泉健太代表記者会見

2022年12月9日(金)10時30分~11時18分
発行/立憲民主党役員室

★会見の模様を以下のURLで配信しています。
https://youtu.be/hV4Gyz5sfjY


■冒頭発言

■質疑


■冒頭発言

○旧統一教会問題 被害者救済新法の衆院通過を受けて

【代表】
 おはようございます。
 まずは、やはり、きのう旧統一教会被害者救済法が衆議院で可決されました。まず、このことを大きな前進だと思いたいですし、また一方では、長年、被害者弁護団の皆さん、そして当事者の皆さんがつらい思いをしてくる中で、なかなかそういったことを、政治が、国会が、正面から取り上げることができてこなかったということについてはお詫びしなければいけないと思っています。だからこそ、本当に30年ほど前に一度社会問題になって以降、この問題が国会の中で進展を見てこなかったということも考えると、やはり今回明らかになって主要課題となったときにどれだけ解決できるかというところが大変重要だと思いますので、改めて、この当事者の皆さん、そして弁護団の皆さんに感謝を申し上げます。
 我々としては引き続き、きのうも4者協議をできるだけ続けていきたいという話をしたということと、その後、衆議院のほうでは12項目附帯決議をつけました。例えば、法施行後、政府は速やかに行政措置の基準を示すとともに、配慮義務の内容についても具体例を示すなどして周知すること。速やかに条文解説、Q&Aなどを作成し、ホームページ等において公表すること。勧告・命令を実効あるものとするため、罰則の適用に当たっては、実行者のみが制裁対象となることがないよう、併科規定を設けた趣旨を踏まえ、新法の規定内容・趣旨について関係機関に対して周知すること。さまざまにこうした附帯決議をつけておりますので、その附帯決議をより実際に動かしていくという作業もやってまいりたいと思います。
 改めてですが、7月の段階では岸田総理にも全くこの旧統一教会問題を取り上げる意思はありませんでしたし、また、政府にも新しい法律が必要だという声はありませんでした。そもそも、ひたすら自民党は関係をごまかすだけの対応を続けてくる中で、立憲民主党が被害対策本部を立ち上げて、被害者の声を国会の中で伺い、その実態を明らかにすることで、大きく世論が動いてきたと思っています。ヒアリングが、もう50回を超えて行いましたので、相当数そういった実態は皆さんにお伝えすることができたのではないかと思います。まだまだ、被害に遭われても、身元が明らかになってしまうのはやはりなかなか難しいという理由だとか、さまざまなことで表に出てこられていない方もあります。引き続き、そういった被害実態を訴えたいという方があれば、立憲民主党としては真摯にそれを受け止めてこういった場を続けていきたいと思いますし、被害実態がわかればわかるほど当然ながらその救済に向けての具体的な方向性が決まっていくことになると思いますので、そうしたことについて引き続き取り組んでいきたいと思います。
 しかし、これで決して旧統一教会問題、終わりではありません。引き続き、自民党がやはり自分の党についての調査・報告は大変後ろ向きな状況が変わっておりません。国会議員はもちろんですし、自治体議員もそうです。先日もある報道が自治体議員についての調査をしましたが、やはり8割以上が自民党の議員に関係があったということであって、かつ、無回答の方々もたくさん自民党の議員にはいたということですので、これではやはり国民に真実は伝わらないし、関係の断絶にはならないと思いますので、明確にこの自民党の自治体議員も含めた調査を求めていきたいと思います。自民党はその公表もすべきだと思います。

