福山哲郎幹事長記者会見

2021年6月16日(水)16時05分~16時51分
発行/立憲民主党役員室

★会見の模様を以下のURLで配信しています。
https://youtu.be/6GnEoPh3Zpc


■冒頭発言

■質疑


■冒頭発言

○第26回常任幹事会を開催

【幹事長】
 ご苦労さまでございます。
 まず常幹のご報告をさせていただきます。
 代表の挨拶はご案内のとおりです。
 私から、今後の会議の予定を、国会が残念ながら閉じられることになりましたので、役員会と常幹を同じ日にやるということにしまして、火曜日に全部集中しました。次の執行役員会と常幹が29日、その次が7月13日ということで、2週に一遍やらせていただくことで確認をしました。
 国対委員長からは、もう国会の最後、終盤の状況ですので、報告があって、きのうは不信任案の採決と、さらには参議院側では非常に遅い時間までというか早い時間まで採決がありましたものですから、その報告がありました。参議院からも同様でございます。
 政調会長からは、もう最終局面ですので、議員立法その他の報告がありました。
 選対委員長からは、地方自治体議員の選挙結果、首長選挙の結果、それから香川県観音寺市(議選)それから大阪府岬町(長選)の公認・推薦について報告がありました。
 組織委員長からは、行政区支部の設立。それから自治体議員の入党について、5名の入党がありまして1268名となりました。
 (協議・議決事項として)選対委員長からは、小選挙区の総支部長でございますが、長野3区・神津健さん。候補者が決まったということで承認をさせていただきました。
 もう一点申し上げると、常任幹事会で一部変更して代表選挙規則の確認をさせていただきました。各国会議員、総支部長、それから自治体議員からの意見聴取をしておりまして、代表選挙規則については2カ所変更しました。
 代表選挙の推薦人でございます。これまでは20人以上だったのですが上限がありませんでした。30人でも40人でも50人でも推薦人がいればよかったのですが、多くの議員などから、上限がないと一人の人が推薦人を集め過ぎて選挙にならない可能性があるので上限設定をしてほしいという意見表明がありましたので、代表代行の平野先生と、私と、それから規約検討委員会のメンバーで話して、上限設定はいいだろうということで(20人以上)25人以下という形で変更しました。
 もう一点、第10条の党員と協力党員の投票のところでございますが、前は「郵便投票(電子投票を含む)」と書いてありました。電子投票というイメージは、よくあるパネルのタッチ式のやつのイメージがあるのですが、今の時代はやはりインターネットではないのかというご指摘もいただきまして、「電子投票を含む」ではなく「インターネット投票を含む」という形で変更しました。
 この変更点も含めていろいろな意見が出たことについてもご紹介した上で、常幹で代表選挙規則を確定させていただきました。

○両院議員総会を開催

【幹事長】
 両院議員総会でございます。
 代表の挨拶は皆さんご案内のとおりです。
 その後、私から、国会は閉じていますので、地元に帰って(新型)コロナの状況でどういう形での運動をするかについては、あすの、「下りまん防」かどうかわかりませんが、例えば飲食店、時短の問題、政府がどのように対応するのかを見て、こちらとしては再度党として活動のあり方も含めて一定のガイドラインを出したいという報告をさせていただきました。
 それから、選挙が近くなりますので、選挙に対しての連合さんとの関係等々についても私から一定の報告をさせていただきました。
 それから、代表選挙規則について、今申し上げたとおりのご説明をして了としていただきました。
 それから、多少選挙が近いですので、資金の交付計画について、選挙前に皆さん資金繰りも段取りも要るので、準備もあるので、若干交付金の対応についての報告等をさせていただきました。
 国対委員長からは、長い通常国会の国対の協力に対する謝意が伝えられまして、衆参ともにそのような状況でした。
 参議院会長からも同様です。
 政調会長からも、政策についての協力の感謝と、議員立法の成立状況や、閣法でもうちもそれなりに賛成をしているので、その比率等々が政調会長からご報告としてありました。さらには、政権政策、選挙政策については、今から準備を始めて、どこかの時点で発表するけれども、それについては時期を見てやっていきたいというような話がありました。
 選対委員長からは、空白区をなるべく今からでも埋めていくのが自分の仕事なので、徹底的にその空白区を埋めるために努力をしていきたいということと、それぞれの皆さんに準備をしっかりしていただきたいというような形のご報告がありました。
 両院議員総会は、この我々側からの報告があって、それで結果として申し上げると意見も出ずに、皆でとにかく選挙まで突っ走ろうと、勝とうと、政権を倒そうということを確認して両院議員総会が終わりました。

