泉健太代表記者会見(立憲民主党2022年度定期大会終了後)

2022年2月27日(日)14時31分~14時53分
於:都市センターホテル「コスモス」
発行/立憲民主党役員室

★会見の模様を以下のURLで配信しています。
https://cdp-japan.jp/news/20220227_3122


■冒頭発言

  • (なし)

■質疑


■冒頭発言

(なし)


■質疑

○参院選に向けた取り組みについて(1)

【共同通信・友江記者】
 先ほどの党大会の挨拶で、本予算に反対することが「政権を目指す野党の真っ当な姿勢」だと述べると同時に、夏の参院選1人区に関して「政党間の候補者調整を、党本部・県連が連携して進めてまいります」と述べられた。この政党間の候補者調整の対象に国民民主党は含まれているのかどうか、お聞きしたい。

【代表】
 現在、微妙な状況ではないかなと思います。基本的には含まれているというふうに考えています。

【毎日新聞・宮原記者】
 同じような質問になるが、基本的には含まれていると。一方で、やはり野党の姿勢としては本予算には反対するのが真っ当だとおっしゃっていたわけだが、今の状況から、国民民主党から何がしかの説明がなかったとしても果たして協力できるのか。あるいは、説明があった場合にどういった説明があれば協力できるとお考えか伺いたい。

【代表】
 「どういった説明があれば」というのはちょっとよくわからないので何とも言えませんが、我々としては、各選挙区で戦いの構図をつくっていくときに、当然候補者には、我々とともに戦う、要は与党と対抗して戦うかどうか、これは問うていきますので、その問いの中で、それぞれの候補者がどういうふうな話をするのかというところにも、態度を表明するのかというところにもよってくるのではないかと思っています。

【毎日新聞・宮原記者】
 今「それぞれの候補者が」とあったが、同時に国民民主党本体からもやはりそういった説明は求めていきたいとお考えか。

【代表】
 「求めていきたい」というのも、今、公式に求めるとか求めないとか政党間同士でやりとりをしているわけではないですが、そもそもそういう公式なものばかりではない世界なもので、いわゆる表でわざわざ真正面からドアをノックしてという話かどうか、そこはわかりませんが。
 やはり今まで野党だと思って我々も一緒にいろいろなことをしてきたところもありますし、これからも、特に参議院選挙を戦う、「戦う」ということになれば当然その姿勢は問わなければいけませんので、そういう中で、現時点では、どう考えておられるのかというのはなかなかわかりかねるところがありますよね。我々は対抗政党としての王道を歩みたいと、我々自身はそう思っています。それをやはり問うていきたいと思います。

【朝日新聞・神澤記者】
 就任して3カ月が経ったが、この代表選からの3カ月で見えてきた課題。また、そこにどのように対応していこうとお考えか。加えて、きょう水岡会長からも危機感についてお話があったが、代表はどのようにお考えか。また、もし危機感をお持ちだとしたら、どういったところに危機感、そして対応していこうとお考えか伺いたい。

【代表】
 「もし危機感をお持ちだとしたら」というのもすごい話で、当然、もう日々、というか就任する前から持っています。ずっと持っています。その危機感に基づいて、しかし、ただ闇雲に走ればいいというものではないので、一歩一歩、この強い高い危機感に基づいて、ここまで体制をつくる努力をしてきたということになります。
 見えてきた課題。これはコロナ禍ということもあるのですが、やはり立憲民主党の訴えてきた価値観や政策がどこまで国民の皆様にしっかり伝わっているかというところについては足りなさを感じています。ですから、当然さまざまな報道を通じて国会でのやりとりを皆様にお届けするということもありますが、直接的に有権者・支持者の皆様に立憲民主党の考え方や政策というものを、もっと、足で歩くということも含めて、強めていかなければいけないなと。そんなふうに思います。

【朝日新聞・神澤記者】
 最後に、きょう参院選に向けた強い思いがいろいろと聞こえたと思うが、総合選対の状況を、いつまでにどのように拡充して固めていこうとお考えか。現段階のお考えを伺いたい。

