立憲民主党旧統一教会被害対策本部は10月11日、国会内で記者会見を開き、旧統一教会の解散命令請求に向けた動きのある中、解散命令請求後の被害回復のために財産保全の仕組みが必要であると訴えました。

 緊急会見には西村智奈美本部長、長妻昭政務調査会長、牧山ひろえ副本部長、杉尾秀哉副本部長、山井和則副本部長、柚木道義衆議院文部科学委員会筆頭理事が出席し、全国霊感商法対策弁護士連絡会(全国弁連)から木村壮弁護士が同席、石橋通宏事務局長が司会進行を務めました。

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 西村本部長からは、昨年与野党協議を経て成立した法人不当寄附防止法について、旧統一教会の被害救済や2世信者の救済には不十分と考えながらも救済の第一歩として成立をさせたことに触れつつ、その成立後の残る課題について全国弁連と意見交換を続け、短期的課題として解散命令請求後の財産保全が必要であるとの認識に至ったとの説明がありました。

 このため対策本部では、この他の中長期的課題に関するヒアリングなどを行いつつ議員間協議を継続し、解散命令請求が出された後には財産保全の法的対応が必要との結論にほぼ達しました。まずは政府に財産保全の仕組みを求めたいと考えているが、現時点では政府側から動きは見えていないため、国会冒頭に特別措置法として法案提出を目指すことを考えている旨、西村本部長から発言がありました。

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 長妻政調会長からは、被害救済に取り組んできたからこそ、財産が隠される恐れがないか懸念し、賠償の際に財産が残っていなければならないと強い関心を持っていること、現行法では、株式会社などの法人は解散命令請求が出された後に、財産保全をする法律があるが、宗教法人にはなく、散逸しかねないと懸念しているとの発言がありました。

 また長妻政調会長は、立憲民主党としては全国弁連の皆さんの指導をいただく中で、特別措置法という新法で対応することが最短距離ではないかと考えていること、また憲法で保障された信教の自由への配慮として、特措法案は裁判所が保全範囲を判断する仕組みとしていること、そしてさまざま検討した結果、特措法がベストだと思うが、今後与野党で議論をしていきたいとの発言がありました。

 山井和則副本部長からは、国対ヒアリングを通していままで33人、延べ87人の方々からお聞きし、ぜひとも財産保全してほしいとの切実な声を聞いてきていること、1億円の高額献金の方の声も聞いているが、解散命令請求を求めているのは高額献金が戻ってきてほしいとの思いで訴えられているので、私たちもそれにこたえたいこと、また、特措法案は憲法の信教の自由などは大前提で違憲にならないように議論をしてきている、との発言がありました。

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 柚木道義衆議院文部科学委員会筆頭理事からは、「解散命令が出れば今後の新たな被害の予防にはなるが、これまでの被害への救済は財産保全の措置が必要であり、救済に対する本気度が試されるものだと思っている」「岸田総理は旧統一教会との関係断絶と言うが、被害救済のためにはこうした財産保全法の成立がなければ被害救済にはならない」との発言がありました。