○防衛力整備「増税を検討」首相指示について

【代表】
 続いて、岸田総理、自民・公明両党に防衛予算について1兆円増税の具体策の検討を指示したということでありますが、改めてですが、積み上げと言いながら内容は全然不明なままです。
 我々立憲民主党は、岸田総理が額ありきではないと、2%ありきではないと言うのであればということで、実は何もしていないわけではなくて、国会では安全保障委員会等々で、その中身は何ですかと再三にわたって問うています。しかし答弁は、まだ決まっていないと、この繰り返しなのですね。ですから、与党内で何かしらの議論はされているものがあるかもしれませんが、国民には全く明らかになっていない。
 そういう中で、内容も不明、そして規模だってその意味では不明にもかかわらず、勝手に43兆円というものを掲げた。そして、その財源についてもある意味勝手に掲げているというだけの話で、それが正当であるかどうか、それが適切であるかどうかというのは、これは全く今はそう言えない状況であります。
 買い物リストというか、何が必要かということをまず明らかにしていませんので、これを明らかにしないのはおかしいということは当然我々として言っていかなければいけないと思います。具体的な積み上げであるならば、何をどのように予算を使うのかということがまず必要だということ。
 そして、財源については、衆議院の予算委員会で私も触れましたが、増税ありきではないぞと。まず積み上げをして、本当に43兆にまで行くのかどうかも不明ですから、もしかしたら30兆台かもしれないし20兆台かもしれない。それであれば増税の必要もないということになると思います。まず歳出改革をやるべきだということを言ってきていますが、歳出改革の具体策についても大まかな方向性しか出ていない。例えばそれは決算剰余金だとか特別会計剰余金だとか国有資産の売却収入などなど言っていますが、ここもおかしな話になりそうだと懸念しています。
 どういうことかと言いますと、岸田総理、きのうの政府与党政策懇談会の中での総理の発言で、例えば「まずは歳出改革や特別会計からの受入れ、コロナ対策予算の不用分の返納、国有財産売却などの工夫を先行して始める」と言っているわけです。ただ、皆さんよく考えていただくと、この間、水増し・水膨れ予算にしてきたのは政府ですよね。コロナ予算も予備費も基金も、これはやり過ぎではないかという形で国債を発行してどんどん積み上げてきて、それが決算で不要になったからそれを防衛費に使えるというのであれば、これは事実上国債を防衛費に充てているようなものだし、コロナ予算という名前で上げておいて、それを年度が変わったら防衛費に振り替えるという、ロンダリングですよ。これは防衛費ロンダリング。そういうものはやはり許されないと思います。
 この辺りも、あたかも剰余金であるような、繰越金で透明な資金洗浄をして、余っているからそれを防衛費に充てるという手法は、私はこれは許されないと思います。そもそも今の政府の予算が相当水増し・水膨れであるというところから、それは本来の歳出改革とは言えないということも明確に訴えてまいりたいと思います。
 そして、これは突如の総理指示ですから、来週一応15日に税制大綱の取りまとめを予定しているわけですが、わずか1週間でその増税の具体策というのをどのように取りまとめるつもりなのか。また、そこには全く国民の意思も国民の思いも入っていないものですので、こうした中で、やはり防衛、この我が国の防衛を強化しなければいけない、充実させねばならない、それは多くの国民も理解しているけれども、この機に火事場泥棒のように予算を大きく積み増すということは私は誤りだと思います。あくまで節度を持って、こうしたことは過ぎたるは及ばざるがごとしでありますので、節度を持って防衛予算に向き合うべきだと思いますし、安易な増税は許されないということも明確にしておきたいと思います。
 総理、焦りなのか、ちょっと乱暴だなと思いますね。国葬もそうですし、旧統一教会に関してもさまざまそうですし、そして今回の防衛費についてもそうですが、突発的で乱暴で、国民が全く理解できぬまま大きな政策を進めようとしている。これはやはり改めてもらわなければいけないと思います。

