衆院予算委員会で3月28日、2025年度予算案に関する締めくくり質疑が行われ、小沼巧、杉尾秀哉両参院議員が質疑に立ちました。
■小沼巧議員

小沼議員は、2025年度予算案について、石破総理が強力な物価高の対策として必要十分な予算案だと認識していることについて、矛盾を指摘しました。
小沼議員は立憲民主党が主張するガソリン暫定税率の廃止は、強力な物価高対策の1つだと主張。暫定税率の廃止には財源に約1兆5000億円を要するにもかかわらず、本予算案には含まれていないことや、総理が参院選目当てとされる補正予算を組む予定もないと発言していること、さらに現在1兆2000億円程度の激変緩和措置の基金残高が尽きたら、ガソリン等への補助は打ち切りになることを踏まえると、「つまり、7年度はガソリン暫定税率を廃止するような対策を取るつもりがないのではないか」と指摘しました。
続けて小沼議員は、本予算案において、自民党からも介護・医療分野における物価高騰と賃上げ分の予算が不十分なことや、文化庁の予算が足りていないとの指摘があったことに触れ、本予算案が物価高対策として十分だと認識する石破総理に、矛盾していると指摘しました。
また、トランプ大統領が輸入自動車に25%の追加関税を課すと発表したことについて、政府へ日米貿易協定に違反するものか否かを問いました。岩井外務大臣は「日米貿易協定との整合性について断定的に申し上げることは差し控えたい。これまでの経緯に照らして考えると、今回の米国の措置は極めて遺憾だ」と答弁するにとどまりました。さらに今回の追加関税を受けての自動車産業への助成等についても本予算では対応していないため、現予算案では、この1年間を乗り切れるのか疑問に思うとし、この状況で賛成はできないと強調しました。
■杉尾秀哉議員

杉尾議員は、石破政権に対して「衆議院で予算審議がはじまって2か月。場当たりと妥協の産物。哲学が感じられない。政権の体をなしていない」と指摘しました。そして、その象徴として予算案の対応を挙げ「衆議院で修正された予算案が参院で再修正されれば、憲政史上初となる。再修正案は高額療養費の自己負担上限の引き上げを凍結。これ自体は我々の主張であり、全面的に賛成」と述べました。
一方で、そのために必要となる105億円は予備費を減額して充てる点について「予備費として計上したものを流用してよいのか」と予備費の趣旨に反すると批判しました。
高額療養費制度の見直しについて杉尾議員は、秋まで再検討とする政府の方針について「秋までと期限を切るべきではない」と指摘しました。石破総理は「早ければ早い方が良い」「日にちで期限は切らないが、なるべく濃密な議論を行いたい」と述べました。
年金改革法案について、杉尾議員は「重要法案に指定されながら国会に提出されなかったとしたら、史上初となる」と、その特異性を指摘しました。福岡厚労大臣は「(提出に向けて)鋭意努力中」と答えるだけでした。杉尾議員は「責任をもって年金改革をやりましょう」と政府に呼びかけました。
企業・団体献金の見直しについて、杉尾議員は「このまま3案がつぶれたら成果はゼロ。国民が納得すると思うか」と問いかけました。石破総理は「今、議論中のものを論評しない」と答えを避けました。杉尾議員は「金による政治の支配が原点。利権政治に終止符を打つ」と訴えました。