泉健太代表記者会見

2023年7月21日(金)10時30分~11時16分

★会見の模様を以下のURLで配信しています。
https://youtu.be/oE4zXch8Hpo


■冒頭発言

■質疑


■冒頭発言

○豪雨災害の対応について

【代表】
 おはようございます。
 まずは、やはり、先週もそうでしたが、大雨災害です。これについては、今、各地で復旧作業が進んでいます。立憲民主党の自治体議員も、各県連所属議員を中心に、今、ボランティア活動に入ったり、被害状況を確かめて、それを行政に伝えたりと、そういう市民・住民と行政のつなぎ役としてもさまざまな働きを今しております。そういった状況も厳に受け止めて、国の政策を一つでも災害復旧に資するものにしていくためにも、私もまた被災地の訪問をしていきたいと思っています。

○「子ども予算強化キャンペーン」をスタート

【代表】
 そして、立憲民主党として、この夏、いろいろな取組をしています。
 私は全国の仲間たちには、例えば、この夏休み期間、子どもに対する支援が行き届かなくなるケースがあるのでということで、これは去年もそうでしたが、こども食堂に対する支援がきちんとうまくいっているかとか、お休みの期間中の子どもたち、いよいよ夏休みに入るわけですが、その子どもたちの命・暮らしが守られているかどうか。熱中症対策はどうなっているか。そういったことも含めて、さまざま子どもの安全への取組を立憲民主党として進めていますが、政府でも子どもの事故を防ぐ週間というのがセットされておりますが、8月に入ってもまだまだこの子どもの事故というのは続くおそれがあります。水難事故なども含めて、こういった事故を防ぐための呼びかけ、これもやっていきたいなと思っています。
 そして、立憲民主党として今回、きょう皆様に発表するという意味では、「子ども予算強化キャンペーン」、これをスタートさせたいと思っています。
 立憲民主党は「子ども・若者応援政党」でありますから、当然全国各地で我々はその取組をしていきたいと思っていて、より具体的に、地方議会においても、各自治体議員それぞれが現場を回って地元住民や子育て支援施設の声を聞き、子ども予算を強化させる。各自治体においての子ども予算、当然ながら国のほうとしてもその子ども予算を強化していくという意味を込めて、「子ども予算強化キャンペーン」、これをスタートさせていきたいと思っています。
 党には「子ども・若者応援本部」、私が本部長として既に設置されていますから、ここを母体として、もちろん街頭で演説をして訴えるということもありますしビラを配るということもありますが、それ以上に、現地の視察ですとか、意見交換ですとか、その住民の皆さんの声を踏まえた議会質問、そういうところで具体的にこの予算の強化を図っていきたいと思います。
 例えば、不妊治療についての取組。
 あるいは、妊娠・出産の伴走型支援の取組。
 そして、保育の現場の待遇改善の取組。
 また、住宅支援など、経済的な子育て世帯への取組。
 そして、ヤングケアラー対策。
 孤立・孤独対策。
 そして、給食費の無償化など、各種無償化の取組。
 また、ひとり親支援。
 若年層の就労支援。
 また、不登校対策など。
 当然、子どもたちの自死という問題。これもこの前の私のオンラインの「トークセッション」の中でも触れましたが、10歳から35歳までの若者の死因のトップに自殺が来ているということも大変大きな問題であります。
 そういった意味で、この子ども予算を全国各地で強化するのが立憲民主党なんだと。全国各地の自治体でも、国政においても、子ども予算を増額させていく、そして支援をしていくということが立憲民主党なんだということを、私たちとして取組をしていきたいと思っています。
 今月中には特に私自身も視察にも行く予定をして、今、計画中というところでありますので、また決まり次第、皆様にもお伝えしていきたいと思います。
 これは、政府が最近言った国民運動というのがあったと思うのですが、有名な人を呼んでイベントをやりますとか、よくやっている企業を表彰しますみたいなものは、以前から「くるみん」とかですね、取組というのはもう何年も前からやっている話であって、国民運動そのもので国民にやっている感を出すということが大事なのではなく、実際に予算を増やすこと、それが大事なんだということで、立憲民主党と政府・与党、自民党との考え方には、やはり大きな違いがあるなと。
 実際に具体的に予算を増やして、実際に支援をする。その広報宣伝の予算を増やすとか、業者を使ったキャンペーンの予算を増やすのではなく、子育ての世帯に届く予算を増やす。当事者が助かる予算を増やす。こういうところで私たち立憲民主党は具体的な取組をしていきたいと考えています。

