泉健太代表記者会見
2023年4月14日(金)10時30分~11時21分
発行/立憲民主党役員室
★会見の模様を以下のURLで配信しています。
https://youtu.be/8NKa9aRyaQM
■冒頭発言
■質疑
- 北朝鮮による弾道ミサイル発射について(1)
- 小西議員の対応について(1)
- 北朝鮮による弾道ミサイル発射について(2)
- 人工知能・大規模言語モデルの活用について(1)
- 少子化対策について
- カジノを含む大阪のIR整備計画の認定について
- 入管法改正案について(1)
- 小西議員の対応について(2)
- 統一地方選前半戦の結果について
- 「GX法案」「国政補選」等について
- 入管法改正案について(2)
- 人工知能・大規模言語モデルの活用について(2)
- 憲法審査会での議論について
■冒頭発言
○陸自ヘリ航跡消失事故について
【代表】
おはようございます。
まずは、陸上自衛隊のヘリですね。消息を絶ってからもう1週間以上ということで、自衛隊でも救出活動を努力しておりますが、機体の一部、あるいは本体、その中も次第に判明をしてきたやに話が、報道はされております。
改めて、捜索に全力を挙げるということと、同じ型の当然ヘリも運用がなされておりますし、いろいろな可能性ということで、この機体についての整備や点検や、そういったことについても自衛隊のほうでは行われていると思いますが、まずは、とにかくこの捜索に全力を挙げてもらいたいと思っています。
○熊本地震から7年を迎えるに当たって
【代表】
そして、熊本地震の前震から7年ということであります。
この熊本地震というのは、16日と、そして14日と、2回地震が起きて大きな被害になったということでありまして、改めて犠牲になられた方々のご冥福をお祈りし、被災された方にお見舞いを申し上げたいと思います。
仮設住宅の供与の終了ですとか、そういった時期には入っていると聞いていますが、我々も改めて、当選をさせていただいた県議会議員を初め、立憲民主党の県連の仲間たちも、皆でこの復興支援に引き続き取組をしてまいりたいと思います。
熊本城は今もなお復興の途中でありまして、そういったことも含めて、この地域の復興に我々も力を尽くしていきたいと思います。
○カジノを含む大阪のIR整備計画の認定について
【代表】
そして、政府がきょうIRの整備計画を認定するという流れだそうです。
我々立憲民主党は、もちろん、リゾートですとか万博、そういうものは各地で繁栄すればよいとは思っていますが、カジノ、これについては立憲民主党は一貫してつくるべきではないということを主張してきました。
その大阪のIR計画ですね。(新型)コロナもあったし、そして、どこまで観光が回復するのか。そして、その観光が回復した場合においても、カジノというものがどのような、地域に影響をもたらすのか。これは世界各国で見れば、成功事例と、失敗事例も多々あるということでありますし、本来公費を入れないと言っていたところで土壌改良のために790億円の予算が投じられてきているということもそうですし、一番最初のカジノの計画では外国人のほうから集客をし収益を上げるということであったものが、いざ整備のどんどん計画が進んでいくと日本人が7割ということであったり、あるいはUSJを上回る集客を想定していたりということだとかで、この辺が、このカジノをつくるということで、果たして大阪、この地域が活性化するのか。そして、ギャンブル依存症対策ということも含めて、生活破綻に至る日本人の方々が増えてしまうのではないか。そういったことも問題点としてあると思いますので、我々立憲民主党としてはカジノには反対ということは明確に訴えていきたいと思います。
我が党の大阪府連では、その敷地については、これは大阪の経済界も言っていますが、物流、大型物流拠点ですね、国際物流拠点ということもそこに立地をしていくべきではないかと。そういう提言も大阪府連としてはさせていただいているということです。
○少子化対策について
【代表】
続いて、おととい総務省が人口推計を発表して、人口減少が12年連続となったということで、特に過去の推移からしても3倍のスピードでこの少子化が進んでいる。1年間に生まれる子どもが120万だった時代から100万になるまでには17年時間がかかったわけですが、今回、100万から80万という、この20万人減少するということについては、たった6年でこれが80万人割れということになってしまっていますので、まさに3倍のスピードと。これは、これまでの失われた10年の少子化対策の遅れ、これがやはり響いているということが実際に現れていることではないかと思います。
