泉健太代表記者会見
2023年3月17日(金)11時58分~12時45分
★会見の模様を以下のURLで配信しています。
https://youtu.be/xTxM-JfeP-A
■冒頭発言
■質疑
- 尹韓国大統領との会談について(1)
- 国政補欠選挙について(1)
- 議員立法「保育士配置充実法案」について
- 「日医連側が麻生派に高額献金」報道について
- 尹韓国大統領との会談について(2)
- LGBTQの人権を守るための法整備について
- 女性議員や候補者に対するハラスメント対策について
- 衆院小選挙区「10増10減」総支部長選任について
- 日本維新の会との勉強会について
- 子ども・子育て政策 育児休業給付金の引上げ方針について
- 国政補欠選挙について(2)
- 「年収の壁」をめぐる議論について
- 防衛力整備に関する議論について
- 春闘等について
■冒頭発言
○尹韓国大統領と会談し意見交換
【代表】
おはようございます。
きょうは、日韓首脳会談を受けまして、本日私も尹大統領との会談を先ほどまで行っておりました関係で、少しこの記者会見の時間が遅くなりましたことをお許しください。
尹大統領、精力的に日程をこなされていて、この後は経済界との懇談、また、慶応大学での講演というふうに聞いております。 きょう、大統領との会談では率直に、これまでの大統領の思い切った日韓関係改善に向けた努力ということについて、私のほうからも敬意を表させていただきました。
一方で、まだまだ我が国と韓国の間にはさまざまな懸案事項もございますので、そういったものの解決に向けてさらに努力をしていただきたいし、また、こちらのほうも協力をしていきたいという話もさせていただきました。やはりレーダー照射のことについての課題ですとか、あるいは慰安婦像などについても、そして拉致問題ということについても、こちらからは言及をさせていただいたところであります。
引き続き、今月末にも韓国の与党の議員団が訪日するという話も伺っていましたので、改めて、我が党にできる日韓議員連盟、立憲民主党の議員連盟との交流ということも進めていこうという話になりましたし、さまざまなさらにこの日韓関係を連携強化していくための取組ということで包括的にも共に協力をし合っていくことを確認できたと思いますので、野党ともこうして意見交換をされるという尹大統領の姿勢には改めて本気度を感じるものでありました。この機会をとらまえて、安全保障の関係、そして経済・文化、さまざまな面において価値観を共有する隣国との、この関係を強化していきたいというふうに思います。
○「保育士配置充実法案」を提出
【代表】
そして、きのうの夕方、「子ども・子育てビジョン」を発表させていただきましたが、その中でも我々は、まず、その子どもたち、若者世代の経済的負担を減らさなければいけないと。負担軽減をすることで、さまざまな人生の選択を考えられるような環境をつくる。あくせく働くだけで待遇もままならないままではなかなか将来のことを考えられないし、現にさまざまな統計調査では非正規雇用の方々がどうしても未婚率が上がってしまうというデータもありますので、改めて、安心して働けて、結婚や、出産や、育児や、あるいは生活ということそのものに時間を割けるような環境、これをつくっていくということで「子ども・子育てビジョン」をつくらせていただきました。
その中でも触れていますが、保育士の配置の改善をしていくということを我々具体的に進めていこうということで、本日、もうすぐですね、お昼の時間に「保育士配置充実法案」というものを衆議院に提出するということを考えております。これは、保育所の保育士の配置基準については、現行の配置基準というのはあるわけですが、そこからさらに踏み込んで加配ということをしていった場合に、その保育の職員配置基準を進めていったところに対して支援を行っていくというものになっております。やはり保育所で事故が起きやすい一つの要因というのは、この子どもを見る目が届かないというところにもあると言われていますので、この手厚い配置というものにこれからも向けて我々は具体的に取組をしていきたいと思います。
○衆議院補選 山口4区に有田芳生氏を擁立
【代表】
