衆院予算委員会は2月14日、「政治資金問題等」についての集中審議を行い、階猛、本庄知史、大西健介各議員が質疑に立ちました。

衆院予算委員会 階猛

■階猛議員

 階議員は冒頭、岸田総理は「信なくば立たず」とくり返し答弁しているが、岸田政権は「信頼失墜」だと強調。「国民の不満や怒りの声を取り上げる」と切り出し、まず自民党に対して「国民に増税を強いる前に、裏金議員に増税させろという声をあちこちで聞く」と指摘し、「防衛増税」の問題を取り上げました。

 階議員は、岸田総理が昨年秋に唐突に打ち出した所得税・住民税の「減税」について、その規模は「防衛増税」に見合う額だと指摘。そもそも防衛増税は「必要ないのではないか」と迫りました。さらに、東日本大震災の復興財源を転用し、課税期間も延長して防衛財源に充てることは、今後、大災害が発生した場合、「新たな災害に対して復興財源を国民にお願いすることが難しくなる」と指摘しました。

 続いて階議員は、今国会に政府が提出予定の「食料供給困難事態対策法案」では、政府の計画に従わない農家に対し罰金を課すことになっていることについて、「農民は罰金で痛めつけ、自民は献金で潤うのか」と怒りの声が上がっていると強調。階議員は罰金刑の撤回を求めましたが、岸田総理は撤回しませんでした。その上で、「企業団体献金の自由は野放図に認める、これが岸田政権の体質だ」と断罪。さらに、「組織的犯罪行為ともいうべき、多数の議員が多額の裏金」を作っている自民党に対し、企業献金自体が、会社法に照らしても「コンプライアンス上、問題がある」と指摘しました。

 最後に階議員は、「(国民は)生活費を圧縮しているのに、自民党は政策活動費(政活費)を膨張させている」と批判。また、自民党の二階元幹事長が受領した政活費は、河井克行元法務大臣による「選挙買収」に使われた可能性を指摘し、岸田総理総裁に政活費の使途公開を求めました。その上で、「明らかにすることは現状控えております」との答弁をくり返す岸田総理に対し、階議員は「政権を担う資格はない」と断じました。

衆院予算委員会 本庄知史

■本庄知史議員

 本庄議員は「政治とカネ」の問題は「自民とカネ」の問題だとし、裏金問題に関わる議員の政治責任等について追及しました。

 本庄議員は、NHKの世論調査において「自民党が説明責任を果たしている・・2%、果たしていない・・88%」とした結果に触れ、岸田総理に「説明責任を果たしていない人たちには党で処分すると明確にしてほしい」と求めました。岸田総理は「実態把握をし、本人の説明責任の状況も踏まえた上で政治責任について党として判断する」と答えました。

 また、本庄議員は直近5年間で逮捕・起訴された国会議員12人のうち11人が自民党議員、うち党内で処分されたのは逮捕された池田佳隆衆院議員のみで、他は「離党」で済まされていることも指摘し、「総理がよく膿を出し切ると言っているが、自民党を蝕んでいるのは膿ではなく毒」と述べた上で、岸田総理に覚悟を持って裏金問題の解明にあたるよう求めました。

 次に本庄議員は旧統一教会との関係が指摘される盛山文部科学大臣の「大臣としての資質」と岸田総理の任命責任について追及しました。「記憶にない」といった答弁を繰り返す盛山議員に対し、2021年の衆議院選挙時に毎日新聞が行ったアンケートでは、盛山大臣が「同性婚を認めるべき。選択的夫婦別姓に賛成。女性天皇に賛成」と回答しており、一方で同教会の推薦確認書には、同性婚合法化に関しては慎重に扱うとした内容が含まれていたことに、「理念政策を曲げてまで推薦確認書にサインし、そうでないとしても、これほど重要な政策課題についてろくに見もせずサインしたことになる」と指摘しました。その上で「大臣が大臣としてふさわしいのか資質について伺っているが、答えないのであれば資質を確認できない」と批判しました。

 本庄議員は岸田総理の任命責任について、NHKの調査において、盛山文部科学大臣が説明責任を果たしていると思うと回答した人の割合がわずか5%であったことを挙げ、「国民は(盛山大臣を)嘘つきだと思っている。文部科学委員会で5兆円を超える予算をこれから審議するのに、その大臣に本当に相応しいのか」との問いに、岸田総理は「何よも重要なのは現在から未来に向けて一切当該団体との関係を断つこと」「少なくとも任命した時点で旧統一教会との関係を断っている」と答弁しました。本庄議員は「この状況で色々な情報が出てくることに懸念を感じる。弱みでも握られているのではないか」と述べた上で、大いに国益に反しているとして盛山文部科学大臣の交代を求めました。

衆院予算委員会 大西健介

■大西健介議員

 大西議員は、細田前衆院議長の資金管理団体の政治資金報告書に「使途不明」と記載されていることについて、確定申告においては課税対象になることから「国民の納得が得られるのか」と問いかけました。

 岸田総理は「まず事情を知っている各政治団体において説明すべき」と述べるにとどまりました。

 大西議員は、寄付金控除の制度を悪用し還付金詐取を行っている議員がいないか、調査すべきだと指摘しました。

 大西議員は「実態を確認するには税務調査が必要」と述べ、特に萩生田前政調会長については、報道された記事を引用し、「まったく反省の色がない。厳しく処分する気持ちはないか」と岸田総理を質しました。

 大西議員は、「説明責任を果たす場として政倫審に出席するよう、自民党総裁として裏金議員に指示をしてほしい」とあらためて求めました。しかし、岸田総理は「説明責任の果たし方はさまざま」「国会で決めること」等と発言するだけで政倫審への出席について明言しませんでした。

 内閣総理大臣就任を祝う会について、岸田総理は「就任前からの勉強会。国民の疑念を招く会ではない」と説明しましたが、大西議員は「明らかに大臣規範違反」「国民の疑念を招く」「闇パーティ」だと指摘しました。

 また、岸田総理が世襲議員であることから、岸田文武氏から引き継いだ政治資金について、金額を確認して委員会に報告するよう求めました。