【代表談話】沖縄全戦没者追悼式の開催にあたって
立憲民主党
代表 枝野幸男
令和三年 沖縄全戦没者追悼式が挙行されるに当たり、戦没者の御霊に対し、謹んで哀悼の誠を捧げます。
先の大戦において、沖縄の地は、多くの住民を巻き込んだ地上戦の場となり、苛烈で凄惨な戦闘により20万人以上の尊い命が失われました。戦禍の犠牲になっただけでなく、自ら命を絶たざるを得なかった人や、餓えや病で亡くなられた人もおられ、沖縄の方々の筆舌に尽くしがたい苦しみに思いを致すとき、今なお新たな悲しみと痛恨の思いが胸に迫り来るのを禁じ得ません。
今年も新型コロナウイルス感染症が終息していない中で、「慰霊の日」を迎えることになり、式に参列できずメッセージの送付という形をとらざるを得なかったことは残念です。改めて、感染症でお亡くなりになった方々にお悔やみ、関係者にお見舞いの言葉を申し上げるとともに、今なお対応にあたっている医療従事者やエッセンシャルワーカーの方々に心からの敬意を表します。
来年5月には沖縄の本土復帰50周年を迎えます。現在も沖縄に在日米軍基地の7割が集中し、県民の皆様に長年にわたり多大な御負担をおかけしていることは、慙愧に堪えません。立憲民主党は、沖縄の基地負担の軽減に全力を尽くすことを改めてお誓いします。
我々は、沖縄の民意を尊重し、軟弱地盤の問題などが明らかになった辺野古移設工事は中止し、沖縄の基地のあり方について見直して米国に再交渉を求めていきます。ましてや、辺野古新基地建設に、多くの沖縄戦犠牲者の遺骨が眠るこの沖縄南部地区の土を使うことなどあってはなりません。さらに、地位協定について、米軍、軍人等に対する国内法の原則順守などについて米国と協議し、米軍駐留のあり方を改善する努力を続けます。
沖縄戦終結から76年目の夏を迎えています。今日の日本の平和と繁栄は、沖縄の皆様の尊い犠牲と苦難の上に築かれています。日本は、二度と国民、そして沖縄を戦禍に陥れないという不戦の誓いを堅持し、現実的で冷静な対応をしつつ、国際社会の一員として正義と秩序を基調とする外交努力を通して国際平和を誠実に希求してまいります。
この地に眠る御霊の安らかならんこと、御遺族の方々の御多幸を心からお祈り申し上げ、私のメッセージといたします。