参院憲法審査会は9日、日本国憲法の改正手続きに関する法律の一部を改正する法律案(国民投票法案)の質疑をおこない、立憲民主・社民から小西洋之議員が質問に立ちました(写真上は質問する小西議員)。
小西議員は、発議者である立憲民主党の奥野総一郎衆院議員に憲法改正の国民投票運動時にインターネットやテレビ等におけるコマーシャルや外国資金を使った選挙運動を規制する手段が、法改正しかなく法改正が必要であると考えているか質問しました。
奥野議員は、「寄付の上限規制とか透明化については、法律で義務づけないとそうはならない。法律に書かないと義務づけできませんから、寄付の上限とか外国政府に寄付しちゃいけないとか、当然の法律事項だと思います」と答弁。さらに、「CM規制について、もちろん表現の自由、報道の自由との関わりが出てきます。だからそれをその例外というかそれを定める以上、当然法律事項でないといけないと思います。もう一つ、量の問題と同時に、放送法4条の話がある。国民投票法の104条の中で、放送法4条1項をひいている。政治的な中立性公平性を求められて、国民投票運動においても要するに賛否を同じ時間で放送しなさいという義務が課されてるわけですよ。3年前に民放連が来た時に、衆議院の憲法審査会が質問したんですね。民法連も求めていますよ。その例外を作るのであれば、これも当然法律事項でなければいけないと思います。自主規制を作らないのであれば法律事項ということは間違いない」と答えました。
さらに小西議員は奥野議員に対して、「参議院憲法審査会は、この規定(国会法102条の6)に基づき、また国会議員の憲法尊重擁護義務に基づき、集団的自衛権の容認を始めとするさまざまな憲法違反問題について、審査会でしっかりと議論しようじゃないか。内閣法制局長官や官僚が来るんじゃなくて、国会議員同士でちゃんと本物の正しい合憲の憲法議論をしようじゃないかとやっています。こういう取り組みは、やはり衆議院憲法審査会でもしっかりやっていただきたい」と求めました。奥野議員は、憲法の発議だけが仕事ではないと述べながら、「基本的な理念の確認や基本的人権を侵してはいけないとか、改憲の制限があるとか権力分立のありかたとかについても、きちんと共通認識を持った上でさまざまな議論がまず前提としてあるべきだ」と応じました。
小西議員は、同じく立憲民主党の発議者である山花郁夫衆院議員に「衆議院憲法審査会で、まず立憲主義やあるいは平和主義といった基本原理についての考え方をもう一度しっかり討議する。それが改憲論議の前提だと考えるか」と質問。山花議員は、「審査会の幹事会等を通じ、与野党合意のもとで協議をして進めていくべきものと承知している」と答えました。
その他小西議員は国民投票法案の内容について、国民投票の当日に災害が起こった際の繰り延べ投票制度や期日前投票の制度等を質問しました。
質疑終局後、立憲民主党から打越さく良議員が賛成討論をおこない、法案は可決されました。