泉健太代表記者会見

2022年5月13日(金)13時20分~13時54分
発行/立憲民主党役員室

★会見の模様を以下のURLで配信しています。
https://youtu.be/k9aTfIk0lDI


■冒頭発言

■質疑


■冒頭発言

○内閣委で首相に質疑

【代表】
 まず、きょうは内閣委員会で質疑に立ちました。総理と直接やりとりできる機会、最近少ない状況でしたので、きょう、30分ちょっとですが、こういう機会があってよかったと思っています。
 ただ、マスクの着用についても答弁がはっきりしないということでしたし、また、いわゆる所得の倍増とか予算の倍増ですね、これについても結局は倍増ということを具体的に考えているわけではないということが明確になりました。ですから、答弁書を読むということに終始していて、児童手当の所得制限についても、結局、総理としての言葉がない状態だったと思います。そこは大変残念であったと思います。
 また、沖縄の建議書は、どうも読んでいなかったような気がします。玉城知事とお会いになったときに、その中身を少し説明を受けて、そして思いを持って読むと、会談が終わった後に思いを持って読むというふうに言っていたはずなのですが、どうも、その会ったときの話だけをして終わっているところを見ると、中身をそのまま読んでいないという感じがいたしました。改めてですが、私からは、15日の式典のときのメッセージとしては建議書を踏まえた式典の挨拶にしていただきたいということを申し上げましたので、これはぜひ総理にはやっていただきたいと思っています。
 そして、知床の遊覧船の事故、観光船の事故についての、昨年の業務改善報告書(の開示)においては、これは質問準備をしていくに当たって国土交通省と事前にやりとりをしておりました。当初はもう少し時間がかかるという話でありましたが、この質問の通告を通じて国土交通省も作業を急いでくれたと思います。きょう発表ということになったのは、また一つ、こうした質問をするということが契機になったと思っておりますので、一つ一つ情報を公開して、また、今大事なのは、今もさまざまに船が出ているわけでありまして、この船舶の安全ですね。事故を防止する、生命を保護するための取組というのは、一刻を争うことでありますので、政府には迅速に、国土交通省には対応していただきたいと思います。

○細田衆院議長の発言について

【代表】
 また、細田議長のこれまでのこの間の発言というのは、ゆゆしきことだと思います。100万しか給料もらってない議員だとか、あるいは、定数を増やしても罰は当たらないとか。罰が当たらないと言うのであれば、三権の長もやっていただいているわけですから、自民党の参議院選挙の公約に載せていただいて、罰が当たるかどうかをぜひ確かめていただければよいのではないでしょうかと思います。
 今後はこういう発言を慎むと言っておられたようですので、「10増10減」の発言も含めて、これ以上議会や国民を混乱させるようなことは慎んでいただきたい。これも改めてお伝えしたいと思います。

○「こども家庭庁」法案 採決の対応について

【代表】
 きょう「こども家庭庁」法案の採決ということで、我々は閣法については反対いたしました。議員立法については賛成ということです。
 「子どもコミッショナー」が入っていないということ。また、「こども家庭庁」、完全な一元化にはなっていない。学校教育、この義務教育が一元化されないことで、学校内の問題は引き続き省庁間のはざまに落ちてしまう可能性もあるということでありますので、これでは納得いかないということであります。
 また、「家庭」という文言についても、当事者の皆さんから異議が唱えられて、我々も「子ども庁」でよいのではないかということを主張してきたわけですが、それも採用されなかったということで、こういった、我々は政府案には反対、議員立法には賛成という立場で対応させていただきました。

○沖縄復帰50周年を迎えるに当たって

【代表】
 沖縄の返還50年ということで、私自身は東京のほうの式典に参加させていただきます。
 改めて、戦後、そして米軍占領下における大変なご労苦。そして、沖縄が抱える特有な課題を克服すべく、県民の皆さんが努力してきておられましたが、沖縄の博覧会や一括交付金、それぞれの節目の中で、何とかこの沖縄が平和な島として豊かに発展していくということを我々も願ってきましたが、まだまだ、県民所得が全国に比べると7割。そういったことも含めて、沖縄により一層自立していただけるような沖縄振興の支援をしていくべきだと思っております。
 引き続き、基地問題も含めて、立憲民主党としては沖縄が平和で豊かな島であられるように最大限の努力をしていきたいと思っております。

