泉健太代表記者会見

2022年10月21日(金)10時31分~11時21分
発行/立憲民主党役員室

★会見の模様を以下のURLで配信しています。
https://youtu.be/CaxH3bOhan0


■冒頭発言

■質疑


■冒頭発言

○トラス英首相の辞意表明について

【代表】
 おはようございます。
 まずは、イギリスのトラス首相が辞任を表明されました。
 確かに、保守党の党首選のときに随分と思い切った政策を出すなという印象はありましたし、対立候補との戦いの中では、むしろ対立候補側の政策に引っ張られて途中から減税色を出さざるを得なくなったというところもあったと思います。
 改めて、実際に政権を運営するときに、市場のインパクトも含めて、その反応というものを予測しながら政策を出すということの重要性ですよね。そういうものを感じています。これは日本の側としても、我々日本の政党政治を担う側としても十分注意をして、今回のことを教訓にせねばならないなということを感じた次第であります。
 イギリスの政治が早く本来の機能を発揮されるということを望みたいと思います。

○緊急経済対策の政府への申入れについて

【代表】
 そして、日本でも円安が進行していると。残念ながら、日銀総裁が何を言おうが、財務官が何を言おうが、この円安が止まるものではない。むしろ日銀総裁については円安を助長しているのではないかということすら感じます。
 もうもはや政府もすっかり円安メリットをいかに享受するかという方向に変わっているようですから、改めて我々立憲民主党としても全国の中小企業を初めとして全ての民間の皆様に対して円安シフトを呼びかけていかねばならないなと思いますし、そして、円安メリットを基本的に享受できる構造を持っている企業を支援するということだけではなくて、この円安によってデメリットを受ける企業を支援する、この視点がなければいけないと思います。
 実際には、インバウンドの強化ですとか、輸出の拡大ですとか、そして、これは与党ができていなくて立憲民主党が訴えていることでもありますが、やはりエネルギーシフトですよね。与党のほうはただ高くなった電力料金に補助を出すだけということであれば、これは一時しのぎにしかなりませんので、改めて、国内のエネルギーシフト。国内自給率を高めていくという意味では、再生可能エネルギーを増やしていくということ。そして、節電・省エネそのものが恒常的な電力料金の引下げにつながるわけですから、前回我々が緊急経済対策で訴えた省エネ・節電の投資をやはりやるべきだということは強く訴えていきたいと思います。一般家庭であれば、家電製品、断熱化。中小企業においても、この省エネルギーということについての設備投資。ここを強くしていくことで日本のエネルギーに対する負担感というのを軽減することができると思っていますので、これを何とか我々としては訴えていきたいと思います。
 その意味では、我々立憲民主党も積極的に政府にアクセスをしていく、アプローチをしていっているわけでありまして、例えばインバウンドが増えるということであればということで、さきには農林水産部会で豚熱の日本に対する流入を防ぐべきだということでの農水省への申入れを行いました。
 本日は、日銀と財務省に対して我が党の階NC財務金融大臣が申入れを行いました。こちらのほうは、止まらない円安への当面の対策についてということで、実質賃金の引上げを政府・日銀の目標にすべきだということ。あるいは、イールドカーブ・コントロールの柔軟化ですとか、また、単独介入だけで今の状況を抗し切れるわけではないと考えると、為替介入の実効性を高めるための外交努力ということ。他国との協調ということですね。そして、内外金利差の拡大を防ぐための外交努力などを、我々きょう申入れをさせていただいております。
 そして、先ほど省エネ・再エネの投資も必要だと、経済対策に盛り込まれているという話をしましたが、我が党が、まさにあの参議院選挙のときの山際大臣の発言、野党の声など何一つ聞かないというところから、我々もそれを強く批判をして、総理の答弁でもとんでもない発言だったということが示されて、そして、総理は今、野党各党からの経済対策の申入れを総理自身が受けているという状況にあります。今、国民民主党、維新の会、それぞれが申入れをされた段階だと思いますので、立憲民主党として来週、総理に対して申入れを行いたいと思っております。具体的日程は調整中であります。
 政府の対策、その省エネ・再エネ投資についても全然できていないということは先ほど申し上げましたが、加えて言えば、やはり子ども・子育て関係の支援も非常に薄いと思います。特に今、出てきているのはクーポンの話ですよね。これがいまいち判然としないところもあります。これは0〜2歳向けなのか、出産を準備している方向けなのか、対象者も定かではないのですが、いずれにしても非常に狭い対象者に限定してしまっているということです。
 少なくとも子どもと言われる18歳以下の全ての子どもたちに対して、私は、所得制限なしの児童手当の充実・引上げをしていくべきだというのが立憲民主党の主張の根本であると思っていますが、それができない間は、今回、立憲民主党の経済対策で盛り込んだような10万円給付を18歳以下にすべきだ。これも所得制限なしであります。
 それに比べると、仮に0〜2歳であっても相当少ない、相当渋った、相当限定をした子育て支援策ということになるし、もし0〜2歳でなく出産を準備している人のみということであれば、またこれはより限定しているということになるわけでして、子育てに対して非常にどけちな支援ということになっているのではないかと思います。
 改めて、立憲民主党は子ども・若者応援政党ということですので、今のこの政府の非常に小さな支援策については我々として改善を求めていきたいと。このようにも思っております。

