枝野幸男代表は17日、北九州市を訪れ、きいたかし前衆院議員(福岡第10区)とともに小倉駅前で街頭演説をおこないました。

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 きい前議員は、コロナ禍の中、地域の方の声を聞いてまわり、「たとえば事業者の方から事業継続には持続化給付金の再給付や家賃支援給付金の再支給などで雇用を守り、そして固定費を確保することで事業を続けられるという声をたくさん伺った。ならばわれわれから、議員立法を出そう。そういうことを続けてきた」と国会で新型コロナ対応の改善に取り組んできたことを振り返りました。そして、特に感染確認の数が少なくなった今だからこそやっておかなければいけない準備として、(1)医療機関などでの臨時の病床の準備や医療従事者の処遇の改善(2)生活支援や事業者支援(3)これ以上変異株を海外から入れないためには、少なくとも10日間宿泊施設等での隔離(4)ワクチンが希望者にある程度行きわたるのが11月末なので、陰性証明のための検査を拡充し、『誰でもどこでもPCR検査』を税金できちんとできるようにすること──を挙げました。そして、「コロナ後の社会回復、経済回復に向かっての道筋をぜひわれわれから提案して、政府与党が足りないならわれわれが代って政権を担って、やらせてもらおうと思っている」と訴えました。

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 16日に北九州青年会議所が主催した候補予定者の討論会で、きい前議員が「政治の課題の1つとして、社会で広がる格差をただしたい」と述べたところ、自民党の山本幸三前議員から何を見て格差が広がっているのか、ジニ係数はこの間狭まっているので、格差は縮小しているではないかとの質問を受けたことを紹介。これに対しきい前衆院議員は、「山本さんは国民の生活を数字で見ているんですね。私は実態を見たいと思います」と答えたと明かしました。そしてコロナ禍の実態について、「非正規雇用の方、パートやアルバイト、臨時社員、派遣社員の方は確かに増えた。でもその方々の給料は思うよう増えてきたか。むしろ減ってきたのがこの10年。さらに言えば貯蓄がゼロの方がいまどれくらいいるのか。2人以上の世帯の方で23%、独り身の世帯の方だと38%。子育て世帯でも特にひとり親の方、そして非正規で働く方でも特に女性。そしてアルバイトの半分が飲食店だったという学生。こうした方々は、暮らして行きたい、頑張りたい。でも、自助努力がかなわない。自分で努力して収入を増やそうと思った時に、思ったところまで手が届かない方々ばかりだ。だから社会福祉協議会に駆け込んで、借金をしてしのいでいる方がこんなに増えている。こういう自分の力がかなわない方々が、困り果てているところに政治や行政がいま寄り添わなくて、いつ寄り添うのかと申し上げた」と報告。

 その上で、分配の強化とは「暮らしや職場、お困りの方、しっかり支えて目の前のコロナや災害や経済の不況、苦しいところを乗り越える手立てをしっかり準備するので、一緒に乗り越えよう、共に生きていこうというのはそういうことだ」と訴えました。そして「エッセンシャルワーカーには、保育や教育、そして福祉、公共交通、運輸――生きていくのに、暮らしていくのに必ず必要な職種はたくさんある。そういう方々の社会的な地位をもっと上げて行って、選ばれる職業にしていくことで、いざという時の備えになる、しなやかで強い日本にしていきたい。このことを実現していきたい」「地域で働くエッセンシャルワーカーの方々の待遇が上がると、お財布があたたまり、個人の消費が上がってくれば地域の経済は元気になり、地域の次の成長を掴める。これが本当の意味での成長と分配の好循環になるはず。このことをぜひやらせてほしい」と主張しました。

 そして、「暮らしの、職場の格差の現実を数字でしか見れていなかった、残念な自民党政権から、苦しい方、頑張る方に寄り添って支える新しい政権を作らんとする私、きいたかしに、ぜひ皆さまの力をいただきたい」と支持を訴えました。

