第49回衆院総選挙が公示された19日午後、枝野幸男代表は島根県、鳥取県での応援から帰京し、東京での第一声は、野党共闘に向けて他党との候補者一本化が実現した東京8区の吉田はるみ候補のもとに駆け付け、支援を呼びかけました。

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■東京8区 吉田はるみ候補

 吉田はるみ候補は、野党統一候補としての立候補となったことに、6年間活動を共にしてきた地元市民らに感謝の意を述べるとともに、苦しい決断と苦悩と乗り超えて出馬を断念した他党に対して心よりの敬意を表明。「それぞれの候補に託したかった思いはあると思うが、嵐を乗り越えてスタートする。緊張すると同時に、絶対負けられない戦いになった」と述べました。

 その上で、この6年間、地元・杉並区内で多くの声を聞き続け、特にコロナ禍では、「立憲民主党杉並」として相談窓口を設置、地域を回り電話相談を受けたり、介護事業者向け、保育事業者向け、飲食店向けなどとさまざまな業者、分野別のアンケートをおこなったりと、できるだけ地域、現場の声が政治に届く地道な活動を続けてきたと話し、いくつかの事例を紹介。3つのアルバイトをかけもちしている20代の女性は、「頑張らないと来月の家賃が払えない」と話し、吉田候補が寄り添うと「誰かに助けてもらえるなんて思っていなかったと」と涙を見せたと言います。80代の母、90代の父の介護をしている50代の車いすで生活する女性からは「生きていくことをあきらめたくなることがある」との声を聞いたとして、「こんな日本違うと思うなあ。苦しい時に苦しいと言える。お互いに助け合おうと言える日本に変えたい」と述べました。

 成長と分配どちらが先かという議論があることには、「分配が先」と明言。「いま世界的なパンデミックで未曽有の災害を経験し、心身ともに疲れ、傷を抱えている。まずは癒しが必要。休む時間、充電する時間があると前に踏み出していく力が湧いてくる。新しいものを創造していく力が湧いてくる。いま日本は、まずその力をためるときだと思う。アベノミクスから8年、株価や富裕層の資産は倍になったが、私たち生活者の収入は倍になっていない。豊かな方々が潤った、その流れが生活者にくるというトリクルダウン式な景気回復ではない、景気回復を目指したい。消費税5%で生活の応援をし、個人消費から景気回復をめざしていく。社会保障の安心、教育の平等などの安心ができてこそ私たちは消費をしようという気持ちになる。上からではなくボトムアップの景気回復をめざしていきたい」と述べました。

 最後に、「市民と野党の統一候補としてここに立たせていただく。さまざまな思いをもって私を応援してくださる方がいらっしゃることを承知している。違いこそが力。多様性こそが次の日本の未来を創る強さではないか。信頼される政治を回復するために誠実に歩んでいく」と力を込め、演説を締めくくりました。

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■枝野幸男代表

 枝野代表は冒頭、「選挙の直前にさまざまなことがあって、この東京8区で『政治を変えよう』と、さまざま努力を積み重ねてきた皆さんには大変な心配とご苦労をおかけした」と陳謝。候補者擁立を見送った各党の決断に謝意を示し、「自民党と一騎打ちの構造をつくっていただいた。ただ、一騎打ち構造は目的ではない。今の政治を変えるために、小選挙区で自民党の議席を減らすために多くの皆さんが苦渋の決断をしていただいた。だから一騎打ちに臨む代表選手にしていただいた、吉田はるみにも立憲にも大きな責任がある。今日からが本当の勝負。ぜひ皆さんの大きなお力添えをお願い申し上げます」と呼びかけました。

 その上で、同日午前、北朝鮮の東側から弾道ミサイル2発が発射されたことを受け、「東アジアと日本の平和と安定を脅かす。そして累次の積み重ねられた国連決議に明白に違反する暴挙である。断固として許されるものではない。わが国として、健全な日米同盟を基軸とし、日米韓連携しながら北朝鮮の暴挙に対して、毅然と対応していかなければならない」と表明。関連して、ちょうど10年前の2011年、内閣官房長官に就き仕事をするにおいて、引継ぎ事項の1つに「日本に有事が生じたときに、その危機管理の司令塔は総理官邸である。総理と内閣官房長官がこの国の危機管理を担っている。だから、どちらかは必ず東京にいてください」とあったと指摘。これに反して、同日総理は東北に、官房長官は自身の選挙区の千葉にいたことを問題視。「ミサイルが飛んだとき、危機管理を担うべき2人ともが東京にいない。いつから長年積み重ねられてきた慣習を壊したのか。危機管理に対する意識が足りないことを露呈したのではないか。どういう危機管理の意識なのか。この意識の欠如によって、残念ながらこの2年近くのコロナ対策の中でも多くの皆さんの命を、暮らしを脅かしてきたのではないか」と断じました。

 「第6波のリスクがある中で、これからも今の政権に委ね続けるのか。そのこともこの選挙の大きな争点だ」と強調。「総理も、官房長官も2人そろって東京にいない。この状況で東京直下型地震を起きたらどうするのか。誰が官邸で指揮を取るのか。こうした危機意識のない政権を変えるためにも、この総選挙は大事な選挙だ」と述べ、立憲民主党への支援を訴えました。

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