○国会審議 「国葬問題」「旧統一教会問題」等について

【代表】
 そして、(旧)統一教会関係ですね。
 今国会、やはり国民の皆様の後押しのおかげで、随分とさまざまな点で政府の政策転換を促すことができていると思っています。
 国葬のことについても、国会内に協議会を設置するというところまでは行きました。ただ、政府のほうの考える、岸田総理の考える検証なるものと、国会の中の協議会で議論するものが、どれだけ一致するのかというのはまだ不透明です。ですから、ここもぜひ全国民の皆様やマスコミの皆様の応援をいただいて、まともに議論できる協議会にしたいと思いますし、立憲民主党としては元総理については全て内閣葬ということを言ってきておりますので、何とかその線でまとめていきたいと思っています。
 そして、この統一教会の件ですが、この国会で、さきの予算委員会で、まず我が党の長妻議員がさんざん時間をかけて、解散命令請求の解釈のところについては民法も含むというところ、まず長妻さんが質問をして、刑事だけだと、刑法だけだという答弁があり、それを大きな批判を国民の皆さんがしていただいたことで、次の日の小西参議院議員の質問の中でこの答弁を修正転換させるというところに至りました。これは非常に予算委員会の成果の一つであったと思っています。
 そして、被害者救済法のほうも協議入りができた。これも予算委員会での累次の質問の成果と思っていまして、この被害者救済法の与野党協議は、しかし、まだまだ落とし穴が待っていると私は思っていますから、先送りですとか骨抜きは許さないということが非常に大事だと思います。野党の中からは立憲民主党と維新がこの協議に参加しておりますが、我々野党第1党としては、他の野党の皆さんのご意見も丁寧に伺いながら、この与野党協議というところで我々としての考え方を実現していきたいと。いずれにせよ、やはり骨抜き、そして先送りは許されないということです。
 そして、この予算委員会で見えてきたことをさらに加えると、疑惑のある大臣が数多く出てきたということです。改造内閣が疑惑だらけであったと、疑惑大臣だらけであったということだと思います。きのう(プロ野球の)ドラフト会議が行われましたが、本当に疑惑のドラフト候補が(内閣に)いっぱいいるなと思います。これが明らかになったということ。
 そして、先ほども触れましたが、今の円安に政府として、日銀として、ほとんど対処できず、それに対応するしかないという状況である、だからこそ立憲民主党の訴える緊急経済対策が必要だということではないかと。それが明らかになったのではないかと思います。
 また、統一教会関係で言えば、やはり当事者の声、二世の声やご家族の声がやはり大きく国民の皆様に響いていると思います。一方で、自民党のほう、翻ってみれば、関係を絶つと言っただけで、やはりこれまでの関係を明らかにしないがゆえに、次々とこれまでの関係が外によって明かされる。自浄作用がない自民党ということが明らかになったということ。そして、外部から次々と指摘を受けるということで、今回の政策協定ですか、(推薦)確認書、こういうものが出てきたということであります。
 この政策協定、支持・支援の確認書みたいなものですよね。これは我々としては自民党に今、全ての議員を調べて公表すべきだということを求めています。自民党はこれをやるべきだと思います。当然ながら立憲民主党も調査を改めていたします。紙をつくって、立憲民主党の衆議院・参議院所属議員と現総支部長には、こうした政策協定を結んだことがあるかどうかということについて調査を行わせていただきたいと思います。当然ながら自民党もこの調査を行い公表すべきだということであります。

