泉健太代表は10月6日、国会内で定例記者会見を開き、(1)連合の定期大会(2)経済対策(3)札幌オリンピック(4)世襲制限法案――等について発言しました。

 冒頭、泉代表は10月10日に告示される長崎4区の補欠選挙について「9日10日には長崎に入り、末次候補予定者の出陣式に参加する」と述べ、必勝に向けて意気込みを語りました。

(1)連合の定期大会

 泉代表は連合定期大会に出席したことに触れ、「連合が期待するのは、自民党に対抗した政権交代可能な政治を作ること」と述べ、「立憲民主党としてもできる限り努力していく」と述べました。

(2)経済対策

 泉代表は、「今の物価高で、働く者の生活をどう守るか。消費から経済を活性化させることが大事」と述べ、立憲民主党として「物価高を上回る賃金上昇の実現」「教育の無償化、リスキリング」など、「人に対して、予算をもっと投資すべき」と述べました。「岸田総理は最低賃金について『2030年半ばまでに1500円を達成』と言っているが。あまりに遅い」と指摘しました。
 また、与党から減税の話が出ていることについて、「財政再建もどのタイミングで取り組むか問われる」、「増税を国民に問うのはわかるが、減税が選挙の争点にはならない」と疑問視しました。

(3)札幌オリンピック

 札幌オリンピック・パラリンピックの2030年招致を断念し、2034年以降を目指す方針を札幌市が固めたことについて、泉代表は「先の東京オリンピックの検証が済んでいない。誰も責任をけじめもつけていない。そのまま次のオリンピックを進めてよいのか」、そして「今の状況の中で、札幌で大きなオリンピックを抱えていくことで市民生活に影響が出るのではないか。道民のみなさんの声を聞くべき」と延期の判断について理解を示しました。

(4)世襲制限法案

 泉代表は、世襲議員について「事実上、一般の国民の皆さんには(政治家になる)チャンスが訪れなくなる」「必要な人材が政治の世界に入ってこなくなる」と述べ、世襲制限法案の検討を進めていることを明らかにしました。



泉健太代表記者会見

2023年10月6日(金)10時30分~11時08分
発行/立憲民主党役員室

★会見の模様を以下のURLで配信しています。
https://youtu.be/--0unGuSqgo


■冒頭発言

■質疑


■冒頭発言

○連合定期大会に出席

【代表】
 おはようございます。
 きのうは連合の大会に出席をしてきまして、きょうは大会後のレセプション、こちらのほうにも出席するということになっています。
 きのう大会でもお話ししましたし、一部報道でも出ていましたが、改めて、政党として招待されたのは立憲民主党と国民民主党ということで、連合が期待をする政治というのは、自民党に対抗して立憲民主党・国民民主党が政権交代可能な政治をつくるということを目指して、そして、二大政党的政治のために勢力を結集させるということを言っております。
 これは、今、徳島・高知、そして、もうすぐ長崎、補欠選挙ということになりますが、そちらの地域でもやはり多くの組合員の皆さんがそれを求めているなというふうに実感をしています。また、きのうは地方連合会の代表の方もたくさん来られていました。各地の連合会長も来ていましたが、やはり同じような意見、考え方が大勢ではないかなと思っています。当然、連合の運動方針ですから、そういうことだと思いますが、やはりそこに向けて立憲民主党としてはできるだけの努力を続けていきたいと思います。
 今、特に物価高で、やはり働く者の生活をいかに守るのか。働く者が元気に働けて、かつ、そこで物価に負けない賃金を得て、そして、消費活動ができるのかどうか。これが大きな課題になっていると思います。やはり消費から経済を活性化させるというのは非常に大事なことで、幾ら輸出が増えても輸入が増えても生活者にお金が回らなければ物が売れないわけですから、そうすると経済はやはり大きくはなっていかないわけですよね。
 改めて、消費が大事だからこそ、所得をアップさせていく。物価を上回る年収のアップというものを立憲民主党としては、これは経済政策を我が党がこれから打ち出していく際にもやはり大きな主題になっていくのは、この物価上昇を上回る年収のアップということを大きな命題として、そこにさまざまな政策をぶら下げていきたいなと、こういうふうに考えています。
 当然ながら重視するのは、きのうの連合の会でもお話ししましたが、人への投資ですよね。賃上げは当然のこと。賃上げは当然のことですが、さらに、教育の無償化ですとか、リスキリング、こういうものにもっと予算を投じるべきだと、これも言っていきたいと思います。
 岸田総理が、例えば、2030年(代)半ばまでに(最低賃金)1500円を達成すると言いましたが、これは余りに遅いということだし、そうすると、おそらく欧米各国とかなりの賃金格差がつくということになろうと思います。こういう状態を是正する。もっと加速させていかなければいけないということで、連合、そして立憲民主党、もちろん国民民主党も力を入れる分野だと思いますから、やれることがあるのではないかと思います。だからこそ、力を合わせればならない。声を集めて、声を一本にして取り組んでいく必要があるのではないかと、そのようにも考えております。