○臨時国会閉会を迎えるに当たって

【代表】
 臨時国会、これで閉会ということになってまいりますが、今国会、先ほど話をしたように、最大の成果はこの被害者救済法の与野党による実現ということかと思います。私は、11月の上旬だったと思いますが、これが実らなければ内閣不信任にも値すると、かなり私なりにもプレッシャーをかけたつもりでありますし、本当に政府・与党が全く当初やる気がなかったという中では、国対からも、政調からも、対策本部からも、国会ヒアリングからも、そして幹事長からも、当然私からも、さまざまなルートでというか、さまざまなところから我々として最大限政府に対してこの法案の実現を迫ってきた中でありますので、そうしたことがまず大きいということ。
 そもそも国会においては議席数の差は歴然としている中でありますので、多数派が押し切ろうと思えばすぐにでも押し切れる中で、しかし、世論の皆様が国会に期待をしたということと、野党が力を合わせて政策を修正していくことができた、転換することができたというふうに思っています。
 また、それだけではなくて、先ほど言ったように(与党が)圧倒的多数ですから、岸田総理もかなり強気で国会運営もできたわけですが、やはり3人の大臣を辞任に追い込むということ、これもやはり国民が願っていたことですので、それを実現するというのが、正義が果たされたと、そう思っています。秋葉大臣においてはまだ残っておりますし、まだまだほかにも疑惑のある大臣はいるわけですが、おかしな大臣にはご退場願うという、正しい機能が発揮できた。そこに野党の果たす役割、立憲民主党の果たす役割は私は大きかったのではないかと思います。
 そして、補正予算の審議がある中で、先ほど言ったように水膨れ・水増し予算は許さないと、こういう姿勢を明確に打ち出して、国民生活が厳しい物価高の中で我々としては給付策を重点的に今年度中に必ず行うべき施策に絞って訴えたということには価値があったと思います。
 よく野党は批判ばかりだ反対ばかりだという話がありますが、今国会においては、我々政府の出したこの補正予算については反対いたしました。一方で、今回はいわゆる法案については結果的には全法案賛成という形になっております。反対すべきときには反対しますが、賛成するというものであれば当然賛成する。そういう考え方でやっておりますので、今国会については法案については100%の賛成ということになったということであります。
 引き続き政府の法案を厳しくチェックして、そして、我々として対案を示していくということ。今回やはりその意味では感染症法も与野党協議で修正することができたということもあり、やはり野党の政策共闘で、それによって政府を動かすことができたことによって、野党の要求ものませて、我々がこの政府法案を変えることによって、法案が賛成100%ということになったというふうに理解しているところであります。
 これから年末等々は多少視察があったりしますので、そういった我々の政策的な重視するところについて、現地・現場に出かけ、また街頭演説をして、国民の声を聞いてまいりたいと思っています。


■質疑

○臨時国会を振り返って(1)

【時事通信・木田記者】
 国会に関して2点伺いたい。先ほど今臨時国会の成果についての話があったが、逆に今後の国会運営に関して課題だと感じた部分などあればお聞きしたい。

【代表】
 そうですね、やはり基本的には与党は多数、圧倒的多数なので、いつ何どき、やはり国民の声を聞かなくなる、他の野党の声を聞かなくなるかというのはわからないわけです。いつ強硬姿勢になってくるかわかりませんので、やはり野党は少数である以上、国民の世論を頼りにして戦っていかなければいけないと思いますので、国民の皆様により応援をいただきたいということ。
 そして、今回例えば8項目の政策で立憲民主党と維新の会で共に取り組んできました。その中で、まだ実現していない政策があります。例えばそれは国会改革です。憲法53条に関連する国会開会の20日ルール。そして、文書通信費、今は調査研究費ですが、これの公開と返還。そして、子育て関連の政策です。児童手当についても、段階的には所得制限の完全撤廃ということで、まずは特例給付の復活ということ。あるいは、大学授業料の無償化とか給食費の無償化、奨学金の返済についての減免だとか、いろいろとやるべきことがありますので、そういったことは引き続きやっていきたい。
 そしてまた、今回の防衛費でも、先ほど話をしたように、その水増し・水膨れの予算の中で、相当この行政の無駄、歳出改革をしなければいけないと思っていますので、この辺りは引き続き我々として重点的に取り上げていかなければいけない。そんなことを考えています。

【時事通信・木田記者】
 もう一点。今国会、会期末処理が10日の土曜日に行われる見通しとなった。土曜日にこうした事態になるのは衆議院では29年ぶり、参議院でも9年ぶりで、異例のことと言えるが、このような事態を招いた与党側の国会運営の評価も含めて受け止めをお聞きしたい。

【代表】
 むしろ野党が随分、何というのでしょう、ある意味助け舟も出し、協力もしたと思っています。これは、もし被害者救済法が与党がかたくなな姿勢のままであれば、国会はやはり延長が避けられなかったと思います。
 土曜日にずれ込んだことそのものは、今、世の中は土曜日・日曜日にも働かれている方々がたくさんおられますので、国会が土曜日に行われるからいいとか悪いという問題では私はないと思いますが、とにかく国民のために必要な議論というのは時には国会を延長してでも行われるべきものであると思っています。
 今回は会期内に収まるということでありますので、それについては、自民党の側の国会運営の問題というのはこれまでさまざま指摘をされてきていますが、野党としては国民の声が国会に伝わるように、この国会会期内に最大限努力する。それをこれからも続けていきたいと思います。