○オードリー・タン氏との対談について

【司会(事務局)】
 質問をお受けする前に、記者の皆さんにはお手元にお配りしておりますが、5月20日の金曜日15時から、代表とオードリー・タン台湾デジタル担当大臣がオンラインで対談をいたします。ぜひご覧いただければと思います。


■質疑

○沖縄復帰50周年 参院での決議見送りについて

【時事通信・木田記者】
 沖縄について、15日の沖縄本土復帰50周年に合わせた国会決議について、参議院本会議での採決が本日に間に合わなかった。このことについての受け止めをお願いしたい。

【代表】
 本来であれば、この50周年の式典の前に衆議院・参議院で決議が行われるべきということだったはずです。ただ、参議院自民党が混乱をして、日米地位協定の改定について含めるか含めないかということで、一旦野党側に提示があって野党側も同意をしたものの、それをもう一度ひっくり返すという、ちゃぶ台返しと言われていますが、という状態で至らなくなったと、間に合わなくなったと伺っています。本来自民党はこの重要な節目に緊張感を持って臨むべきところ、こういったミスがあったと。こういった決議が沖縄の式典前にできなかったことは問題であると思います。
 今後どのような形で決着するのかということは、引き続き協議があると思いますので、そこは参議院のほうに委ねていきたいと思います。

○「JRパス搾取事件」「議員のウクライナ渡航」について

【時事通信・木田記者】
 立憲民主党に所属していた山下八洲夫元議員のJRパスの問題や、小熊慎司議員がウクライナに入国していた件など、立憲民主党の関係者の方が批判を浴びるような事態が続いている。このことに関する受け止めと、夏に迫っている参議院選挙への影響をどう見ていらっしゃるかお聞きしたい。

【代表】
 山下元参議院議員については言語道断です。議員を辞められて、もう十何年か、だいぶ経つはずですが、その後に立憲民主党(県連)の常任顧問ということになったわけですが、本当に犯罪ですので、何の弁解の余地もないと思います。そして、この今回の事案によって、国会議員のパスについても見直しの声が上がっているということ、これを重く受け止めたいと思いますし、立憲民主党としても当然こういったことが今後起きぬよう最大限の努力をしていきたいと思います。全く言語道断な行為だと思います。
 小熊氏については、やはり国会でルールを定めて、そして国会の議決によって、その渡航先というものを一人ひとり国会に提出して渡航をしているということです。ですから、基本的には外務省の渡航禁止情報等々を十分に踏まえて行動しなければいけないというのは間違いないことでありまして、議運でも既にその件について指摘を受け、議員自身に対する党そして国会における役職について処分を下したところです。しっかり緊張感を持って各議員にも今後の国会対応・政治活動を行っていくようにしていきたいと思います。

【時事通信・木田記者】
 参議院選挙への影響もあわせて伺いたい。

【代表】
 我々はとにかく引き続き全ての国会議員や党関係者に緊張感を持って対応していくように努力をしていきたいと思います。

○内閣委質疑 首相の答弁姿勢について

【読売新聞・北村記者】
 冒頭を含めて何点か伺いたい。内閣委の質疑についてだが、「こども家庭庁」法案から離れてかなり広範なテーマについて質問を投げていたと思うが、今回どういった思いを持って質疑に立たれていたのか。また、首相の答弁について、従来抽象的で、前進がないとか、繰り返しが多いといった指摘をされてきたかと思うが、そういった姿勢に変化はあったというふうに見られるか。首相の答弁姿勢についても感想をお願いしたい。