○国政補選について

【代表】
 そして、私は、10月の9日・10日は長崎に入る予定をしています。長崎の我が党の末次精一候補予定者の、その時点ではもう候補者になっていますが、出陣式、第一声にも参加させてもらうということを今考えているところです。

○「税収増を還元」首相発言について

【代表】
 与党のほうから減税の話が聞こえてきていますが、この増収分というのをもちろん還元は何らかしていくということでもありますが、当然、財政再建ということも、どのタイミングで取り組むのかということが問われるし、そして、減税といっても、この秋にすぐ国民に減税を届けられるわけではないし、そもそも減税が選挙の争点なのかということも疑わしいものだと思ってもらわなければいけないなと思います。増税を問うというのであれば、それは政府の決断を国民に問うということになると思いますが、減税を基本的には喜ばない人間はいないわけでありまして、それは何の選挙の争点なんだということではないかと思います。
 それよりも、やはりこの円安を放置し続けるのかどうか。この円安を放置し続けて、もちろんおそらく覆面介入というのはさまざまされているような気配はありますが、トレンドとして根本的に変わっていないわけですね。ですから、植田総裁も大変苦労はしていると思いますが、我々がつくった出口に向けたさまざまな取組というのはぜひ真摯に政府に受け止めてもらいたい。このようにも思っているところです。

○2030年冬季五輪パラ 札幌市の招致断念について

【代表】
 あと、ちょうど札幌オリンピック。こちらのほうが延期の方向ということで、今、打ち出しがされているようです。
 立憲民主党としては、一つは、さきの東京オリンピックの検証が済んでいない。そして、誰もまだ、その検証を踏まえた責任を取るということだとか、けじめというものも別についているものでもありませんということで、そのまま次のオリンピックを進めてよいのかというのは根本的な問題としてあろうと思います。
 それに加えて、この今の状況の中で札幌で大きなイベントを抱えていくことが、本当に市民生活、道民の生活にとってもプラスなのかどうかということも慎重に考えなければいけないということで、いわゆる住民の皆さんの意向を聞くということの声も上がっていますから、とにかく30年の誘致ではなく34年の誘致に延期というようなことは一定理解できる判断ではないかと、このように思っています。

○政治資金の世襲を制限する法案の取りまとめについて

【代表】
 あと、先日の岡田幹事長の会見でもお話ししましたが、我が党としては、国会議員関係政治団体のいわゆる相続みたいなものについては、やはりしっかり規制をしていきたいと思っております。
 事実上、世襲の多いことの問題というのは、世襲で受かった議員一人ひとりの能力ということに焦点が当たるよりも、むしろ、世襲で関係者の中だけで次のその主要政党の候補者が決まっていくということになると、国民一般の方にはどんな有能な方でもチャンスが訪れてこない。また、大きな諦めを生んでしまうということになろうと思います。事実、そういう諦めというのは各地で起こっていることではないか。「どうせ政治なんていうのは二世がやるものでしょう」とか「お金持ちがやるものでしょう」というふうになってしまっては、せっかく能力のある方が政治の世界に入ってこなくなるという、機会を失わせているという観点もありますから、我々、改めて、もうスタートラインから違うというような状況はやはり回避しなければいけない。岡田幹事長は「イコールフッティングではない」という言い方をしていますが、スタートのときから豊富な政治資金があって、もう他の追随を許さないような基盤ができているということでは、これはもう今必要な人材が入ってこないということになろうと思います。