○来春闘「5%賃上げ要求」連合方針について

【代表】
 連合が5%の賃上げということを求めたというのは、非常に力強いメッセージになっていると思います。
 改めてですが、先ほど、円安シフトで我々輸出を盛んにしていくだとか、インバウンドを増やしていくだとか、エネルギーシフトを行うということを言いましたが、それに加えて、当然ながら賃上げなくして今の日本経済の正常化はあり得ないと思っていますので、この連合の5%、一律5%なんていう話はこれは業界で見ればあり得ない話ですから、あくまで平均ということでありますが、今こそ我が国の賃金をアップさせて、そして適正な価格転嫁を行って、経済全体を正常化させていくということが必要ではないかと思います。


■質疑

○憲法審査会について

【時事通信・木田記者】
 国会での憲法審査会に関してお尋ねしたい。さきの通常国会では、ほぼ毎週衆議院憲法審査会が開催されている状況だったが、今国会ではどのように臨むお考えか。また、旧統一教会や国葬の問題が憲法の議論に影響を与えることはあるか、お聞きしたい。

【代表】
 委員会や調査会あるいは審査会というのは国会の中に数多くあって、どれも重要なものであって、どこの委員会だけが、どこの審査会だけが行われればよいというものではまずないということ。ですから、あくまで自然体に、必要であれば当然各委員会や審査会・調査会は開かれるべきものだと思います。
 今、国民の皆様が知りたいこと、前に進めてほしいこと。これはこの統一教会の問題や経済対策ということが中心にはなっていると思います。そのほかの委員会や審査会については、日程をやりくりしながら、自然体で行っていくべきだと思います。

○臨時国会における日本維新の会との共闘について

【読売新聞・北村記者】
 維新との国会での共闘について伺いたい。最初の6項目の合意からきょうで1カ月ということになるが、きょうの与野党協議を含め、また、ほかの法案の提出も動きが多々出てきていると思うが、この1カ月間の成果について代表の評価をお願いしたい。

【代表】
 きょうはまた感染症法の議員立法を維新の会と立憲民主党共同で提出させていただくということになります。
 そもそも、この臨時国会において国会の中で共闘していくということですので、まさにそれを宣言するだけではなく実行する。そして、その課題というのは、国会改革もあれば、子どもの事故防止もあれば、(新型)コロナ対策もあれば、統一教会被害者救済ということもあればということで、広範にわたって力を合わせて、今の動かない政府を動かすという役割を果たせていることは、国民の皆様の期待に応えられているという実感をしています。

【読売新聞・北村記者】
 関連でもう一点。維新の馬場代表は、先週末のテレビ出演の中で、次の通常国会での両党の共闘について、政策限定の共闘はやる可能性はゼロではないというふうに述べた。政府を動かしている、ここまで成果があったというお話だったが、今後の共闘のあり方について、代表自身はどのようなご認識をお持ちか。

【代表】
 やはり政策的に一致するものは、野党の中でも力を合わせて与党に対して突きつけていく。また、国民の皆様にその野党の対案というものを見てもらうことによって、選択をしていただきやすくなるということだと思うのですね。現に、今、本当に岸田政権が足踏みを続けている、岸田政権は煮え切らない政権ですので、野党の側から答えを出していくということが重要。それを考えると、通常国会でもそういった政策があれば取り組んでいくということになります。