【代表】
 これまでも既に、総合選対そのものは常設であり、本部長と事務局長と事務総長が存在していますので、総合選対を明示的に開かなくとも、いわゆる選挙対策というのはさまざま既に取り組んできております。
 そこからさらにということで、今、役員の拡充をしたいなという思いで執行部の中で話し合いをしていますので、そういったものを今後出していくことになるかなと。今、何か、いつごろに何をということではなく、よく話し合いをしながら必要な体制をつくっていきたいと思っています。

○ロシアによるウクライナ侵略について

【「フランス10」・及川記者】
 ウクライナ情勢について伺いたい。アフガン侵攻のときは、ジミー・カーターさんが1981年1月4日、まさに退任する直前だが、穀物の輸出のソ連への禁止を発表された。今はロシアは自給率が高いが、当時もし穀物を各国が揃って禁止していたらソ連は干上がっていただろうと言われている。今、ロシアに対して軍事的オプションをとるのは非現実的で、ソ連に対しても経済制裁というのはあまりアフガン侵攻のとき効かなかったが、どういうアプローチをすれば当時の穀物輸出禁止のようにロシアに圧力をかけることができるとお考えか伺いたい。

【代表】
 非常に難しいというか、本当に圧力になるかどうかというところは、やはり難しいところが多々あると思います。ですから、今言われているSWIFTについても、ロシア側にもダメージになる部分もあれば、当然反対側の、欧米側、他の各国側にも少なからず影響がある。エネルギーにしても同様だと思います。
 ですので、この事態、情勢を見ながら、できる限りのことを今考えて国際社会としても動いていますので、まずは、その制裁があるなしにかかわらず、ウクライナの安定化の努力というか、ロシア側へプレッシャーをかけていくことというのはあらゆる場を通じて言っていかなければいけませんが、それに加えて、ロシア側に対する制裁というのは、今後の追加制裁も含めて考えていかなければいけないと思っています。非常に難しいと思いますが。

○参院選に向けた取り組みについて(2)

【日本テレビ・江口記者】
 国民民主党が政府予算案に賛成して、維新はかねてから「ゆ党」とも言われていて、ある意味で立憲のスタンスというのは明確になってきたようにも見えるが、改めて参議院選挙に向けて政党としてどのようなスタンス、そして価値を国民に訴えていきたいか伺いたい。

【代表】
 もう先ほどの挨拶でまさにお訴えをしていて、配られてもいるのですかね。そこでお話ししたことを繰り返すようなことになってしまうので、それを繰り返しますかという話なのですが、価値ということで言うと、「立憲主義」「自由」「多様性」「持続可能性」「多文化共生」「共助」「公助」「国際協調」「ベーシックサービス」「チルドレンファースト」「地域とつながる」、こういったものが非常に重要であるということを我々は申し上げました。こういったことをより前面に出して戦っていきたいと思いますし、これも先ほどの私の挨拶の中で触れましたが、「自己責任ばかりの競争社会ではなく、人に冷淡な身を削るばかりの改革ではなく、普通の安心が得られる社会、人に優しい改革を進めていきたいと思います」と。こういうあたりをぜひ訴えていきたいと思っています。
 そして、主要な政策という意味では、「子育て」「年金」「地方」、そういったところにスポットを当てて、より深掘りをしていきたいと思っています。

【日本テレビ・江口記者】
 もう一点。共産党からは、かねてより政党間の協議を求められている。野党間の候補者の一本化の方針は確認されたところだが、今後どのように協議を先方と進めていくか。現時点でお考えがあれば教えていただきたい。

【代表】
 それは相手のあることですので、相手とよく話し合わなければならないと思いますので、この候補者調整に向けて全力を尽くしていきたいと思います。

【NHK・坂井記者】
 今の日テレさんの質問に関連して。1人区での候補者調整、ご挨拶の中では「党本部・県連が連携して進めてまいります」というご発言があったが、これは共産党との関係についても党本部レベルで行われるお考えということか。

【代表】
 調整に必要な、他党に対するアクセス、アプローチは、当然党本部のほうでさせていただきます。そこに至るまでのというか、当然各選挙区ごとに県連の考え方もありますから、そういうものも踏まえながら、どういうやりとりをしていくのかというのは、やはり党本部で考えなければいけないと思っています。