○マイナカード問題について

【代表】
 そして、マイナンバーカードのトラブルの話。先日も、松野官房長官が会見で言っていますが、所沢市が支給した高額介護合算療養費が、本来支給されるべき方に支給されるのではなく、別の方の口座に入金されてしまったということ。こういうトラブルがやはり相次いでいる。
 トラブルそのものは全てを防ぐというのはこれは難しいのかもしれませんが、しかしながら、やはりきちんと、今、政府が全体の見直しをしているということでありますが、工程表をきちんとつくって取り組むべきだということ。そして、その工程表がきちんと公表されれば、またさらなる、その工程表に対してよりよい改善というものも出てくるでしょうから、新たなエラーが起きないような万全な工程表というものをつくっていく努力。これをしていただくべきではないかと思います。
 また、河野大臣はずっと今、外遊をしている。その間に個人情報保護委員会がデジタル庁に立入検査をしたということで、河野大臣もデジタル担当の大臣ということで、オンラインでできるさまざまな外国とのやりとりもあると思いますし、今まさにこのデジタル庁そのものが大きく揺らいでいる中で、陣頭指揮を執ってもらうことが本来の姿ではないか。もちろん、さまざま海外の知見を得るということは必要だと思いますが、今はこの大事な時期。ご本人が国内で対応が留守になってはいけないということで言えば、陣頭指揮を執っていただくべきものだったのではないかとも思います。
 また、26日には、参議院で委員会が開かれます。立憲民主党は、今の保険証を残す。やはり当面、国民の皆さんの混乱や不安に応えるという意味で、現行の保険証は当面残すべきだということを言っていますが、ぜひ河野大臣には、これはもう所管外ではないですから、所管内のことですので、きちんと答えていただきたいと思っています。

○エネルギー価格の高騰対策について

【代表】
 そして、ガソリン代ですとか電気代の補助が徐々に少なくなってきていて、秋以降、この値上がりがまた家計に大きく響いてくるのではないかと言われています。
 立憲民主党は、やはり国民の生活が第一であって、今、実質賃金も下がっている局面ですから、この皆さんの生活費が圧迫されるという状況を少しでも負担を軽減していく努力というものをしています。
 ことしの6月、先月に、立憲民主党としても「電気料金高騰対策についての提言」というものをつくっております。これをぜひ政府には実施を求めていきたいと思っていまして、私たちは、ことしの10月、まさにこの電力料金の補助がなくなるかもしれないということを踏まえて、一つ一つの世帯に対して、1世帯当たりひと月3000円の計算の電力料金補助というものをしていくべきだと、直接給付という形で電力料金補助をしていくべきだと考えています。ですから、少なくとも我々は半年それをやるべきだと考えていますので、合計1万8000円の各世帯給付。これは電力料金に対する負担軽減ということでの、この1万8000円、半年分のエネルギー手当というものを直接給付していくということを提案していますので、これをぜひやっていきたい。
 また、そのほかにも、これもおとといの私の「トークセッション」の中でも触れましたが、住宅の断熱改修ですね。こういったものに対する補助は積極的に行っていくべきだと考えています。
 今、政府の補助の総額が1000億円なのですが、これでは足りないです。今どんどんどんどんその予算が消化されて、1000億円の上限が来ると、一応ことしの12月31日までは申請可能となっているのですが、これは窓リノベというやつですね。住宅の窓の耐熱性を高めて、夏涼しく、冬暖かというような、窓改修、窓リノベと言われていますが、これをする場合に半額を補助しますという制度が今あるわけですが、申請件数もどんどん今増えてきていて、これが今、予算も3分の1以上消化されつつあるという状況です。このまま行くと、たぶん12月31日を待たずして予算がなくなるのではないかというふうにも言われています。
 それだけニーズが高いというふうにもなっていると思いますので、我々としては、この住宅断熱化については政府はもっと予算を積み増しする、補正予算でこれをさらに増額するということも含めて、積極的に国民の皆さんにこういったものの利用も呼びかけていきたいと思いますし、そして、立憲民主党としては、この住宅断熱、住宅の省エネに対する取組は、さらに政府に増額を求めていきたいと、こういうふうにも思っております。