そして、今、統一地方選挙に向けてもそうですが、統一地方選に向けては我々、現在候補者擁立をしている全国の仲間たちの全員当選に向けて努力をしているということと、現有議席の上積みということを目指していると。これをまずお伝えをさせていただき、そして、国政選挙ですね。衆議院・参議院の補欠選挙が予定されておりますが、現時点で我が党で候補者を発表している、千葉5区、そして山口4区、ここについて動きを加速させていきたいと思っております。
特に山口4区は、有田芳生さん。先ごろまで参議院議員として活躍もされてきましたし、そしてまた、旧統一教会問題でも、その専門家として全国でこの問題点というものを訴えてきた方でありますので、ある意味象徴としてのこの山口4区の場で、政治とそういった団体の関係を断ち切る、それをメッセージとして、ぜひとも国民の皆様にも共感を得たいということでありますし、山口4区の皆様にも改めて新しい政治を始めるということでの契機にしていただきたい。そして、ある意味、旧統一教会との関係においては、特にこのゆがんだ10年ということでもあろうと思いますし、また、失われた10年と我々が言っている、経済、そして人口減少、さまざまな多様性を認めない今の自民党政権というものも含めて、問い直す契機にしてまいりたい。このように思っております。
■質疑
○尹韓国大統領との会談について(1)
【共同通信・渡辺記者】
韓国大統領との面談について、思い切った日韓関係の改善に敬意を表されたとおっしゃった。これに対する大統領側からの受け止めと、レーダー照射の問題、慰安婦像の問題、拉致問題にも言及されたということだが、これについても詳しく、泉代表からどういう発言をされて、大統領がどういう受け止めがあったのか教えていただきたい。
【代表】
会談そのものは、きょう、朝、おそらく早い時間から精力的に大統領は行っていて、時間というのはそう長く一つ一つの問題について話せるわけではありませんでしたので、例えばレーダー照射についてだとか慰安婦像ということについての具体的な返答というものはございませんでした。
一方で、私からは、特定失踪者の調査会、これはきのう我が党でもヒアリングをしていますが、そこが作っていただいている、いわゆる顔写真入りのリストですね。これを直接大統領のほうには手渡しをさせていただいて、500名近くの方が載っておりますと、この問題について非常に我々重要だと考えているというお話をしましたら、韓国でも、拉致被害に遭われた方ですとか、あるいは朝鮮戦争以降、会えないままの方ですとか、さまざまな課題があるので、このことについては共に取組をさせていただきたいと。そういうお話はいただいたところであります。
【共同通信・渡辺記者】
それに絡んで、日韓の首脳会談も行われているが、この期待感、成果とか、どう見ておられるのか、ご所見をお願いしたい。
【代表】
これは私から大統領にもお話ししましたが、大統領がきのうおっしゃった、ゼロサムではなくパートナーとしてという、ウイン・ウインの関係でというお話がありました。私もまさにそうだと思います。どちらが勝った負けたということではなく、両国の関係改善はそもそも両国にとってプラスであるという考え方で、これまでの懸案だった「徴用工」(元朝鮮半島出身労働者)の課題についても、求償権を行使することは想定していないというところで一致を見たというのは、これはやはり一つの前進であると思いますし、とはいえ、日本の側として常に不安であるところは、その政策のというか取決めの継続性・一貫性と不可逆的であるかどうかというところはやはり問われると思いますので、そこはこれは我々としては注視していかなければいけないと。そう感じています。
【共同通信・渡辺記者】
もう一点。泉代表との会談に戻るが、時間がどれくらいだったのかと、初めてお会いになってどういう印象を受けたのか、お願いしたい。
【代表】
時間そのものは30分くらいでした。
それで、きょうは大統領に加えて、朴振(パク・チン)外交部長官と、日韓議連の、向こうで言うと韓日議連の金碩基(キム・ソッキ)議員と鄭鎮碩(チョン・ジンソク)会長も来られました。
特に、この日韓議連、向こうで言うところの韓日議連のお二方は、昨年も我が党の党本部に、要は、尹政権が発足して以降、日本の政治関係者と丁寧に緊密に心合わせをしたいということで、立憲民主党本部にも訪問をしていただいています。
