参院本会議で1月26日、岸田総理の施政方針演説に対する代表質問が行われ、党参院議員会長の水岡俊一議員が登壇しました。水岡議員は、(1)日本の民主主義の状況(2)国会での議論(3)参院の存在意義(4)安全保障(5)気候変動対策(6)日本学術会議の組織改革等(7)子ども・子育て、少子化対策(8)新型コロナウイルス感染症対策(9)教員不足(10)インクルーシブ教育――等について質問しました。

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■国会での議論、参院の存在意義

 水岡議員は、憲法に定められた国民主権に基づき、内閣法に「内閣は、行政権の行使について、全国民を代表する議員からなる国会に対し連帯して責任を負う」との条文を引用し、臨時国会閉会後に、防衛3文書を閣議決定するなど、閣議決定を先行させ国会での議論をないがしろにしており、国民主権を真っ向から否定していると指摘しました。

 岸田総理は、「政府の方針や決断を形にした予算や法律案を国会の場で国民の前で正々堂々議論することは重要」「国会での議論をないがしろにするつもりは毛頭ありません」と述べ、主張は平行線のままでした。

 参院の存在意義について水岡議員は、2007年の民主党輿石東議員会長(当時)の発言「二院制はほとんどの先進国で採用され、安定した政治のためには欠かすことのできない制度」、これに続く自民党青木幹雄議員会長の「決算審査の強化は、参議院の独自性の観点からのみで主張しているわけではない」「決算を予算に反映させ、行財政執行の適正化を図ることが不可欠と考える」といった発言を取り上げ、「参院における決算重視、参院の存在意義の確認が与野党を越えて展開されてきた」と強調。昨年末の臨時国会で従来から参院で重要視されてきた決算審査の本会議を行わず、閉会したことの責任をただしました。

 岸田総理は、審議の具体的日程は国会で決めるものだと述べ、責任は無いとの見解を示しました。

■安全保障

 古賀誠自民党元幹事長や、内閣で安全保障を担当された柳澤協二元内閣官房副長官補が、専守防衛からの逸脱について重大な危惧を指摘していると述べた上で、「国会に詳しく説明し、議論する場を設けず、閣議決定し、広く公表したのはなぜか」と問いました。

 岸田総理は、国政を預かる政府与党で1年以上にわたる丁寧なプロセスを経て方針を決定、その過程で国会でも「できるだけ丁寧な説明を心掛けてきました。進め方に問題があったとは考えてはおりません」と述べ、さらに今国会に予算案を提出しており、与野党との活発な国会論戦を行うと語り、「丁寧な説明」についての具体的な話はありませんでした。

■気候変動対策

 水岡議員は、(1)緻密なデータを分析、シミュレーションし、2030年60%の削減も可能であると、エネルギー転換戦略で提案していること(2)今の20代の人たちを環境行政の中心に据えた、将来問題研究チームを作り、日本の環境行政を進めていくといったビジョンが必要だ――と訴えました

■子ども・子育て、少子化対策

 多様な家族のあり方を認めない現在の婚姻制度を改めたり、雇用制度などの社会構造やライフスタイルを抜本的に改革するなどの例を挙げ、小粒で的外れな対策ではなく、従来とはまったく発想を変えてこそ「異次元」といえる対策だと指摘しました。

 そして、防衛予算は5年間で43兆円と明確であるのに対し、子ども・子育て予算は明確に示していないとして、「優先順位は子ども子育てよりも防衛」なのかと迫り、予算を示すよう求めました。

 岸田総理は、「6月の骨太方針までに将来的な子ども子育て予算倍増に向けた大枠を提示する」と述べました。

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