○旧統一教会と細田議長の関わりについて

【TBSラジオ・澤田記者】
 会期末の話が今も出たが、あすで会期末ということだが、細田衆院議長の件で、旧統一教会と深い関わりが指摘されており、泉代表も本会議場の中で説明を求めるようなこともあったかと思う。現在のところペーパーを3枚出しただけということだが、説明が十分かということをどうお考えになるかと、党として例えば議運の場で今後説明を求めるなどの動きはあるか。

【代表】
 説明、不十分ですよ。皆さんもそう思いませんか。皆さんも不十分だと思っていると思います。
 そして、我々は議運の場での説明も求めていますし、国民に対しての説明も求めています。それは変わりません。それをずっと放置しているのが細田議長だということです。引き続きやはり求めていかなければいけませんし、そういう説明をしていない細田議長であるということをやはり多くの国民の皆さんに知っていただきたいと思います。決して問題が解決したわけでも忘れられたわけでもないと思います。

【TBSラジオ・澤田記者】
 もう一つ。改めて、代表としてどこら辺が細田議長の説明として不足していると思われるか。

【代表】
 まず、安倍元総理と同じ派閥で、細田派だったことでもあるわけで、細田議長の場合は、自身の旧統一教会との関係ということに加えて、派閥、そして自民党議員に対して、どのような言動を行ってきたり、あるいは関係構築のサポートをしてきたのか。こういうこともやはり明かしていかなければいけないと思います。そういったところはまだまだ明らかになっていない点だと思います。

○旧統一教会問題 被害者救済新法について(1)

【フリーランス・横田記者】
 救済新法について、最後で賛成に回ったことについて、茨城県議選で訴えていたことと食い違うのではないかということで伺いたい。茨城では茂木幹事長が幾ら譲ろうがどの党が賛成しようが被害者に寄り添って賛否を決めると言っていたにもかかわらず、全国弁連の川井事務局長が国会での参考人招致で、これではほとんど役に立たないと、配慮義務について「十分に」を入れてもさして変わらないと、実効性に疑問符をつけた中で、なぜ賛成したのか。茨城県民に対してうそをついたことに等しい気がする。一方で、朝日の報道では、維新との共闘重視で賛成に回ったと。維新と立民が賛否が分かれることを恐れて、あたかも政策よりも政局を優先したかのような印象を受けるが、泉代表の説明を伺いたい。

【代表】
 横田さんの観点、ご意見というのはよく今理解をいたしました。
 一方で、全国弁連の皆さんなどとも我々思いは一緒だと思っています。そして、やはりそういった中で、国会の中でどこまで勝ち取れるかということを常に考えながら、思いが一緒の中で、では、国会というまた特別な場というか、何を得られるのかという交渉の場で、どれだけのものを勝ち取れるか。そこについて最大限努力をしてきたわけであります。だからこそ我々は、賛成をして、さらにこの被害者救済法に関与していく。これも必要だということも当事者の方や弁護団の方からもやはりご意見としてはありました。
 そういった意味では、中身には到底我々も満足しているわけではないし、100点ではないということ、それは私も同じ気持ちです。その上で、今できること。やはり与党の壁というものもありますから、そういうものを、与党の壁がある中でここまで法案をつくり上げてきたということをまず一つの前進として、さらに前に歩んでいくべく、積極的に関与していこうと。そして4者協議も続けていこうというような話で今進んでおりますので、私はこの延長線上というか、一連のこれまで訴えてきたことの道の中にあると思っています。

【フリーランス・横田記者】
 最後の「十分に」を入れて与野党で折り合ったということが、いわば談合密着決着のように映ってしまうが、このことは泉代表は納得、事前にご存じだったのか。

【代表】
 はい。

【フリーランス・横田記者】
 全国弁連の川井事務局長が、ほとんど意味がないと、さして変わらないということを、最後の切り札として折り合ったというのは、これはちょっとおかしいと思うが、それでも納得されたのか。