そういった意味では非常に打ち解けた雰囲気で、これまでのそうした韓国側の多方面からのアプローチ、そういった努力というものを感じましたし、そして、韓国側として、この日韓関係を改善したいという努力、それは一定やはり行われてきたのだなというふうに感じましたので、そういうことも含めて、これまでの取組をねぎらい、しかし、まだまだ韓国国内などでの世論というのは野党側を中心に厳しいものもあるでしょうから、あくまでこの日韓の首脳会談というのは、先ほど話をしたように、ゼロサムではなくてウイン・ウインのものであると、それは我々日本の政治の側からも訴えていきたいという話をさせていただいたところです。
【フリーランス・堀田記者】
30分という短い時間だったと思うが、喫緊の問題として、1Fの処理水と佐渡金山のことは出たか。
【代表】
いえ、今回は出ませんでした。私自身は認識というか、非常にこの問題も重要だと思っていて、まだ水産物を韓国が禁輸しているというのは大使館には伝えている課題でありますので、こういったことは引き続き日韓の双方の中で私は扱っていくべき課題だと思っています。
【フリーランス・西中記者】
韓国の尹大統領は、2018年の大法院判決と、その後、日本政府がずっと主張してきた1965年の日韓請求権協定で全て解決済みと、この間でどういうふうにバランスを取るかということで非常に苦労されてきたと思う。今まで日本でずっと裁判を支援してきた方とかが、日本政府の対応として、やはり岸田首相が直接、強制動員の被害者の方に対して謝罪を表明するとか、韓国のほうでつくった支援財団に、やはり加害企業、三菱重工とか日本製鉄が直接だが、そういうところも拠出するようにと、そうしないとやはり韓国の被害者で納得しない方もたくさんいるという話だが、その辺の今後の対応については何か尹大統領のほうからお話があったり、あるいは代表のほうから何かご意見されたということはあったか。
【代表】
今ほどお話ししたように、30分という時間の中で、個別具体のことを、また、おそらくそれは一義的には政府間で話し合われなければなかなか今後の動きというものもないものだと思いますから、我々の側にというのは大統領からはございませんでした。
私のほうからも特段そういった意味では、具体的に何をどうするこうするという話をしたということではありません。
【フリーランス・西中記者】
では、今後の推移、韓国側の今後の対応を見ていく中で、これはきのうきょうで全て解決済みということではないと思うが、その様子を見ながら何か岸田首相に対して対応を迫っていくというようなことは今後考えられるか。
【代表】
やはり今回の日韓首脳会談は関係改善という意味では大きな一歩であると思います。何事もそうですが、その一回切りで100点、これ以上何もしなくてもよいという状態、しかも全ての国民同士が納得するなんていうことは、そもそもそれはなかなか難しいことであるという前提には立たなければいけないと思いますので、きのうも共同記者会見の中で出ていましたが、対話ということを大事にしていくということではないかと思います。
【北海道新聞・今井記者】
尹大統領との会談について、泉代表からは懸案事項の解決や日韓関係の改善の協力に向けてお話しされたということだったが、尹大統領から代表に何か提言というか、何かがあれば教えていただきたいのと、今、代表が話されたこと以外に何か話題等はあったのか教えていただきたい。
【代表】
政治の交流はもちろんなので、そこはやりとりしたのですが、やはり大統領としては、若い世代の交流ですとか、経済交流ですとか、そういったところをより進めていきたいと。そういうお話はございました。
当然我々としても、例えば日本国内における韓国企業のビジネス環境、それに伴う日本での居住環境というか、滞在している環境のより改善ですとか、例えば、これは大統領からではなかったのですが、少し前段で大使館などとも話をしていて、例えばソウルで日本人ビジネスマンというか関係の駐在員の方々が、韓国、またソウルを中心に、仕事がしやすいようにということで、韓国の側では例えばそれなりに広い敷地で日本人の学校というものを造るためのさまざまな協力をしたというお話がありました。一方で、このビジネスが活発になってくる中で、今、例えば東京などでは、今ある韓国の学校の、かなり定員があふれ気味になってきているというような話もありました。そういったことなどは互いにこれから前向きに取り組んでいける課題ではないかなと。そんなふうには思いました。
あと、ちょうど我が党からは、おそらくというか間違いなく今後の立憲民主党日韓議連の会長になっていく中川正春先生と、おそらくそこの幹事長になっていくであろう今の役員室の重徳議員も同席をして尹大統領と会談をしたわけですが、大統領からはやはり議連に対する期待というのは強く示されました。これから、さらに与野党を問わず議員間交流をしていくことで、より互いの関係というのは関係改善に向かっていくと。そんな話はありました。