○内閣不信任案の提出について

【幹事長】
 一点だけ、僕から申し上げることを言わせていただきます。br  内閣不信任案提出なら解散に打って出ると、再三再四にわたり自民党の二階幹事長が言っておられました。我々は解散に抵抗も恐れもしていませんでした。我々はいつでも解散に打って出られたら受けて立つつもりで不信任案を出しましたので、新聞の見出しにあるような、解散を恐れとか、そんな気持ちは枝野代表も私も一切ありませんでした。
 それから、不信任案を出されたら解散だとずっと言い続けてきた二階幹事長の解散話がなぜ立ち消えになったのか、全く理由がわかりません。コロナの感染状況があるというならば、当時もコロナの感染状況は逆に言えばあったわけですから、全く説明になってないので、逆にひるんだのは自民党側ではないかと言わざるを得ないので、それだけは一言言っておきたいと思います。
 私からは以上です。


■質疑

○国会閉会について

【NHK・金澤記者】
 きょう国会が閉会したが、延長を求めていた中で予定どおり閉会をされたことの受けとめと、閉会後になるが、コロナの感染などについて、どのように立憲民主党としてこの課題に臨んでいくのか伺いたい。

【幹事長】
 国会の会期延長を強く求めておりました。3カ月の延長を求めていたのは、ちょうどパラリンピックが終わる時期まで国会を開けておくことによって、海外からたくさん人が入ってくるわけですし、日本の感染の拡大状況も劇的に下がっているわけではなくて下げどまっているような状況ですので、いつリバウンドが起こるかどうかわからない中で国会を閉じていていいのかという問題意識が我々の中にはありましたので、国会を閉じたことについては極めて遺憾で残念に思います。
 特に、菅総理が野党議員時代、私も官邸にいて、当時の菅議員が若手の議員を集めて、東日本大震災で、こんな危機のときに与野党は一致して復旧・復興に当たるべきだと、国会を閉じるなどということはあり得ないという論陣を構えられて、延長しろという声を高々と上げられてきたことを、私も副長官だったのでよく存じ上げていますし、そのときに我々は70日間の延長を決めさせていただきました。まさに今コロナで危機の状況ですから、10年前の東日本大震災と非常に似たような状況で国会の延長が議論されているわけで、当時野党議員としてそのことを声高に言われていた菅総理が我々の言っている意味がわからないわけはないと思いますので、当時の菅議員の言われていたことも極めてご都合主義的だったと。自分が総理になればそのことについては全く一顧だにしないという、その姿勢には非常に残念に思いますし、我々は国民の命と暮らしを守るために国会を延長するべきだと申し上げていたので、非常に残念に思います。
 2点目については、国会が閉じていても、あしたも議運でいわゆる「緊急事態宣言」の解除か延長かについての議論があります。閉中審査も強く求めていきたいと考えますし、野党のヒアリングも課題別にやっていきたいと思います。もちろん衆議院選挙の活動がありますので、地元に帰られる政治家はそれは構いませんが、例えば参議院の仲間を中心に、徹底的に我々は政府へのチェック機能を果たしていきたいと考えております。

○性犯罪刑法改正WTにおける本多議員の発言について

【フリーランス・堀田記者】
 本多平直さんの発言について伺いたい。両院議員総会で、福山幹事長が言われたように、本多さんをどうするかということ等は出ていなかったわけですね。

【幹事長】
 はい。一切議員からは発言はありませんでした。

【フリーランス・堀田記者】
 というのは、今もう都議選は実際始まっている。都議選の候補者のところに行くと、本多議員の発言で私たちは非常に困っていると、コアの支持者から電話があってどうにかしてくれということがいろいろあり選挙戦を戦えないという声がある。私はいろいろと選挙区を回っているが。10月末ごろに衆議院総選挙があるらしいが、先ほど枝野さんが、地元に帰れということをおっしゃった。そういったことに対してまたいろいろと質問等が出るが、そういったことに対しても何も出なかったわけですか。

