立憲民主党は5月31日、国有林野事業で働く職員の労働関係を円滑に調整するための2法案を、国民民主党、日本共産党、有志の会の各会派とともに衆議院へ提出しました。2法案は「国有林野事業に従事する職員の労働関係を円滑に調整するための行政執行法人の労働関係に関する法律の一部を改正する法律案」(行労法の改正案)、「国有林野事業に従事する職員の給与等に関する特例法案」(給特法の復活法案)。

 国有林野職員は、かねてから自律的な労使関係の下で労働関係の調整が行われていました。2012年、民主党政権において、非現業の国家公務員に広く協約締結権を付与する国家公務員制度改革4法案が成立することを前提に、国有林野職員について同法案による自律的労使関係制度への移行を想定した関係法律の改正が行われました。しかし衆議院の解散で国家公務員制度改革4法案が廃案となったことで、国有林野職員はこれまであった協約締結権が認められない状況となり、国家公務員制度改革が目指していた意図とは異なることとなりました。

 そこで今回提出した2法案は、国有林野職員について、自律的な労使関係の下で労働関係の調整が行われてきたことに鑑みて、引き続き労使関係を円滑に調整するため、国家公務員制度改革による自律的労使関係制度が措置されるまでの間、暫定的に、労使関係に関する従前の法律関係を確保するための措置を講ずるものです。2法案はこれまでも、2013年、2015年、2018年に提出してきましたが、衆議院解散により廃案とされており、今回、あらためて再提出しました。

 法案提出後、筆頭提出者の金子恵美衆議院農林水産委員会筆頭理事が記者団の取材に応じ、「現場で働く国有林野事業に関わる皆様方が本当に働きやすい環境をしっかりと作り上げていくことで、(森林面積の約3割を占める)国有林野の事業と国有林を維持し、そして民有林も一体的に整備していくことが、わが国の国土をしっかり守っていくことにも繋がる。そこで働く仲間をしっかりと支えていきたい」と法案提出に込めた思いを述べました。

 法案提出には金子議員の他、神谷裕、長友慎治、田村貴昭、北神圭朗の、各衆議院農林水産委員が出席しました。