立憲民主党は29日、新型コロナウイルス対策本部と会派の厚生労働部会・文部科学部会の合同会議を国会内で開き、(1)全国及び五輪選手・関係者の感染状況(2)選手等で感染検査の未受検者への対応など前回会議での質問に対する回答――について、政府からヒアリングをしました。
冒頭のあいさつで、対策本部長の逢坂誠二衆院議員は、東京都に緊急事態宣言が発出されたにもかかわらず、28日に新規感染者が3,000人を超え、感染が急激に拡大している中、菅総理がオリンピックの中止はあり得ないと発言したことについて、「アクセルとブレーキをいま一緒に踏み込んでいる状況だ」「総理は今やらなければいけないこと、こういう状況に対して国民の皆さんに何をお願いするのか明確にメッセージを発しなくてはいけない。ところが、総理のメッセージを聞いていると極めて楽観的」と批判しました。そして、菅総理が人流、重傷者が減っていると言及したことについて「人流が減っているところもあるが、増えているところもあり、その現実をどのように捉えているのか。医療がひっ迫し、医療崩壊だという現場の声が総理には届いていないのではないか」と述べました。
また、総理が28日に言及した抗体カクテル療法ついて「錠剤で服用できるものではなく、それなりに施設の整った病院に行って点滴を受けなければいけない。しかも数には限りがある。こういう抗体カクテルを例に出して、『国民の皆さんご安心ください』というメッセージを出しているのは全く認識がずれている」と指摘しました。
厚労部会長の長妻昭衆院議員は、政府や東京都が一時期に比べ重症者が減っていることを強調していることについて「まだピークに達していない。今は増えていく始まりだ」と危機感を示し、東京のある区では保健所がほぼパンク状態で、DMAT(災害派遣医療チーム)の派遣を要請したいくらいだという状況にまで陥っていること、東京都が患者の入院先を調整しても受入れ先が決まらない件数が100件程度に上っていることを挙げ、2、3週間後にかつてない医療ひっ迫が都内で起きるという都内の医師らの認識を紹介しました。
自宅療養していて亡くなられることは何としても防がなければいけないとし、「入院すべきなのに自宅療養されている方には、担当の医師をつけて、最低でも1日1回オンライン診療で様子を伺い、パルスオキシメーター(酸素測定器)を全員に配布するというような対応を漏れなくしてほしい」と要請しました。
参加議員からは(1)菅総理が発言した「人流の減少」の根拠は何か、人流が増えている場所があることをどう捉えるのか(2)自宅療養の患者すべてに医療用酸素を提供できるか(3)入院できずに自宅療養となった患者に最低1日1回、担当医が往診なり、オンライン診療をできる体制になっているか(4)今後さらに感染が増えた場合に現状の医療提供体制で対応できるか(5)羽田空港で働いている人の感染が増えているという情報があるが事実か(6)五輪選手、関係者の選手村からの外出に関するマニュアルは修正され警備員などにも徹底されているのか(7)選手・関係者がPCR検査を実施する際に誰かが立ち会うのか(8)オリパラ関係者の感染者の約半分は業務委託事業者だが、業務委託先の感染対策が不十分なのではないか――等の質問、指摘が上がりました。
斉木武志衆院議員は、28日におこなわれたIOCと組織委員会の会議録について情報提供があったと明かし、来日14日以内のメディア関係者による公共交通機関の使用、弁当を大量廃棄するフードロス問題などについて話し合われていることを紹介し、政府に事実関係を確認しましたが、内閣官房オリパラ事務局は、組織委員会に確認しないと分からないとの回答でした。また、丸川珠代オリンピック大臣が選手等のスクリーニング検査の頻度を3日から4日に1度から毎日に増やしたが、検査に係る人員が増やされず、オーバーフロー状態になっており、未受検者への対応もできていないと指摘しました。政府担当者が質問に回答できないことが相次いだため、組織委員会の説明者が出席し、直に説明するよう、合同会議として改めて要請しました。
最後に長妻厚労部会長は、組織委員会の要請でオリンピックに派遣されている7,000人近くの医療従事者について、医療がひっ迫した場合は、その医療従事者を現場に戻してほしいと確約を求めました。内閣官房オリパラ事務局は、組織委員会に伝えると応じました。
党コロナ本部・会派厚労・文科合同会議_次第.pdf
(オリパラ事務局)【議題1.説明資料】210729立民・合同部会.pdf
(オリパラ事務局)【議題1.別添資料①】210729立民・合同部会.pdf
(オリパラ事務局)【議題2.別添資料】210729立民・合同部会.pdf
(警察庁)議題2-⑥1.pdf
(警察庁)議題2-⑥2 .pdf
(警察庁)議題3-⑮.pdf
(厚労省).議題2-④.pdf
(厚労省)議題2 0721療養状況調査.pdf
(厚労省)議題2 210728【資料1】感染状況分析・評価(グラフ有).pdf
(厚労省)議題2 重症者・新規陽性者数の推移.pdf
(厚労省)議題3-⑱_回答様式.pdf
(厚労省)議題3-⑳ 210729_国保回答メモ(立憲部会).pdf
(斉木議員資料)コピペ禁止メール改.pdf
(厚労省)西浦先生提出資料.pdf
(総務省)議題2 210729(立)新型コロナウイルス対策本部会議提出資料.pdf
(文科省)議題3-⑯【スポーツ庁回答】20210729立憲民主党新型コロナウイルス対策本部・会派厚生労働部会・文部科学部会 合同会議の宿題事項 .pdf
0721療養状況調査.pdf
210729(立)新型コロナウイルス対策本部会議提出資料.pdf<
210729(立)新型コロナウイルス対策本部会議提出資料.pdf
議題1-④.pdf
山井議員資料210729コロナ合同会議.pdf