【代表】
 本来であれば、このコロナ禍、また、ウクライナ侵攻の状況で、円安・物価高が相当深刻なわけですから、予算委員会の集中審議をもっと頻繁に行うべきだと思います。それが行われていないというのは、国民に、政府が何を考えているか、どのような経済対策を取ろうとしているのかが伝わらないということでもあるし、問題点も明らかにならないという意味で、国民にとって不利益だと思います。ですから、予算委員会の集中審議がここまで開かれてこなかったというのは大変残念ですし、政府にはもっと、総理大臣には国会に出てきて答弁をしていただく機会を増やしていただきたいと思います。
 そして、実際に国会でやりとりしたわけですが、先ほど話をしたように、いわゆる答弁用紙をただ読むだけということに終始したということと、その「倍増」という、国民の皆様からすれば具体的にイメージが浮かぶ文言を、ある意味乱用して、言葉を軽く使って、そして実際は、その内実は額を倍増するということまでではないという、抽象的な方向論の話であるということがきょうの質疑で明らかになりました。
 「令和版所得倍増」のときに、結局、国会で質問主意書を出して、その結果、これは政策全体の方向性の話でしかないということが明らかになったにもかかわらず、その後も引き続き「倍増」という言葉を連発するというのは、国民と正しいコミュニケーションを取ろうとする気持ちが弱い、薄いのではないかというふうに懸念もしています。今、私の問題意識というのはそういうことです。

○参院選に向けた取組について(1)

【読売新聞・北村記者】
 参議院選挙の目標について、年頭の会見で野党による改選過半数の獲得を掲げた当時と比べると、国民民主党の姿勢などに変化も見られるわけだが、改めてそこで言うところの野党に国民民主党は含まれるというご認識なのかが一点。また、立憲民主党として何議席といった目標を今後また別途掲げるご予定はあるのかお聞きしたい。

【代表】
 現時点で、従来言ってきたことが何か変わっているというものではありません。現時点では維持されています。

【読売新聞・北村記者】
 今週の月曜日に西村幹事長と共産党の小池書記局長が会談され、「限定的な閣外からの協力」について、横に置くという合意をされた。これは候補者調整を従来申し入れていて、それに向けた環境整備が一歩進んだとも言えるのかと思うが、この件の受け止めと、わかりにくいという指摘もあろうかと思うが、どういった形で有権者に理解を求めていくのか。候補者調整のめどについても、現時点でお考えがあればお聞きしたい。

【代表】
 主にはこれは幹事長が担当している話ですので、そこに委ねているということが一つ。そして、そういった協議の中で「横に置く」という言葉になっていますので、私もそれを受け止めております。
 そして、立憲民主党は、やはり今、立憲民主党に必要とされるのは、立憲民主党自身の政策、その発信を強化することだと思っていますので、しっかり有権者の皆様に、立憲民主党の掲げる「生活安全保障」、また、その中身である「物価高と戦う」「教育の無償化」「着実な安全保障」、これが少しでも多くの国民の皆様に浸透するように最大限の努力をしたいと思います。

【宮崎日日新聞・寺原記者】
 宮崎選挙区で候補者の一本化が進んでいたが、結局は協議が決裂したということになってしまった。まず、それについての受け止めをお願いしたい。

【代表】
 大変残念ですし、県民の皆様が期待をしている、その期待に背くことではないかと思います。その心変わりの理由がよくわかりません。なぜ、その方針を変えたのか。どこに向かうのか。それがわからない状況で、県民の皆様に与野党の対決構図をつくり出せていないということについては大変残念に思います。
 引き続き立憲民主党としては努力をしていきたいと思います。

【宮崎日日新聞・寺原記者】
 交渉はもうなくなるということですよね。

【代表】
 わかりません。立憲民主党としては努力をします。

【宮崎日日新聞・寺原記者】
 連合宮崎との今後の関係性については、どういうふうにお考えか。

【代表】
 おそらく、連合宮崎も同様に候補者調整を望んでいたと思うのですね。ですから、我々も、連合宮崎も、共に努力をしていきたいと思います。

【宮崎日日新聞・寺原記者】
 近年、宮崎県内では反自民で野党勢力が結束していたが、今回の騒動でそれが崩れてしまったと。それをどう受け止めていらっしゃるか。

【代表】
 途中までは非常によい環境で宮崎でも話が進んでいっていましたので、やはり、なぜだめになってしまったのかということの理由が明らかにならないと、我々も対応し切れないというふうに思います。
 改めてですが、多くの県民が望む、与野党のわかりやすい構図、論戦の構図をつくるということに、この野党それぞれが努力をするべきだと思っています。