【代表】
 はい。

【フリーランス・横田記者】
 山井さんは十分な野党案をのみ込まないと延長して30時間の審議時間を確保するということを言っていたのに、これもひよったとしか思えないが、この点はいかがか。延長してでもちゃんと審議すべきではなかったか。

【代表】
 ひよるもひよらないも、相手がある交渉、協議ですので、「じゃあ」と言ってテーブルをたたいて退出すれば何か得られるものがあるのか、そこで今後の協議がどうなるのか、そういったことも総合的に考えて我々は行動しています。
 これは多くの、例えば(被害者の)小川さんも橋田さんも、また弁護団の方からも、よくここまでやってくれたというご意見もいただいておりますので、横田さんがおっしゃるようなご意見ばかりではないというふうに理解しています。

○臨時国会を振り返って(2)

【日本経済新聞・大澤記者】
 維新との国会での連携について伺いたい。最後まだ参院が残っているが、きのう衆院では被害者新法についてお互い賛成ということで態度を示された。今回の臨時国会全体での連携・共闘の評価、振り返りを教えていただきたいのと、先ほどの国会改革とか一部項目の中でまだ実現まで至っていないものについて、通常国会以降の連携をどうしていきたいか教えていただきたい。

【代表】
 私は、やはり立憲民主党は立憲民主党としての訴えというものをもっと全国の各地で我々はやっていかなければいけないと、これまでもずっとそう言ってきました。はなからどこかの党に頼るのではなくて、自分たちの主張をしっかり訴えていくべきだと。そういう中でこの8項目の合意があると思っていて、何かを譲るとか譲らないではなくて、立憲民主党が政策を実現するために必要だと思う政策合意を行ったということです。
 その意味では、実現していないものは引き続きやはり実現していきたいと思いますし、その立憲民主党の訴えてきた政策が、一つ、二つ、三つと、今回の政策合意の中から生まれてきたというのはやはり大きな成果があったと思います。このある意味手法というか、こういった取組というのは、これからも、もちろん他の野党も含めて、必要であればやはりやっていきたいと思っています。

【日本経済新聞・大澤記者】
 通常国会以降だが、まだ残された課題というところは取り組まれていきたいと。

【代表】
 はい。そうですね、先ほどお話ししましたように、歳出改革とか、子育て予算のことですとか、まだまだやるべきことはたくさんあると思っています。

【日本経済新聞・大澤記者】
 最初の6項目の中に救済法につながるような統一教会への対応・対策というところがあったと思うが、そこは今回一定前進があったが、引き続き取り組まないといけない項目に入るとお考えか。

【代表】
 引き続き取り組まなければいけない項目を項目化は今していませんが、我々としては当然、4党協議、これをやはり継続を呼びかけるという側ですので、この継続は必ずやっていきたいと思います。それにまた応えるのが、政府与党、自民・公明両党の国民に対する誠意というか、当然やはり応えていただかなければいけないと思います。引き続きの4党協議には。

【NHK・高橋記者】
 先ほどの質問の一点確認だが、通常国会以降も歳出改革や子育て予算でやるべきことがあるということだが、これは維新と連携してやっていくということで理解してよろしいか。

【代表】
 そこはやはり今後どうなるかというのは話をしてみなければわからない。立憲民主党が立憲民主党としてやるべき政策があり、必要であれば他党にも協議・協力を呼びかける、その姿勢は変えずにやっていきたいと思います。まだ何か通常国会でどういう構図でやっていくかというのが決まっているわけではないです。

【NHK・高橋記者】
 ただ、これまで維新と一緒に合意してやってきたものではあるので、一緒にやる可能性も十分あるということか。

【代表】
 それはそう、もちろん相手があることですからね。

○旧統一教会問題 被害者救済新法について(2)

【朝日新聞・鬼原記者】
 救済新法について伺いたい。今後も4党協議を続けていかれたいというご意向だが、どこを目指すのかということを伺っておきたい。法律にまだまだ不十分な点があるというのは指摘のとおりだと思うが、改めて立憲民主党として、どういう法案、どの部分の実効性を高めるために今後協議を続けていくのか、お考えを教えていただきたい。