○経済対策について

【代表】
 あと、やはり経済対策。これから我々も打ち出していきますが、今、既に立憲民主党として世の中に訴えていることというのは、まず一つは、ガソリンのトリガー(条項)の凍結解除です。これは既に訴えておりますので、これは盛り込んでいくということになると思いますし、そして、電力料金。これはエネルギー手当という形で我々は1万8000円の引下げということを言っております。
 さらに言えば、既に法案を提出していますが、消費税の還付法案を提出しています。これは逆進性対策でもありますが、やはり特に低所得・中所得の方々にとっては消費税の負担を軽減するという効果もありますので、そういった意味で、我々はこの経済対策を近々発表していきたいと思っています。


■質疑

○岸田政権発足から2年を振り返って

【共同通信】
 岸田政権発足から4日で2年となった。改めて、この間の政権運営の評価をお願いしたい。

【代表】
 懐かしいと言わなければいけないくらい、「聞く力」というのがもう遠い言葉になりましたね。「新しい資本主義」というのも、すっかりもう消えてしまったなという気がします。「1億円の壁」、これはどうなったのでしょうか。
 そういった意味では、政権発足当初に掲げたことは雲散霧消ですね。ある意味どこかに消えてしまったというような状況で、そして、岸田総理がやったことというのは、宏池会らしからぬ防衛費最優先、防衛費増最優先で、立憲民主党も今の世界情勢からすれば、安全保障、防衛費の費用が上がるということそのものはあり得ると思っていますが、それにしても5年で43兆円は大き過ぎると。一方で、人への投資、リスキリングは5年で1兆円。かなり優先順位が偏っているのではないかと、このように感じています。
 その意味では、改めて、安倍政権・菅政権と続いてきた自民党の政治というのは、やはり根本的・基本的には変わっていない。格差も放置されているし、物価高で苦しんでいる方々に対する岸田総理の取組は遅いと思っておりますので、この2年間、当初言ってきたことはほぼ消えたと。そして、非常に怒り肩の強者の政治が進んでいるのではないかと思っています。

○次期衆院総選挙に向けた取組について

【共同通信】
 続けて、野党共闘について伺いたい。共産党の志位委員長がきのう、次期衆院選をめぐり、立憲民主党を念頭に、連携協力の明確な意思が示されれば前に進むことができると述べた。野党共闘の推進を求めた発言かと思われるが、きのうからスタートした形となった衆参ダブル補選では、共産党は、(高知・徳島では)立憲民主党が支援する広田さん、長崎では公認候補を支援している。補選での共産党の支援が立憲民主党が推す候補にとってプラスに働いているとお考えか、受け止めと、また、今後共産党と選挙協力、野党共闘を推進するお考えがあるかどうか、あわせてお聞きしたい。

【代表】
 なぜ、やたらしきりに「共産党さん」「共産党さん」とマスコミさんがおっしゃるのかが、逆に理解できないです。政党というのはたくさんあるわけで、そして、立憲民主党としては野党としての議席の最大化、これを目指していますので、どこの政党だけ特別扱いをするという考え方はそもそもなく、誠実に、立憲民主党としては今の自民党の政治に代わり得る力を伸ばさなければいけないでしょうということを言っていて、当然第2自民党ではいけないわけですが、やはりきちんと自民党と対抗して政策や価値観を打ち出す政治勢力を増やしていこうと思っていますので、その立場で各政党にさまざまな取組をしているというのが今の状況です。

【朝日新聞】
 今のやり取りにもあった野党共闘について追加で質問したい。共産党の話が上がったが、野党共闘の動きが一部の政党で広がる一方、共産党もそうだが、一部の選挙区では既に他の野党が単独で候補者を擁立するような動きが見られるのも事実かと思う。衆院選が次いつあるか見通せない状況ではあるが、野党として議席を最大化させていくに当たって、野党第1党である立憲民主党としては、ほかの政党にどう候補者調整を働きかけていくのか。また、そのタイムラインとして来る衆院選に向けて間に合いそうかという準備状況も含めて伺いたい。