○国政補欠選挙について(1)
【フリーランス・宮崎記者】
3点、全く別だが、まず1点目は、冒頭、補欠選挙に関して、千葉5区と山口4区で取組を加速していきたいということで、ほかの、山口2区、国民民主党だった和歌山1区、野党系無所属の参議院大分に言及されなかったが、この辺の今後の調整はどうなるか。
【代表】
これはですね、決まったところは加速をしていきたいし、決まっていないところは決めるための努力というものを最大限引き続きやっていきたいと。そういう姿勢を持っています。
○議員立法「保育士配置充実法案」について
【フリーランス・宮崎記者】
2点目だが、保育士の配置基準に関して、この後、衆議院に法案を提出される予定で、多少ぶら下がりもあるかもしれないが、非常に基本的なことだが、配置基準を変えて、その理想に実際に現実が追いついて、保育士の配置基準は今、0歳児だったら6人につき1人保育士さんがいなければいけないという基準だが、これが実際理想に追いつくまで、理想が現実になるまで、何年ぐらいのスパンでお考えか。
【代表】
これは、今、野党である我々が政策を実際に進めたり予算をつけられるわけではないので、我々としては何年というのは言いようがないですよね。むしろそれはやはり与党に聞いてもらわなければいけないし、我々としてはできる限り、やはり例えば今、4−5歳児は現行で30対1なのですよね。小学校だって少人数教育というのがどんどん言われていて、一方で、この保育所の4−5歳児が子ども30人で先生1人というのはやはりきついというところを、とにかくちょっとでも変えていきたいというのが今回の法案でありますので、これは我々の側から何年で完了できますなんていう状況では残念ながら今ないということです。
○「日医連側が麻生派に高額献金」報道について
【フリーランス・宮崎記者】
3点目だが、きょうの東京新聞・中日新聞の一面に出ていた話だが、ひょっとするとまだ認識されていないかもしれないが、麻生派に対して日本医師会の関連団体が4000万円だとか1000万円を前回の総選挙の直前に寄附している。4000万円とか1000万円とか、多少法律に詳しい人ならすぐわかるところだが、おそらく政治資金規正法違反では全くこれはないと思う。ただ、そうは言っても、これは麻生派・志公会のほうにもちゃんと記載されているが、幾ら何でも4000万円はほかを見ても突出した金額で、麻生財務大臣が10年間やって卒業するタイミングで、何か日本医師政治連盟、日本医師会がという言い方でいいと思うが、関係改善を図ったのではないかというようなところまで報道がされている。この件に関して、しかも麻生さんは、自民党なら元大臣になったほうが省に口が利きやすいわけで、しかも義弟が財務大臣で、この10年以上、政権交代がなかなか現実にならない中で、やはり麻生さんのところに何かあると僕は思う。なかなか麻生副総裁にはいろいろな追及が不思議といかないが。この件に関して、東京新聞の朝の報道、あと全般的に、いかがお考えか。
【代表】
法律で認められている政治献金なるものは、それも一つの民主主義で担保されているものなんだという、理屈というかですね、あるわけですが、しかし、それが例えば一人ひとりの個人からの献金と大きな業界からの献金とではやはり受け止めも違うというのが一般国民の感情ではないかと思いますし、そこにさまざまな例えば政策的な影響力というものがどう行使されたのかというのがなかなか伝わってこないわけですが、まあ、でも、これだけのお金を寄附するということの意味をやはり説明する必要はあると思うのですね。
これはかつては、イデオロギー対決の時代であれば経済界や業界団体も民主主義や資本主義を守るために自民党側に献金をするというのは一つの理屈だったのかもしれませんが、今、日本の主要政党はほとんど民主主義も資本主義も大前提にしている政党ですから、こうした業界団体や経済団体、そして大手民間企業を中心に、多額の献金を自民党や派閥にだけどんどんしていく、それが強固な政官業の結束につながってしまっているとすれば、そこは国民が不在になってしまうと思いますから、そういったことが起きていないかどうか、ここはよくチェックをしていきたいと思います。
【フリーランス・宮崎記者】