【代表】
 マインドコントロールの、この規定と禁止というのは盛り込まれなかったということで、この寄附取消し要件が厳しくて立証が困難であると。この点をどうしていけるかということ。
 また、本人ですとか家族の救済をする、債権者代位ですね。この行使がやはりなかなか難しいという辺り。そういったところはやはり引き続きやっていかなければいけないと思っております。
 こうした点を中心に、なるべく、この2年の見直しの期間というものの中で言えば、もうすぐに着手しなければいけないと思っておりますので、この家族取消し権の実現ですとか、そういったところを重点的に努めていきたいと思います。

○臨時国会を振り返って(3)

【朝日新聞・鬼原記者】
 国会のことだが、内閣不信任案や関係大臣の不信任案についてお考えを伺いたい。先ほど冒頭で、臨時会は閉会ということになるということだったので、おそらく今回は出されないという前提で伺いたい。大臣が3人辞めて、秋葉大臣はまだ残っていて、更迭を代表自身も求めていたと思うが、この状況下で岸田内閣の不信任や秋葉さんへの不信任を出さないというふうに考えておられる、その理由を教えていただきたい。

【代表】
 不信任そのものは大変重いものでありますし、不信任が当然通れば国会の解散ということもあり得なくはない話です。
 もちろん、今回岸田内閣が大臣がばたばたと辞任するということで、岸田内閣そのものが問われているのは間違いないと思います。ただ、昨年総選挙が行われた直後ということでもあります。そういった意味で、私はこれは国民の皆さんが岸田内閣をどのように評価するのかと見定めているところだと思いますので、そういったところを総合的に考えながら我々としては対応していきたいということで今回に至っています。

【朝日新聞・鬼原記者】
 ちなみにことしの常会では岸田内閣の不信任案を出されていたと思うが。

【代表】
 常にやはり総合的判断ですよ、こういう類いでは。

○防衛力整備に関する議論について

【共同通信・久納記者】
 防衛費の関係で伺いたい。冒頭で、増税ありきではないと、歳出改革があるべきだということだったが、防衛費の積み上げの結果として増額が必要だとなった場合に、税負担というものがあってしかるべきというお考えなのか。その部分のお考えをお願いしたい。

【代表】
 やはり順番ですね。順序です。まずはやはり歳出改革です。これは防衛費の中でも無駄は省いていかなければいけませんし、政府全体の予算の中でも当然歳出削減、必要なところは行っていかなければいけませんし、場合によっては国会における経費節減、そういったものだって国民の皆様に痛みを伴う前にやはりやらなければいけないことでもあると思いますし、さらに特別会計だ基金だといろいろあるわけです。
 先ほど言ったように、ただでさえ今、相当歳出が膨らんでいる状態ですから、かなり水膨れの状態ですよね。ですから、それをただ従来の予算に戻すだけでも黙っていても相当な予算が出てきてしまうわけですが、それではやはり本来の歳出改革にはなっていないと思いますので、私はやはり安易な増税はだめだという姿勢がまず最初、大事だと思います。

【共同通信・久納記者】
 政府・与党は既に増税の議論をしているが、このタイミングで、物価高の中で増税を議論することについて反発する世論もある。このタイミングについては代表は今お考えはいかがか。

【代表】
 タイミングも何もですよね。その43兆というのは勝手に決めているわけで、中身は国民に示されていないわけで、43兆のために増税が必要だと言っているわけですから。そもそも前提が国民からすれば全くブラインドの中、見えない、全く不透明です。そういう中で、だからものすごくお金がかかるからお金をくださいと、国民の側に要求する段階ではないのではないかと思います。

○旧統一教会問題 被害者救済新法について(3)

【共同通信・久納記者】
 もう一点、国民民主党の玉木代表がツイッターで、救済法案の審議について、言葉遊びだと。岡田幹事長名で抗議されたと思うが、改めてこの発言の受け止めと、その後、撤回等も含めてやりとりがあったのか伺いたい。

【代表】
 幹事長が主にされていたと思うのですが、幹事長から撤回を求めて、何か聞くと、今後気をつけますというお話だったというふうには聞いております。まず、それが一つ。
 あと、そもそも「十分に」と書き加えた修正案の提出者に国民民主党も入っているので、やはりご自身でご自身のことを問うていただきたいなと思います。まず、やはりご自身たちも提出者に入って、共に取り組んでつくったものであるならば、まさにその実効性を高める責任がおそらくあるのだろうと思いますので、頑張っていただければと思います。