【代表】
 まず、衆議院選挙というのは、解散がいつあるかわかりませんから、間に合う間に合わないなんていうのはないですね。これはもう、あしたもし岸田総理が解散と言ったら解散なわけですから、こちら側がどうこうできる問題ではないというのが、まず一つ。
 そして、野党共闘という言葉をマスコミさんが使われる場合は何を指しているのかというところがちょっと不明なところがあって、これは野党の中でもそういう言葉を使っている党も使っていない党もあるわけですから、マスコミさんがその言葉を使う場合というのはどちらを指すのかということはちょっと明確にしてから質問していただきたいなと思います。
 その上でなのですが、先ほど話をしたように、基本的には立憲民主党としては、野党第1党として、できる限り野党の議席を最大化させ、そして、国会が緊張感のある国会でなければいけない。その緊張感から何がもたらされるかというと、やはり与党が隠蔽してしまうような問題を隠蔽させない。そして、法案でも不備な点があれば、きちんと直させる。ですから、野党のためというよりも、やはり国民のために、国会が緊張感を持つということは極めて大事。
 特に国会においては、与党の議席が多くても、国会では野党の質問時間が多くなる。多くする。これが長年の国会のルールですよね。では、なぜそうしているのかといえば、やはり与党は幾ら議席が多くても、基本的には国会で政府に対して問題点をただすのではなく全部党の中で部会だとかを開いて議論をしてしまうので、一切国民の側には議事録として残らない状況になります。その意味では、野党は、議席は少なくとも、国会の多くの質問時間を野党の側に渡されることによって、この日本の民主主義の役割を果たしてきた。
 要は、野党がきちんと問題点を明らかに提示して、そして、それについての政府の見解を全て議事録に残して、そういうことによって国民に見える議論をしていくということで、世の中をどんどん積み上げてよくしていこうという考え方ですので、その意味で、この野党に議席や力を与えていただいて、何とか国会が機能する国会になればよいと思って我々はやっています。
 その意味で、各野党の皆さんに、できる限りの候補者調整だとか、さまざまな連携をして力を合わせるということのお願いを我々としてはしているという状況ですので、先ほどの冒頭の話に戻ると、それがいつまでにどう実るかというのは、これは本当にもう毎日がある意味そういう努力の積み重ねであって、いつ解散が起こったとしても、それはもうその時点の状況でやっていくしかない。
 あとは、やはり各政党、とはいえ、この選挙制度のもたらす現象でもあるのですが、ある程度候補者を立てなければ比例票も獲得できないというような選挙制度になっていますので、完全に各政党が野党が全部一本になればいいという単純なものではないということですね。各政党ごとの票の獲得目標もある中で、どうやって議席を最大化させていくかという、複雑な方程式を僕らは各党それぞれで考えながらやっていかなければいけないと、そんなふうに思っています。

○連合について(1)

【NHK】
 冒頭で連合のことについて発言があったが、関連で伺いたい。連合をめぐっては、国民民主党と立憲民主党と、支援する団体が分かれている現状が課題であると思う。また、連合と政府との距離感ということも取り沙汰されている。この辺についてどう受け止めていらっしゃるか、改めて伺いたい。

【代表】
 日本最大の労働団体ですからね。他国でもそうでしょうけれども、労働団体が政府に対して行政的にさまざまな申入れをしたり政府に提言をするというのは、本来の役割ですよね。
 一方で、その連合がどの政党を応援するのかということでいえば、そこに自民党は入っていないというのがもう明確な連合の方針ですので、何らそこで心配だとかをする必要はないのかなと思います。明確に立憲民主党を応援していただいていますので。
 我々としては、これまでも勤務間インターバルとか、残業代の支払いとか、年収の壁とかもそうですが、きのう私が連合の会で言ったのは育休の所得代替率を上げていくとか、こういうことも野党の側が連合と一緒にずっと声を上げていくことで、最初、与党の側が全く受け入れてこなかったものが、やはり野党であっても現実のものとなる、実現をすることというのはやはりありますので、立場は野党であり、あるいは野党を応援する支持団体ということであっても、できる役割というのを最大限果たしていく。そう思っていますから、政府に対してどうこうというのは、それは連合の役割かなと思います。
 あと、先ほど冒頭でも話しましたが、やはり連合は二大政党的な政治体制の中で緊張感のある政治を望んでいるし、働く者の立場に立つ政党が結集してほしいと、結集という言葉も出てきているし、そして、各地域や各組合の方々のお話を私も聞いて回ったりしても、ほとんどがやはりそれを望んでいるというふうに思いますから、(支持する)党が分かれているのが連合に起因するものだという考え方よりも、やはり連合の支持政党が分かれているのは、政治の側がもっと努力すべきことだと思います。