○衆院小選挙区「10増10減」閣議決定について

【日本経済新聞・小林記者】
 けさの閣議で「10増10減」が反映された公職選挙法の改正案が決定された。首都圏や組合系が強い愛知県、都市部を中心に選挙区が増えると思うが、立憲民主党として、現状の候補者を党内でどのように調整をして、新しく増える選挙区についてはどのように党勢を拡大して新しい候補者を擁立していくか、お考えをお願いしたい。

【代表】
 あくまで確定をしてということで総支部というものは事務的には立ち上がることになりますので、それはその確定をしてからということになりますが、当然ながら増員となった選挙区というか新たにできた選挙区については候補者を擁立していくと。そう考えています。

○ウクライナ議員団の訪日について

【フリーランス・堀田記者】
 トラスさんの辞任の筆頭というのが、はっきり言ってプーチンの攻略に遭ったわけで、それでイギリス経済がめちゃくちゃになった。この前、日本・ウクライナ友好議連が5人のウクライナの国会議員を招いた、そのときに代表も出ていたが、これからプーチンの侵略に対してどのようなことで戦争を止めるという動きをしたいと思うか。それから、日本国が武器のほうは考えないと、向こうの方もおっしゃった。とても利発的だと思うが、どのような援助が必要だと思うか。

【代表】
 ありがとうございます。
 ウクライナの国会議員団は、訪問する国のそれぞれの役割を十分に理解して話をされているなという印象を受けました。ですから、日本に対しては軍事的な協力を求めているものではないという前提に立って、例えば、相当電力インフラが破壊されたので、発電機、こういったものを供給してほしいとか、あるいは車も随分被害に遭っているので中古車を回してほしいとか、そして、電力がなくなるということは防寒ができなくなるということなので、衣料品、防寒着、こういったものも送ってもらいたいという要請というか要望がありました。
 早速幾つか調べてみたわけですが、今、例えば日本からでいうと、距離的に隣国であるということも含めて、例えばロシアに中古車ですとか発電機が輸出されてしまっているのではないかとか、そういったことも疑問として出てきていますので、今、そのヒアリングも役所にかけているという状況です。
 あと、小さなネタというか、向こうから示された話としては、前回日本から送ってもらった衣料品。これはどうも政府が送ったものなのか民間が送ったものかわからないところもあるのですが、どうやらそれは、そのとき聞いたのは迷彩服ではないかという言い方をしていましたので、日本政府から、仮に自衛隊から迷彩服を送ったとすればということになるのですが、サイズが小さいと。日本人のサイズでは実は女性の人しかウクライナでは着られないんだということを向こうの方はおっしゃっていて、次に送っていただく場合は2Lとか3Lでお願いしたいと。そんな話もありました。
 ですから、もう少しやはり、確かにこうして何でもありがたいと思っていただいているとは思うのですが、現地のつぶさに個別具体の話も聞いて、それを政府や日本の民間企業などと協力して、支援に、具体的なものに結びつけていきたいと思います。

○旧統一教会問題について(1)

【産経新聞・大橋記者】
 先日の予算委員会で、打越さく良さんが山際大臣に、統一教会なのかと聞いて、私はそうではありませんというやりとりがあった。その統一教会なのかどうかと聞いたことについて、代表はどのようにお考えか。

【代表】
 「統一教会なのか」という言い方ではたぶんないということですね。議事録上で言うと「大臣ご自身はいかがなのでしょうか」ということであった。
 私も驚いたというか、はっと思ったのは、かつて、オウム真理教の国会質疑ぐらいのときだったか、それとも公明党が政権与党になったときだったかぐらいだと思うのですが、自民党の議員さんがかなり直接的に、あなたは創価学会員なのですかという質問を3人の閣僚にしているのです。これはかなり直接的に聞いているなというふうに思いましたね、その議事録を改めて読み返すと。
 そういうことがあったということも見つつ、基本的には当然信教の自由というものがあって、そして、一人ひとりはそれに基づいて生活ができるということ、これは原則だと思います。あとは公人としてそういうことが聞かれるべきかどうかというのは、実際の国会の中で判断されていくことかなと思います。

