衆院本会議で2月14日、「地方税法等並びに地方交付税法等改正案」に対する趣旨説明と質疑が行われ、立憲民主党・無所属から道下大樹議員が登壇しました。道下議員は(1)地方財政(2)一般財源総額確保(3)国と地方の税配分(4)交付税法定率の引き上げ(5)臨時財政対策債(6)自治体職員給与(7)水道事業(8)除排雪経費への財政支援(9)ふるさと納税(10)マイナンバーカード(11)地方分権改革――等の観点から質問をしました。

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 道下議員は、令和5年度の地方財政は、収支規模、一般財源総額ともに過去最高額を更新しているものの、物価高、長期金利や為替レートの変動、ウクライナ情勢など、今後の経済動向に影響する不確定要素が多いため見通しは不透明であり、税収は厳しい見通しが示されていることに触れ、令和6年度の地方財政の見通しを総務大臣にただしました。松本総務大臣は、「令和5年度地方財政計画においては、交付団体ベースで令和4年度を上回る62.2兆円を確保している。令和6年度に向けても自治体がさまざまな行政課題に対応しつつ、行政サービスを安定的に確保するよう必要な財源を確保していく」等と答えました。

 自治体が必要な行政サービスを安定的かつ効果的に提供していくためには、増大する地方の財政需要を的確に把握し、これに見合う地方一般財源総額の確保を図ることをはじめ、持続的な地方税財政の充実・強化が不可欠だと道下議員は訴えました。そのうえで、現在6対4となっている国税と地方税の割合について、国と地方の役割分担に応じた税の配分となるよう、偏在性や安定性に配慮しつつ税源移譲を行い、地方税の配分割合をさらに引き上げるべきだと求めました。松本大臣は、「国から地方への税源移譲は、地方団体間の財政力格差への配慮や国地方とも厳しい財政状況にあることを踏まえて検討することが必要だ」と述べ、「税源の偏在性が小さく、税収が安定的な地方税体系の構築に取り組むとともに地方税の充実確保につとめる」と答弁しました。

 

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 自治体職員の人員不足が深刻化するなか、岸田政権が求めている物価高騰に伴う賃上げが地方財政計画にはおり込まれていないことを道下議員は指摘。給与関係費にも賃上げ方針を反映するべきではないか質問しました。松本大臣は、「地方公務員の給与は地方公務員法に基づき人事委員会勧告を踏まえ、毎年国家公務員や民間等の均衡を考慮して定める」と説明。「今後の民間企業における賃上げの状況については、令和5年度以降の人事委員会勧告に反映されることとなり、その内容を適切に反映する」と述べました。

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