【幹事長】
 きょうの常幹、議員総会では出ていません。

【フリーランス・堀田記者】
 第三者委員会はいつ立ち上がるか。

【幹事長】
 我々は常設のハラスメント委員会(ハラスメント防止対策委員会)を常に持っています。我々はずっと以前からハラスメントについては(防止対策を)しっかりやっていこうということで、常設で第三者の皆さんに、委員長を含めて、ハラスメント委員会が立ち上がっております。そこに実際私は、今週の頭だったかな、月曜日かな、ハラスメント委員会の委員長に、この本多平直議員の言葉、さらにはワーキングチームでのどういう状況だったのか、それから外部の先生が来ていただいたときの状況だというのでその先生に事情も聞いていただくことも含めて、事実関係をお願いしていますし、当事者の本多平直議員や他の方々にも状況を確認していただきたいと依頼をしています。
 それからもう一点は、今回の問題は、我々の党側の認識の問題もありますので、そのハラスメント委員会には、もともと党の職員並びに国会議員・地方議員のハラスメントの研修をずっとやっていただいています。特に我々は、ハラスメントというのは支配関係の問題がありますので、議員と例えば職員、議員と秘書が同じところでハラスメントの研修会を受けても、本音で例えば職員側とか秘書側が質問や意見が言えないことがあるので、それも別々にハラスメント委員会からのアドバイスを受けて研修会等をやっていますので、今回の課題について、どういう形で党の認識を深めればいいのかについてのやり方についても、そのハラスメント委員会に諮問をしているところです。

【フリーランス・堀田記者】
 ハラスメント委員会が一回終わったときに、例えば会見とかはないわけですか。

【幹事長】
 一回終わったときというか、もう今依頼して現実にヒアリングや調査等に入っていただいていますので、いつ立ち上がるではなくてもう常設でありますので、そこに今お願いをしているということです。

【フリーランス・堀田記者】
 それはいつから本多さんの問題というのは入ったのか。

【幹事長】
 先週、私が直接委員長にお願いさせていただきました。

【フリーランス・堀田記者】
 1回だけで終わったわけですか。

【幹事長】
 1回ではないです。僕は委員長に、ハラスメント委員会に調査も含めて諮問をしたということです。

【フリーランス・堀田記者】
 早く結果を出したほうがいいです。本当に都議選を戦っている人たちが苦しんでいますから。

【幹事長】
 はい。

【フリーランス・堀田記者】
 北原みのりさんたちが、フラワーデモのメンバーが立憲民主党並びに本多平直さんに抗議に来ると言ったが、きのう国会がああいったことで来られなかった。いつごろ来る予定か。

【幹事長】
 来週で日程を調整していると思います。

○重要土地利用規制法について

【共同通信・小野塚記者】
 土地利用規制法について伺いたい。きのう成立したが、国会審議の中では私権制限や恣意的運用のおそれについての指摘が相次いだ。この法律の中身についての評価と、今後の対応について伺いたい。

【幹事長】
 きのうの国会の審議の状況でも、重要土地規制法案については中身について具体的な答弁が全く政府側からなかったということに私も愕然といたしました。また、本会議での反対討論等で質疑の実態を知って、懸念されている事項についてほとんど中身が明確ではないということで、この法案をこのまま本当に採決して通していいのかという思いでいっぱいでした。ですから、私としては、もう変な話ですが、政権を担わせていただくつもりで衆議院選挙を戦って、やはりご案内のように森友・加計学園を初めとした事実解明、さらには法案でいえば幾つかの法案の見直し、例えば内閣人事局の見直し等もしていかなければいけないと思いますが、この重要土地規制法も法律として政権を担わせていただければまずは見直し対象になるなということを、きのう国会の審議・本会議の討論を聞いて改めてそういう気持ちになりました。

○G7首脳会議について

【フリーランス・安積記者】
 G7について伺いたい。菅総理にとっては初めての国際舞台、対面の会合ということだったが、ほかのリーダーと1テンポ外れたのではないかというような批判がある一方で、声明について日本の意見が結構強く出ているところがあり、台湾海峡、東シナ海、南シナ海、そういったところの安全保障に関して、あえて日本が強く出てアメリカのかわりに矢面に立っているというところがある。一方、中国でレオナルド・ダ・ビンチの「最後の晩餐」をもじった「最後のG7」という風刺画が出ており、日本は犬に例えられている。秋田犬に例えられているらしいが、その中で、放射能のマークのついたやかんから緑色の液体を注いでいて、これは「処理水」だろうということで、東日本大震災・福島原発事故について中国からかなり辛辣な皮肉みたいなことをやられている。これはほかの国に対しての皮肉というところから日本に対してかなり国民に対してえぐるような皮肉だと思うが、こういう中国の反応についてはいかが感想をお持ちか。