■質疑

○マイナカード問題について(1)

【NHK・高橋記者】
 マイナンバーカードのトラブルに関して伺いたい。参議院で来週、閉会中審査も予定されているが、衆議院とどういう違いを出して政府に対して対応を求めていくのかと、河野大臣のことについても言及があったが、責任の追及等、どうされる方針か教えていただきたい。

【代表】
 これは今、我々、河野大臣もそれまでにはもちろん帰国をすることになるでしょうし、その後の発言もありますでしょうから、そういったぎりぎりの状況まで大臣の対応やデジタル庁の対応を見て、我々としての参議院の委員会での質疑の仕方というものを決めていくことになると思います。
 今は、先ほど冒頭お話ししたようなスタンスで、大変強い問題意識を持っているということ。そして、この今の健康保険証は当面残すべきだということを軸にして主張していきます。

○エネルギー価格の高騰対策について

【NHK・高橋記者】
 電気代やガス代の対策だが、1万8000円の直接給付を求めていきたいということだが、これは、補正予算を組む必要性があるかどうかとか、その辺りはどうお考えか。

【代表】
 これ以外にも、国民生活、先ほどお話ししたように、実質賃金がこれだけ連続して下がっていて、政府も当初は、年後半、下半期にかけて物価上昇が落ち着いてくるとか、さまざまな価格が落ち着いてくるという話があったのですが、おそらくその想定どおりになっていないということ。また、ウクライナの情勢なども、今また小麦の流通が怪しくなってきているなど、さまざま状況も変わってきていますので、我々はこの秋の状況を見据えて、補正予算、これはやはり考えていくべきだと思っていますので、立憲民主党としてもその検討には入っていきます。

【NHK・高橋記者】
 その補正予算の中で重点を置く対策として、電気代やガス代という意味か。

【代表】
 そうですね。生活支援、これはもう当然のことだと思います。

○「子ども予算強化キャンペーン」について(1)

【NHK・高橋記者】
 別件で、「子ども予算強化キャンペーン」のことで伺いたい。これまでも立憲民主党は国政に対しても子育て支援の強化を訴えてきたと思うが、今回、地方議会のほうでも改めてその予算を確保したいということにしている。その意義や、改めて国に対して、財源の議論を先送りにした経緯もあり、どのような対応や対策を求めていかれるか、お考えをお聞きしたい。

【代表】
 自民党政権というのは、常に上からなんですよね。経済政策はトリクルダウン。そして、子ども政策はトップダウン。しかも、その両方がずれているということと、そして、現場に届いていない。この両方が問題だと思います。
 今回の子ども政策の国民運動というのも、やっている風景を全国に流すということで機運を盛り上げるとか、そういうことをおっしゃりたいのでしょうけれども、それよりも大事なことは、まさに現場で何が求められていて、そして、その現場でどれだけ自治体の予算がつくのかということが極めて重要です。もちろん国政においても、児童手当を初め、予算をつけるということ。そして、全体の高等教育の無償化だとか、そういったことにも予算をやはりつけていかなければいけないわけですが、財源がはっきりしない。
 例えば今回、概算要求の話の中で言うと、結局のところ社会保障費、5200億円というところで概算要求の指示を、自然増としては5200億円ありますよということで出しているわけですが、例年そこから1000億円から2000億円の抑制というのを行ってきて、その抑制をプライマリーバランスの黒字化のために投入してきたというか振り向けてきた。では、そこからさらに、医療や介護の予算から歳出改革によって少子化財源の一部を確保するということになったときに、本当に何をどこまで確保できるのかというところも不透明ですよね。
 ですから、やはり全国の国民の側から声を上げねばいけないという状況だと思います。政府任せ、自民党任せにしていては、ふわっとして目に見えない大きな予算のことばかりを語っていて、全然現場に寄り添っていないと思っていますので、私たちとすれば、先ほどの窓リノベの補助金もそうなのですが、国民の側が求めるものはどんどん求めて、そして、予算を自治体なりが確保して、今度は自治体の側が「こんなんじゃ予算が足りない」と政府に対しても声を上げていく、それくらいのキャンペーンにしていきたいと思っています。