【宮崎日日新聞・寺原記者】
 交渉はまだ続くという形で考えていると。

【代表】
 我々としてはそうしていきたいと思っています。

【宮崎日日新聞・寺原記者】
 希望という形ですね。

【代表】
 それは、ちょっと相手がどうおっしゃるかによるのではないでしょうか。

○細田衆院議長の発言について

【NHK・坂井記者】
 冒頭の細田衆議院議長の発言の関連で伺いたい。昨夜、議長が各会派の代表者の方との懇談の中で、今後は発言を控えるという趣旨の説明を行ったということだが、これまでの一連の議長の発言や、昨夜の議長からのそういった説明を含め、代表としてどのように受け止めていらっしゃるか。

【代表】
 公平であり中立である議長の発言にはふさわしくない発言が続いてきていたと思います。ですから、きのうのその陳謝というのが、先ほど言った「10増10減」も含めて、今後はそういった発言を慎むということであっていただきたいと思います。ただ、何についてどこまでを陳謝したのかは必ずしも定かではないと思いますので、改めてですが、「10増10減」の実施と、国会議員の身分に関わることに三権の長である議長が軽率に物を言わないということは続けていただきたいと思います。

【NHK・坂井記者】
 関連して。これまで立憲民主党としては議運の場などで議長に説明をするように求めてきたかと思うが、昨夜の懇談のような場での説明でもって十分というふうに捉えられるのかどうか、その点はいかがか。

【代表】
 そこは国対と協議をしたいと思いますし、国対のほうでまず、議運・国対で判断をしているところではないかと思います。

○本多前議員の月刊誌寄稿について

【朝日新聞・鬼原記者】
 初めての会見なので、ちょっと根本的な、枝野さんの前体制から泉さんの体制になってどう変わったのか、政権を取っていたときの民主党から泉さんになってどう変わったのか、そういう視点で伺いたい。
 まず、この間続いているいろいろな問題について、冒頭泉さんから発言がなかったのが一つ私としては残念だった。こういうふうに問題が起きていることについて、改めて質問の前に代表からお話をいただきたかったのが一点。先ほど時事さんも質問されていたが、一つ残った中で、本多平直さんが週刊誌に寄稿を寄せられ、その中で、問題になった発言が捏造されたというふうに書いている。党として認定している発言が捏造されたというふうに言われていることについて、今後党としてどう対処されるのか伺いたい。

【代表】
 この本多氏の、雑誌での記事というか、文章ですかね。これは本多氏側から示されたものであると思いますが、党として、今、これについて取扱いをするという状況にはありません。党としては前体制の中で一定の結論を出しているというところになると思います。また、もし何かしらの必要性があれば、今現在ある倫理委員会等々に例えば申出があって、そこで何かが再度諮られるとか、そういうことが生じれば対応するということになるかと思います。

○子ども・子育て政策(1) 子育て支援の所得制限について

【朝日新聞・鬼原記者】
 先ほど内閣委員会の質疑を見ていて、もう一声欲しかったなと思ったのが、所得制限のところで、やはり岸田さんが民主党時代のことを持ち出すわけで、所得制限自体が自公民で合意したものだと、きょうも言っていた。所得制限の撤廃を訴えるのであれば、当時とどういうふうに状況が変わり、党としてどう考えが変わったのか、しっかり説明する必要があると思う。その点はどうお考えか。

【代表】
 基本的には、あえて立憲民主党と前身の勢力というか政党を一つの流れと見るならば、一貫しているのは基本的には普遍主義です。所得制限を設けないということで一貫しているということですね。その中で、3党合意、例えば合意をするということに当たって、その合意の中で、各政党から要求されるものを受け止めなければその合意が成り立たないという中で、政治的妥協を強いられるということはあったと思います。

