3月3日の衆院本会議で井坂信彦議員は、冒頭、ウクライナ侵攻、新型コロナ対策について触れた後、雇用保険法改正案について質問しました。

■雇用保険の国庫負担の水準
 コロナ禍で著しく悪化した雇用保険の財政に対して、雇用保険料を引き上げるのに国庫負担は据え置かれることについて「すんなり受け入れるわけには行かない」と井坂議員は迫りました。後藤厚労大臣は、「雇用情勢にかかわらず政府の経済、雇用政策の結果としての失業の発生に対する国の責任を継続的に果たすために設定した」と答弁しました。

■国の雇用政策への責任
 「国はこれまで、雇用政策の結果としての失業に責任を持つという趣旨で国庫負担をしてきた」と述べた井坂議員は、今回の法改正が失業給付に支障が出そうな時だけ国庫から繰り入れる仕組みであり、「国は雇用保険制度の維持だけを手伝い、雇用政策には責任を負わないのか」と疑問を示しました。後藤厚労大臣は、「今回の国庫負担の改正は新たな繰り入れ規定の創設などにより、雇用情勢に応じて機動的な財政運営できる枠組みを設ける」となどと説明しました。

■機動的な国庫繰り入れ
 失業保険の積立金からの貸し出しを増加しなければ、雇用調整助成金の支払いに支障が生ずる恐れがあるとの懸念を示し、後藤厚労大臣の認識について井坂議員は質問。大臣は、「労働政策審議会の報告書で、雇用調整助成金等支払う額が増加し、積立金から2事業への貸出額を増加しなければ、雇用調整助成金等の支払いに支障が生ずる恐れがある」という考えが示されていると説明しました。

20220303_131304_01_re_rez.JPG■育児休業給付
 育児休業給付はこれまで、雇用保険の枠内で運営されており、フリーランスなど雇用保険料を支払わない働き方には対応できないと井坂議員は問題を提起。「雇用保険の枠外の働き方にも育児休業給付を行うためには、全額国庫負担による子育て支援制度としての育児休業給付も検討すべき」と提案しました。後藤厚労大臣は、「関係省庁とも連携して考えたい」と答えました。

■フリーランスの保護
 「フリーランスに仕事を仲介するサービスにも、今回の雇用仲介サービスに対する規制と同様のルールが必要だ」と井坂議員は指摘。後藤厚労大臣は「フリーランスの取り決めについてワンストップで相談する窓口を設置しており、引き続き丁寧な相談対応を行う」と応じました。
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