引き続き、立憲民主党がつくった子ども・子育てビジョン、その中の立憲民主党の提言の幾つかは、もう何年も前から言っていることですが、それは今回の政府の「たたき台」の中に盛り込まれたものもありますが、いつ、どれくらいの規模でやるのか、これはまだ不明確ですので、そういったことについて我々はさらに議論を深めていきたいと思います。
○国政補欠選挙について
【代表】
そして、補欠選挙ですね。私、きょうは山口、あしたは大分、あさっては千葉ということで、応援に入ります。
各地、いい戦いをしています。国政では圧倒的な支持率の差というものはありますが、本当に多くの地元の皆様に応援をいただいて、あと一歩というところまで来ている。そういう認識をしていますので、何としても、自民党全勝であっては政治は何も変わらない、今の岸田政権の方向性は全く変わらない、防衛増税もまた許してしまうということになってはいけないと思いますから、我々として必勝を期して戦いをしていきたいと思います。
■質疑
○北朝鮮による弾道ミサイル発射について(1)
【時事通信・木田記者】
昨日の北朝鮮によるミサイル発射で、政府は当初、北海道西部の陸地に落下するおそれがあるとしてJアラートで避難を呼びかけたが、その後、訂正をした。今回のこうした事態の受け止め、評価と、今後政府に求める対応についてお聞きしたい。
【代表】
ミサイルが発射された時点では、これをさまざま計算して、その進路ですとか到達時間というものを判断するわけですから、それがもし我が国の領域内なり、EEZでもそうですが、落下をする可能性があるということであれば、やはり警報は出さざるを得ない。それは早期に出すべきものであると思いますが、今回は、その警報を出すタイミングですとか、あるいは範囲、そして訂正の理由などが、まだまだやはり説明不十分と思っています。
これまでも政府のJアラート、エムネット、その運用や発表の仕方については改善を要するということは声が上がっていましたし、今回の件でもやはり国民からすればよくわからないという疑問を感じている方々が今でも多いと思いますから、政府として説明を果たしていただきたいと思います。
○小西議員の対応について(1)
【時事通信・木田記者】
別件で、小西議員の発言の関係で幾つか伺いたい。日本維新の会の馬場代表が昨日、小西議員の発言をめぐる対応が不十分であることを理由に、立憲民主党との国会での協調関係の凍結を継続する方針を示した。具体的には、小西議員がツイッターの文面のコピーを渡すといった対応をしたことについて、本当に申し訳なく思っているのかどうか大きな疑問符がつくと指摘している。小西さんの謝罪の対応は十分とお考えか。
【代表】
本人が衆議院の各党の方々のところにお詫びに回ったということで、実際に会っていただいて、そのお詫びを聞いていただいた方については、そういった声は上がっていないのではないかと思います。
ですから、本人として、お忙しい他党の代表の方にアポを取って行くか、それとも、まずはお詫びに回るかというところは、両方との考え方があったのかなと思いますが、そういう中で、まずはお詫びに回りたいということで回ったのではないかと思います。
そういった意味で、その紙を持ってお詫びだという意味ではたぶんなく、お詫びに回る中で、世の中に対してもこういうような形でお詫びをしておりますと。しかしながら、当然ながら、お詫びに直接伺うということは、その紙をただ渡してお詫びをしたということのためではなく、説明をするものとしてお持ちしたものではないかと思いますので、そういった意味で、お会いいただいたところの方については一定のご理解をいただいている状況ではないかなと思います。
ただ、確かに、お会いいただいていない場合には、そこに名刺と、そのツイートをしたもののコピーの紙ということであって、本人はそれぞれのお部屋、秘書さんであっても頭をお下げして、お詫びをして、よろしくお伝えくださいということであったとは私は聞いておりますが、それぞれまた本人については、誠意の伝わる行動、これを取ってもらうということは、私のほうもそう思っています。
具体的にどうするかというのは、ちょっとどういうふうにお一人お一人のところに伺ったのかという詳細を私がわかっているわけではありませんので、そういう中で、お忙しい相手側とどのようなまたやりとりをするのかということについては、まず、よく考えて行動していただくということになろうかなと思います。