○維新・鈴木議員の訪露について

【NHK】
 もう一点、別件で、他党のことで大変恐縮だが、鈴木宗男議員がきのう帰国された。独自のパイプを使って国益を最大化するためにという主張をされている。一方で、これは本当に党の中の話だが、維新は手続に瑕疵があった点について処分を考えているということだった。一連のことについて、もし受け止めがあれば教えていただきたい。

【代表】
 これは政府も言っていますが、渡航禁止(中止・退避勧告)の、いわゆる外務省のランクというのがありますが、そういうものに照らして渡航が適切だったかどうかということがまず問われると思います。
 あとは、手段ですよね。我々は、さまざまな国際情勢の中で、仮に対立する国があっても、やはり政治というのは時に対話を重視せねばならないということはありますから、そういった意味で取組というのはさまざま行われる可能性はあるのかなと思います。
 ただ、国会でもウクライナの支援決議というのはやっていますから、そういった意思と反する行動であるということであれば、これまた果たしてどうなのかということは問われることもあるでしょうし、そういう中で今回の渡航が正しかったのかどうかというのを見るべき話かなと思います。

○連合について(2)

【毎日新聞】
 今のNHKの連合の質問に対するお答えに関して、党が分かれているのは連合に起因するものというよりも政治の側でもっと努力すべきこととおっしゃるのは、泉代表の認識としては、連合の中で個々の政策に対する違いというものが、各産別や労働組合の中で一致できていない部分があるということは認識されているということか。

【代表】
 全部の政策、それは産業別組合でそれぞれあると思いますよ、政策は。

【毎日新聞】
 きのう玉木代表は連合の定期大会の挨拶の後に、その違いをまず連合の中で整理してほしいというようなことをおっしゃっていたが、泉代表はそうではなく、政治の側で努力すべきことだと。

【代表】
 それは政治の側が努力すべきではないですか。連合が例えば何かそこで、でも、連合は連合で政策ってまとめていますからね。各産業別組合が集まって、各産業別組合が持っている政策はあって、その皆さんが集まって連合の政策というのをまとめていますので。かつて民主党はその連合と共に歩んできた経過はありますので、政治の側は努力できると思いますよ。

【毎日新聞】
 それぞれの政党が、特に国民民主党との間では原発のことに関してなど違いもあるが、その上でどのように協力ができるというふうに。

【代表】
 話合いではないですか。やはり違いがあるというのであれば、話合いではないですか。

【毎日新聞】
 妥協できる点を見つけていくということになるか。

【代表】
 それは話合いですね。

○「党内グループ活動」「党外交」等について

【フリーランス】
 きのう直諫の会の出版パーティーに泉代表も出席されたと報じられていたが、簡単にご報告をお願いしたい。私から見るとメンバーが皆さん泉シンパだなという印象があり、野党でちょっと対立しているような人たちは、すごく期待するとか、よく言っていらっしゃるが、内実は応援団かなというふうに思ったが、いかがだったか。