○終盤国会に向けて

【北海道新聞・袖山記者】
 終盤国会の方針について伺いたい。会期末まで約1カ月となり、きょうもまた知床の関連で野党のヒアリングを行っているが、少し批判の姿勢、対決姿勢を強めているように見える。代表としてはどのようなお考えで、あと1カ月、臨んでいきたいと思っていらっしゃるか。

【代表】
 国会の流れのためにさまざまなチームをつくったりしているわけではないので、必要なことが行われていない政府であれば、それを追及するのが当然ということです。ですから、この知床の問題も、本来政府が出すべき情報がすんなりと出てこなかったということ、そこに端を発していますので、我々としては必要な問いただしをしているということです。
 そしてもう一つは、このウクライナ情勢やコロナの中で、日本の経済だけが失速をしている。さらに円安・物価高という状況の中で、我々からすれば、政府の経済対策は非常に小規模。これで国民生活を守れるのかと。それが放置されている状況が一日一日と増えているわけですので、当然、政府に対して強く物を言っていかなければいけない。そういう状況が生まれているということです。

○参院選に向けた取組について(2)

【フリーランス・安積記者】
 確認させていただきたいが、共産党との限定的閣外協力について、9日の幹事長・書記局長会談で、西村さんが横に置くというふうに発言され、それについて代表が11日の講演で、白紙にするというふうに発言された。これについて、共産党の小池さんはその後の会見で、横に置くよりも白紙にするというほうが強いイメージを抱かれているというような感じで、ちょっと腹が立ったような言い方をされていた。先ほど代表は、幹事長に委ねているということと、「横に置く」は受け止めるというふうに発言されたが、代表の言葉の定義で、白紙にするということと、横に置くということは、一緒なのか。それとも、一歩また進んだということなのか。

【代表】
 「横に置く」というのは両党の一致した言葉だと思います。立憲民主党は、西村幹事長、必要ないと主張したと言っています。その必要ないと主張した立憲民主党があって、そうではないという共産党があって、その結果、協議の結果の言葉として「横に置く」というのが出てきているということです。

【フリーランス・安積記者】
 小池さんが11日の会見で、要するに限定的閣外協力は去年の衆議院でやった話であり、それは国民への公約であるから参議院も続けてやるつもりであったというふうに言われているが、立憲民主党としては、あれは衆議院の話であって、その後の、今回の参議院以降は全然約束がないような状態であるということなのか。

【代表】
 それぞれ主張が異なった、その中で「横に置く」という表現で一致をしたということです。

【宮崎日日新聞・寺原記者】
 もう一回、最終確認だが、いわゆる宮崎の協議は、代表としては決裂したというふうに認識されているのか。

【代表】
 あれっ、何かさっきと違うような気がしますが。私は、そうではなく、引き続きしていきたいと言っていましたね。

【宮崎日日新聞・寺原記者】
 引き続きしていきたいと。

【代表】
 はい。

○補正予算案について(1)

【共同通信・久納記者】
 補正予算の関係で伺いたい。政府は5月下旬に提出するとしているが、自民党内の調整が手間取っているような印象がある。いつごろまでに提出・成立させるべきかというお考えと、会期末を控える中でかなりタイトになると思うが、このことへの受け止め、現状どうご覧になっているか。

【代表】
 詳しい細かな日程は、それはもう国対ですが、とにかく一刻も早くということに尽きます。

【共同通信・久納記者】
 一刻も早くという意味は、どういったところにあるか。

【代表】
 それは国民の皆様に早く届けなければいけないということです。補正予算を。一刻も早く。

○子ども・子育て政策(2) 「子どもコミッショナー」の必要性について

【フリーランス・小山記者】
 本日の質疑を見せていただいたが、「子どもコミッショナー」という考え方だが、一部の方には先進的な考え方としてもてはやされているかと思うが、議場でお話しされた感触としては、他党や会場自体に響いているというような感触、割と同意を得られる率が上がってきているというような感触というのはいかがだったか。

