立憲民主党は23日、「茶業緊急支援法案」(新型コロナウイルス感染症等の影響を受けている茶業等に係る緊急の支援等に関する法律案)を衆院に提出しました。山井和則、中川正春、渡辺周、川内博史、小宮山泰子、大串博志、黒岩宇洋、後藤祐一、重徳和彦、山本和嘉子、日吉雄太各議員が事務総長に法案を提出しました。
この法案は、他の農林水産品以上にお茶の生産環境は厳しく、そこにコロナ禍が重なったことにより、茶業(茶の生産、加工、販売)やお茶の文化に資する活動に深刻な影響が出ているため、茶業及びお茶の文化の振興活動を行う者への支援を行なうための財政措置を確保するものです。
法案提出後、提出者らは記者団の取材に応じました。筆頭提出者で立憲民主党「お茶振興議員連盟」会長の山井議員は法案提出の趣旨について「昨年の4月、5月の新茶のシーズンをコロナ禍が直撃した。そして1年間非常に苦しい中、また3回目の緊急事態宣言が発出されようとしている。多くの農産物が影響を受けているが、特にお茶は苦しいということで、この法案を提出し、おいしいお茶を生産したけれど、先行きを不安に思っておられる茶業に携わる方々を全力で応援したい」と述べました。
会見に同席した同議連事務局長の野田国義参院議員は、「5月1日が八十八夜で、お茶のシーズンをこれから迎える時に緊急事態宣言の発出で状況は厳しくなっている。お茶の生産だけではなく、文化面でも茶道やお茶に関するイベントが行なわれなくなっている」と述べ、法案の内容について、茶業とお茶の文化振興を行なっている事業者に対し昨年以上の支援を行なう財政措置を実施するとともに、お茶と新型コロナウイルス感染症の予防との関連性の調査研究を推進するものだと説明しました。
同議連副会長の川内議員は、「茶業はそもそも、非常に厳しい状況になって来ていた。そこに新型コロナウイルス感染症の大変厳しい影響がかぶさって来ている。さらにお茶については、他の農産物ほど支援の策がこれまで講じられて来なかったということもある」と述べ、本法案の必要性を訴えました。また、「地元の鹿児島県は茶の産出量としては今までずっと静岡に次いで2番だったが、昨年は産出額については静岡を抜いて1番になった。しかし、それは静岡も鹿児島も両方、地盤沈下したうえでの順位の逆転なのであまり大喜びできることではない。もっと高いレベルでみんなが競争できるように支援をしていなければならない。日本の伝統文化である茶業、生産から販売、そして消費までしっかりと支援をしていかなければならない」と語りました。
同連盟幹事長の大串議員は、「茶の栽培面積が2020年比でマイナス3.7%。全国的に農地が減っているが、毎年マイナス0.5%程度で、茶の約4%減は相当大幅な減り方。10年くらいたつと半分くらいになってしまうくらいの勢いで減っている」と説明し、「この厳しい現状を看過してきた現政権の責任もある。私たちとしてはしっかり支援していきたい」との考えを示しました。
【概要】新型コロナウイルス感染症等の影響を受けている茶業等に係る緊急の支援等に関する法律案.pdf
【条文】新型コロナウイルス感染症等の影響を受けている茶業等に係る緊急の支援等に関する法律案.pdf
【参考資料】法案提出趣旨、茶業の厳しい状況、茶業に関するデータ.pdf