「日本国憲法の改正手続きに関する法律の一部を改正する法律案」(国民投票法改正案)を審議している衆院憲法審査会で6日、立憲民主党・無所属が修正案を提出、原案・修正案をともに質疑し採決した結果、与野党の賛成多数で同修正案どおり修正可決されました。

 与党など提出の原案は、2016年に改正された公職選挙法の内容を、憲法改正の手続きに関する国民投票にも適用するため、(1)「選挙人名簿の閲覧制度」への一本化(2)「出国時申請制度」の創設(3)「共通投票所制度」の創設(4)「期日前投票」の事由追加・弾力化(5)「洋上投票」の対象拡大(6)「繰延投票」の期日の告示期限見直し(7)投票所へ入場可能な子どもの範囲拡大――の7項目を盛り込むというもの。

 これに対して立憲民主党が提出した修正案の趣旨について奥野総一郎議員は、2019年の改正公選法により追加された投票環境に係る2項目の追加改正が適用されていないと指摘。さらにスポットCMの扇情的な影響力や、インターネット広告も含めCMに投じる資金の多寡が投票結果に与える影響等を踏まえ、「CMや運動資金などについて一定の規制が設けられなければ、公正公平な国民投票の実施は期待できない」と説きました。

 その上で修正内容について、「国は、この法律の施行後3年を目途に、追加の2項目をはじめとする投票人の投票に係る環境を整備するための事項及び国民投票運動等のための広告放送やインターネット有料広告の制限、運動資金規制、インターネットの適正利用の確保を図るための方策その他の国民投票の公平及び公正を確保するための事項について検討を加え、必要な法制上の措置その他の措置を講ずるもの」と説明しました。

 今井雅人議員は、現行の国民投票法でも、成立後の改正国民投票法でも国民投票を実施することは可能だと指摘。ところが、積み残された投票環境の2項目に加えて、広告規制の問題、外国人寄付の問題、インターネット環境の変化による国民投票への影響が顕在化した以上、「実質上あるいは政治的にはこの問題を解決するまで国民投票を実施することがあってはならない」との意見を表明しました。

【修正案】要綱.pdf
【修正案】条文.pdf
【修正案】対照表.pdf

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国民投票法改正案原案、修正案ともに賛成多数で可決されました