外交・安全保障部門は、昨年末の丁寧な党内論議を経て、「外交・安全保障戦略の方向性」を取りまとめました。

 その中では、現下の厳しい安保環境に鑑みて、スタンドオフミサイルの保有を含む一定の防衛力強化は必要であること、さらには相手領域内への攻撃を含む反撃能力の保有・行使には必要性と合理性、専守防衛の枠内という3つの要件が満たされなければならないことを確認しました。その上で、わが国に対する攻撃が発生していない「存立危機事態」や「攻撃の着手段階」での反撃は行うべきでないとし、国会論戦に挑みました。

 政府は、敵のミサイル攻撃の着手を正確に把握することは技術の進展により困難であることを認めましたが、「存立危機事態」での敵基地攻撃は排除しないという姿勢は崩していません。引き続き政府に対して方針を改めるように求めていきます。

 また、5年後にGDP比2%の水準に倍増させようとしている防衛費について、「令和5年度防衛予算、特に装備調達についての論点メモ」をまとめ、防衛予算や防衛力整備計画の問題点を明らかにしました。そして国会において政府に説明責任を果たすようにさまざまな形で迫りましたが、政府は積算根拠を示さず5年で43兆円の合理的な説明がなされないまま予算を成立させました。今後も装備品調達の戦略的合理性、妥当性を厳しく監視していきます。

 「防衛産業基盤強化法」の審議では、必要な措置として賛成はするものの、本法は抜本的な基盤強化につながらないことを指摘し、付帯決議を衆院で付すことを提案し、与野党合意で採択しました。