立憲民主党環境エネルギーPT座長の田嶋要衆院議員、同PTの事務局長の山崎誠衆院議員らは11月25、26日の両日、「未来世代委員会」の若者とともに、福島県で再生可能エネルギー関連施設などの視察を行いました。未来世代委員会とは、環境エネルギー分野で活動する団体の若いメンバーで構成された委員会で、未来世代の視点で環境エネルギー政策を幅広く検証し提言を行っていくことを目指しています。
■1日目
まず、二本松営農ソーラー株式会社の農園を訪れ、再生可能エネルギーと農業を同じ土地で併行して行う「ソーラーシェアリング」の現場を視察しました。
同社の代表取締役を務める近藤恵さんは、もともと有機農業を営んでいました。3.11後、6ヘクタールの耕作放棄地を開墾して農業を再開し、618世帯相当の電力を太陽光で発電しながら、その下でシャインマスカット、小麦、えごま、大豆などの豊かな農産物の生産を行なっています。両面で発電ができる高効率ソーラーパネルを駆使し、脱炭素時代の新しい農業を目指しています。
今年の夏は暑さが厳しく、ブドウの生育に悪影響が出た農園もあったなか、本農園ではソーラーパネルがほどよく陰をつくり、きれいなブドウが収穫できました。
営農型発電の新しい可能性を切り開くモデルとして、垂直にパネルを建てる珍しい発電所も経営。大型農業機械の作業も可能で、畜産などにも向いているとして、国内外から多くの視察者が来ているとの話もありました。
産業技術総合研究所福島再生可能エネルギー研究所では、再生可能エネルギーをめぐる最先端技術やその研究について学びました。
■2日目
朝、双葉郡の帰還困難区域にある中間貯蔵施設を訪問しました。中間貯蔵施設とは、福島県内の除染に伴い発生した除去土壌や廃棄物を、土壌と可燃物、石などに分別し、最終処分するまでの間、集中的に貯蔵しておく施設です。
「中間貯蔵」された土壌は、ここで保管して放射線濃度の低下を待ち、2045年には全国各地に「最終処分」として引き取ってもらう計画だとの説明がありました。田嶋衆院議員が、最終処分地は決まっているのかどうかとの質問には、まだ決まっていないとの回答でした。
午後は、津波の被害を受けた浪江町立請戸小学校、原子力災害伝承館、東京電力廃炉資料館を視察しました。
一連の視察を終え、未来世代委員会のメンバーからは、「未来を考えるために歴史を学ぶ、たいへん貴重な機会となった」「ソーラーの最新技術を間近で見てテンションがあがった。ぜひ友人に伝えたい」「議員から裏話も聞くことができて興味深かった」「議員を遠い存在だと思っていたが、いろんな疑問に答えてもらい、苦労話も聞き、同じ目線で一緒に頑張っていけると感じた」「原発の問題は、10年後20年後、100年後にも引き継がれる問題。どう受け止めるのか、真剣に考え続けたい」などの感想が聞かれました。
田嶋衆院議員は、「普段なかなかご一緒できない学生さんたちから、率直な問いかけをたくさんいただき、非常に有意義だった。廃炉や中間貯蔵の現場で久々に得た情報も、委員会活動に役立てたい」と意欲を語りました。
山崎衆院議員は、「汚染土壌の中間貯蔵施設では、作業が着々と進んでいるのは分かったが、土壌の最終処分に関しては、まだ問題が残ったまま。深刻な政治課題だ」と締めくくりました。
今回参加した未来世代委員は、以下の方々です(五十音順)。
奥西夏季さん(Earth Guardians Japan・大学生)
匿名希望(日本版気候若者会議・中学生)
黒瀬陽さん(Climate Youth Japan・大学院生)
芹ヶ野瑠奈さん(日本若者協議会・大学生)
室橋祐貴さん(日本若者協議会・代表理事)
渡辺優さん(シブヤ若者気候変動会議・大学生)
立憲民主党からは田嶋、山崎両衆院議員のほか、地元福島県から金子恵美、馬場雄基両衆院議員、河野俊紀千葉県議会議員、小坂さとみ千葉市議会議員が参加しました。