【産経新聞・大橋記者】
 では、その聞いたことに対しては不適切だとは思わないか。

【代表】
 山際大臣が、公人といえどもそういうことを聞くべきかどうかということを私はわかりませんけれども、という言われ方をされている。まさにそういうことではないかと思います。聞くべきかどうかということは、その聞き方や、国会の中での実際の議事の中で、どういうふうに認識をされていくのかということではないかと思います。

【産経新聞・大橋記者】
 国会でそういう、山際大臣のあの答弁ぶりは問題があると思うが、あなたは何教なんですかみたいなことを聞くのは、例えば学校で君は統一教会なのみたいなことが、直接的にきのうの打越さんのやりとりでとは限らないが、やはり影響力の大きいテレビ中継もしている予算委員会の場で、問題のある大臣とはいえ、統一教会なのですかと聞くのは、やはりちょっと矩をこえているのではないかと思うが、その辺は改めてどう思うか。

【代表】
 今のご意見は承りました。

【産経新聞・大橋記者】
 注意とかはしないか。

【代表】
 今のご意見は承りました。

【朝日新聞・鬼原記者】
 ちょっと違うことを聞こうと思ったが、今の関連で、最後ちょっと大橋君も言ったが、ああいうことを聞かれることが差別を助長しないかという話だと思う。多くの信者の方というのはいわゆる被害者になり得る方であるわけで、その信者かどうかということを明確にすることが、世の中的に一般の信者さんとそうではない方の差別を生むのではないかと、そういう指摘もある。この点について代表はどうお考えか。

【代表】
 参議院の質疑の中ということですので、参議院の我が党の国対などにもよく話を聞いてみたいなと思います。

【朝日新聞・鬼原記者】
 推薦確認書の件で伺いたい。代表は、この問題のどこが最も重要な点とお考えか。自民党の中からは、あたかも内容はあまり気にせずサインしたとか、軽い気持ちでというような声も出ているが、この点も含めて、その問題意識を代表がどう持たれているか教えていただきたい。

【代表】
 実際に私が代表質問で取り上げた、例えば性教育の包括的性教育をやめさせるとか、自民党の中に現にプロジェクトチームが立ち上がって、政策的に行動して、その政策を反映させてきた。一つの例ですね。
 そのほかにも、全国各地で自治体議員による条例の制定に向けた取組とか、そういったことを具体的に統一教会側が求め、それに対して個々の議員が行動していたという事実はあって、岸田総理、ちょっとおかしな答弁をしていましたよね。一人の行動で党全体の政策が決まることはないみたいな言い方をしていましたが、一人ひとりの行動によって党の政策が最終的に決まっていくのであって、一人ひとりの行動によって政策が決まらないと言ってしまっては何も党としては誰の意見も聞かないという話になってしまう。
 そこはやはり、おそらくごまかしがあるのだろうなと思いますし、例えば自動車の業界団体とか日本医師会とかJAさんとか、いろいろな団体があって、そこに政治連盟があって政策要求をしているけれども、何の影響もないというふうにおっしゃるのかということで言えば、一つ一つの団体が推薦することで、その議員が行動し、そして、やはり政策に影響を与えている。これは間違いないと思います。

【朝日新聞・鬼原記者】
 立憲民主党としても調査をされるということだが、もう一度確認したい。調査対象の範囲と、期限、いつから始めていつまでなのか。また、結果を公表していただけるのかどうか。その点はいかがか。

【代表】
 まずは、衆参国会議員。そして、現在任命している総支部長。この対象者に行います。
 期限は10月28日まで。1週間ぐらいですね。
 そして、結果については公表するというふうに聞いてはいます。