【代表】
 いやいや、まさに隣にいる重徳シンパだと思いますが。
 とてもいい、盛り上がりのある会でしたね。本当に勢いを感じました。ですから、パーティーでもお話ししましたが、この勢いのあるメンバーが中に内蔵されているというか、エンジンとなっているのが立憲民主党ですと。だから、やはり立憲民主党には私は力があると思っているし、当日も、やはりきのうもそれを感じました。
 いわゆる来てくださった方々も、本当に立錐の余地もない、1000人ほどの方々が来てくれたというふうに私も重徳さんからきょうも報告というか話を受け、やはり盛り上がったね、なんていう話をしていました。
 ですから、野党の中にも有為な若手で人材がいて、そして、政策力もある。ぜひ皆さんにも、直諫の会からマスコミ向けに本が配られたかどうかわかりませんが、読んでいただければ、一人ひとりの議員が一騎当千の政策の鋭さを持っている。知恵、アイデア、人脈を持っているというのがわかっていただけるのではないかなと。それがきのうのパーティーではしっかりと会場の方々に伝えることができたのではないかと思います。

【フリーランス】
 やはり若い方の、さえているときにご自身の政策をどんどん提言していきたいという機会を持たれたということで、そのリーダーシップを重徳さんが取られたのだと思うが、胸を掴まれたような政策というのは本の中で幾つくらいお受けになったか。

【代表】
 いやいや、そんな、全部です。

【フリーランス】
 あと、ちょっと遅めの質問になって恐縮だが、自分の中で残っていた疑問として、米国に行かれたとき、普段のお話だと立憲民主党は民主党とやはり連絡があるのかなと、親しくされているのかなと、そういう印象があったが、あちらで共和党議員にお会いになった。上院・下院のほうで。こちらはあえて共和党のほうにお願いするような形で、何か思って、あえて共和党のほうに会われたということなのか。それとも、どなたかのご紹介か。

【代表】
 もちろん紹介はあるわけですが、アメリカはやはり政権交代のある国ですからね。ですから、与党野党拮抗もしているし、当然、両党と長らく日本は、日本の政界は民主・共和問わずつながりを持ってきたわけですので、特に今はバイデン政権ですし、当然バイデン政権の下でエマニュエル大使も民主党系の大使というような立場でもありますから、与野党共にパイプをつくるということは非常に大事だと思って両党と会っています。
 過去を見ても、特段民主党とだけ関係が深いということでも実はなく、共和党とも立憲民主党のつながりというのはこれまでもありました。

【フリーランス】
 バイデン大統領が労働組合を応援されたというのがテレビニュースになっていたが、これに関してはいかがだったか。

【代表】
 労使交渉は基本的にはやはり労使で行われるもの、だからこそ応援団としてやってきたというお立場でしたね。
 アメリカは日本よりも組合の組織率は低いのだけれども、これはアメリカに限らずですが、ヨーロッパも含めて、労働者は声を上げるべきときには、ストライキだとか、ある意味堂々と行うということですね。
 日本は確かに世界と競争しているということを日々我々国民も皆も聞かされて、だからこそ一致団結しなければいけないんだと、組合で声を上げて例えばストライキなんかをすれば社業に影響を与えるからよくないんだというのがこの数十年間続いてきていましたが、やはり声を上げるべきところが声を上げることによって、結果的には待遇が上がり、そして、それが先ほど話をしたように待遇が上がることによって国民経済が活性化し国全体が底上げをされていくということにつながるわけなので。
 ただ静かに、お上や、あるいは経営トップ、経営側の言うことを聞いて我慢していけば国が伸びるということであれば、おそらくもっとこの30年間日本は伸びたという話になるのだけれども、やはり伸びなかったですね、この30年間。ずっと国民が我慢をし、低金利に我慢をし、低賃金に我慢をしてきたけれども、国が伸びなかった。やはり国民が声を上げて、「自分たちに金をよこせ、自分たちが使うぞ」というくらいの国に変わっていくことが必要だと、そんなふうに思います。

【フリーランス】
 もう一点。岸田総理大臣のほうで、減税対象に、ちょっとだけ口にされたと思うが、成長分野の法人税を減税するとおっしゃった。またこれが切り捨ててぶち上げていくというような自民党政治のやり方で、ちょっと反感を買っているのではないかと思うが、こちらについてはどうか。