○次期衆院総選挙に向けた取組について(1)

【時事通信・大塚記者】
 選挙について伺いたい。小沢一郎さんが先日、橋下徹さんがやっているネット番組に出演されたときに、野党の議席を最大化して自民党に対抗するために、予備選というやり方についてかなり前向きなことをおっしゃっていた。どちらかというと橋下徹さんが提案していて、彼の持論ですから、それを主張して、小沢さんも同調するという感じではあったが、このことについての見解を伺いたい。泉代表もまさしく同じ橋下さんの番組に以前出演され、最低限の方向性が一致するならあり得ますねというような趣旨の発言をし、実際に先日の千葉5区の補欠選挙では立憲の中ではそういうことを模索するような動きもあったやに聞いているが、現時点での予備選ということについての考え方を教えていただきたい。

【代表】
 そうですね、私が言ってきたことはそう変わらないですね。最低限の条件が整うということ。これは当然そこの予備選挙に参加をする政党が共通のルールを持たなければいけないでしょうから、そういうことが可能ならば、それはあり得るでしょうね。大義とルール、その条件が満たされるということであれば。

【時事通信・大塚記者】
 番組の中で、泉代表が出演されたときも、日本維新の会がどうもやる気がないんですよねという趣旨のことをお話ししていて、先日もまさしく橋下さん自身が、維新はどうもやる気がないんですよね、僕はすごい推しているんですけどというような趣旨のお話をされていた。そこは代表が野党第1党として大きく旗を振り、積極的にいろいろな党に呼びかけていくという、そういうお考えはあるか。

【代表】
 大体空気感でね、それをやったからといって、「わかりました、やります」と言うかどうかくらいは、大体認識しているつもりです。

【時事通信・大塚記者】
 今のお言葉は、予備選をやる空気感が今ないということか。

【代表】
 他党の中で、それだけ、「わかりました、立憲が言うんだったら」とか、「私たちもそう思っていたんです」とか、「自民党の政治がだめだから、やはりそこは力を合わせましょう」とか、そういうことを各党が言う環境では今ないのではないでしょうか。

【時事通信・大塚記者】
 あと一点だが、同じく橋下さんの番組で、立憲民主党について、選挙協力を含めた意思決定で多数決で決めていったらいいのではないかというような提案があった。これも橋下さんが水を向けた形で、小沢さんが、ぜひ多数決でやったらいいですね、ただ、民主党というのはそれをなかなかやらないんですよねというようなお話があった。この多数決で何か党の方針を決めるという提案についてどう考えられるか。

【代表】
 どの政党もやっていないのではないですかね、たぶん。一つ一つを全部挙手とか多数決でやっていたら、それこそ「その政党は民主的なんですか」と、むしろ言われてしまうのではないかと思います。
 番組ですから、いろいろなことを面白く発信するために、いろいろな議論があっていいとは思うのですが、民主主義の中で言うと、多数決というのはごく一部です。民主主義の中には、やはり対話とか、熟議とか、少数意見の中から有益なものがないかとか、そういういろいろなものを加味するのが民主主義であるので、多数決でもう最初から終わらせていいのであれば、たぶん選挙が終わった瞬間にもう何の議論も要らなくなるわけですよね。法案は出したらすぐ多数決であれば、それは「いや、それは選挙の結果だから」で済んでしまうわけですが、おそらく国民の皆さんはそれを民主主義とは認めたくないはずです。
 やはりきちんと議論がなされて、学びがあって、刺激があって、修正があったりして、よりよいものがつくられていく。そして、最後には多数決という手段もあり得るということが、本来の民主主義だと思います。