政策の凍結の件は、私は先週もお話ししましたが、政策というのはやはり国民の皆様に一刻も早く届けなければいけないものですし、実はこの問題云々ということの前から、この統一地方選挙の時期には、ある意味、この立憲民主党と維新の中の共通の政策課題のやりとりというのは一度事実上止まっている状況というのが、双方の考え方の中でそういう状況にありましたので、我々としては、政策についてはとにかく国民の皆様にとって大切なものをつくっておりますので、なるべく早くそれを国民の皆様にお届けをしたい。要は、法案提出なり政策協議というのはできる限り早くやれればよいなと、そのようには思っています。
【時事通信・木田記者】
関連して。維新の馬場代表は、立憲民主党の処分に関しても、単なるパフォーマンスなのかなと疑ってしまう、立憲との関係は憂慮すべき状況になってきていると述べている。維新の音喜多政調会長も、他党に対して厳しい議員辞職や大臣更迭を求めていることに対して、平仄が取れているのか、バランスが取れているのか疑問を感じると指摘している。立憲民主党の党としてのこれまでの小西さんへの対応というのは十分とお考えか。
【代表】
何をもって十分とか十分ではないというのは本当に人それぞれであろうと思います。
党として取るべき対処、これは党の規約にも基づき、また、それ以上の対処というものをさせていただき、例えば、衆議院と参議院、院が二つに分かれているということで、例えば参議院の議員が衆議院の院内で憲法審の中で謝罪をするとかしないとか、そういうお話も時には出てきたこともありましたが、例えばそういうことについては、おそらくそれぞれ院の仕切りの、委員長ですとか審査会長の中で総合的に判断をされることでもあります。ですから、我々としては、できることを誠意を持ってここまでさせていただいているということです。
【時事通信・木田記者】
最後に一点。小西さんは自身の発言を報じた報道機関への圧力とも取られかねない言動を繰り返したが、そのことに関してはご自身のSNSや記者団の取材に対しても明確に謝罪をしていない状況だ。泉代表や岡田幹事長のこれまでの報道の自由を重視する考え方とは開きがあるように映るが、こうした小西議員の対応に関しては問題はないのか。小西さん個人の問題かもしれないが、何らか党として働きかけはなさるお考えはないか。
【代表】
まず、(衆院憲法審の)冒頭にというか最初に、中川憲法審査会筆頭幹事は、これは党の見解ではない、党の考え方ではないということは明確にお伝えさせていただきました。そして、我々としても注意をしてまいりました。そういうことを通じて、本人も衆議院の各党の憲法審の方々に謝罪をして回っているという状況であります。
例えばマスコミの方というのは、それぞれの小西議員個人とのやりとりというものがもしあるとしたら、私はそれは全ては存じ上げませんので、先ほど繰り返しお話ししましたが、やはり本人自身がご理解をいただけるように誠意を持って対応していくべきだと思います。我々としてもそれを繰り返し言ってきましたし、そして、党としても常に誠意を持って対応すべきだという考えではおります。
【産経新聞・大橋記者】
小西さんの関係で。先ほど時事通信さんの質問にもあったが、幹事長の注意の中にはマスコミへの対応の悪さもあったということで、2日前の参議院の憲法審査会終わりに記者団で小西さんのところに行ったが、確かに衆議院の憲法審の幹事の先生たちの事務所は回られて、ツイッターにも確かにお詫びのツイートはしているが、マスコミへの対応の部分に関しては、そこはまだ何も言及されていないのではないですかと小西先生にお伺いしたら、いや、もうツイッターでやっていますよと。
【代表】
どなたが。
【産経新聞・大橋記者】
小西さんが。
【代表】
そういうふうに言ったのが、小西さん。
【産経新聞・大橋記者】
小西さんが、それはもうツイッターに全部書いていますと。それと思えるものはないのですね。やはり小西さんは反省していないのだと思う、この件に関しては。その辺は代表からやはりもう少ししっかりと伝えるべきなのではないか。
【代表】
誰から伝えるかだとか、それはいろいろな形があろうと思いますし、本人に私は、皆さんも見ていただいていて、反省がないということではないのではないかとやはり思います。反省はしているものだと思います。あとはそれをどう表現していくかということが、やはり周囲のご理解をいただけるように、今後も議員としての活動は続いていくわけですから、やはり周囲の理解が得られるように行動していく。こういうことが大事ではないかと思います。