【幹事長】
 僕はその風刺画、すみません、つまびらかでないので、どこに載っている風刺画ですか。

【フリーランス・安積記者】
 ネットで。

【幹事長】
 それはどこかの新聞社か何かに載ったやつですか。

【フリーランス・安積記者】
 どこかということではなく中国でということだが、日経新聞が報じている。

【幹事長】
 なるほど。  まずはG7ですね。G7は、トランプ大統領のときにはなかなかまとまらなくて、やはり存在感という点でいうと非常に国際社会からもG7のあり方について議論がこの数年動いていたのは事実だと思います。しかしながら、バイデン大統領になって、G7の一体感みたいなのが今回間違いなく、この数年に比べれば、声明の出し方も含めて、一体感で、一定の方向性で国際社会をリードしようという形の意思は見えたと私は思っています。
 その中で、台湾や東シナ海の問題、いわゆる中国に対する懸念のようなものが表明されたことも、それはやはりアメリカなり日本なりのイニシアティブが大きかったと思います。私も海外でのマルチの会合は何回か出ています。もちろん首脳会談も、マルチの首脳会談も総理と一緒に行きましたし、外務副大臣のときは外務大臣のかわりに外務大臣会合とかでマルチで何カ国かの声明の議論をしたこともあります。おそらく日本の外務省の職員が文言調整については検討されたのだと思います。日本の問題意識を伝えて、それがG7各国の事務方にも伝わり、それが結果として首脳も含めて声明につながったのだと思います。それはそれで結構なことだと思います。
 中国の風刺画については、すみません、出どころがわからないのと、それは日本にも風刺画はいっぱいありますので、風刺画一個一個それにコメントしていると切りがないですし、遺憾には思いますしお話を聞いているだけで何とも言いようがありませんが、あまりそんなものにコメントしても仕方がないなと思います。

○新潟6区について

【新潟日報・鈴木記者】
 新潟6区の話だが、風間直樹さんの二連ポスターの問題だが、党本部のほうから風間さん側にポスターを剥がすように内容証明を送られたということだが、そういう対応に至った理由を伺いたいのと、それから、風間さんはもともとポスターは党本部の指示で張ったというお話をされているようだが、それが事実なのかどうか確認したい。
 もう一点。そうすると風間さんは党員ではないと認識されているということでよろしいか。要は無所属となるという認識でよいのかどうか確認したい。

【幹事長】
 党本部の指示でということは、選対委員長から内容証明が出ているのだから、指示はないと思います。対応についてはもう平野代行にお任せしていますので、私がこの問題について何らかのことを申し上げるべきではないと思いますが、平野代行にお任せしています。
 党籍の話ですが、非常に、(旧)立憲と(旧)国民が合流したときに、いろいろな県連側のとり方と党本部のとり方がいろいろ分かれて発言が異なったことがあるのですが、(旧)立憲民主党所属の党籍を持っている人は自動的に継続という形になっていたので、私自身は党籍は持っておられるという認識でした。ただ、実は現在はもう(今年度の)党の入党申し込みの期限が、一旦毎年区切りますが、その期日が過ぎているものですから、実は今、新たな入党の申し込みは風間さんからないので、現在は、今までではないですよ、現在は、きょうの時点では党籍はないという判断を私はしております。

○政治と金 歳費法改正の議論について

【中国新聞・桑原記者】
 政治と金について伺いたい。河井夫妻問題をきっかけに、歳費返還に関する法律の整備を各党で目指していたが、自民党の対応の遅さもあり、結局今国会では成立しなかった。加えて、河井夫妻も含む疑惑を持たれた当事者たちが今回の国会で一度も説明せずじまいだった。こういうことで、今国会で政治と金の問題は何ら改善を見なかったようにも映るが、幹事長としてどのように映ったか伺いたい。