○令和臨調での講演について

【朝日新聞・木佐貫記者】
 あした令和臨調が開かれ、泉代表もスピーチだったり質疑をされると思うが、大枠でどういったことをお話しされるのか。各党の代表、岸田総理もいらっしゃるが、そういったことをどうお話しされ、質疑等でどういったことを訴え、どういうふうな方向でやっていきたいのか伺いたい。

【代表】
 質疑は、どんな質問が来るかわかりませんので、質疑についてはちょっとお答えようはないですが、立憲民主党が普段から言っているのは、もっとこの国の予算、人への投資、地域の活性化、人と地域に重点を置かなければこの国の未来はないということだと思っていますので、このことを訴えたいということ。
 そして、よく立憲民主党に、ある意味、印象、イメージとして、まだ正しく伝わっていないかもしれないなと思うのは、安全保障政策、防衛政策などでも、防衛費の増額そのものは別に否定もしていないし、現実的な防衛政策、自衛隊員の待遇改善などにおいてはむしろ与党以上に我々も言っているし、そして、海底ケーブルの安全の確保ですとか、より複層的なというか重層的な安全保障政策について言っているのもこれまた立憲民主党ですから、そういう現実的な路線の政党ですよということは改めてお伝えしたいと思います。
 エネルギー政策についても、今ある原子力発電所や火力発電所をとにかく安定供給なしに全部止めろなんていうことは我々全く言っていない政党ですので、安定供給というものを当然大前提にしながらエネルギーシフトに力を入れていきましょうという現実的な政党であるということ。
 この辺りは、これまでも言ってきていることだけれども、改めてお伝えしていきたいと思います。

【朝日新聞・木佐貫記者】
 人への投資というのは、例えば先ほどおっしゃった教育だったりとか子育てだったりと。

【代表】
 そうですね、教育、子育て。リスキリングも、与党は、防衛費は5年で43兆円、リスキリングは5年で1兆円ですから、ものすごい差ですよね。ですけれども、やはり今、インバウンドももっと取り戻していかなければいけないという意味では、外国から来る観光客に対して、その受入れをする人材のある意味教育、人材育成というのも当然必要だし、デジタル分野も人材不足だと言われていますから、この人材育成にもっと力を入れるべきだと思うし、当然グリーン、今お話しした我々が進める再生可能エネルギーとかの分野もまだまだ人材が少ないと思っていますから、デジタルも含めて、新しい時代の人材、世界の潮流に合った人材の育成にはもっと政府は予算を投じていくべきだと。そういうものも含めて人への投資だと考えます。

○マイナカード問題について(2)

【朝日新聞・木佐貫記者】
 もう一点。マイナンバーの件で、河野大臣が外遊に行かれ、その間デジタル庁に立入りがあったりとあるが、代表としては、こうした河野大臣の姿勢というか、マイナンバーの問題も次々と発覚している中で、やはり大臣には大きな責任があり、こうしたデジタルの任に値するのかどうかというか、そういった点、もし代表にお考えがあればお願いしたい。

【代表】
 こういうのは、よくマスコミから「辞任は求めないんですか」とか「責任は」という話があるわけですが、こういうものは常に状況を見て、また、大臣自身の姿勢というものも問われてくるものですから。
 もちろん、大臣がこの外遊中、どんな指揮を執っていたのか。これも問われるし、そして、帰ってきて、またどのような指揮を執るのか。国民に対する説明や不安感の解消、これが十分なのかということを、26日にまた委員会でも我々問うということになっていますから、きょう、あす以降も含めて、その大臣の姿勢を見て考えてまいります。

○「経済政策」「外交政策」について

【日本経済新聞・関本記者】
 日本維新の会の馬場代表がきのうの会見で、アメリカのトランプ前大統領の考え方が維新の政策と近いというふうに話されていたが、立憲民主党として、例えばバイデン氏とトランプ氏、どちらのほうが政策として近いとか、そういったことがあれば教えていただきたい。