【産経新聞・大橋記者】
そういったことを、代表が伝えるかは別にして、小西さんにしっかり促していくということでよろしいか。
【代表】
そうですね。はい。
【読売新聞・傍田記者】
維新との政策協議について伺いたい。代表は先ほど、政策協議はできる限りやっていきたいというお話をされたが、維新が、この小西さんの問題で、その政策協議を凍結していること、この維新の対応についてどのように感じておられるか教えていただきたい。
【代表】
それはその党その党の判断ですからね。
とにかく立憲民主党としては、この政策、いずれも大事な政策だと思っていますし、天下りの調査も、あるいは電力料金の引下げも、そして学校の先生のやりがい搾取とも言われる給特法の廃止についても、やはり当事者の方々は本当に困っている。そして、変えなければいけない国政の課題である。そういうことをできる限り我々としては遅滞なく進めたいなという思いは持っています。
あとはもうそれぞれの党の判断だと思います。
○北朝鮮による弾道ミサイル発射について(2)
【北海道新聞・今井記者】
最初に時事さんから質問があったミサイルの関係だが、今回、空振りということに言われたが、戦後初めて日本の領土内に落下予測が出たということで、もし仮に北海道に落ちていた場合に実際に武力攻撃事態に当たるのかや、実際の道民の方の避難というのが議論になるかと思うが、こういう最悪の事態に備えて議論すべき点というのは代表はどのようにお考えか。
【代表】
常に最悪のことというのは、政府はもう当たり前だと思いますが、政治を司っている立場の、特に国政の立場の議員たちは皆、そういったことはあらゆることを考えねばならないと思っています。それに尽きます。
【北海道新聞・今井記者】
ミサイルの、今回訂正があったが、その正確な予測ができないと迎撃もできるのかということもあるかと思うが、その辺りについてはどうか。
【代表】
とにかく、まず、国際的に大陸といっても隣国に近いところからもし発射された場合には、到達時間が非常に短いわけですよね。ですから、そこはもうまず警報を出して、そして、それぞれに身を守る行動を取ってくださいとしか確かに言えないところはあるわけです。仮に避難施設があったとしても、多くの方々がその避難施設にたどり着けるまでの時間的余裕があるかということについても、現実、もし仮に着弾するなんていうことがあれば、その猶予、いとまはなかなかないということが想定されざるを得ないと思います。
ですから、まずは警報を出して身を守っていただくということが肝心なわけですが、そして、国としてはできる限り皆様が身を守れるような町のインフラ、これは整備していかなければいけないということになりますが、やはり実際に警報を出した後に着弾がなかったということになれば、国民の皆様はいろいろな感情や疑問や、より多くの説明を求めたいという気持ちは湧くわけです。そのときに政府がきちんと対応しなければ、警報に対する信頼だとか、こういったものが低くなってしまうと思いますので、やはり国民の皆さんに今回の警報がどういうものであったかというのはできる限り、後にでも説明をしていくことが、今後の避難と被害の軽減につながると思います。
○人工知能・大規模言語モデルの活用について(1)
【北海道新聞・今井記者】
もう一点。別件だが、チャットGPTだが、代表ご自身の是非や、課題についてどのようにお考えか教えていただきたい。
【代表】
私も、仲間が、例えば「立憲民主党」と入れてどうなったとか、例えば候補者の名前を入れてみてどんなイラストが出てきたとか、いろいろなことを試してくれていますので、また、仲間の議員が国会の質疑の中でもしこういうことを使ってみるとどうなるかということも実際に取り組んでみたことがありますので、そういった意味で非常に高い技術であるということは間違いないと思います。
一方で、要は、そのチャットGPTから出てきたものに対して、それを踏まえて人間が考えるか、それをそのまま活用してしまうのかというところが問われているのであって、土台、たたき台として、ある意味過去のものの集大成でもあったりしますので、そういった意味では全否定をする必要はないと思います。例えば国会の中にも過去のさまざまな答弁の蓄積があって、実際にチャットGPTを使わなくても国会答弁というのはある程度のたたき台の元からそのときそのときに合わせてつくられているという実態がありますので、さまざまな形でそういうものが使われていくことは十分あり得る。