【朝日新聞・鬼原記者】
 もう一点。被害者救済法案についてだが、代表として重視しているポイントだが、先ほど冒頭に骨抜きは許されないということをおっしゃっていたが、立憲民主党としてここは譲れないというのはどこのポイントになるか。

【代表】
 これは長妻政調会長も既に会見で述べていますが、一つは、家族が(献金の取消しを)請求できるというところです。もちろん家裁をかませたりだとか、非常に手続を丁寧にしながら、このマインドコントロールというものの定義づけをしつつ、そして、家族が請求できるというふうにしていくこと。それが一つ。
 もう一つは、段階的な、勧告があり、是正命令があり、刑罰という、この消費者契約法でできないものというところをちゃんと入れていくということ。これが一つ。
 先ほど言った(マインドコントロール等による献金の定義づけをする)のは、特定財産損害誘導行為ですね。特定財産損害誘導行為というもの、これをしっかりと書き込みをしていくということです。

【朝日新聞・鬼原記者】
 手続的な是正命令の明記と、特定財産損害誘導行為のしっかりとした定義と、あと特別補助人。

【代表】
 そうですね、特別補助人の制度をつくったと。

【朝日新聞・鬼原記者】
 この三つはこだわりたいと。

【代表】
 はい。

○緊急経済対策の政府への申入れについて

【朝日新聞・鬼原記者】
 最後に一点。先ほどおっしゃった、来週、経済対策を政府にということだが、もう少し詳しく。どなたがどちらに誰宛に持っていくということは、今確定しているところは何かあるか。

【代表】
 いや、現在確定していることはないです。

【朝日新聞・鬼原記者】
 持っていかれるのは、7.2兆円のこの前のやつという理解でいいか。

【代表】
 そうですね、はい。

○旧統一教会問題について(2)

【「FACTA」・宮嶋記者】
 代表おっしゃっていたが、やはり長妻さん、小西さんの質問はやはり出色で、とりわけ小西さんはカミソリ小西というのか、久しぶりに非常に面白い舞台だったと思う。この状況というのは、今までややまわしに手がかからないようなことがあったが、もろ差しくらいになっているのか。上げ潮だという感じなのか。代表として今どういうふうにそういう状況をご覧になっているか伺いたい。

【代表】
 本当に、衆議院と参議院のという意味も含めて、連携を取って、やはり逃がさない、言い逃れを許さない、そういうことができた連携プレーだったというふうに認識しています。
 長妻議員からは、自分の質問時間を返してほしいという声もありました。それぐらいに繰り返し前日やりとりをして、煮え切らない答弁だったものについて、しかし、これは煮え切らなかったけれども確実に政府内に動揺が走ったのだと思います。そして、その日の夜ぐらいには相当政府のほうも政府内で協議をしているという情報は伝わってきていましたので、次の日、我々としてはすぐにこれを改めて再確認するという手法で、政府・総理の答弁を引き出すことができた。
 これからも衆議院と参議院の連携や各委員の連携を密にして、答えを出させていきたいと思います。

【「FACTA」・宮嶋記者】
 もう一点伺いたいのは、私はあの打越さんの質問がまずいとやはり思っているのは、あの人は弁護士でもある。国会議員でもある。やはりああいう発言をあまり子どもに聞かせてはいけないのだろうと思うし、もっと心配なのは、実は数カ月前に、元総理だった菅さんが橋下徹さんのことを弁舌巧みなヒトラーだと。それぞれ議員の中にも、それなりの立場の人が不用意に、私はアジテーターがアジし損なっているとしか思えないが、そういうのはやはり注意しないと、せっかく上げ潮に乗っているけれども、やはり立憲ってそういうところがあるんだなというふうに。もう2回起こっていると思うが、いい調子のときこそ代表として守りも固めないとやられてしまうと思うが、その辺はどうか。

【代表】
 そういうところはあると思います。やはり党所属議員、不用意な発言というのは気をつけねばならないと思います。特に人権ということについて日頃から訴えている政党であれば、この人権に配慮して発言すべきだと。これはもう間違いないことだと思います。

