2021年9月24日

東京電力の度重なる不適切事案について(コメント)

立憲民主党 東日本大震災復興本部長 玄葉 光一郎
震災復興部会長  金子 恵美

 東京電力の不適切な事案がまた発覚した。
 福島第一原子力発電所の汚染水を浄化するALPSに取り付けられている排気フィルター25箇所のうち、24箇所で破損していたことが明らかとなった。しかも、2年前も25箇所全てで破損が見つかったものの、東京電力は当時公表をせず、原因究明や再発防止策も講じていなかった。
 また、廃炉作業で生じた線量が低い瓦礫等の固体廃棄物が増え続けており、そのずさんな管理が明らかとなった。本来、瓦礫等の廃棄物は「一時保管エリア」に運搬することとなっているが、東京電力は180箇所の「仮設集積場所」に暫定保管し、その容量は6万m3にも及ぶとのことである。東京電力は認可されていない仮設集積場所での保管を原則1年としているが、1年以上保管されているものや、表面が腐食したコンテナに収められているものがあるという。

 原発事故から10年以上が経過し、再び東京電力の安全に対する姿勢が問われている。今回の事案について、原子力規制委員会は「根本的な問題は東京電力の姿勢にある」と厳しく批判している。こうしたトラブル隠蔽などの不適切事案は、これまで幾度となく繰り返されてきた。その度に東京電力は謝罪し、原因究明と再発防止に取り組むと約束してきた。しかし今回、改めて東京電力の変わらぬ企業体質が浮き彫りとなったことは誠に遺憾である。
 福島復興の大前提である廃炉やALPS処理水の処分には福島県民を始め国民の理解が不可欠であり、東京電力が直ちに取り組むべきことは、その信頼を取り戻すことである。

 立憲民主党は、廃炉作業に取り組む現場の方々に心からの敬意を表する。その上で、東京電力に対しては、不都合な情報も含めた全ての情報公開の徹底と国民への丁寧な説明及び廃炉現場の管理体制の抜本的強化を強く求める。また、政府は、東京電力に対し今回の事案について徹底した原因究明と抜本的な対策を講じるよう指導・監督するとともに、廃炉現場における第三者による監視・チェック体制の強化を図り、トラブル等の再発防止を図るべきである。

以上

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