新型コロナウイルス対策政府・与野党連絡協議会が24日午前、国会内で開かれました。立憲民主・無所属からは小川淳也政務調査会長が出席し、新型コロナウイルス対策等に関する要望事項を提出し協議を求めました。

 協議会では、立憲民主党の次の要望について政府から回答がありました。

(1)雇用調整助成金の特例措置や緊急小口資金など3月末で期限が切れる支援措置についての延長を求めたところ、一両日中に延長を決めたい旨の回答がありました。

(2)在外邦人の3回目のワクチン接種を空港で行うことができるように求めたところ、ほどなく結論を得たいとの回答がありました。

(3)アストラゼネカ社のワクチンについて、3回目接種ができるよう考え方を示す旨求めたところ、mRNAへのアレルギーがある人もいてニーズもあることから、薬事申請があれば速やかに承認手続きを進めたいとの回答がありました。

 今回、党からの要望は次のとおりです。


新型コロナウイルス対策等に関する要望事項

2022年2月24日
立憲民主党・無所属

【今回協議を求める件】

1.東京都内でオミクロン株BA.2の市中感染が確認されたことから、検査の拡充や医療体制の確保、事業や生活への経済的支援の拡充など感染拡大防止に万全を期すること。また、今後の重症者数の急増を想定し、病床確保など、先手の対策を打つこと。

2.感染症法等を改正し、都道府県を越えた患者の受け入れや医療従事者の派遣のための体制等を法的に整備すること。立憲民主党が提出した「オミクロン・感染症対策支援法案」(通称)を踏まえ、感染症法等改正について、速やかに与野党協議を行うこと。

3.雇用調整助成金の特例措置を4月1日以降も継続すること。その際には、企業規模にかかわらず、労働者を解雇せず休業させた事業主に対する雇用調整助成金の助成率を10/10とすること。

4.緊急小口資金、総合支援資金の特例貸付、生活困窮者自立支援金の支給、住居確保給付金の特例支給を4月1日以降も継続すること。また、今年度末で締め切りを迎える各種支援策について、感染状況や社会経済活動の状況に応じて延長を検討すること。

5.政府が個人申請方式の導入を決めた小学校休業等対応助成金について、既に取得した休暇に対しても個人申請方式で支給することとし、4月1日以降も継続すること。

6.雇用保険等の特例措置について、失業手当の給付額の支給割合を20%引き上げ、失業手当の所定給付日数を1年間にわたり一律90日間延長するために必要な予算を措置すること。

7.事業復活支援金について、長期にわたる事業者への不安に備え、予見性を高めて事業継続が行われるよう、対象期間や給付上限額を拡充すること。また、立憲民主党が提出した「事業復活支援金・給付額倍増法案」について、速やかに与野党協議を行うこと。

8.ワクチン接種について、「接種券無し追加接種」を進めるなど、高齢者や基礎疾患を有する者、妊産婦などコロナ感染による高リスク者の接種の加速を図ること。特に高齢者施設入所者及び介護職員の3回目接種を2月中に確実に完了させること。

9.在外邦人の生命や身体の安全を確保することは国の責務であり、在外邦人が日本承認のワクチンを現地で3回目接種できるようにすること。また、少なくとも2回目までの接種と同様に、追加接種を日本の空港でできるようにすること。

10.アストラゼネカ社のワクチンを接種した方の3回目接種の考え方を示すこと。

11.人工透析が必要な腎臓病患者は、感染すると重症化しやすく、死亡リスクが高いが病床は逼迫しており、都市部では症状が重くても入院できないケースも出ていることから、透析患者対応の病床確保への取り組みを強化すること。

12.新型コロナウイルス感染症の後遺症に関する研究調査及び、後遺症を診療する医療機関を拡充すること。

【引き続き協議を求める件】

(対応の検証)
13.各地で、濃厚接触者が検査を受けることができないこと、「みなし陽性」や「自主療養」といった運用をせざるを得ない状況が生じていることについて、検査体制等を充実し最悪の事態を想定したにもかかわらずなぜこのような事態になったのかを速やかに検証し、今後の対策に生かすこと。

(検査の拡充)
14濃厚接触者、医師が必要と判断する者、エッセンシャルワーカー、検査を希望する者が迅速確実に検査を受けることができるよう、十分な検査キットを確保するなど検査体制を拡充すること。

