【談話】与党2024(令和6)年度税制改正大綱の決定にあたって
立憲民主党 政務調査会長
長妻 昭
与党は本日14日、2024(令和6)年度税制改正大綱を決定した。
まず、岸田総理が経済対策の目玉として掲げた所得税・住民税減税については、繰り返し指摘をしている通り、開始時期が来年6月で即効性を欠く上に、いわゆる「はざま」層への対応をはじめとして、制度が煩雑となり、現場に多大な負担を強いることになる。経済対策として行うのであれば、より簡便で迅速な実施が可能な「給付」で対応すべきである。
「防衛増税」については、またもや実施時期の決定が先送りされた。そもそも「防衛増税」は、前提とされている総額43兆円規模の防衛費の合理性・妥当性、復興特別所得税の流用など、様々な問題を抱えており、裏金・脱税疑惑に揺れる与党にこのような理不尽な負担増を求める資格はない。改めて「防衛増税」の撤回を強く求めるものである。
また、児童手当拡充に伴い、扶養控除の縮小が検討されていたが、結局正式な決定は来年以降に先送りされた。我々としては、「控除から手当へ」の大原則は維持しつつも、控除の廃止により収入の逆転現象が生じ、かえって子育て支援に逆行するようなことにならないよう、手当が十分な額とならない限りは、現行の扶養控除を存続すべきであると考えている。政府・与党には、引き続き「チルドレン・ファースト」の理念に基づいた対応を求めていく。
我々が家計・事業者への支援策として求め続けてきた「トリガー条項」の発動並びにインボイス制度の廃止は、いずれもゼロ回答に終わった。
現行の「燃料油価格激変緩和補助金」(ガソリン補助金)は、その全額が小売価格に反映されていない可能性を会計検査院などから指摘されているが、ガソリン1ℓあたり約25円の減税となる「トリガー条項」の発動は、その点で透明性が高く、税金の使途としてより優れている。
また、本年10月に開始されて以降、インボイス制度に対する反対の声は日に日に強くなり、現場では様々な矛盾が顕在化しつつある。政府は複数税率下における適正課税を導入の理由としているが、従来の方式においても適正な課税が行われてきた実績がある。雇用と生業を守るためにも、インボイス制度は今からでも廃止すべきである。
立憲民主党は、来たる通常国会での税制改正議論にあたり、先に取りまとめた「2024(令和6)年度税制改正についての提言」を基に、政府・与党の問題点をただしながら、物価高を克服し、活力ある経済・社会を実現する税制を求めていく。
以上