○臨時国会を振り返って(4)

【フリーランス・小山記者】
 泉さんの質疑のショート動画が出回っている。総理に増税はしないですよねと問い、向こう10年増税のつもりはございませんとおっしゃった。総理の答弁の重みが問われる局面だなと思っているが、この件は引っ張ってというか、繰り返しその分というのは強く示されていかれるか。

【代表】
 これは総理の元々の発言というのは消費増税についてですので、あらゆる増税ではなく、消費増税について問うたものなのですが、それは総理は消費増税は10年程度はやらないということを明らかに言ったということですね。加えて、走行距離課税、これも問うて、総理からは、やらないという、考えはないという答弁は受けているわけです。
 これからもやはり国民の関心のある課題、特に税に関しては国民から徴収されるものですから、強い関心を持って取り上げていきたいと思います。

【フリーランス・小山記者】
 ほかの方と質問の内容が重なってしまうが、今回の国会では与野党の協議の新しいスタイルができた、より深化した話合いのスタイルを開拓できたというふうにお考えか。

【代表】
 そうですね。我々は与党ではない。しかし、当然ながら国家の一員、国民のために働く特別公務員、野党であっても当然その一人でありますので、この国民の命と暮らしを守るという責任において必要な話合いをやはりやっていくときは今後も出てくるし、その中で、言うことの聞かない与党に対して国民の声をぶつけて改善をしていけるものがあれば、やはりそれはやっていくことになると思います。

【フリーランス・小山記者】
 国民から見ていて、いつもより与野党がすごく話し合っているという印象は与えたと思うが、従来よりも何%増しの話合いになったとお考えか。

【代表】
 実は、国会の中では、さまざまな法案、他の法案においても与野党の話合いというのが行われることがあるのですが、やはり世論の目が向かないと基本的に政府・与党は譲歩しないのですね。世論の目が向いたときに初めて政府・与党は譲歩を考えると思いますので、やはり我々は立憲民主党として、野党として、国民の皆様に「この問題は今大事ですよ」と、いろいろな意味で発信をしていきますので、それを受け止めていただいて、それについてやはり世論が時に反応していただければというか応じていただければ非常に大きな後押しになると思っています。
 例えば、かつて農水省がつくった補助制度が途中から急に変更になって、農家からだいぶクレームが来たものについて、これをおかしいではないかと野党の側から農水省に随分と申入れをしたことによって農水省が例えば制度について再度見直しを行うということはあるし、今もちょうど、こどもみらい住宅補助みたいな、住宅改修のために契約をしていた人たちの補助金が切れてしまって、そして切れたので打切りになってしまって、そうしたら似たような補助金がまた国交省でつくられたのですが、ちょうどその新しい補助金と古い補助金の間に、急に補助金を受けられないという谷間に落ちてしまった人が出てきたので、今、我々もそれを国交省に変えろ変えろと、直せ直せというふうに言っています。
 そういうことのように、これは与野党協議とは別かもしれませんが、国民の皆さんの声によって我々が動かされることももちろんあるし、我々が動いていることを国民の皆さんに伝えることによって後押しをしていただくこともあるので、その連携をしっかり強めていきたいと思います。

【フリーランス・小山記者】
 けさのツイッターの内容でいらっしゃると。もう少しお話しさせていただきたいが、「SAMEJIMA TIMES」というのがある。元朝日新聞の方だと思うが、そちらの政治家の動機としての野心論というのはちょっと違うなと私はいつも思っているが、立憲が大政翼賛会化するとか、ちょっと極端な論調が出ていたりする。この方の文章の中に、この政党は今後、原発の新増設も敵基地攻撃能力の保有も同じように、賛成することで関与を深め進化させるために責任を引き受けると言いながら容認していくのだろうと、ちょっと横田さんと重なるが、おっしゃっている。この点、市民団体、女性教職員の会などからアプローチを受けたりして、立憲さんは立憲主義と安全保障の谷間ですごく悩んでいらっしゃると思うが、一番悩ましい部分というのはどんなところか。