ただ、やはり必要なのは、出てきたものに対して、そこで人間が、まさに当事者がきちんと一拍置いて、そこに正しい自分の考えを乗せられるか。そして、誤りがないかということをチェックする。この両方が必要ではないかと思います。
○少子化対策について
【NHK・高橋記者】
少子化対策に関して。きょう、6月の「骨太の方針」に向けて、財務大臣の諮問機関である財政制度等審議会が開かれている。これは例年はプライマリーバランスなど財政健全化の議論が中心だが、ことしは少子化対策も大きな柱になる見通しとなっている。改めて、党として政府の少子化対策のメニューや財源についてどう考えているか。また、望ましいあり方について教えていただきたい。
【代表】
今回の予算、政府の新年度予算で、防衛費は26%上がったけれども子ども予算が2.6%しか上がっていない。こういうところからも、予算の配分が不十分であると。先ほどもお話ししたように、もう少子化が3倍のスピードで進んでいる中で、この子ども予算に対する予算の配分の仕方が他に比べて弱いということそのものが、我々はこの少子化対策・子育て支援軽視の今の政府、岸田政権の姿だと言わざるを得ないと思っています。
そういう中で、立憲民主党としては子ども・子育てビジョンの中で児童手当の拡充を言ってきた。そして、育児休業給付についても、給付率の底上げ、かさ上げというのを言ってきた。そういったものが一部採用されるということは喜ばしいし、あとは、それを具体的にいつ行うのかということになっていく。
しかし、政府の「たたき台」の中にはまだ、それを税で行うのか、それとも社会保険料で行うのかということは、両にらみでしかない状態で、示されていませんし、今回防衛費で5年で43兆をある意味捻出するということ、それは全部防衛費に振り向けられるわけですが、我々としては、そういった捻出できる予算についてもっと子育てに振り向けることができるし、そして、税についても再配分機能が落ちていると言われていますから、金融所得課税ですとか所得税の累進性などを含めて、やれることは、この財政の見直し、そして税の見直しから、今のこの予算に(少子化対策の)お金をもっと積み増すことができるのではないかと、そう思っています。
【NHK・高橋記者】
そうすると、税なのか社会保険なのか、まだ見通しというか、わかっていないが、国民の負担が少ない形で財源を捻出するのが望ましいということか。
【代表】
それはまあね。どういうことかというと、やはり国の無駄、そして予算の配分、そういうことによって捻出できるものはあると思いますし、1億円の壁ということも言われていて、まだそれは是正されていませんので、また、金融所得もこれから増えていくのであれば、中間層の金融所得というのは大いに支援をしていきたいけれども、しかし、金融所得で大きな利益を上げるケースもありますので、そういうところからの税収をいかに増やしていくか。そういった手段は必要ではないかと思います。
○カジノを含む大阪のIR整備計画の認定について
【朝日新聞・笹川記者】
冒頭のご発言にあったIRに関して一点お尋ねしたい。その誘致が争点となった大阪府知事選と大阪市長選が終わったタイミングでの、きょうの認定となった。IR誘致を掲げた維新が知事選・市長選を勝った上でのきょうの認定ではあるが、この選挙の後のタイミングでの決定ということを代表はどう考えられるか。誘致を掲げた側が勝ったということで、IR誘致に賛成する民意が示されたというふうに評価されるか。
【代表】
今回の大阪で、これをもってIRについての民意が示されたと言うかどうかは、まさに大阪の皆さんがどう考えるかだろうなと思います。世論調査ではある種IR反対が過半数を占めたときもあれば、例えば出口調査では、選挙に行った方々ということにはなりますが、賛成の方々が多かったとか、一方で住民投票は20万人近くの方々が求める署名が集まったとか、いろいろな民意が示されていますので、そこは万博とはまた別の話として、私はカジノの是非というのは大阪の方々にもっと声を上げていただきたいと思います。
○入管法改正案について(1)
【TBS・星記者】
入管法改正案について伺いたい。改めて立憲民主党としてどのようなスタンスで審議に臨まれるのか教えていただきたい。