【代表】
 これは、きょうの質疑というよりも、これまでの内閣委員会の質疑の中で主に何度もやりとりがあって取り上げられてきたことだと思いますし、この質疑だけではなくて、特に議員立法のほうは与野党で何度も政策協議を重ねてきていますので、そういう中でも野党側・立憲民主党側からは「子どもコミッショナー」が必要だということを政府側に求めてきていると思います。
 言葉として、全国民の皆様に十分に伝わっている言葉かというところは、まだまだなところがあるのではないかなと思いますが、いじめの問題ですとか、家庭内の虐待の問題で、やはり子どもの意見表明というのが事実上できない環境にあるケースもありますので、そういった子どもたちを守っていくためにも、この「子どもコミッショナー」は必要だと我々は言ってきたということですね。
 ですから、一回の委員会発言で世論が変わるとか国会の中の賛否が変わるというのは、そうそうできることではないと思いますが、児童虐待の当事者、学校の教育問題を扱っている当事者の方からは、この「子どもコミッショナー」の必要性ということがよく指摘されていますので、この法案が仮に審議が終わっても引き続き訴え続けていかなければいけない。まだ日本が採用し切れないけれども、しかし、いずれは採用していく流れになっていくだろう問題だと思っています。

【フリーランス・小山記者】
 自民党や公明党の議員でも、現在賛成の方はいらっしゃるということか。

【代表】
 たしか与党内の協議では「子どもコミッショナー」について当初盛り込まれていたと聞いています。それが残念ながら、親を乗り越えて子どもが意見を言うことはいかがなものかというような、何か話もあったやに聞いていまして、そこは大変残念だと思います。

○「生活安全保障」について

【フリーランス・小山記者】
 立憲プレスのほうで経済安全保障について取り上げていただいたが、立憲民主党は今回の選挙公約の中で「経済安全保障」という言葉に対して「生活安全保障」という目立つキャッチコピーを採用された。ゴールデンウィーク中、いろいろ回られていたと思うが、この言葉は地方の方にどんなふうに受け止められていたか。

【代表】
 やはり我々、「物価高と戦う」ということを言って、そこで政府・日銀が円安をただ一言、日本経済にとってはプラスだというふうに言及して事を片づけてしまっている。しかし、生活の安全保障の観点から見れば、一人ひとりの生活費は高騰し、可処分所得が少なくなっているということは、多くの国民の皆様に演説をする中では理解を得られてきているなという実感はします。

○知床観光船遭難事故について

【フリーランス・小山記者】
 北海道に行かれた際、知床のボートの事件の件は代表独自として聞き取りや調査はされたか。

【代表】
 いわゆる知床の観光業をされている方からお話を伺いまして、安全対策、あるいは地元の今の観光の状況など、お話を伺いました。

○刑法改正案 侮辱罪厳罰化について

【フリーランス・小山記者】
 侮辱罪厳格化法案に関して、代表は有楽町の街宣で、行き過ぎた縛りというのは言論の複雑になってしまうのではないかというような懸念を示されたような気がするが、この間、議員の質疑もあり、現在どのように捉えていらっしゃるか。

【代表】
 引き続き立憲民主党としては、委員会の中で、政治家に対してやじを飛ばしたら逮捕されるということが果たして正しいのかという観点から質疑を続けています。また、1年間の懲役というのも余りに厳しいのではないかと。
 ですから、侮辱というのは基本的には、政治家も権力者の一人と捉えれば、国民と政治家の関係において、政治家に対して物を申した人が罰せられる、逮捕されるということではなくて、国民の間で例えばインターネット上で侮辱というものがあったときに、その被害者を救済するという文脈のものであるべきだと思っておりますので、その観点からの侮辱罪であるべきだと。これをさらに訴えていきたいと思います。

○補正予算案について(2)

【朝日新聞・鬼原記者】
 一つ確認させていただきたい。先ほど共同の久納さんの質問の中で、補正予算について、一刻も早くということだが、これは政府が巷間言われている2.7兆円規模の補正予算でも一刻も早くという趣旨か。

【代表】
 我々は、補正予算に対して、別な考え方、立憲民主党の経済対策を出しています。それが受け入れていただけるものだと思って、早く補正予算を成立させるべきだということを訴えています。その結果がどうなるかは、これからだと思います。