西村智奈美幹事長は3月27日、熊本県を訪れ、赤ちゃんポストと内密出産の状況を視察。またシングルマザーを支援する「シンママ熊本応援団」と意見交換をしました。さらに同日行われた、熊本県総支部連合会の定期大会に出席、街頭ではウクライナ難民支援募金活動も行いました(写真上は、赤ちゃんポストを視察する西村幹事長)。

■シングルマザー支援の「シンママ熊本応援団」と意見交換

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さまざまな課題について説明する増淵さん(中央)

 シンママ熊本応援団は、熊本地震直後に、生活や将来に不安を抱えるシングルマザーと子どもたちに物資や衣料品の支援、食を通じてつながる「場」をつくる活動から生まれた団体。「しあわせBOX」と名づけられた毎月配布している食料品などを箱詰めする作業を西村幹事長は視察し、代表の増淵千保美さんから話を聞きました。

 増淵さんからは、「労働者の半分は女性。みんなの課題として、シングルマザーが抱えている課題を受け止めてもらいたい」を語り、サービス業を中心に働いているシングルマザーが、コロナ禍で減収や解雇の影響を受けていると説明がありました。トライアル雇用はあるものの、3カ月の試行期間は過ぎたあと6カ月程度で退職に追い込まれるといった話もあり、「不安定な雇用がさらに不安定な雇用を生み出している」と、労働現場で弱い立場に置かれている実情が語られました。

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5kgずつ米を仕分けする西村幹事長

■慈恵病院で赤ちゃんポスト・内密出産について視察・意見交換

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 「こうのとりのゆりかご」(赤ちゃんポスト)は、自分では育てられない子どもを匿名で預けられるところ。2007年からこの取り組みは行われており、以前は病院で出産し連れてきたケースが多かったものの、最近は自宅で独りで出産し連れてくるケースが多くなったと蓮田健理事長は語りました。

 内密出産は、妊婦が自分の身元を明らかにせず病院で出産をし、子どもが16歳になった時点で行政に実母の身元を紹介することが出来るもので、ドイツで制度化されています。慈恵病院では、自宅などでの孤立出産を防ぐために独自に導入しています。

 意見交換で蓮田理事長は、孤立出産は虐待や遺棄につながることにもなると言い、病院で母子を保護することは大事なことだと語りました。

 蓮田理事長は、(1)匿名の相談(2)匿名の妊婦健診(3)匿名の出産(4)匿名の赤ちゃんの預け入れ――と、さまざまな事情で匿名でないと難しい人がいるのが実態でいずれも大事だと指摘。相談や妊婦健診は比較的うまくいくものの、出産は命に関わることなので法的な課題もあると語りました。

 意見交換後、記者団の取材に応じた西村幹事長は、行政で進めていく内密出産のガイドライン策定について注視していきたいと述べ、必要なことを国会でも取り上げて改善を求めて行きたいと語りました。

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■熊本県連、定期大会

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 県連大会で西村幹事長は国政報告を行い、離婚後ひとり親世帯等への10万円給付など、立憲民主党の提言により政府が動いて実現したことについて「立憲が言わなければ実現しなかった」と語りました。「世の中にたくさんある格差や理不尽を無くしていかないと、まっとうな政治にならない」と語り、今夏の参院選で戦い抜くと誓い、ともに頑張っていきましょうと訴えました。

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 県連代表の鎌田聡県議は、昨年度の活動を振り返り、政治を変えていく活動を行っていくと決意を語りました。また、新執行体制が承認された後のあいさつでは、女性役員を増やすために女性議員を増やすことが必要だと述べました。

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 大会では2022年度の取り組みとして「国民の命と暮らしと平和を守り、日本低迷の克服に挑もう!」をテーマに掲げた活動が確認されました。また連合熊本の友田孝行会長が来賓のあいさつを行いました。

 大会後、記者団の取材に応じた西村幹事長は、参院選への取り組みについて、「国民から信頼していただく政治にするために、自民党・公明党の議席を1つでも減らす。このために頑張っていかなければならない」と述べ、選挙区での候補者擁立は必須との考えを示しました。

 大会で鎌田県連代表が女性議員を増やすことに言及したことについては、取り組みを通じて政治と女性のチャンネルが増えていくことに期待を寄せました。

■ウクライナ難民支援募金活動

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 辛島公園で行われたウクライナ難民支援募金活動で、西村幹事長は「ウクライナの皆さんの日常生活を取り戻すことができるようにしていかなければならない」と訴えました。また15日には第1次集約分として約793万円をUNHCRに届けたと報告しました。

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