来週からになるだろうが、麻生副総裁に国会で答弁してもらうのはなかなか難しいかもしれないが、いかがか。
【代表】
それはなかなか難しいとは思います。そういう国会でのやりとりになるかどうかはこれはわかりませんが、情報を集めて、よく精査をしていきたいと思います。
○尹韓国大統領との会談について(2)
【毎日新聞・安部記者】
簡潔に何点かお聞きしたい。まず、尹大統領の件で一点確認だが、野党との意見交換に本気度を感じたというふうにおっしゃっていたが、今回の面談はどちらからのアプローチで実現したのかなどを教えていただきたい。
【代表】
すみません、私もそこの詳細、正確かどうかはちょっとわかりませんので、もしよかったら、またうちの事務方などに聞いてもらえたらと思います。
○LGBTQの人権を守るための法整備について
【毎日新聞・安部記者】
別件で、LGBT理解増進法についてお尋ねしたい。昨日、LGBT法連合会という、立憲のヒアリングなどにも来られている方々だが、トランスジェンダー差別について、例えば女性用のお風呂に一見して男性と見られるような方が入ってくるようなことになるのではないかという心配はデマであるというふうな会見を行った。この件をめぐってはSNS上などでちょっと過激に分断が広がるような状況が起きており、その背景には、女性が被害になる性犯罪が連日報道されるような日本社会の状況で、女性の安全が十分に守られていない日本社会の男女不平等さがあるのではないかというような指摘もあるが、LGBT理解増進法を成立させたいと考える立憲民主党として、どう向き合っていき、どんな配慮をしていくことでこの議論を深めていくことができるとお考えか教えていただきたい。
【代表】
今ご質問いただいたことの中には幾つかの課題が入り組んでいるなという感じがしました。
理解増進法でいくと、実は立憲民主党は理解増進法を成立させたいと言っている立場というよりも、自民党の側が差別解消法に賛成してくれないので理解増進法にならざるを得なくて、それすら成立に至っていない状況を大変問題視していて、早く、せめて一歩の一歩である理解増進法は成立させねばならないと言っているのが立憲民主党です。ただ、理解増進法では到底これで収まるというか足りているものではないという考え方に立っていて、やはり差別解消法が必要だと思っています。
それと、このトランスジェンダーの課題というのは、また法律とは異なる問題でありますので。
そして、今もう一つおっしゃっていただいた、女性に対する性犯罪みたいなものも、これも大変大きな問題で、この女性に対する性犯罪などは特に、防ぐために、警察の中に女性の警察官を増やしていくなんていうことは警察の中ではやられているようですが、それはまだまだ女性の方々の目線に立った犯罪抑止の社会づくりだとか、そして被害に遭った方々への支援策だとか、足りないものがあると思いますから、こういうところに対して立憲民主党はより取り組んでいきたいし、そして、そのためにも実は女性議員が増えていくことも大事なんだということだと思います。自然と政治の世界で関わっている方々の中で男性中心になっていってしまえば、どうしても、女性の方々が何に危険を感じるかだとか、そしてどういう対応が必要なのかということがなかなか上がってこないというのが今の現状だと思いますから、そういったところを解決していく必要があると思います。
【毎日新聞・安部記者】
問題を解きほぐして向き合っていく必要があるといったようなことでよろしいか。
【代表】
はい。
○女性議員や候補者に対するハラスメント対策について
【毎日新聞・安部記者】
別件で。先日、街頭演説中の女性候補者、統一選の候補者だが、強制わいせつ行為を街頭演説中に受け、犯人が現行犯逮捕されるという事件があった。統一選に向けて、立憲も女性候補者を今お話があったように増やしている最中だと思うが、ハラスメント被害というのは以前から指摘されているが、既に取り組まれている対策や、今回の事件を受けて新たに必要だと考えられる対策があれば教えていただきたい。
【代表】
立憲民主党のジェンダー平等推進本部と、そして女性議員ネットワークなどで、繰り返し特に新人の候補者の方を中心に研修をさせてもらっています。これは、例えば一人で戸別訪問をするだとか、どこかの会合に行くだとか、そして帰りの時間が夜遅くなったりするということも含めて、そういうときに不測の事態に遭遇したらどうすればよいのか。こういうことの注意喚起だとか、なるべく一人で活動しないようにするだとか、そういう活動においての注意というか喚起を行うとともに、被害をもし確認した場合、被害に遭った場合は、やはり即座に警察に対応を求める、通報する。そういったことを徹底しているというのが現状です。