【NHK・高橋記者】
 岸田総理が解散命令請求に関する答弁を一夜にして修正撤回した件について、それを引き出せたというのは成果だと思うが、一方で、きのうまで国会で言っていた解釈をこの短時間でひっくり返すということに関してはどうお感じかということや、岸田総理大臣のその決断は迷走しているとも言われているが、その辺りはどういうふうにお感じになられているか。

【代表】
 決断というよりも、前日までの間にちゃんとした答弁をつくれていなかったということであって、何も英断で総理が答弁を変えたなんていう話ではないですよね。総理はたぶん答弁書を読んでいただけぐらいな感覚なのではないですか。そういった意味でも、政府の中が、総理のリーダーシップのなさというところも要因として、今の混乱に至っているのではないかと思います。

【NHK・高橋記者】
 来週24日には集中審議も行われるが、今、政府への追及を強め、また、与党も巻き込んだ協議会の設置などもあり、こうした流れの中でどういうふうに改めて戦っていかれるか教えていただきたい。

【代表】
 よく、追及するほうが悪いのかというところを、改めて皆様に考えていただきたいと思うのですね。問題を起こしている側、あるいは真実を明らかにせず隠している側が、真実を明らかにしたり責任を明らかにすれば物事は前に進むわけです。それがされていないから何度も押し問答をせねばならないのであって、この押し問答の責任というのは全て与党にあるということは明確に言わなければいけないと思います。
 我々としても、早く自民党が改めて党内調査を行い、自治体議員も含めて安倍事務所も含めて党内調査を行い、その結果を速やかに公表し、そして、脱統一教会内閣を掲げた総理なのであれば、幾ら改造内閣であったとしても、その脱統一教会ということを貫徹するために、必要な大臣は首を切っていただく。更迭をしていただく。これが行われれば、相当国政の重要課題についての議論というものが主軸になっていく臨時国会になるのではないかと思います。

【NHK・高橋記者】
 その必要な大臣というのはどの大臣か。

【代表】
 山際大臣です。

○「健保連との意見交換」「党外交」について

【フリーランス・小山記者】
 引き続き健康保険についての質問だが、この間、代表は訪問を受けたと思うが、健康保険組合連合のほうから現役世代の負担軽減ということもテーマにされているということがあった。これがどういった内容だったのかということと、もう一つは、スローガンということでお互いに架していらっしゃるが、いつも泉代表がおっしゃるように、かかりつけ医法案というのがある。こちらは健保組合にとってどういったメリットがあるという意味でご提示されるものなのか、ちょっとわかりにくかったので教えていただきたい。例えば、これは大きな病院だけではなくてクリニックに人々を結びつけるということで、何らか医療の世界の改善を図ることができるとか、そういう意味もあるのか。

【代表】
 あの場にはおられましたか。いないですか、わかりました。ありがとうございます。
 まず、かかりつけ医法案は、特にコロナになって自宅療養というのが当たり前になってしまった。保健所には連絡をするけれども医療は一切受けられないという方も増えてしまった。日本というのは、基本的には受けるべきときに医療が受けられる国、医療にアクセスができる国であったというところが国民皆保険の基本だったと思うのですが、今それが損なわれているということで、健保連も、そして立憲民主党も、この国民皆保険のベースとして医療アクセスができるというのは大前提だということに立って、このかかりつけ医という言葉をお互いで共有し合ったということが一つです。
 そして、現役世代の負担軽減ということで、ここは多少、健保連さん側と立憲民主党の意見は異なるところではあるのですが、後期高齢者の医療費窓口負担ですね。これを2割にするというところで、彼らは現役世代の負担をより立憲民主党よりも軽くしたいということで、全ての高齢者の方々、もっと年収の要件を下げて、広い範囲で2割にすべきだという考え方。
 そして、もう一つは、ここは共通しているのですが、年収の高い高齢者の方には応能負担で、より高い保険料をお支払いいただく。ここは共通しているところということであります。

