立憲民主党ジェンダー平等推進本部(以下、ジェンダー本部)は3月15日、「政治の働き改革こそが、日本の女性活躍を加速させる」と題して、「第7回りっけん女性塾オンライン・トーク」を開催しました。

 昨年10月から政治に関心のある女性のエンパワーメントを目的にスタートした「女性塾」の今回のゲストは、株式会社ワークライフバランス代表取締社長の小室淑恵さん。今まで約2000社、公立校200校の働き方改革コンサルティングを手がけ、政府の審議会・有識者会議の委員を歴任されています。長時間労働がもたらす弊害、働き方をどう改善していくべきかについて、辻󠄀元清美ジェンダー平等推進本部副本部長、女性候補者支援チームの塩村あやか参議院議員とトークを繰り広げました。

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 冒頭の講演で小室さんは、生産年齢人口が多く、高齢者比率が低かった人口ボーナス期には、男性ばかりで長時間労働、同質性の高い組織での働き方が経済成長をもたらしたものの、1990年代以降、生産年齢人口が少なく、高齢者比率が高くなった人口オーナス期には通用せず、むしろ労働時間の短縮、多様な人材が豊かなライフの時間を過ごす組織が業績を上げていると説明しました。

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 「人間の脳が集中力を発揮できるのは朝目覚めてから13時間以内」「脳の集中力が成果に直結するホワイトカラーは残業中の労働生産性が最も低い」、「睡眠不足は怒りの発生源である偏桃体を活性化させ、パワハラ・セクハラ・不祥事等のモラル崩壊の引き金となる」「睡眠の質の低下は80.8%の研究において、高い攻撃性と関連」など、専門家の研究を紹介し、日本の平均睡眠時間が諸外国に比べて著しく短いことに強い懸念を示しました。小室さんは、睡眠が長い企業ほど利益率が高くなっていることを挙げ、EU各国で義務化されている、勤務と勤務の間を11時間あける、「勤務間インターバル制度」を導入すべきだと提案しました。
 また、世界では女性の労働参加率が高まった方が出生率が高くなる傾向に転じているのに、日本では男性の育児参加が進まなかったために、女性の労働参加率だけ高まり、出生率の改善に辿りつかなかったと指摘し、社会全体の労働時間改善を起こさなければいけないと強調しました。

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 小室さんの講演を受け、辻元議員は「もう、睡眠とインターバルですね」と同意。紹介された各国の事例では制度や税金の使い方によって、働き方だけでなく生活も充実し、かつ成長もしているのに対し、日本ではうまく行っていないので、いただいた提案をしっかり実現できるように取り組みたいと話しました。また、ワーク・ライフバランスのグローバルスタンダードと日本国内の状況の隔たりがあるため、海外からも日本で働こうとする人が来なくなるし、働きやすさ、生きやすさを求めて人材が海外に出て行ってしまうと危機感を示しました。

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 塩村議員は、政府与党の働き方改革、少子化対策に係わる認識のズレは「非常に根が深いものがある」とし、「考え方をドラスティックに変えていかないと、日本は浮上できなくなっているので、インターバル規制は次に必ず入れなくてはいけない。ここからまずスタートなんだろうなという気がした」と話しました。

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