【NHK・坂井記者】
 もう一点。今回、党大会を終えられて、参院選に向けて、またお気持ちを新たにされた部分もあると思うが、受けとめと、ご挨拶の中で政権与党に対峙するという姿勢を強調されたように感じたが、このあたり、今、野党間の各党の関係性も変わってくる中で、どのような思いを込めて挨拶で訴えられたかお聞きしたい。

【代表】
 これは衆議院の総括でもそうでしたが、他党のことがどうのこうのということをあまり気にしていてもいけない話でして、立憲民主党が立憲民主党として、政権与党にかわる選択肢を国民の皆様に提示する政党であると。国民生活を守る政党であり、より次の世代に向けた政策の優先順位を高める政党であるというあたりを、きょうのこの挨拶の中では触れさせていただきましたので、それを貫いていくということですし、残り5カ月を切っていますので、このきょう我々が共有した価値観を、これまでも共有をしてきましたが、より全国各地で仲間たちが支持拡大のために訴えていけるように、その運動を活発にしていきたいと思います。

【フリーランス・横田記者】
 共産党を含む参議院1人区の調整について進めるということだが、連合の会長は今まで共産党と組むことにだいぶ反発していたが、それについては納得をしていただいたと。反発はなかったのか。そのいきさつについて一言お願いしたい。

【代表】
 実は連合も、これまでいわゆる候補者調整ということは政党間で行われてきたことだし、行われることだ、という認識であったと考えています。改めてそこを確認させていただいて、それはそうであるということを共有したということになります。
 確かに今まで、もしかすると世の中的にはその辺が伝わりにくかったのではないかと思いましたので、改めて整理をさせていただいたということですね。

【フリーランス・横田記者】
 ということは、今後連合会長が、共産党を含む1人区候補者調整、連携を進めても、とやかく文句を言うことはないだろうと。

【代表】
 それは私に聞かれてもという部分もありますが、候補者調整については、私は、連合もそれはあり得ることだと考えていると思っています。

【フリーランス・横田記者】
 あと一点、最後に、国民民主党が予算案に賛成したことで、まさに先ほどおっしゃった政権交代を目指す真っ当な野党ではなくなったと。明らかにルビコンの川を渡ったような対応をしたのだと思うが、そうであれば、早期にもう見放して、国民民主党は相手にせずに、前回衆院選を戦った共産・れいわ・社民と立民でがっちりスクラムを組んで参院選を戦うんだと。こういう路線をはっきり示したほうが、立民の立場もはっきりするし、何かどっちに行っているかわからない、ふらふらしている印象を拭えると思うが、その点について、何で早めに見捨てないというか見放さないのか教えていただきたい。

【代表】
 我々は別にどっちに行ったり来たりしているわけではありませんので。我々は常に自民党と対峙をしてきたし、そして、これからも国民に選択肢を提示し続ける。そういう中で、いろいろな政党がいろいろな考え方を持って動かれるところはあるのだろうと思いますが、一方で、我々も、この我々の考え方に賛同する部分があるのかないのかということを各政党に問うていったときに、もしかしたら賛同する政党として今の国民民主党というものも何か可能性があるのかもしれない。我々としては確かに、きょうも大会で言いましたが、和ですとか包摂という言葉もありますし、そういった意味で、国民民主党さんがどう考えるかというところはやはり関心を持って見てまいります。

【フリーランス・横田記者】
 明らかに友党ではなくなったというふうに見えると思うが、そうは捉えられないのか。

【代表】
 どちらが有利か不利かというお話は、横田さんのご意見として、それは承りながら、我々としては各政党と、もちろん、これはもう日々国会対策では自民党と協議をしているぐらいですから、どの政党とだってやはり協議をするのが立憲民主党の役割でもありますので、そういう中で、どことともにこの参議院選挙を戦うのかというのはいずれわかってくるのではないかと思います。