○○衆院小選挙区「10増10減」総支部長選任について
【毎日新聞・安部記者】
最後だが、今週の常任幹事会で、福島県の「10増10減」で選挙区が変わる新1区と3区の公認候補者が承認されたが、それを受けて翌日に福島県連に所属する馬場議員が、ちょっと聞いていないというか、本人の知らないところでこうやって決まっていくのは気持ちの整理がつきませんというような内容のツイートをされていた。それを踏まえて、「10増10減」で選挙区が変わる県連に対して、党としてはどういった方針を伝えていたのか。また、常任幹事会の前に福島県連からはどういった報告が上がってきていたのか。今回の馬場議員のツイートなり、党内で何かあるかもしれないが、動きを受けて何か対応される考えがあるか教えていただきたい。
【代表】
日々のこととして、当然党内の議員からは意見があればそれはしっかり受け止めたり受けつけたりしておりますので、また機会を持ってそういうお話を伺っていくというのはこれから十分あり得ると思います。
そして、こういう、例えば県連の中でどんな話合いがされて、そして党本部の常任幹事会にかかるまで、それを代表が全て知っているということはありませんので、そこは選対委員長ですとか幹事長ですとか、そういったところの中でもう少し話が、まだ私も知らない話があるのかなというふうには実感をしています。
【毎日新聞・安部記者】
新しく選挙区が変わるところに対しては、県連の中で十分に話し合って決めていただくようにというようなことを伝えているのか、党本部としては。
【代表】
これは常にだと思います。皆の合意でおそらく県連から上がってきているということでもあるでしょうし、県連の中で話合いが例えば十分であるのか不十分なのか、あるいは決裂したのか合意したのか、その辺りは党本部にはおそらく届いているものではないかと思いますので、そういったことも含めて、それぞれ個別の事情を見て判断していくと。丁寧な、これからもやりとりというのはしていきたいと思います。
○日本維新の会との勉強会について
【時事通信・木田記者】
まず、日本維新の会が、立憲民主党との安全保障の勉強会について、非公開ではなくフルオープンでの開催を求めている。泉代表ご自身のお考えをお聞きしたいが、勉強会の公開の是非についてはどのようにお考えか。
【代表】
そういうことというのは、基本的には現場で、現場レベルでああしようこうしようという話合いがされていて、代表にまで決断を求めるような話にはなっていませんので、特段私のほうから考え方を言うということではないと思っています。
○子ども・子育て政策 育児休業給付金の引上げ方針について
【時事通信・木田記者】
別件で、総理はきょうの記者会見で、男性の育児休業で仕事を休む方への給付金を引き上げることを打ち出す方針だ。実質的に育休中の賃金の100%がカバーされる方向だが、このことの評価をお聞きしたいのと、財源についてはどのようにお考えか。また、開会中の国会審議の中で表明するというような方法もあった中で、あえてこの時期に記者会見を開いて発表するという方法をどう評価されるのかお聞きしたい。
【代表】
その、総理の発表した政策の財源を我々に聞くというのは、ちょっとよくわからないのですが。
【時事通信・木田記者】
財源がどうあるべきかという。
【代表】
それは総理の発表した政策なので、我々がどうあるべきかということを語る話ではないということが、まず最初です。
実はこれですね、今国会の冒頭に、1月25日に我が党から提言している内容なのです。育児休業給付の給付率の引上げということを言っていて、まさに私が代表質問で、昨年森永乳業が実施したということの例を取りながら言ったものなのですが、森永乳業では出生時育児休業給付金という、28日間のですね、それをこれまでのものを引き上げて100%有給という形にしたということを具体的に取り上げて、そして、政府・総理にこういう政策をやったらどうですかということをお話ししましたので、そういった意味ではこれは一歩前進だと思っています。
今のお話、ご質問の中で、男性のみという話がありましたが、今、報道でもそれが分かれているのですよね。日経新聞とか毎日新聞では女性もというふうに書いてありましたので。ここはやはり男女問わずということがあるべき姿ではないかと思っているところであります。
