衆院本会議で11月20日、「国立大学法人法の一部を改正する法律案」に対して、牧義夫議員が反対討論を行いました。

 改正案では、事業規模が特に大きい国立大学を特定国立大学法人に指定し、中期目標や中期計画、予算・決算に関する運営方針事項について決定する運営方針会議を設置し、その委員の任命には文部科学大臣の承認を必要とするとされています。このことについて、「政府による大学の自治や学問の自由への介入ではないかという強い懸念があがっている」「政府・文部科学省が『稼げる大学』を目指すあまり、大学の自治と学問の自由が奪われかねない、大変危機的な状況が生まれている」「改正案が通ったら、文部科学大臣による運営方針委員の承認拒否など、『第二の日本学術会議問題』が起こると危惧がある」「多くの大学関係者から反対の声が日に日に高まっている」として、と強い懸念を述べました。

 牧議員は、運営方針会議を設置することになった経緯について、「中央教育審議会での議論もなく、大学関係者の理解も得られ」ない中で、設置の義務を『事業の規模が特に大きい国立大学』にまで拡大した」と指摘し、「立法事実はどこにあるか」と疑念を述べました。

 国会審議における手続きにおいても、法案の趣旨説明が強行的に行われた点、不十分な審議時間など瑕疵(かし)があると指摘しました。
 さらに、「文部科学委員会での4人の大学関係の参考人は全員が、本改正案の内容を知ったのはつい最近だったと答弁した」ことに触れ、「関係者の協力が得られない中では、制度ができてからもうまく運用されるわけがない」「時間をかけて丁寧に議論すべきだった」と訴えました。

 牧議員は、学問の自由、大学の自治について規定する日本国憲法第23条、教育基本法第7条第2項を挙げ、「この趣旨が将来にわたってゆがめられることがあってはならない」と訴えました。

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20231120国立大学法人法の一部を改正する法律案に対する反対討論 牧義夫議員.pdf