いていたら、こんな中途半端な政策はできるはずがない」と政府の対応を批判しました。

 感染を抑え込みマスクなしの生活をしている台湾やニュージーランド、オーストラリアを例に挙げ、徹底した水際対策や検査体制の拡充など、立憲民主党が掲げる『zeroコロナ戦略』により、安心して暮らせる日本を取り戻そうと述べました。

 また、今回の再選挙についても、仲間内の議員に金を配り、そこさえ固めれば、県民一人ひとりなどどうでもいいという姿勢が前代未聞の大規模買収事件を招いたとして、「県民を見ていない、一人ひとりの暮らしを見ていない政治そのものの表れだと思う。これをまったく違う政治に変えていく、そのきっかけにしなければならない」と述べました。

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 宮口候補については、「本当に日々の暮らしの中で一番困っている人、自らもそういう立場を抱えてそれを乗り越えようと頑張ってこられた。だから一人ひとりの届いていない声、政治が見ていない声、その声をしっかりと受け止められる、届けられる政治にしなければならない。そんな想いで立ち上がってくれたと思う」と述べ、「今の日本は、その現場の声さえ届けば、現場の力をいかせば、まだまだ立ち直ることはできる。宮口はるこさんは、草の根の民主主義を、ボトムアップの政治を、暮らしの足元にしっかりと目が行く政治を作り上げていく。その代表選手になると確信している」と訴えました。

 「この選挙の主役は私たち政党、政治家ではない。お一人おひとりの暮らしの声が届く政治を作るためには、普通の暮らしをしている、そして政治が遠いと感じていらっしゃる、あなたの力が必要。その力を結集することができれば、必ず勝ち抜くことができる。本当のこの国の主役は一人ひとりの有権者、私たち市民なんだ、そういう結果を宮口はるこさんを通じて国会へ、全国へ届けていこう」と呼びかけました。

 宮口候補は、双子、そして年子の子どもの母親であり、双子の長男は重度の発達障がいを持っているというなかで、今回の立候補には本当に覚悟がいったなどと自己紹介。大変な状況にあるとき、自分自身が声を聞いてもらいたかった当事者だからこそ、「小さな声を政治に届けていきたい。皆さんの声を届ける代弁者になりたい」と力を込めました。

 また、道で「頑張って」と声をかけてくれる人、あるいは車や2階の窓から手を振って応援してくれる人が多くいることに「すごくパワーになる」と話した上で、「『頑張ってよ』『宮口、変えてよ』と言われるけれど、本当は私からみんなに届けたい。私一人での力では変えられない。『みんな一人ひとりが頑張って変えようよ』『あなたも変えてください』と、そう伝えたい。どうか勇気を持ってください。広島県の皆さんはどんな逆境からも立ち上がる力を持っている。その先へ、一緒に進みましょう」と訴えました。

 街頭演説会には、総合選対本部長の森本真治参院議員も参加し、「政治の信頼を取り戻すため、小さな声を届けていく」となどと表明。中区の商店街での街頭演説会には、国民民党代表の玉木雄一郎代表も参加しました。

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