【時事通信・木田記者】
発表の形式についてはどのようにお考えか。
【代表】
発表の形式が何でしたか。記者会見をすると。
【時事通信・木田記者】
泉代表も国会の中で審議して、その国会審議の中で打ち出すということもあったかと思うが、国会の中ではなく、あえて国会開会中に記者会見を開いてアピールされるということについてはどのようにお考えか。
【代表】
総理が何を記者会見で発表するかまでいちいち目くじらを立てていたら、それはちょっとやっていられないような気もしますので、別に仕方はどうでもいいと思いますが、一つは、その背景ということで言うと、我々立憲民主党からの質疑の中で、来年度予算、ことし4月からの予算において、防衛費は26%伸びるけれども、子ども国会と言いながら子ども予算は2.6%しか伸びませんねということが明らかになった。これはもう、やはり今の岸田政権が、実は全然、来年度予算で子ども政策、子育て政策の予算を伸ばそうという意欲に欠けている、倍増どころの話ではないということが明確になった中で、焦りがあるのだろうとは思います。そういう防衛予算優先のイメージを記者会見で払拭していきたいという、その思惑があるということでしょうね。そう感じています。
【時事通信・木田記者】
関連で。岸田総理は昨日の日韓首脳会談、本日の子ども政策に関する記者会見、あすは日独首脳会談と、外交や子育ての面で露出の機会を増やしている。統一地方選挙や次期衆議院選挙に向けたアピールではないかとの見方もあるが、総理の動き、思惑をどう評価されているか。
【代表】
アピールでしょう。当然ですよ。でも、それをアピールが悪いかといったら、それは各党アピールするのは当たり前なので、僕はそれがいいとか悪いとか、悪いという話にするつもりはありません。それは自民党も総理も、それはそれで懸命だと思いますよ。「けんめい」というのは「賢明」ではなく一生懸命という意味の「懸命」ね。
○国政補欠選挙について(2)
【時事通信・木田記者】
別件で、衆議院山口2区に関して。共産党の志位委員長が昨日の記者会見で、山口2区に候補を擁立する考えと、山口4区では立憲の有田芳生さんの選挙に協力するという方向性を示した。立憲民主党として、山口2区の擁立状況と、2区で共産党の候補を応援するということも考えられるのかお聞きしたい。
【代表】
考えておりません。というのは、まだ何か確定的なことが起きている状況ではなく、何か例えば他党から依頼があるわけではなく、特段そういったことについて考えている状況にはないということです。
有田さんを我々として4区で擁立するということは決めたわけですので、他党からの推薦というものを受けるかどうかというのは、まだちょっと具体的なそういう申出があるわけでもないのですが、それはまた我々で考えなければいけませんが、基本的には、この有田さんの戦いが、さまざまな立場の方が、自主的に応援をするという方が現れてくるということは、それはもちろん有田さんにとっては大変心強いことではある。ただ、それは組織的な、明示的な応援なのかどうかというのは、まだ不明です。
○「年収の壁」をめぐる議論について
【日本経済新聞・大澤記者】
「年収の壁」について伺いたい。一部の報道で、厚生労働省の中で、一定の所得を超えると社会保険料で実質的に年収が減るというところに対して、国が企業にお金を支出して肩代わりするという案があるということで、配偶者向けの政策なので不平等ではないかという批判も出ているが、こちらの政策案に対する評価を教えていただきたい。
【代表】
これは本当に、当面のということと理想形ということがやはり異なるものなのだろうなと、そう思います。
我々も、この今の物価高と、そして賃上げということを考えると、働きたくても働けない状態ができてしまうというのは、就労調整が起きてしまうのは問題だと思っていますので、「年収の壁」の問題も、ことし1月、一番最初の立憲民主党からの質問の中でも、この「年収の壁」問題を解決していかなければならないということは政府に対して求めたわけです。