【代表】
 ちょうど先週の記者会見(トークセッション)で立憲民主党の経済政策の話をしまして、そのときにバイデノミクスのことも言ったんですよね。それを聞いて、逆に、逆張りをするためにトランプに近いと言ったのかどうかわかりませんが。
 立憲民主党の経済政策というのは、やはりボトムアップ型。バイデノミクスに近い。新しい環境産業とか、あるいはインフラ整備だとかということで、やはり地域の経済というものをきちんと回していくという考え方から、新しい国づくりに資する事業も増やしていくという考え方ですから。
 どういう政策をもって、今、我々は経済政策の話でこの話をしましたが、トランプさんに近いというのは手法なのかイメージなのか、そこは何をもっておっしゃっているのかわかりませんが、私たちとしてはむしろ先週ちょうどバイデノミクスの話をしたという状況です。

【日本経済新聞・関本記者】
 あくまで経済政策はバイデン氏に近いと。

【代表】
 我々はそう言っています。

【日本経済新聞・関本記者】
 関連で。政党として、外交にどのように取り組んでいくのか、改めて教えていただきたい。

【代表】
 対話外交というのは、皆さんよく、それはお花畑だみたいなふうに取られる方があるのですが、実はアメリカ自身も非常に対話外交を重視しているし、世の中、世界が暴発しないような努力というのは常に続けているわけですね。ですから、アメリカのそれこそ政府の主要な人物がロシアの国防省と会談をしたりとか、あるいは、中国とも会談をするということはあるわけで、むしろ日本の側が、そういったロシアや中国との対話ということでは、アメリカよりも遅れを取ってきたのではないかというふうにも思います。
 やはり日本自身は、周辺国、そして世界においても、対話外交を主導する役割を担っていくべきだと思いますし、日本自身の外交においても、できる限りこの対話重視、相互理解重視ということで、また、これまでもそうですが、エネルギーのこともあって、中東などでは日本自身も独自のスタンスで、ある意味中東の産油国と欧米の間に立つような立場で、独自の姿勢を持って取り組んできたことで、世界、広範な地域から信頼を得てきたということもありますから、そういった積み重ねを大事にしていくことが大事だと思います。

○次期衆院総選挙に向けた取組について(2)

【関西テレビ・鈴木記者】
 日本維新の会が東京6区に元官房長官の息子を擁立すると発表があった。東京6区は立憲民主党の落合貴之さんが小選挙区を2回制しているところで、自民党を野党が破っていることが2回続いているところにあえて出てくるというような判断になったみたいだが、ただ、野党全体のことを考えたら、そういう野党が元々勝っているところではないところに出てもらったほうがいいような気もするが、その辺りについて代表のお考え、どういうふうにお感じになるか。

【代表】
 やはり、基本的に自民党に寄り添っている、自民党に近い政党ですから、必ずしも野党の議席が伸びればいいというふうには思っていないところはあって、他の野党をやはりいかに打撃を与えて自民党とうまくやるか、そういうことを考えているのではないでしょうか。

○「仙台市議選」「ALPS処理水の海洋放出に関する議論」について

【フリーランス・堀田記者】
 まずは、きょうは仙台市議選の告示だが、泉さんは応援に入られるか。

【代表】
 ありがとうございます。
 私は現在のところ予定はしておりません。

【フリーランス・堀田記者】
 次の質問だが、1Fの処理水の放出だが、きのう福島県漁連の野崎さんなどがまた1Fをいろいろと視察したが、理解なくして放出しない、理解という言葉を泉代表はどのように捉えているか。「理解」をどのように理解しているか。

【代表】
 それはやはり発言した方の特別な思いを持った理解という可能性もあるので、そういうものも踏まえて慎重にその言葉を私たちも受け止めなければいけないと思っています。安易に普通の一般用語としての理解ということと、もしかしたら違う意味を持っておられるかもしれないので、そこは正確に我々も情報収集したいと思います。

【フリーランス・堀田記者】
 理解はしたけれども、IAEAなどにおいて安全であるということだから放出していいというようなことで岸田政権は逃げるかもしれないが、そういったことに対する泉さんの考えを教えていただきたい。

