立憲民主党は5月31日、後発医薬品を中心に医薬品の供給が不安定な状況が続いていることを踏まえ、「医薬品の安定供給実現のための提言」を加藤勝信厚生労働大臣に申し入れました。

 立憲民主党は、このままではわが国の医薬品の安定供給基盤が失われかねないという強い危機感を持ち、提言を取りまとめました。提言の柱は、現行の方式に代わる薬価決定の仕組みの検討を速やかに開始するとともに、当面は、国民負担に配慮しつつ、医薬品市場の予見可能性を確保するためにも、薬価の毎年改定の課題を整理して、2年に1度の改定を基本とすることです。他にも、先発医薬品も含む医薬品の安定的な供給を実現するために、科学的な有効性と安全性を確保しつつ、医薬品製造メーカーの収益性を高めるとともに、今後の医薬品産業のあり方を早急に検討することなどを盛り込んでいます。

 申し入れ後に記者団の取材に応じた、党代表代行の逢坂誠二衆院議員は、「医薬品の3割ぐらい流通が滞っていて医療現場に大変大きな混乱をもたらしている」「2年に1回薬価を改定していたのを1年ごとの薬価改定にしたおかげで、海外の医薬品メーカーが日本の市場の予見可能性がないということで、日本に入ってきづらい。あるいは日本自体もそのことによって、後発医薬品のメーカーを中心に採算が取れないといったようなこともあるため、そもそも日本の薬の流通だけではなくて創薬も含めて大きな危機にあると思っている」などと問題意識を説明しました。その上で逢坂議員は、「流通が止まると国民の命に関わることであるため、緊急的に提言したが、これからも粘り強く政府とやっていきたいと思う」と述べました。

 厚生労働部門長の早稲田ゆき衆院議員は、「難病や小児疾病の患者さんたちが、日本では未承認のままでは命が守られないという視点も私たちは強くもって安定供給のためのいろいろな課題を1つ1つ解決していきたいという想いで提言した」と述べました。川田龍平参議院議員は、「提言の中に薬の安全性、有効性をしっかり見ていく必要がある点を加えた」と述べました。

 申し入れには、野間健衆院議員、森本真治、小沼巧両参院議員も参加しました。

医薬品の安定供給実現のための提言20230531.pdf