幾つか、それは当然方法があります。「年収の壁」を引き上げるということもあれば、やはり引き上げてもそれは根本解決にはならないという声もありますし、今、政府で示されているような一部肩代わりをするという方法もあれば、完全に撤廃してしまうということもあります。配偶者控除を、配偶者特別控除もそうですが、撤廃してしまうということですとか。そして、厚生年金の受給者をとにかく対象者を増やす流れをつくってきたというのも事実ですから、基本的にはその流れをさらに進めていくということで、当面どうするかというところが、これは本当に難しいところだと思います。
ですので、我々の党の中にも複数の意見があるところですから、こういった政府の出してきたものが、どれだけの方を救い、また、制度的に弊害をもたらすのかどうかというところを、党内で議論していきたいと思います。
○防衛力整備に関する議論について
【フリーランス・西中記者】
今、防衛予算の話もちょっと出たが、昨日、石垣島に陸上自衛隊の駐屯地が開設され、弾薬も今週中にも島に入ると言われている。この間、南西諸島でずっと、2016年の与那国から始まり、奄美大島、宮古島、そして今回の石垣島と、自衛隊の駐屯地ができ、そこにミサイルが配備されるのではないかということがある。それから、防衛予算。5年で43兆円、これについて、安保関連3文書の撤回を求めるような質疑も参議院の予算委員会で先日石橋通宏議員がされており、今後の統一地方選挙もあると思うが、この防衛予算の問題、それから、こういったどんどん基地化が進んでいく、要塞化がもう完成に近づいていっているような感じでどんどん現状が進んでしまっている状況について、今後どのように党としてアピールしていくのか。何か明確なアピールが今のところあまり伝わってこないが。
【代表】
アピールの仕方というのは、やはり我が党の中で考えていくことだし、国対を中心にそういったことについて日々議論してやっていることですので、引き続き考えながらやっていきたいと思います。
【フリーランス・西中記者】
代表としては特別今はないということか。
【代表】
はい。
○春闘等について
【フリーランス・小山記者】
春闘、賃上げの後、代表会見は初めてかと思うので、ほかでしゃべっていらっしゃるかもしれないが。きのう長妻政調会長のほうで、中小企業の賃上げ、非正規社員の賃上げのほうはちょっと置き去りのような感じで、ますます格差が広がるのではないかというコメントがあったが、代表からも何かお願いしたい。
【代表】
これは我々はずっと言い続けてきたことで、大手は賃上げ、それは一定そうだろうと思いますが、春闘というのは5月ぐらいまで実はずっと続くのですね。多くの方々は、そこはもう中小に入っているので、あまり注目しませんが。
中小・下請けが非常に厳しい環境があって、人件費分までなんてとんでもないというような空気を感じながら春闘の交渉を行っているという事実がありますので、だからこそ立憲民主党としては、例えば経済産業省・中小企業庁の予算を増やして、この価格転嫁対策、交渉支援、そういうものにもっと政府が取り組むべきだということを言ってきているのですが、政府はまだそういったところについての予算の確保が十分できていないと。そんな認識を持っています。
【フリーランス・小山記者】
2点目だが、道下議員が憲法審議会のほうで、放送法の解釈が国民投票に影響を与えるという質疑をされた。なかなか報道に載らない分野だと思うので、こちらのほうを強く発信されているかと思うが、一言お願いしたい。
【代表】
特段、ごめんなさい、一人ひとりの質疑についてのコメントを言うのは難しいので。
【フリーランス・小山記者】
国民投票法に、今回の小西さんの放送法の関係、これは今回払拭しておかないと国民投票に影響を与えてしまうと。
【代表】
ですので、それは一つ一つの議論、憲法審査会も各委員会もそうですが、一つ一つの議論というのはもう同時多発で行われておりますので。
【フリーランス・小山記者】
コメントなさらないということですね。もう一点。けさ食料・農業・農村基本法のヒアリングがあったことに寄せてお尋ねしたい。こちらの分野、憲法学者の土屋仁美さんという方が、社会権規約で禁じられている撤退措置というのが日本は見られるというふうにコメントしているが、この分野について、そのようなご印象をお持ちか。
【代表】
ごめんなさい。ですから、全ての部会に出ているわけではありませんので、その議論を前提に私に問われるというのは、やはりちょっと無理があると思います。
【フリーランス・小山記者】
いや、これは立憲民主党の中の議論ではなく、憲法学者の方の言葉だ。
【代表】
きょうの部会の中での話ですよね。ですから、それは私は出ておりませんので、申し訳ありません。