【代表】
政府・与党、残念ながらというか、前回の入管法のときにやはり問題点が指摘されて、第三者性だとか国際基準だとか、そういったものにはほど遠い入管法だということで、それを踏まえて自民党と立憲民主党の法案の修正協議が行われてきた経過があります。にもかかわらずというか、政府がもう一回前作と同じものを出してきたということで言うと、当然ながらこの法案では我々はだめであると考えています。政府案では不十分と考えています。
そういう前提の中で、まずは与党側に修正を求めるということになります。その修正の程度によって当然賛否が分かれてくる。修正が不十分であれば我々は納得できないということで対応するということはあり得る。そう考えています。
○小西議員の対応について(2)
【「FACTA」・宮嶋記者】
謝罪というのは、謝罪という事実行為のことを言うのではなく、それが相手に伝わって、それが反省していると受け止められて、何がしか理解を得られたとき、それを社会的には謝罪と。だから東京電力はいまだに謝罪を続けている。私が伺いたいのは、代表はまさに最高責任者、馬場さんも最高責任者、会社社会で言ったら社長だ。向こうの社長が怒っているというのは、他の組織の人間がやはり礼を失した行為をしているからであって、逆に泉さんも同じ立場だったら、コピーを持ってきて俺にも会わずにと。普通の会社だったら、社長としては部下に、いや、ちゃんと本人に謝ってこいよと、再注意するのが私は普通だと思う。そういうところで立憲民主党は、この自殺点を繰り返している方をちゃんと修復する努力をしていないということが問題なのだと思う。先ほどあったが、一言ちゃんと謝ってこいよと言うのが小西さんを育てる親心だと、私は世の中はそういうものだと思うが、そうはお考えにならないか。
【代表】
私もそういうふうに考えます。
○統一地方選前半戦の結果について
【フリーランス・堀田記者】
後半戦が日曜日から始まる。前半戦のことで、立憲は負けていないようなことを言った。安住さんも昼の部会長会議でそういったニュアンスのことを言ったが。そうしたら、今度ポスターに、推薦・党籍あり、推薦・党籍なしとか、そういったものを貼ってきちんとする必要性があると思うが、それはどうか。それから、もう一つ。共同さんの数とか朝日さんの数とか読売さんの数というのは一致しているわけだが、これを訂正するということは求めるのか。推薦を含めて。
【代表】
ありがとうございます。
やはり数を比較する場合には当然こっちの数とこっちの数というのが同じ基準でなければいけないと、我々が言っているのはシンプルにそれだけなのですよね。別に立憲民主党が何かを細工するわけでもなく、立憲民主党がほかの数字を出したいわけでもなく、同じそれぞれ基準で増えたか減ったかというのを出しましょうねということだけを述べていますので。あとは、やはり各メディアもそうしていただくことであろうと思うし、たぶんそのつもりでやってこられているのだと思うのですね。
ただ、例えば私が仲間に対しても説明をするときに言うのは、現有議席幾つですかというふうにたしか共同通信さんが各都道府県連に聞かれたというのですね。そのときには公認の議員も推薦の議員も含めて現有の、例えば県議会議員7人ですとかいうことを選挙前に言っていたと。それが、当選したときに、公認も推薦も合わせて当選しているはずなのだけれども、公認の人だけを現有だというふうにカウントしていただいてしまった結果、そこにやはりずれが生じているわけですね。現有のほうでは公認も推薦も数えているのに、選挙が終わった後は公認しか数えないということになれば、それは公認だけしか数えられなければ減ることは当然あり得てしまうわけなので、そこはやはり基準が一緒であることは大事ですよねということだと思います。
これからも、訂正ということが皆さん各社の中でできることなのかできないことなのかということは、そこはちょっと各社に聞いてみなければわかりませんが、私たちとしては、数え方は、選挙前と選挙後、同じ数え方でやるべきだなと。立憲民主党としてはそう思っています。
○「GX法案」「国政補選」等について
【フリーランス・小山記者】