【フリーランス・小山記者】
 2点目だが、野党外交を活発にされているという印象を受ける。立憲ニュースを見ているが、モンゴルの方ともお会いになっていらっしゃる。ウクライナ、そしてアメリカ大使館のほうのお呼ばれもあったり。泉代表の行動や言動が岸田総理の思考のほうにもプッシュというか影響を与えているなという印象も受けるが、今のところ野党外交の成果というのは。私は、枝野さんのときは、ちょっと注力していなかっただけなのかもしれないが、今のほうが活発に見えるので、そういったところをどう感じていらっしゃるか。

【代表】
 我々、「次の内閣」を立憲民主党に発足させたということは、当然、外務大臣もいますし、そして、実際に政権を取ったときに政権を運営しているという考え方に至ったときに、我々が何をすべきかということは当然意識をしていかなければいけない。
 もちろん外務省や今の政府と同じような分量の外交活動ができるわけでは当然ない。非常に小さい政党の範囲の話ですから、同時並行的に各国の皆さんとということにはならないわけですが、とはいえ、立憲民主党として外交が重要な分野だと。これは安全保障政策を考える上でも外交と安全保障というのは両輪だと思っておりますので、そういったことを踏まえて各国と活発な外交活動を行っているということになります。
 先日もアメリカ大使館独立記念日レセプションという、(独立記念日の)数カ月後に開催することになったものだったのですが、お邪魔をして、非常に与党の側も少ない人数の中で参加させていただきましたし、また、その中で、来週一応来られる予定のジョージア大使が私に挨拶をしてきてくれたり、そのほかの国の方々も私に挨拶をしてきてくださったりしていますので、やはり顔が見えるということは今後につながっていくのではないかと思っています。
 モンゴルからはきのう前大統領が来られて、面会をさせていただいて、例えばモンゴルにおけるエネルギー供給の考え方ということですとか日本との交流について話をさせていただいて、やはり各国、例えばモンゴルの前大統領などでいえば習近平国家主席ともプーチン大統領とも直接会談をしている人物ですので、そういったさまざまな人物から情報を聞くというのも我々の外交には非常に役に立っていると考えています。

○「親族の秘書・秘書官登用」「ハラスメント対策」について

【フリーランス・堀田記者】
 岸田さんのご子息の翔太郎さんが秘書官になったときに、泉さんもそれは非難されていましたよね。これだけちょっと確認したい。

【代表】
 それが非難しますという言い方はしていないと思いますが、私なりのコメントは述べたと思います。

【フリーランス・堀田記者】
 そのブーメランというか、今週の出ている「週刊ポスト」で、菅直人さんとか辻元さんとか枝野さんの肉親とか関係が出ている。枝野さんとか辻元さんは理屈があるが、菅さんは、息子の源太郎が政策秘書になっているが、これについて何も答えていない。要するに泉さんは英断を持って、この源太郎を辞めさせろということを菅さんに言ってもらえないか。要するに攻めにくくなると思うが。

【代表】
 いや、特段何か攻めにくくなるというふうなものではないと思います。

【フリーランス・堀田記者】
 もう一つだが、立憲民主党神奈川県連の問題はどうなっているか。きょう神奈川新聞さんがいないから私が代わりに聞いていますが。

【代表】
 神奈川県連の問題。どの問題ということはありますか。

【フリーランス・堀田記者】
 マタハラ、パワハラです。私は立憲民主党神奈川県連会長の青柳さんにいろいろと聞いているが、勘弁してくれ、勘弁してくれと言って逃げている。これが全然立憲民主党にとってプラスにならないと思うが。

【代表】
 党本部と各都道府県連があって、各都道府県連が行うべきこと、党本部が行うべきことがあると思います。今、改めて岡田幹事長の下でその考え方を整理して、県連で行うべきことは県連で行っていただく。そして、党本部でやるべきことは党本部でしっかりと答えを出していく。今、その両方を進めてもらっていると認識しています。

【フリーランス・堀田記者】
 やっていると。調査中ということか。

【代表】
 そうですね。はい、ちゃんとやっているということになります。