【代表】
 特に、今もう令和5年ですが、平成の30年間というのは一貫して、国民全体が払う消費税の税率が上がり、税収が増え、一方で、財政が好転したかといえばそんなことはなく、消費税収が幾ら増えても法人税と所得税については税率が下がり続けてきたというのが平成の30年間でした。
 そういった法人税をさらに下げるというのは、まさに一時期、欧米各国の中でも、法人税下げ競争はもう慎んでいくべきだと、国家が疲弊するというようなことも言われてきていますから、手段として法人税がよいかどうかというのは、立憲民主党としてやはり検証をしっかりしていきたいと思っています。

○芸能界における性的虐待問題について

【デイリースポーツ】
 ジャニーズ事務所の問題について伺いたい。立憲民主党は、このジャニーズの問題、すぐに取り上げたというか、ヒアリングを行ったという実績もある。水曜日に長妻政調会長とかが行ったヒアリングを聞いていたが、長妻政調会長は、こういう性加害や児童虐待の問題があったときに国はコメントするのに、このジャニーズの問題に関しては一企業の問題だということで積極的にコメントしないと。石丸副代表、当事者の会の副代表の方が加藤大臣とかの面会を求めても、加藤大臣も、一企業の問題だと、まともに取り合う姿勢があまりないようにも思う。それも含め、NGリストの問題とかも起きたが、この2日にジャニーズの新たな対策というのも示されたが、一連のことについて受け止めがあれば教えていただきたい。

【代表】
 私もつぶさに例えばジャニーズの会見の全編をずっと見ていたということではないのですが、まず一つは、今、確かにこの会社の会見の特にNGリストの問題だとかに話が集まっているところはあるのですが、立憲民主党として主に取り組んできたのは、まさに被害者の会の方々が、その被害をもう繰り返さないような社会あるいは企業にさせなければいけないという強い使命感を持って我々国会の側に、各党にもアプローチされたかもしれません。ですから立憲民主党だけではないかもしれませんが、お話があったときに、立憲民主党としては、これは事が重大だと。数百人にも被害者が上るということで、世界でも時に見られることがありますが、異常な、その個人による(性加害で受けた)性被害ということの可能性もあるということで見てくる中で、被害者の会が訴えてきたのは、児童虐待防止法を改正してほしいという具体的な要望でありました。
 この児童虐待防止法は、確かに議員立法で出てきた経過はありますが、今やもう我が国において非常に重要な法律であって、全国の児童相談所も、本来は家族のことや児童の全体的な支援という立場でありながら、今はもう本当に児童虐待問題だけに特化せざるを得ないくらいに児童相談所が奮闘しているような状況もあります。そういった形で、厚生労働省にもかなり取組としては具体的な取組が求められるということであるし、そう考えたときには、当然厚生労働大臣は政府としてやはり被害者の声を聞くというのはあって当然のことだと思います。それをなぜ拒否するのか。これは一企業のことではなく、性被害を受けた児童の、性被害をいかに再発防止をさせていくかということでは、厚生労働省の立派な行政の業務であると思います。だから、大臣、私は総理大臣でいいと思いますが、会うべきだと、そう考えています。

【デイリースポーツ】
 一般的な質問で申し訳ないが、例えばこの政党の会見とかでNGリストは存在するものなのか。

【代表】
 ないですね。やはり、なかなかないですね。

【デイリースポーツ】
 代表は先月の会見で、岸田首相とかが被害者の方に面会すべきだという発言をされていたが、その考えは変わらないというか、もっと強くなっているという感じか。

【代表】
 はい。それは当然のことだと思います。

【デイリースポーツ】
 国対ヒアリングとかを聞いていると、関係閣僚の方の当事者意識というか問題意識が低いようにも思えたが、それはどう感じられたか。

【代表】
 低いのではないですか。それは直接問えば低くありませんと言うのでしょうけれども、では、話を聞いたことがありますかという話にやはりなってくるのだと思います。
 本当に密室で行われる犯罪ですし、周りに言っても理解をしてくれない。あるいは、拒絶をされる。被害者がそういうさらなる被害というか、悩み、苦しみを背負う。そして、忘れようとしても、なかなか忘れられない。何十年もたった後にフラッシュバックがやってくる。そういう表に出にくい事象が、今回はこの機会にたくさん被害報告がなされているということで、そういった実態を知ることは、やはり行政を担う者としては当然必要なことではないでしょうか。