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 枝野代表コロナ対策について、「せっかくここまで(感染者数を)下げたのだから変異株を入れてはいけない。水際対策を厳しくなくてはいけないのに、9月になって緩めたんですよ、政府は。やっていることが逆ではないか。本当にこれでいいのか」「私たちがPCR検査を増やせと法案を出したのは昨年の3月。それからずっとやらないで来た。第5波の時は、濃厚接触者でさえ、ろくに検査が受けられない状況になったではないか。これも感染者数が減っている時が大事。減っているということは、新たに1人見つかった時に、その周りの人を大量に検査できる。国の金で検査する。そうすると濃厚接触者までいかないけれど、感染している可能性のある方を500人でも1000人でもやる。そうしたら、その中に自分がまだ気づいていない感染者を発見し、そこから広がるのを止める。これでリバウンドを防ぐことができるではないか」と主張しました。

 また、立憲民主党は持続化給付金の再支給の法案を今年3月に提出し、低所得者、生活困窮者に対し、もう1度10万円給付をする法案も今年3月に提出したことに触れ「審議拒否という言葉が野党の批判に使われるが、われわれが具体的に法案を出しても、審議拒否をしてきたのは自民党と公明党。私たちは臨時国会を開いて、補正予算を出すよう求めてきた。それを今頃になって、選挙の直前になって、選挙目当てに言い出す。そういう政権を皆さんは信用できるのか。本当にリバウンドを止めて、そして傷んでしまったご商売と暮らしを立て直すことができるのか。私たちにこそ具体案がある。政府にこそ対案がない。それがコロナ対策の2年間の現実だということを皆さんに知っていただきたい。ぜひ私たちにこのリバウンドを止める、そして傷んでしまった暮らしと経済を立て直す仕事をさせていただきたい」と訴えました。

 枝野代表は、きい前議員について、「特に教育分野でこの4年間、大変な実績を上げてきてくれた。大学入試が大混乱した、とんでもない民間委託について、最終的には当事者の若い皆さんも声を上げて止めることができた。だが、最初から地道にコツコツと、おかしいじゃないかと声を上げて、どこに問題があるのかということを国会でやってきた、まさにど真ん中にいたのがきいたかしさん」「きいさんは、教育現場の出身ではないけれど、教育にものすごく力を入れて、よく勉強している。だから政策の取りまとめ役として大変大きな力を発揮していることを皆さんに知っていただきたい」と紹介しました。そして、「いつの間にかもう若手ではない。もうど真ん中の中堅。ぜひ小選挙区で勝たせていただいて、国会のど真ん中で、うまくいけば政権のど真ん中で働いてもらいたい」と支持を訴えました。

 枝野代表は最後に、「この2年間のコロナ対策で、ろくな医療を受けられずに命を落とした人がいる。頑張って商売を続けてきたのに、お願いばかりされて支援も何もなく、店を閉じざるを得なかった人がいる。仕事を失って明日の食べ物にも困って自ら命を絶った人がいる。こんな政治、皆さん変えなくていいんでしょうか」「大きな力を持った豊かな人たちがより豊かになって、多くの皆さんの暮らしがずるずる後退してきた。こんな政治がこのままでいいんでしょうか。何よりも、隠す、ごまかす、公文書を改ざんする、こんな不誠実な政治――政治とカネのど真ん中の疑惑にある人をよりによって幹事長に据えるこんな不誠実な政治、本当に許していいんでしょうか。皆さん、政治を変えよう。変えようではありませんか。私たちは、変えるための準備と覚悟ができている。そのど真ん中にきいたかしがいる。ぜひ皆さんの力で、きいたかしさんを押し上げていただくことを通じて、私たちと一緒に変えよう。変えようではありませんか。そのためにはあなたの力が必要です。あたなの力が必要です。一緒に新しい政治を作っていきましょう」と呼びかけ、演説を終えました。

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