【代表】
 これは「泉さんの」というより党としてなのですが、これまでの処理水についてで言えば、努力をもちろん政府としてしてきた中で、そして、トリチウムを取り除く努力というのもしてきた中で、どうしても取り除けないものがある。しかし、それが果たして漁業や海洋全体にも影響を与えるのかどうかということで言えば、もちろん影響というのはゼロではないということかもしれませんが、一方では、IAEAが人や環境への影響は無視できるレベルだというふうに調査報告書を出すまでには至っているという中で、改めて、私たち立憲民主党としては、常に地元の、特に福島の皆さんや近隣の県民の皆さんの受け止め、思いということにも十分寄り添うべきだと言ってきました。
 そして、政府自身が2015年に、先ほど堀田さんおっしゃったように、理解なくして放出なし、いきなり放出するということはそれはしないんだということを政府自身が言ってきたということもありますから、その原則に照らせば、地元とか漁協の皆さんが納得をするということが大事です。
 納得というのは、まさに世の中の人たちが考える納得と当事者の方々が考える納得というのは、そこにはやはり違いがあって当然のことだと思いますが、当事者の側も、全員構成員が納得しなければということを言っていることでもなく、あくまで組織としてというか、漁協なら漁協として一つの結論に至れるのであれば、それは我々として次のステップに入っていくということはあり得ると思っています。

○「子ども予算強化キャンペーン」について(2)

【「FACTA」・宮嶋記者】
 冒頭おっしゃった「子ども予算強化キャンペーン」だが、キャンペーンというのは社会運動というか大衆運動というか、具体的にどういうキャンペーンをされるのか。自治体も区々でいろいろあり、どこの政党も子ども手当とか子どもの問題と言っているが、立憲民主党がこの問題で国民的な何かキャンペーンをやるという意味なのか、自治体にそういう何か立憲と共同で何かやろうとしているのか。要は具体的に何を本部長としてキャンペーンをしたいのか、もう少し教えていただきたい。

【代表】
 ありがとうございます。
 これはどの民間企業でも政党でも、何か一つのものを全国民に伝えていくとか一つの商品を売り出していくといっても、そうそう簡単なことではなく、国民全体にそれが大きく盛り上がりをつくれるかといえば、そんなことはなかなかできないのではないかと思っています。
 その意味では、今言っていただいたことで言うと、このキャンペーンというのは立憲民主党に所属する私たち自身が取り組むべきこと、取り組むことという意味で、全国に号令をかける。そして、共に取り組んでいくというものだと解釈していただければいいと思います。
 具体的には、先ほども少しお話ししましたが、もちろん街頭演説をしたりビラを配って啓発活動をしたり、皆さんもっと子ども予算をつける世の中にしましょう、議会にしましょうということは、それは一般への啓発としてあり得るのですが、やはり議席を全国で1250議席くらい持っている、各議会の仲間たちもいるわけですから、やはり議会での運動ということで、より具体的に議会質問に取り組んでいく。あるいは、行政とかけ合って、一つでも子ども予算が強化されるような取組をしていく。そういうことをイメージしています。
 それを具体的に言えばということで、先ほど、不妊治療のこととか、妊娠・出産の伴走型支援というものですね。これはよく保健師さんだとかが対象世帯を回って、それぞれの相談に乗っていくとか、そういうものの例えば増員ということも言えたりするでしょうし、手当てを高めていくということも言えたりすると思います。
 そして、保育所とかでの保育士の待遇の改善。これは国としても取り組めることでもあります。
 また、住宅支援。これは各自治体ごとで、若者の定住対策とか、新婚家庭の支援とか、いろいろなものが各自治体ごとに制度がありますが、そういうもののやはり上積みを図っていく。そういうこともできると思います。
 また、ヤングケアラー対策ですね。これは言葉としてはまだ比較的新しい言葉として、全国の自治体議会では取り上げられていないケースもありますので、そういったことを全国の自治体でももっともっと取り上げてもらって予算化を図っていく。具体的な支援につなげていくということもあるのではないか。
 そういった各種の提案ができると思っていますし、その提案によって各自治体ごとがまたよい競い合いもできるし、最も象徴的に言えば、兵庫県明石市などが、この子育て支援をすることによって自治体自身の全体の世代を超えた活性化にもつながっていったということもあるわけですから、そういったものも全国的に広げていく。こんなイメージをしています。