【幹事長】
 政治と金の問題は、この数年でいえば考えられないぐらい多くの事件が国民の目の前にあらわれ、逮捕、さらには起訴等々も含めて、非常に前代未聞のひどい状況だったと思います。特に歳費の返還については、逆に議員に居続けることによって歳費をもらい続ける議員が何人もいらっしゃいました。このことに対しては極めて遺憾に思います。
 歳費の返還については、各党考え方をすり合わせて、この国会で法案化・法律化したいと思っておりまして、我々も、そうは言っても憲法上の権利もありますので、当該議員がまず国会に来て、政倫審できちっと説明をして、その説明の中身によっては、起訴されても無罪ということもあるわけですが、そこで一定の国会での評価もしながら歳費の返還の割合を考えようという、我々としての考え方を議員立法として準備をして対応していたのですが、自民党は極めて消極的で、結果としては成案にならなかったというのも、一にも二にも自民党の責任だと思います。ましてや原因をつくったくせに全くやろうとしないという、不誠実さのあらわれだと考えています。
 結果としては、吉川元農水大臣、河井元法務大臣・案里前参議院議員、菅原一秀前経産大臣、そして秋元司衆議院議員、全て国会で説明を一切しないままでございますので、これは非常に遺憾だと言わざるを得ません。

【中国新聞・桑原記者】
 関連して、党としては先ほどもおっしゃっていたように今国会での成立を想定して新しい法案を固めていたわけだが、一方で、与党の公明党は自民党と一緒に、次の選挙の前に与党案を固めたいとしている。立憲民主党としては、今掲げている法案の実現に向けて、先ほどいろいろと考え方をすり合わせてというのもあったが、次の国会での成立を目指していくというお考えか。

【幹事長】
 我々はもう自分たちの案がありますので、次の国会で成立できればいいと思いますし、次の国会は、逆に言えば我々は与党としてどういう形で成立させるか考えていかなければいけませんので、そういう状況をつくりたいと、選挙を頑張りたいと思っています。

○経済政策について(1)

【西日本新聞・川口記者】
 幹事長に改めてお考えをお聞きしたいので、先ほどの江田さんへの質問と重複するところもあるが伺いたい。代表がきのう本会議でおっしゃった、税率5%への時限的な消費税減税について、きのう枝野代表は記者団に対して、選挙公約ではないとおっしゃった。おそらく政権をとるかどうかで約束する中身が違うという意味かとも思ったが、改めて立憲民主党としては、政権をとろうととるまいと選挙公約として税率5%への時限的な消費税減税を目指すということを約束するという理解でよろしいか。それから、パッケージとして、一つ目に所得税減税、二つ目に現金給付、その上で三つ目にこの時限的な消費税減税を枝野代表はおっしゃっており、これは一つ目、二つ目を段階的にやって、消費税減税をやるときにはその二つは終えてからという意味でいいのかということを伺いたい。

【幹事長】
 わかりました。要は、消費税減税は時限的なことをやるにしても、参議院がねじれているので、我々が幾ら政権をとらせていただいてやりたくても否決をされる可能性がある。ですから、まずは足元の経済対策としては、1000万円以下の方の所得税減税、それから低所得者の方の現金給付、これはできるけれども消費税減税は法律が通らないので、それはすぐにできないので、選挙公約にしてしまうと、足元実現不可能な可能性が高いのに選挙公約にはできないという意味合いで言われたのだと思います。
 逆に言えば、しかしながら経済をほっておくわけにはいかないですし、国民生活を豊かにし、先ほど江田先生が言われたように我々は需要を喚起していくという形の、自民党側の供給側を刺激するという経済政策から転換をしようという考え方ですので、1個目と2個目については早くやりたい。しかし、消費税の減税は法律が通らなければできないので、参議院がねじれている限りは厳しいので段階でやるしかないという意味で、政権公約にはなかなかなりにくいという意味で代表は言われたと思います。
 ですから、パッケージはパッケージなのですが、実現可能性を言わなければいけないので、私は今回の衆議院選挙は何が大きな要素かというとリアリティーだと思っているのですね。野党とはいいながら、官房長官をした枝野代表が政権を担おうとしているわけですから、ただ単に有権者が喜ぶようなスローガン的な政権公約を掲げて戦うのではなく、ちゃんと実現可能性まで説明をしながらリアリティーを持って新政権をつくりたいというのが枝野代表の思いだと思うので、その分そういう言い方をされたと思います。ですから、若干聞かれている方に関してはわかりにくい部分があるかもしれませんが、そこはリアリティーの話として受けとめていただければありがたいなと思います。