○代表挨拶に込めた思いについて

【「FACTA」・宮嶋記者】
 立憲民主党は枝野さんが創業者であり、衆議院で負けるまではやはり枝野さんを中心というか、そこから抜本的に変わって新体制になり、女性が半分になり、これぐらい変わったわけですから、この党大会は、やはり立憲民主党のある種の再定義というのか、立ち位置とか路線とか、それがなければならない党大会だったと思う。その意味で、新代表として、新しい執行部で本当に何が訴えたかったのかが、実はよく見えない。そこで伺いたいのは、代表の挨拶の中で私が唯一注目したのは、「コアを固めながら中道の立ち位置までウイングを伸ばす」「立憲民主党こそがリベラルと中道の旗手」、この辺はもしかしたら代表の思いではないかと思う。やはり枝野時代にやや左というのか、それがやはり世の中の流れの中で、ちょっと違うんじゃないかと。最初の方の挨拶でも、中道の中には「穏健な保守」という言葉もあった。この党大会で、新代表として、枝野時代とどこがどう変わったのか。そこのところを私は伺いたい。

【代表】
 宮嶋さん、ありがとうございます。正しく私の挨拶の文章をお読みいただき、また、まさにその部分を取り上げていただいたので、ぜひそう思っていただければと思います。
 私として、当然ながら立憲民主党が、この総括を踏まえて、コアを固めてウイングを広げていくということを、きょうの挨拶でも触れさせていただいたわけです。そこに尽きておりますので、正しい理解の仕方をしていただいて大変うれしく思っております。
 本当に、何というのですかね、徐々にというか、いろいろな意味で、この党の仲間たちの政策力や活気みたいなものがどんどんどんどん出てきていると思っていますので、それはいずれ一つの力になって現れてくるのではないかと期待していますし、支持層の広がりというものもできていくのではないかなと思っております。

○参院選に向けた取り組みについて(3)

【朝日新聞・鬼原記者】
 参院選について、政策協定について伺いたい。国民民主党が予算案に賛成したことで、前回の衆院選は連合を介して個別にということだったが、今後、政策協定を参院選に向けて結ばれる可能性。「可能性」と伺ってしまうと「相手があること」となってしまうと思うので、立憲民主党として政策協定の締結を、衆院選同様に連合を絡めた形でも結構だが、求めるかということを伺いたい。

【代表】
 これは、その意味では、政策協定というのは、前回、結局のところ党として積極的に結んだものというのがあるのかないのか。要は段取りの中で協定にサインをしたというものは少なくともあると思うのですが。
 ですから、「結ぶのか」という場合には、相手が必要ですよね、「どこと」という話になるので。それは結ぶ用意はあります。結ぶ気持ちはあります。ただ、どこがそういう申し出をしてくるのか、また我々がそういう申し出をするのかどうかについては、まだわからないという状況です。

【朝日新聞・鬼原記者】
 たぶん気持ちはずっと泉さんあるのだと思うが、今回、予算案に賛成を国民民主党がしたということで、そのハードルが上がったのかどうか。この点についてはいかがか。

【代表】
 ですから、国民民主党との政策協定というのは、前回、党としてはやっていないのですよね。ですから、今も、それを例えば求めていて、それができないとかできるとかという考えには立っていないのですね。まだ姿の見えないものだと思います。

【朝日新聞・鬼原記者】
 あと一つ、政策的なことをお聞きしたい。先ほど「チルドレンファースト」という話があったが、子育て支援策に対する所得制限の話で、これは泉さんもご関心で、たぶん予算委でも取り上げられたと思う。この点について、参院選に向けてどう訴えられるのかということと、ある種の争点になるとお考えになるか伺いたい。

【代表】
 争点になるかどうかというのは、それはもちろん国民の皆様が争点化するかどうかですが、少なくとも当事者の皆さんにとっては非常に理不尽な思いをしているということがあって、当事者の皆様がそういう声を上げていると認識もしていますし、我々は、普遍主義という言い方もしてきましたが、親の所得というのは不安定であり、子どもの育ちは安定的でなければいけないということを考えると、所得制限はあるべきではないという考え方ですので、それはしっかり伝えていくべきことだと思っています。