「朝日新聞の世論調査では、76%が政府のコロナ対応が『不十分』と回答している。政府は『大きな流行にはなっていない』という認識を改めるべき。国民に危機感を持ってもらうためにも、緊急事態宣言を出すことが必要だ」(山内康一衆院議員)。

 12日、菅総理出席の下で開かれた衆院決算行政監視委員会では、立憲民主党2人目のバッターとして山内康一議員が質問に立ちました。山内議員は(1)新型コロナウイルス対策(新たに3都府県に適用された「まん延防止等重点措置」について)(2)東京オリンピック・パラリンピックの開催(3)ミャンマーの軍事クーデターへの対応――について菅総理らをただしました。

■新型コロナウイルス対策(新たに3都府県に適用されたまん延防止等重点措置等について)
  1. 現状認識について

     山内議員はまず、4月2日の段階で政府分科会の尾身会長が「第4波に入りつつあるという言い方で差し支えない」と発言したことを取り上げ、感染拡大の現状について政府の認識をただしました。これに対し政府側は(1)「感染が増加傾向あることは事実」(西村大臣)であり、「大阪市、神戸市、仙台市などでは緊急事態宣言を出してもおかしくない」(同)としながらも、(2)「『大きな流行』には至っていない」(菅総理、西村大臣)との認識を示しました。

  2. まん延防止等重点措置の世論についての受け止め

     次に朝日新聞の最新の世論調査では、76%がまん延防止等重点措置では『不十分』と回答し、「十分だ」と回答している割合が16%に過ぎない点について問いただしました。菅総理は「そうした意見は素直に受け止めたい」としながらも、政府としては「まん延防止等重点措置を機動的に運用する。飲食店などを見回る『見回りチーム』を作り、ルール順守を徹底する。モニタリング検査等もしっかり行うことで流行を抑え込む」等、現状の対策で乗り切れるとの楽観的な見方を示しました。

 山内議員は「『大きな流行』には至っていないという政府の認識は、ほとんどの国民の認識とかけ離れている 」「『大きな流行』ではないという甘い認識だからこそ、なかなか感染拡大が止まらない。改めるべきではないか」と反論した上で、「国民の間にある『なんとなく不十分じゃないか』という思いに応え、そして国民の間に緊張感と切迫感、危機感を持ってもらうため」にも、緊急事態宣言の発出が「必要だ」と訴えました。

■東京オリンピック・パラリンピックの開催

 東京オリンピック・パラリンピックの開催には相当数の医療従事者の確保が必要な点について取り上げました。新型コロナウイルスの感染拡大の中、十分な数の医療従事者を「本当に確保できているのか」と政府をただしたところ、丸川珠代担当大臣は「(必要な体制について)不断の見直しをおこなっており、地域医療へ影響がないよう話し合いを続けている」と答弁しました。

 また北朝鮮政府が選手団の派遣を見合わせると発表したことについて、山内議員は「自国の選手団の生命を心配するのはどの国も同じ」と指摘。どのように各国やその選手たちに対して状況を説明しているのか、政府をただしました。答弁に立った丸川担当大臣は、2月、3月に説明会を開催したこと、また4月中にプレイブックを更新する予定であることなどを説明しました。さらに山内議員が、五輪開催が危うくなったと判断する、何らかの客観的な基準が存在するかただしたところ、丸川大臣は「世界の状況の変化を常に注視しつつ、予断を持たずに取り組んでいる」と述べるのみで、客観的基準について触れることはありませんでした。

■ミャンマーの軍事クーデターへの対応

 2月1日のクーデターで権力を握ったミャンマー国軍が、クーデターに抗議する民間人に対する暴力的な弾圧を強めていることについて、政府の対応をただしました。

 山内議員は「暴力的な弾圧による死者は600人を超えると報道されている」と指摘するとともに「民主的な手段で選ばれた政府と、正当性がまったくない国軍を同列に並べて中立的に振舞うのは、長期的な国益の観点から望ましくないし、ありえない」と、日本政府の行動を強く批判しました。

 国際社会の度重なる呼びかけにも関わらずミャンマー国軍が民間人に暴力を振るい続けていることについて、菅総理は「日本政府としてミャンマー国軍を強く非難するとともに(1)民間人に対する暴力的な対応の即時停止 (2)アウンサンスーチー国家最高顧問含む拘束された関係者の即時釈放(3)民主的な政治体制の回復――を強く求めている」と説明したのに対し、山内議員は「『強く求める』と受け取られていない節がある」「他の西側諸国との連携が取れていないそのことを、ある意味『独自の役割』と言っているだけではないか」と指摘した上で、「国軍とのパイプが機能しているとは思えない。そろそろ対応を改め、他の民主的な国々と連携し、より強硬な対応を取る時期に来ている」と訴えました。

 また山内議員は、日本のODAが国軍の活動資金源となっている可能性を指摘した上で、ODAの停止、さらには経済制裁を検討すべき段階にきていると主張し、政府の見解をただしました。これに対し菅総理は「何が効果的な方法であるのか、検討している」「『止める』と示唆することによって国軍に圧力をかけることもできる。日本の立ち位置や世界において彼らが見放されるような状況にあることを説明したい」と答弁しました。これに対し山内議員は、米国のブリンケン国務長官が、ミャンマー国軍系企業に投資している各企業に対して「投資を見直すべきだ」と訴えたことについて触れ、「日米首脳会談に総理が行かれた時には、日本は西側諸国の一員として、人権や民主主義法の支配、こうした価値観を重視すると、世界に対するメッセージを打ち出して頂きたい」と訴えました。

 最後に山内議員は、1989年に中国の天安門で民主化等を求めた学生たちが武力弾圧された天安門事件について触れました。厳しい制裁を科した欧米諸国と足並みをそろえずに日本政府が甘い対応を取り、中国政府の強権性を助長したと述べた新聞の一説を引用しながら「私も天安門の過ちを繰り返すべきではないと思う。民主化運動を弾圧することに対して甘い措置をとってはいけない」と訴え、この日の質問を終えました。

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