立憲民主党は8月31日、旧統一教会被害対策本部、消費者部会合同会議を国会内で開き、河野太郎消費者担当大臣が立ち上げた「霊感商法等の悪質商法への対策検討会」の第1回会合について消費者庁より説明を聞きました。
冒頭あいさつに立った同対策本部長の西村智奈美代表代行は、消費者庁の有識者検討会の初会合が29日に開かれたことを受け、「本来であればもっと踏み込んだテーマ設定がなされてしかるべきだったと思う。当日も委員の皆さんから指摘があった、民法との関係の問題、消費者契約法の取り消し権の問題、それをまた誰がやるのかという問題等々、本当に多くの論点が出てきたと思う。今日は、これまでの対策本部の会議で出てこなかった、お答えいただけなかった内容についてもしっかりとお話をいただくと同時に、今後消費者庁としてこの検討会をどのように進め、どのように問題解決を図っていこうと考えているのか、聞かせてもらいたい」と発言。同対策本部としては、制度や立法が必要との考え方に立ち、迅速に立案、立法作業を進めているところだと述べ、参加議員への協力を呼びかけました。
消費者庁からは、「霊感商法等の悪質商法への対策検討会」の第1回会合の内容について、検討会の趣旨や委員の構成、今後のスケジュール、および霊感商法(開運商法)に関する消費生活相談の状況や事例など現状報告を聞きました。担当課長は、霊感商法等の悪質商法への対策検討会であり、消費者被害の発生及び拡大の防止を図るための対策等を検討するのが趣旨であると強調。今後のスケジュールについては、第5回までのテーマはあるものの、期限は決めていないと述べました。出席議員が「いつまでに何をするのか、何も決まっていないのか」「ゴールが決まっていないと議論だけで終わる」「喫緊の課題は(旧統一教会の問題で)今借金などで苦しんでいる人たちを救済することではないのか」などと迫ると、担当課長は、全省庁としての取り組みについては、法務省が主催する関係連絡省庁会議から説明を聞いてほしいと発言。この検討会はあくまでも一般的な霊感商法等の悪質商法を扱うものだとし、「河野大臣から委員の皆さんに『積極的な議論を』と呼びかけている」「消費者庁は委員の皆さんの議論を踏まえて対応していく」「検討会に任せている。今後活発なご議論の中でさまざまな論点が出てくると思う」などと繰り返しました。
長妻昭政務調査会長が「対価もサービスも何もない献金は消費者庁の所管に入るのか」と尋ねると、担当課長は「寄付をいわゆる消費者問題として扱うのかどうかが課題との認識。一切入ってこないかと言うとそんなことはないと思うが、あらゆる寄付が消費者問題として扱えるかと言うとそこは有識者の先生方でご議論いただく必要があると思っている」と回答。同対策本部の事務局長の石橋通宏参院議員が、「消費者契約法の取り消し権の対象については、献金したケースも贈与契約だと認定されれば取り消し権の対象になるという理解だが違うのか」と確認しましたが、「現時点では消費者庁で扱う課題に献金は、消費者問題として扱うか難しい課題がある。最後は裁判所の判断になる。高額の寄付、献金となったときに消費者契約法に当てはまってくるのか、民法の中でどう扱うのかを含めた議論になってくる」との見解を述べました。
西村代表代行から最後に、「消費者庁にお任せをしていたら、検討会の趣旨にある『消費者被害の発生及び拡大の防止を図るための対策』は出てくるのか、見えない。本当に残念。この機会にやらなければいけないのに、これから論点をどうさばいていくのか』と、あらためて消費者庁に質問。担当課長は「消費者問題を担当している立場として、できるだけ被害の発生及び拡大の防止に努められる検討会になるよう事務方として頑張っていきたい」と答えるにとどまりました。