【「FACTA」・宮嶋記者】
 立憲の成功体験といえば、やはり「保育園落ちた日本死ね」というのが私は印象に残っているが。

【代表】
 あれはまだたぶん民進党だったと思いますが。

【「FACTA」・宮嶋記者】
 民進党だったかな。でも、どちらにしても、子ども手当とか応援と言われても、どこもやっていて、心に届くのかなというのは、何かそういうのはないか。

【代表】
 そうですね、何かあれば、それはほかにもあればとは思うのですが、これは実際に心に届くだけではない、実際の自治体の予算を変えるキャンペーンなので、私たちとしては成果が一つでも多く出せれば、それは必ず当事者の方々の役に立てる。そんな実際に成果が出るような取組にしていきたいと思っています。

○「学校における働き方改革」「次期衆院総選挙に向けた取組(3)」等について

【フリーランス・小山記者】
 きのう夜のニュース番組で、宿題をなくした学校の題材をやっており、学校の先生の負担減についても言及されていた。こういったことで、立憲の教職員のヒアリングとか、法案提出とか、若者協議会とのセッションもあったが、幾分話題喚起できてきているなという手応えはお持ちか。

【代表】
 そうですね、先日も教職員の皆さんの集まりのときに話をしたのですが、例えば各業種問わず勤務間インターバルというのが世の中に広がりつつあるし、広げていくことを我々も進めているのですが、これはヨーロッパでは、24時間の中で1日11時間、仕事場から離れてきちんと自分の時間が持てるような取組をしていこうということで、この勤務間インターバルというのがあるのですが、これは学校の先生の場合はそれがなかなかできにくかった、これまでの業界だったわけですよね。
 要は持ち帰りが非常に多く、学校を離れたからといって、テストの採点があったり、次の日の授業の準備があったりで、家でも仕事をしているということが多かったので、そういうものを、この学校の先生の世界に勤務間インターバルを導入していくとなれば、何を働き方改革していくのかということで、例えばおっしゃったような宿題の廃止というか宿題をやめるという取組というのも一つあり得る取組ではないかなと思います。
 今、子どもたちの例えばランドセルも、もういっぱいに入っていて重たくて大変だなんていう話もあって、教科書を学校に置いていくというケースも出てきていると言いますから、いろいろな意味での働き方改革というのは必要ではないかと思って立憲民主党としても取組をしていきますし、給特法の廃止と(教職員の)働き方改革法案も出していますので、こういったものを実現していきたいと考えます。

【フリーランス・小山記者】
 次に、ゆうべのNHKの「時事公論」という夜中にある番組で、野党連携とか野党共闘の話がどうなっているのかという解説があった。今まだ文書としてのアーカイブが出ていない状態だが。こちらをご覧になったかどうかわからないが、そこでの表現が泉代表の認識と同じだったかどうかというのを伺いたいが、ご覧になったか。

【代表】
 わかりません。

【フリーランス・小山記者】
 その中で、ちょっと初耳だったのが、れいわ新選組は立憲民主党を様子見だというのがあった。そんなふうに聞いていらっしゃるか。

【代表】
 いや、ごめんなさい、見ていませんでしたので。れいわさんから何か聞いているというのもないですね。

【フリーランス・小山記者】
 もう一つ。橋下徹さんの発言を月曜日の東スポウェブが取り上げていた。これは自分たちの事業にけちをつけられたという私怨もあるが、どこが立憲やねん、政策論でかかってこいというせりふをおっしゃったと書かれている。これはすごく強い印象操作だなと思うが、立憲という言葉に関して議論が起こっているのかなという気もする。維新は自民党の議員よりもやはり憲法のことをわかっていないという印象があり、それを外圧から利用されているのかなというような印象があるが、どこが立憲やねん、政策論でかかってこいという、この心象操作について一言ご反論でもご印象でもお願いしたい。

【代表】
 いや、別に反論に値するような何か発言があったとは認識をしていないので。立憲主義というのをよく学んでいただくことかなと思います。