立憲民主党は6月26日、国会内で未来世代委員会(青年局主催、環境エネルギープロジェクトチーム(環境PT)協力)のキックオフミーティングを行いました。
立憲民主党は、未来世代の視点で環境エネルギー政策を幅広く検証し、提言を行う第三者による「未来世代委員会」の設置法の準備を進めています。現在の利益のみならず、30年、50年次の未来世代の幸福で豊かな生活を守るために今の政策の是非について、若い世代の皆さんの参画を得て、透明で幅の広い検証を行うことを目標としています。立憲民主党では法案の準備と並行して、立憲民主党未来世代委員会を立ち上げて、政策の検証をスタートします。
未来世代委員会は環境エネルギー分野で活動している若い世代で構成される団体から委員の候補を推薦してもらい、立憲民主党が委員を委嘱します(9人を予定)。未来世代委員会設置後に、議論をサポートする方を募集し、事務局、分科会等を組織します。
委嘱された9人の委員は以下のとおりです。
奥西夏季さん(Earth Guardians Japan・大学生)
角谷樹環さん(Fridays For Future Sapporo・高校生)
金井優樹さん(株式会社Aladdin・代表取締役)
匿名希望(日本版気候若者会議・中学生)
黒瀬陽さん(Climate Youth Japan・大学院生)
芹ヶ野瑠奈さん(日本若者協議会・大学生)
室橋祐貴さん(日本若者協議会・代表理事)
渡辺優さん(シブヤ若者気候変動会議・大学生)
冒頭あいさつに立った泉健太代表は、「権力者目線の国づくり、社会づくり、地域づくりではなく、これから社会人になっていく皆さん、あるいはこれからこの国や地域を担っていく皆さんの目線で政治や法律を見直ししていくというもの、あるいは自分たちから作っていくという取り組み、これがまさに未来世代法であり、われわれが取り組もうとしている未来世代委員会だと思っています」と述べました。未来世代委員会は気候変動や地球温暖化に対して政策提言を行うものですが、海外では街のカーボンニュートラルや交通安全についても政策提言が行われていると紹介し、「これからのヒアリングも期待して、活発な意見ができれば良い」と期待を示しました。
出席した委員は以下のとおり自己紹介しました。
■芹ヶ野瑠奈さん
自然との調和や公平性、気候変動の長期ビジョンなどの価値観を共有している仲間と今回いただいた貴重な機会を生かして、私たちの未来のために必要な気候変動政策を具体的に作れるように頑張っていきたい。
■室橋祐貴さん
気候変動や生物多様性とかだけではなく、ジェンダーの問題や若者の政治参加であったり、いろいろなテーマに応用できると思う。若者だけのアドバイザリーボードというのが、本来的には1番若者の意見を可視化したり、反映させるためには必要な取り組みだと思っているので、ぜひともこの取り組みを成功させたい。
■渡辺優さん
渋谷若者気候変動会議で渋谷区を中心に活動していて、渋谷区のカーボンニュートラルを実現するために、個人や家庭でできる環境アクションを考えて発信する活動をしている。若者、未来世代の1人として、私たちの声が社会に届くように活動していきたい。
■奥西夏季さん
考えている問題は、若者と社会人のギャップ。環境問題は 年代に関わらず日本全体の問題だと思っているので、若者から上の世代までを繋いだ環境問題を日本全体で考えていけるような、未来世代法のようなプラットフォームをもっと広げていきたい。
■角谷樹環さん
中学3年生の頃にFridays For Future Sapporoに入って、気候変動対策を求めて活動してきた。今回は未来世代の視点で環境政策を考えられるすごい貴重な機会なので、勉強しながらできることをやって意味のあるものにしたい。
■黒瀬陽さん
自分自身も含めて、身近な友達が政治や大きなものの支援、助けを必要としている状況、客観的な状況があるにもかかわらず、政治に 何かを求めるルートが全然ないことにすごい危機感を感じて、この場をいただいたので、そうししたルートの確保や改善をしていきたい。
未来世代委員会の議論の進め方について環境PTの山崎誠事務局長は、以下の通り説明しました。
・未来世代委員会の委員の互選によって委員長を指名いただき、委員長のもと委員会を運営していただきます。
・取り上げるテーマ、政策などについては委員会で決定していただきます。
・省庁に対するヒアリング、有識者・関係者へのヒアリング、国会図書館による調査、視察等を実施します。
・調査に基づいて、委員会にて議論いただき、検証結果について立憲民主党に報告書を提出いただきます。
・立憲民主党は、頂いた報告書を参考にして、政府に対する質問、立憲民主党として政策提案を行います。
・調査・議論のプロセスは原則公開として、広く国民の皆さんと共有します。
環境政策に詳しく、未来世代委員会、未来世代法についてアイデアを提供する東北大学の明日香壽川教授は、「求めることは3点ある。1点目は、ここにいる政治家たちを奮い立たせるような若者たちのエネルギーをぜひ注入してほしい。2点目は、ぜひ、これを日本中の政党に広げるような気持ちでやってほしい。3点目は若者だけが未来を考えているわけでもない。大人を説得するのも大事で、若者が説得することをぜひこの委員会で頑張ってほしい」と話しました。
質疑応答では、出席した委員から国会議員に対し、「海外の政策を積極的に取り入れて活用することについて、日本の環境に合うのかどうか疑問に思っている部分がある。特に原子力発電等の問題に関して、日本には受け入れ難い部分があったりすると思うが、そういう部分に関して、どういう風に考えているのか」等の質問が出ました。青年局長代理の塩村あやか参院議員は、「原発なんかは方向性は同じでも、プロセスを巡ってさまざまな意見が出てきたりします。そういう時に、未来世代の皆さんがどういう未来を選んでいきたいのかというところも含めて、結論だけではなく、どうしてそう考えたのか、そう考えるに至ったファクトとかも、私たちに示していただいてお話をいただくと、『なるほど』と思うところがあるので、そこをぜひ見せてほしい」と答えました。
他に出席した国会議員は、以下のとおりあいさつしました。
青年局長の青山大人衆院議員は、青年局が45歳以下の18人の国会議員、約300人の地方自治体議員で構成している全国組織であり、25歳以下で構成される立憲ユースも立ち上げてさまざまな世代の意見交換を活発に行っていることを紹介しました。
環境PT座長代理の近藤昭一衆院議員は、自民党政権下では環境政策やエネルギー政策がないがしろにされてきたと指摘し、「この何十年かの中で、残念ながらさらに環境が破壊をされている、しっかりとしたエネルギー政策が進んでいない。しっかりと法の枠組みを作って、そして法の枠組みの中に作られた組織の中でしっかりと進めていく。そういう中で皆さんと連携をしていきたい。皆さんの力が必要です」と呼びかけました。
閉会のあいさつをした環境PT座長の田嶋要衆院議員は、「若い人たちの中で、スウェーデンやデンマークに行ってきたという人が、大変多くの出会いがあって、かなり意識を変えて、あるいは刺激を受けて帰ってきている感じがします。現職の国会議員をやっていると、デンマークに1年留学するなんてことは叶いませんので、皆さんの方が仕入れてくる情報が新しい感じがします。議論をして、ぜひ対等に自分たちが感じていることを共有していくことが大事です。最後の意思決定は、立法府である現職の国会議員にあるという制約がありますが、それ以外の部分はぜひ皆さん方が主体的に、私たちの知らない世界を共有していただくことを期待したいです」と話しました。