衆院法務委員会で理事をつとめる階猛議員、稲富修二議員ら野党議員は6日夕、法務省を訪ね、名古屋出入国在留管理局で収容中、3月に亡くなったスリランカ人女性、ウィシュマ・サンダマリアさんの入管収容中のビデオ映像を遺族らに公開するとともに、法務委員会理事懇談会(理事懇)にも開示するよう佐々木聖子出入国在留管理庁長官に申し入れました。
申し入れ終了後、記者団の取材に応じ階猛議員は、この間の経過について「連休前に、最終報告の前に少なくとも仮放免をしなかったことについて入管庁としてどういう考えを持っているのか、その判断が正しかったのか、間違っていたのかを示すよう求めた。それを与党側が引き取ってきちんとしたものを出すということだったので待っていたが、本日(6日)付で出てきたものは、責任を認めることにつながるような要素が書かれているが、最終的な結論は最終報告で明らかにしたいということで、われわれが期待していた内容とは全く違っていた」と説明しました。
また、文書に代わる具体的で客観的な証拠として、ビデオの開示を求めており、ビデオの開示については、国会で(出入国管理法等改正案)の法案審議をおこなう前提であるとの考えを改めて示しました。その理由について「今回の法案では入管の権限を拡大し、裁量の範囲を拡大する内容が含まれているので、そうした権限、裁量を有することになる入管が果たして信頼に足るものかどうかを確認するためにも、スリランカ人女性の方が亡くなった際に入管でどういう処遇を受けていたのかを記録したビデオテープを見せてほしいと求めてきた」と説明しました。
法務大臣が保安上の問題があるのでビデオテープを開示できないと言及していることについて、「入管庁長官とお話したが、保安上の問題が具体的にどういうものかについて明確な説明がなかった」と明かしました。また、法務大臣が国会で決めていただければ開示もやぶさかではないと話していたことを取り上げ、「そうであれば国会に開示するかどうかを決するための議論の場である理事懇で、まずはビデオを見せてもらって、そこで建設的な議論をさせてもらいたいということも申し上げた」と述べました。
さらに「長官には真摯に対応していただいたと思っているが、今日は法務大臣にお会いできなかったので、明日以降、国会の場でもこの点については申し上げていかなくてはいけない」と語りました。