【代表】
 いや、そんなに、何というのですか、悩ましいとか深刻だということではなく、常に前向きに立憲主義に基づいて我々の政策をつくってきていますので、今も当然ながらその原点を忘れずに立憲民主党として日々歩んでいます。

【フリーランス・小山記者】
 それを聞いて皆さん安心されると思う。今後も厳しくチェックをして対案を示していく、法案に野党の提案をのませていくということだが、今回全部賛成されたということで、私たちのほうからは、結果だけ見ると、どこまでチェックしていただいたのか見えにくいと思う。どのような議論が戦われて、どのようなチェックをNCは行ったとか、そういったものをお示しいただくご意向はあるか。

【代表】
 その示す形は、またちょっと、やりとりの中でどんなものを求めていられるかというのでまた判断していきたいと思います。
 あくまでこの数字は結果論だと思うのですね。政府が大した対立法案を出していなければ、それは当然全部賛成するということになることもありますし、本数が例えばすごく少なければパーセンテージだけで言えば例えば100%になりやすかったりもするわけですので、数字はこれは結果論だと思います。
 ただ、私たち、特に国民の皆様にお伝えするとすれば、反対するというのは、やはり理由がある。政局的に反対しているのではなくて、おかしいと思うから反対するわけですね。やはり反対している法案というのは、なぜ反対しているのかというところに注目していただくと、「なるほど。そういう理由で、そういう観点があるから反対しているんだ」というのがわかっていただけるのだと思うのです。
 賛成というのは、ある意味、どの政党も、全会一致とかであれば、問題ないというふうに認識して採決に臨んでいます。ただ、それでも当然国民の中には全政党が全会一致で賛成したとしても反対する人もいるかもしれませんが。
 そういう意味では、今回は先ほど言ったように感染症法なども、当初は我々これではだめだというふうに言っていたものが、やはり与党・政府が国民の世論でだいぶ支持率が下がって、このままでは国会の運営もうまくいかないと。さまざまな理由の中で、ここは国民の声と野党の政策に耳を傾けたほうがよいというふうに判断して修正協議に至って、そして感染症法は我々も賛成するに至ったということだと思いますので、そういう一つ一つ、これからもやはり必要であれば協議していきたいと思います。

【フリーランス・小山記者】
 ネクストキャビネットは高い知見の方々がお集まりだと思うが、部会から資料が上がってきて、それをキャビネットが承認するというふうに伺ったが、わずか1時間ぐらいでその法案に関するものは決めてしまうのか。それとも、持ち帰り、そして集まっていらっしゃるのか。そこだけ教えていただきたい。

【代表】
 基本的には、まずシステムとしては党内の議論は開かれたものでなければいけないというふうに考えています。党内の議論が開かれたものでなければいけないということは、まず、各それぞれの部会で行われる議論で多くの議論がなされるということになります。全国会議員が参加できる形で議論されます。ですから、いわゆる具体的な議論というのはそこである意味完了しているという前提に立ちます。
 その上で、各部会の承認を得てネクストキャビネット(次の内閣)に上がってきますので、全党で議論して結論を得たものがNCに上がってくると、その中でも確かに時に議論が起きることもあると、そういうふうに理解をしていただくとよいかなと思います。

【フリーランス・小山記者】
 持ち帰りはされていないということか。

【代表】
 するときも、もちろんあるかもしれません。

【フリーランス・小山記者】
 大体1時間で決まってしまうということか。

【代表】
 大抵は、大体、議論を経てきているということです。

○旧統一教会問題 被害者救済新法について(4)

【フリーランス・横田記者】
 与野党協議、4党協議で新法の調整をしたことについて、共産・れいわ・社民を除外して排除して、特別委員会設置で議論すべきだという声を無視したことになると思うが、これも維新重視の一貫というふうに見えて、先ほどの関連で言うと、維新との共闘重視が法案賛否の一因だったのかどうかの確認を含めて伺いたい。

【代表】
 そこはちょっと国対に確認してみてください。

【フリーランス・横田記者】
 維新に立民の政策が引きずられているのではないか。

【代表】
 それはないです。我々は、立憲民主党としての政策、これをやはり第一に考えて、必要であれば政策合意をして進めているということです。

【フリーランス・横田記者】
 防衛3文書でも維新に引きずられているという印象を受けるが。

【代表】
 それは人によるかと思います。