ちょうど北朝鮮からあのようにぽんぽんミサイルというか飛翔物が出ると、余計に海岸沿いの原発がとても心配だが、「日本中学生新聞」を運営する中学生がnoteに記事を書いている。そちらの出だしだが、G7広島サミットについて皆さんはご存じですか、広島で行われるのには意味があります、国際平和文化都市という広島の発信力を重視したいという考えです、しかし実際はどうでしょう、唯一の被爆国の日本は原発事故被曝国にもかかわらず老朽化した原発を動かそうとしている、というふうに書かれている。こういうのを見ると、やはり一般の国民は大変再稼働に不安を持っているというのがわかると思う。これに関して、GX法案に関する反対行動というのか、FoE Japanという環境NPOのほうで国会前連続行動が行われるということで、きのうと、それから火・木・金と夜に衆議院会館前で行われると伺っている。こういった国民の思いを受けて、立憲民主党さんのほうは、例えばこちらの国会行動に議員さんが協力するとか、議会のほうで声をもう一度上げていくとか、そういったところはいかがか。
【代表】
ちょっとすみません、私のほうで全ては把握をしておりません。申し訳ございません。
【フリーランス・小山記者】
GX法案について、今後何か応援、そういった思いの国民を応援していくお気持ちはあるか。
【代表】
さまざまに、気持ちはもちろんあるというか、既にいろいろな行動は我々していますので、院内での勉強会ですとか、各そういったNGOからのヒアリングもさせてもらっていますので、日々やっております。
【フリーランス・小山記者】
関連して。脱原発という政策が地元連合の反感を買って、それで山口2区の平岡秀夫さんの公認がままならなかったというお話を伺っている。平岡さんのほうの戦況というのは、こちらは執行部のほうからまずは依頼をしていたということで、お気持ちとしてはあると思うが、戦況というのは逐次伝わってくるような感じではあるのか。
【代表】
まず、立憲民主党は一つの組織ですので、都道府県連から上がってくるかどうかというところがもうとにかく党本部の判断ということになりますので、現時点で山口で我々が公認しているのは4区ということになります。
2区については我々、推薦・公認というのはありません。ただ、かつて共に議席を持って一緒に活動した仲間たちもいるので、その仲間たちが自主的に応援をするということを表明している。それについて何か我々から言うものではないと思っていますので、仲間たちは今、ある意味次々と応援に入っている状況にはあります。
【フリーランス・小山記者】
代表のお話からも伝わってくるのは、地元の事情を重視してお任せするという、地方分権を実施していらっしゃるのだと思うが、地元の連合さんが県連さんをおどかすような感じで、今後選挙の手伝いをしないよというような、そういった圧力があったということだが、こういったことについて、例えば連合の会長にとりなしを求めたりとか、そういったことは全くなさらなかったか。
【代表】
今のお話は、たぶん伝聞の、確たる情報なのか、ちょっと私は聞いているわけではありませんので。
【フリーランス・小山記者】
平岡さんご本人からの話です。
【代表】
ごめんなさい、私が聞いているわけではありませんので、それはお答えしかねます。
○入管法改正案について(2)
【共同通信・久納記者】
入管法改正について、一点確認させていただきたい。先ほど政府案では不十分だというご指摘があったが、もう少し具体的に、どの辺が不十分だったのかということと、きのう難民認定の独立を担保するような対案も提出されたが、改めて対案の意義、修正を特に求めたい部分を教えていただきたい。
【代表】
もう中身は見ていただいているのですよね。まさにそれに尽きるということなのですが、我が党の出そうとしている案(「難民等の保護に関する法律案」「入管法改正案」)をなるべく実現させていくと。ですから、難民認定の国際基準を日本でもしっかり採用していくということですし、そして、入管の恣意的な運用にならないようにということで、第三者的な枠組みをつくっていくと。そういうところが非常に大事だと思っております。そして、とにかく全員を拘束して押し込めてしまうようなことではない、人権の尊重された入管制度でなければいけない。そういうことをできる限り実現していきたいと思います。
【共同通信・久納記者】
もう一点。維新などを含め、他の野党とこの問題について連携して対応する可能性というか、対応したい考えがあるかどうか教えていただきたい。
【代表】
それはまたちょっと具体的に国対のほうで今後どうしていくかということになろうかと思います。
○人工知能・大規模言語モデルの活用について(2)
【日本経済新聞・朝比奈記者】