【西日本新聞・川口記者】
 それでは、立憲民主党にとって5%の時限的な減税というのは何だと言えばよろしいか。

【幹事長】
 代表のきのうの演説を見ていただければわかりますように、代表はここだけ「目指します」になっています。

【西日本新聞・川口記者】
 目標ということか。

【幹事長】
 やりたいけれども、実際には参議院はねじれているからやれる可能性が非常に低い。足元はですよ。すぐにはできない、だから目指す。つまり、来年の参議院選挙でそのことを実現するために、参議院の過半数も我々にいただけるようなご支持を国民の皆さんからいただければそれは実現できるから、とにかくそこを目指す。ですから、衆議院選挙も参議院選挙も当然このことは政権の目指す政策の一つには、柱にはなると私は思っています。

○「東京五輪・パラ」「飲食店の酒類提供制限」について

【テレビ朝日・鈴木記者】
 東京オリンピックの観客数について、上限を1万人程度にして観客を入れるというような報道もあるが、これについて幹事長のお考えを伺いたい。
 もう一点、あす議院運営委員会もあるが、「緊急事態宣言」が解除されても飲食店の酒類の提供の制限を続けるという話もあるが、これについても幹事長の考えをお聞きしたい。

【幹事長】
 率直に申し上げますが、観客の1万人がいいのか5000人がいいのかについては科学的な判断が必要だと思いますし、密の度合いとかもありますので、私が軽々に申し上げることはなかなか難しいと思っています。逆に言えば、その議論を政府内でされる限りは、しっかり科学的に説明をして、こういう観客でやるんだということを我々に明示していただきたいと、逆に求めていきたいと思います。一方で、今、プロ野球も「緊急事態宣言」のところは一定の数に減らしていまして、「緊急事態宣言」ではないところでも部分的に割り引いて観客を入れてやっています。Jリーグもそうです。ですから、そちらが観客を入れているのに、じゃあオリンピックは無観客なのかというのも、実はこれも矛盾する話になってきますので、実際に今、プロ野球は観客を5000人で入れてやっておられることについてのリスクとか、そこでの感染がどの程度だったのかも含めて、そこを科学的にご説明いただくことが最も大事なことだと思っていて、失礼な言い方をすれば、とにかく目の子でこの数字で1万人だ5000人だと、そういう話ではないと思いますので、そこはしっかり決められれば決められたで説明責任は政府にあると思います。
 酒類。これは飲食店からいうと酒類の提供ができないとお客さん結局ふえないのですね。それから、時短の話も何時までかによって全然回転が違うのですね。やはりご商売本当にきついと思います。それから、酒類の提供がない状況で本当にお客さんが喜んで行くかというとそうではないと。だから、まさにこの「緊急事態宣言」を今どう捉えているのかです。中途半端に捉えるからそういう話が出るわけで、代表が言われたように、東京は(1日の新規感染者数が)50人レベルまで感染者が減ってクラスター(対策)で潰していけるような状況、それから変異株の水際対策がきちっとできるような状況になれば一定の緩和はあり得るのですが、今みたいな数字だとちょっと本当にリバウンドのリスクが高いので、そこをどうするかということの中で酒類のことについても決めていただきたいと思います。中途半端は一番リバウンドの可能性が高くなるので。
 もう一点。酒の感染のリスクもどの程度なのか。そこも実は、確かにお酒を飲んで大きい声で話せば感染リスクが高まるというのは一定理解するのですが、しかし、それが一体どうなのかということも含めて、例えば一人でレストランに行って一人でビール飲みますというのが本当に感染のリスクが高まるのでしょうか。いわゆる複数人でわいわいがやがやマスクをとって会食をすれば、それはお酒を飲んだらリスクが高まるかもしれませんが、一人でお酒を飲みながら食事をされる場合に、そこまで本当に規制をして、感染のリスクがそこで高まるのかというようなことについても、実は素朴な疑問に対して答えていただいていないので、そこもしっかりあした説明いただきたいと思います。

○経済政策について(2)

