福山哲郎幹事長は9日、政府が緊急事態宣言等の延長する方針を国会に報告したこと受け、国会内で記者団の取材に応じました。東京では7月12日から2カ月にわたって緊急事態宣言が続いたにもかかわらず、またもや延長せざるを得なくなり、自宅療養者が13万人を超え、重症者も約2000人と医療のひっ迫が続いていることを取り上げ、「今回の延長は仕方がないと思うが、この間、政府は一体何をしてきたのか。病床の確保をどうしてきたのか。ワクチンの確保はどうなっているのか。そして検査は本当にしっかりとやられているのか。こういったことが全く分からない中、漫然と緊急事態宣言の延長が続いている。だからこの宣言の効果もよく分からない」と述べました。
そして、「私は明確に申し上げたい。総裁選より大切なのは国民の命であり、コロナ対策なのではないか。今日の議院運営委員会でも菅総理が出て来られなかったし、臨時国会も開かない。コロナ対策に専念をするとおっしゃられた総理が、なぜ国民に説明をしようとしないのか全く理解できない」と政府与党の対応を批判しました。さらに、「国民の生活、低所得家庭の困窮、さらには事業者の厳しい状況。なぜ臨時国会を開いて補正予算を組もうとしないのか。総裁選挙にかまけて政治空白を作って、そして漫然と緊急事態宣言を延長するのが政府の仕事なのか。総理が今日、国会に出て来なかったこと、議運委員会で説明をされなかったことについて甚だ遺憾に思うし、残念に思う」と語気を強めました。
その上で、「われわれとしては、臨時国会を開いて国民生活を守るための補正予算を組み、そして感染拡大には補償とセットでやる。さらには検査の拡大を徹底的にやる」ことを訴えていると話し、党でまとめた、足元でやらなくてはいけないコロナ対策を10日に発表する考えを示しました。
政府が感染予防のための制限を緩和することについて問われると「いきなりルールが変わることについて、昨日唐突にメディアを通じて拝見した。これがどのような形での感染の縮小、何故そのように緩和をしても大丈夫なのかという説明がまだない。中途半端に緩和することによって、さらにリバウンドを起こすリスクも出てくると思う。(説明を聞いていないので)今のところ評価しようがない」と述べました。政府が11月以降の緩和について議論していることについて、「11月は菅政権ではもうなくなっているわけで、先のことを議論することによって、国民の皆さんに誤解を与えることにもなるし、こういったことより、まずは足元をどうするのかを国民に伝えることが今必要な役割ではないか」と苦言を呈しました。
また、菅総理が訪米を調整していることについて聞かれると、自身が官邸で総理の訪米を調整し、外務副大臣を務めた経験から、「各国の首脳とお目にかかって国際公約を約束できないし、そこで発言したことに対して将来的に責任が持てない総理が外遊することについては、なぜ外遊するのか、なぜ辞めると言って訪米するのか、いささか理解に苦しむ。それなら臨時国会を開いて、国会に出てくるべきだ」と述べました。