15.感染急拡大地域でも速やかに無料検査が受けられるように、無料検査所を大幅に増やすこと。

16.地域において外来医療のひっ迫が想定される場合には、「症状が軽く重症化リスクが低いと考えられる方について、自らが検査した結果を、行政が設置し医師を配置する健康フォローアップセンターに連絡し、医療機関の受診を待つことなく健康観察を受けること」を可能とするという方針について、最悪の事態を想定していたにもかかわらず、なぜこのような事態になってしまったのかを速やかに検証し、今後の対策に生かすこと。

17.感染拡大が起こっても感染経路を確実に追うことができるよう、PCR検査、全ゲノム解析を充実させること。

18.出入国管理を徹底し、全ての入国者をホテルで10日間隔離し1日目、6日目、9日目にPCR検査を実施すること。

(医療提供体制の充実)
19.法的整備までの間は、首相をトップとする病床確保等本部を官邸に設置し、国と都道府県の協議の下、都道府県を越えて患者を受け入れる体制や医療関係者を融通し合う体制、在宅診療をフォローアップし保健所が対応できない自宅療養者等をケアする体制を確立すること。

20.第5波の反省に立ち、自宅死を出さないために、自宅療養者へのケアを充実するとともに、入院が必要な患者がすぐに入院できる体制を整備すること。

21.患者が自宅療養する場合には、在宅で持続的な酸素投与ができる体制を整備するとともに、感染防護品を確実に供給すること。

22.経口薬「モルヌピラビル」を全国に迅速に十分な量を届けること。また、登録された医療機関や薬局に対して、感染者の急増に対応するために希望量を配備すること。

(事業者支援、生活者支援)

23.「新型コロナウイルス感染症等の影響を受けた低所得者に対する特別給付金の支給に関する法律案」(コロナ困窮労働者給付金法案)について、与野党協議を行うこと。

24.活動の縮小や停止を余儀なくされている文化芸術関係者や関連業種従事者への支援について、 支援対象を拡大し、予算を大幅増額すること。

25.移動の自粛により、公共交通機関の経営が極めて厳しい状況にあることに鑑み、需要回復に至るまでの支援策を講ずること。

26.コロナ後の観光立国再構築を見据え、GoToトラベルの一時停止等により窮地に陥っている観光関連産業の雇用・事業継続のため、支援策を講じること。また、立憲民主党が提出した「観光産業事業継続支援金支給法案」について、速やかに与野党協議を行うこと。

(学校関係)
27.集団で行われる入学試験や資格試験が、安全かつ円滑に、また受験生に不公平が生じないよう行われるよう万全を期すこと。

28.学校現場において必要十分な教員や指導員などの人材の確保を行うとともに、必要な備品の確保、施設・設備の改修支援を行い、学びの機会を保障すること。

29.飲食店の時短営業などに伴い、保護者の収入やアルバイト収入等が減少している学生等への支援を行うこと。

(孤独・孤立、自殺対策)
30.全国の自治体等と連携し、孤独・孤立している人への支援、自殺対策(生きることの包括的支援)に万全を期すこと。

(ワクチン)
31.子どもを守るために、まずは周囲の成人(子どもに関わる業務従事者等)へのワクチン接種を促進すること。5~11歳の健康な子どもへのワクチン接種については、接種のメリット(発症予防等)とデメリット(副反応等)を十分説明するとともに、本人と養育者が十分理解し、接種前・中・後にきめ細やかな対応を図ることができるようにすること。また、5歳~11歳の基礎疾患を有する子どもへのワクチン接種については、本人の健康状況をよく把握している主治医と養育者との間で、接種後の体調管理等を事前に相談すること。

32.ワクチン3回目の追加接種の前倒しの加速のため、ワクチンの確実・円滑な調達・配送に加えて、供給スケジュールを前もってしっかりと示すとともに、医師や看護師ら打ち手の確保や接種体制の整備に万全の支援を行うこと。

33.オミクロン株対応ワクチンの確保に万全を期すこと。国産ワクチンの早期開発に向け、さらに支援を強化すること。

34.ワクチン供給が限られている中では、医療従事者・施設系介護職員だけでなく、訪問系の介護職員、学校教職員、保育園職員、学童保育関係者、妊婦、在宅の透析患者や血友病患者、中和抗体値が下がっている方等を大規模接種会場における優先接種の対象にすることを検討すること。

35.交差接種を含むワクチンの有効性及び安全性、副反応情報など、具体的情報を正確・迅速に伝えるなど、ワクチンに関するリスク・コミュニケーションを一層強化すること。

(政府与野党連絡協議会・政府組織)
36.政府与野党連絡協議会を原則毎週開催すること。

37.政府に専任の広報官を設置すること。

以上