先ほど質問のあったチャットGPTの件だが、チャットGPTを国会答弁作成に活用する具体的なメリットをもう少し伺いたいのと、人間のチェックが必要と代表は先ほど指摘されていたと思うが、今後実際に活用する段階に入った場合に、立憲民主党としてルールづくりに積極的に関わっていくお考えはあるか。
【代表】
どこでどう活用するかによって立憲民主党が関われる関われないというのは当然あると思いますが、例えば民間企業が使うことについて党がどこまで介入するのかというのはあるでしょうから、それはそれぞれの業界なりでということであったりするでしょうけれども、やはり国会の答弁に関わるところだとか、公文書だとかですね。そういったことは誤りがあってはいけませんし、当然我々も当事者の一員として関わっていくと。やはりルールづくりは必要であろうと思います。
【日本経済新聞・朝比奈記者】
前段の、チャットGPTを国会答弁作成に活用する具体的なメリットについて少し伺いたい。官僚の負担軽減とかいろいろ。
【代表】
それはチャットGPTに任せて長い答弁をつくられても困るところはあるのですが、そこが役所が今つくっているものよりも長いものが出てくるのか短いものが出てくるのかということもあるでしょうけれども、これまでの国会でも、我々の、特に質問する側からすれば、端的であり本質をしっかり述べる答弁であってほしいと思います。
そこまでの国会答弁でこれまで蓄積されてきたものと、一般的な質問を与えたときにチャットGPTが出す回答と、まだたぶん相当開きはあるのだろうなと思いますから、メリットとしてはもしかしたら時間短縮になるのかもしれませんが、当面は、おそらくこれまでの国会の答弁との整合性や、あるいは答弁の流れの違いみたいなものを修正するために、もしかすると今まで以上に時間がかかってしまう可能性も役所内ではあるのではないかなとは思います。
それを随分乗り越えたときに、国会答弁の蓄積がなされて、例えば今までの国会答弁を全てその中に放り込んで、そこだけの何かチャットGPTで答えを出せるようにすればもしかしたら短縮になるかもしれませんが、当面は結構な作業なりが必要ではないかなと思います。
○憲法審査会での議論について
【「FACTA」・宮嶋記者】
きのうの参議院憲法審で辻元先生が、緊急事態条項については現行のさまざまな法律で十分にやれるんだと。だから、それでは無理な状況というのが想定されるならばという、非常に論旨明快な質問があり、それに対して、自民党のあれは青山さんでしたか、そのことはよくわかる、理解すると。この部分については僕はほとんどかみ合っていなかったと思うが、緊急事態条項の必要か否かということについて、今後自民党のほうが逆にこういう事態が必要だというのを具体的に出してくると、それに一歩進んだような印象も受けた。今後やはり緊急事態条項についてはその辺で本格的な議論ができるような状況に一歩進んだと。実は小西さんのところよりそちらのほうに私は注目したが、その辺のご認識は。立憲は論憲とおっしゃっているが、具体的に出てくれば、やはりそういう衆議院でやっているような意味でのいろいろな議論をしていこうというお考えがあるのか。
【代表】
国会全体を通して、立憲民主党自身は、この憲法審査会の開催があればその中で議論をしていくという考え方で臨んできました。これは当然、憲法審査会を開くに当たっては各党の合意というものも必要ですから、そういったものを踏まえて、手順が踏まれたものであれば、この議論をしていく。
そして、この緊急事態のこともそうですし、教育の無償化もそうなのですが、議論していけば、これが果たして本当に憲法改正をせねばならないものなのか、それとも憲法改正を要さなくても対応できるものなのかということは、我々なりの主張というのをしっかり出していきたいと思います。
例えば衆議院の側では国会のオンライン審議が論題になって、最初は憲法改正がなければだめだと言っていた方々もおられたわけですが、有識者の方にも来ていただいて議論していく中で、これは国会の中で十分対応が可能だというふうになったケースもあります。 そういったことから一つ一つ、本当に憲法改正がなければこの国が立ち行かない問題なのかどうかということについて、我々なりの論点から議論を深めていきたいと思います。
また、そのほかにも、国民投票法の改正。これも急いで行わなければいけないところですから、優先して議論をしていくということもこれまで我々訴えてきておりますので、ぜひ各党のそういった主張も踏まえた上での審査会の運営にはしていただきたいなと思います。