会派の環境部門会議で5月31日、PFASに関する被害の現況と国への要望について、沖縄と横須賀のケースを住民からヒアリングしました。
PFASは人工的に作られた有機フッ素化合物の総称で、水や油、汚れをはじき熱に強いため、焦げつきにくいフライパンのコーティングや包装紙、防水服などのほか、消火剤などにも使われています。一部の種類は自然界で分解されにくく、また生物に取り込まれると体内に蓄積しやすいとも言われており、人への有害性も指摘されはじめています。代表的なものにPFOSやPFOA、PFHxSがあり、現在この3つは国際条約で製造・使用禁止となっています。
会議の冒頭、近藤昭一部門長は「この問題について大きな影響が出ているということで取り上げた。与党側にも環境委員会を開き、この問題についてしっかり議論しなければならないと要請をしている」とあいさつしました。
宜野湾ちゅら水会の照屋正史さんは普天間飛行場周辺の汚染状況を説明。地下水の水質を自分たちで調査し、飛行場をはさみ上流側では基準値を超える地点は確認されなかったが、下流側では基準値を超える地点が確認されたと報告し、汚染源は基地である可能性が高いことなどを説明。また2020年には、米兵らのバーベキューが発端となり消火装置が作動、飛行場でPFOSを含む消火剤が漏出する事故が発生したり、小学校から40メートルほどのところに消火訓練施設があり、水路を使って施設周辺から汚水を放出されていることなどを話しました。
普天間の子どもの空を守るために保護者によって作られた『コドソラ』の代表、与那城千惠美さんは、「空、水、土。子どもの成長に関する3つの大切なものがすべて危険にさらされている」と語りました。水道水や地域住民の血液、子どもが通う小学校の運動所の土からPFOSが検出されたと話し、不安であることを訴えました。さらに「落下物事故以降、活動している中で感じるのは、政府や多くの日本国民が米軍が関わることは防衛・外交の問題として他人事として扱われている。私たちにとっては子どもの命の問題、環境の問題」だと語りました。そして、小学校の土壌調査と汚染された部分の土の入れ替え、汚染源特定のための基地内への立ち入り調査、血液かPFOSが検出された方などに対応する専門家の相談窓口の設置を求めました。
宜野湾市の座間味万佳市議は、他県と議員と話す機会があったが、「PFASって何?」というところから始まり、自治体レベルの話ではなく国が関わってくる話だとして、なかなか自分事として受け入れてもらえないという話がありました。
非核市民宣言運動・ヨコスカの新倉裕史さんは、米海軍横須賀基地の廃水処理場周辺でPFOSやPFOAが検出されていること、廃水処理場に流れ込む汚水の原因・場所がまだ明らかになっていないこと。また日米の貯油施設の消化システムについてPFASが使われているか突き止められてないといった話があり、これら以外の場所も含め横須賀基地内の広い範囲の土壌調査が必要だと指摘しました。
東京の水連絡会の藤木千草さんは、血液検査をしたところ基準値より高かったと述べ、特に心配なのは子どもへの影響だと語りました、行政として希望者に血液検査を行うこと、どの程度影響があるのかの実態把握、どこが汚染源なのかを突き止めること、地下水の保全、土壌などからの除去を求めました。
同連絡会の苗村洋子さんは、多摩地域では地下水が水道水源として使われてきたが、PFOSとPFOAが検出され現在34本の井戸が止まっていると話しました。どういう影響があるのかを究明し、汚染源を突き止め除去すること、そしてPFASの使用規制について求めました。