【時事通信・近藤記者】
 きのうの枝野代表の消費減税への言及について重ねて質問だが、この5%への時限減税の発言を受けて、野党の各党からは、これで野党共闘に向けた土台ができたと歓迎する向きもある。先ほど、れいわ新選組の山本代表が、一歩前進だと、立憲側から声かけがあったら協議のテーブルに着きたいということを言われたが、野党共闘に向けて協議を開始するというかお声がけをされる用意、お考えは今のところあるか。

【幹事長】
 まずは我が党で、きのう枝野代表が「所信表明演説」で言われたことを、まずはきょう江田先生があのような形でオーソライズしていただきましたが、まずそこのところについては政調も含めて党内でまずカチッと決めたいと思います。
 それから二つ目は、れいわ新選組さんだけではなく他も含めて、それぞれの政党と、本当に選挙区調整をするのかどうかについてはこれから議論になりますので、我々としてはどういう考え方で選挙区調整なり他の野党と協力をするかについての考え方をまとめた上で、消費税5%への減税だけが重なっているからどことでも何でも野党共闘ができるかどうかというのはわからないというか、そこはまだはっきりと我々も考えている最中なので、れいわ新選組が話し合いのテーブルに着く用意があると言っていただいたことについては歓迎したいと思いますが、どこから何を協議を詰めていくかというのはこれからのことだと思います。

○石垣議員をめぐる報道について

【朝日新聞・横山記者】
 石垣のりこ参議院議員の問題のことで伺いたいが、会館の事務所を私的利用したのではないかという一部週刊誌報道もあったが、それに対して何か党として対応していることがあったり今後対応する方針があれば伺いたい。

【幹事長】
 参議院の森幹事長が石垣さんと話をしたと、注意をしたと私は報告を受けております。

【朝日新聞・横山記者】
 事実関係として党としてはどこまで把握しているか。

【幹事長】
 今、森幹事長がそれを聞いていただいて注意をしたということまで報告を受けているので、今の段階ではそんな感じです。

【朝日新聞・横山記者】
 今後の対応については。

【幹事長】
 森幹事長にちょっと様子を、もう一回様子を聞いてみたいと思います。

○新型コロナ 事業者への補償措置について

【「フランス10」・及川記者】
 端的に伺いたい。京都大学の藤井聡先生は、消費税減税も必要だが、もう一方で重視されているのが粗利補償、減収補償を粗利補償でいくということだが、粗利補償についての立憲のご見解を伺いたい。

【幹事長】
 粗利補償という概念かどうかわかりませんが、私はずっと事業者の補償措置のやり方については、一定の、売り上げが減った分の何割かを補償するとか、お客さんを半分だけで営業する場合に、半分しか入れられないわけですから、その分、下がった分の何割かを見ることによって、固定費である人件費とか家賃とか材料費とかが見られることによって、利益は薄くても一定の経営計画が成り立つ可能性がある。そうでないと経営者としては先が見えないと思っているので、そういう補償のあり方が必要だということをずっと言われていたので、その粗利補償と考え方としては若干近いかなとは思います。

○「大深度地下使用法」「経済政策(3)」について

【フリーランス・横田記者】
 リニア・外環道で問題になっている大深度法の見直しについて、都議選あるいは衆院選で公約化するお考えがあるかということと、山本太郎代表の関連で、以前福山幹事長が面談の申し入れをしたという話をお聞きした記憶があるので、消費減税5%を旗印にするかどうかでれいわとの選挙協力が成り立つかどうかが決まると思うが、それについて改めて面談を申し入れるお考えがあるのか伺いたい。

【幹事長】
 1点目は都連に聞いてください。

【フリーランス・横田記者】
 リニアは全国的なテーマで、京都でも大深度法で新幹線を掘る場合に大きな被害が出るおそれがあるということで、大深度法は全国的テーマだと思うが。

【幹事長】
 それならば、そこはちょっと政調と相談してみます。  2点目は、先ほども申し上げたように、我々は我々の政策として時限的に消費税減税はこのコロナの状況の中で必要ではないかということを判断しました。加えて、消費税だけが我々の政策ではありません。先ほど申し上げたように1000万円以下の所得税減税から貧困層に対する現金給付も含めてトータルパッケージの議論をしているので、消費税だけを切り取ってやれ野党共闘のつなぎになるとか野党共闘でやっと立憲が乗ってきたみたいな話は若干我々の今の立ち位置とは違うのですが、そこは先ほど申し上げたように、どの政党とどういう形で話し合いを進めていくのかは今後検討していきたいと思います。