参院予算委員会で3月4日、基本的質疑が行われ、辻元清美、石橋通宏、石垣のりこ、小沢雅仁、蓮舫各議員が質疑を行いました。

■辻元清美議員

20240304_091528.JPG

 辻元議員は冒頭、「令和6(2024)年度予算案の採決を土曜に強行し、国会職員、省庁などに大きな影響を与えたことについて一言お詫びが必要」と迫りました。岸田総理は「国会において判断したこと」と答弁するにとどめました。辻元議員は、「4月の補欠選挙に向けて解散のフリーハンドが欲しい。予算の自然成立のため土曜日に採決したい。4月の裏金解散を考えているのでは」とその意図を追及しましたが、岸田総理は「全く考えていない」と答えました。

 辻元議員は、裏金議員の割合は自民党議員の4.4人に1人だと指摘し、「自民党は裏金まみれ、汚染されてきた」と批判し、岸田総理の認識を問いました。総理は、「政治不信を招いたことをお詫びする」と述べました。

 宏池会の幹部である岸田総理と林官房長官に対して、派閥の資金について事務責任者から説明・報告を受けてきたか問いました。両者とも「当然、受けてきた」と答えました。辻元議員は、衆院政倫審で出席した裏金議員が「知らなかった」と答弁していることに対して、「信じられないのでは」と問いかけ、「国民は納得していない」として証人喚問を求めました。

 また、政倫審での西村議員と塩谷議員の発言が食い違っていることについて、「岸田総理がただすべき」と求めましたが、「党として、組織として実態把握する」と答えるにとどまりました。

 辻元議員は「政権の柱が腐っている」と指摘し、政治家の責任を明確にする連座制の検討を求めました。岸田総理は「法改正で明らかにしていく。与党内のワーキングチームに指示を出した」と答えました。

 辻元議員は「防衛力の抜本的強化に関する有識者会議」のメンバーに防衛産業の関係者が含まれており、同産業の企業から自民党が多額の献金を受けていることから、政策決定に影響を与えているのではと指摘し、改めて、「企業・団体献金を禁止すべき」と訴えました。

■石橋通宏議員

20240304_111949.JPG

 石橋議員はまず、岸田総理が令和6(2024)年度予算案の年度内の「自然成立」にこだわり、衆院では土曜日の予算通過、参院では週明けの月曜日から審議入りとなったことにより、多くの関係者が予定外の土日勤務をさせられ振り回されたことについて、総理に謝罪を求めました。総理はここでも「政府として年度内成立を確実なものにしてもらいたいと伝えたが、日程については与野党の国会関係者の判断した結果」と答弁しました。石橋議員は「参院の審議を軽視している」「『自民党のカネの問題』で国会開会も予算審議スタートも遅れたのは誰のせいなのか」と、政府の姿勢を問題視しました。

 また、石橋議員は参院で野党4党が裏金問題の渦中にある自民党議員32人(離党議員含む)の出席を求め政倫審を開催するよう申し立てを行ったことを報告し、その上で、政倫審で「当該議員に出席を求める議決」を行えば出席をしてもらうことが可能となると説明。岸田総理に「自民党に議決するように指示をしてほしい」と求めましたが、岸田総理はこれにも応じませんでした。石橋議員は「自民党の責任者として(関係者らに)説明責任を果たさせるとして、総理が『火の玉』になると言っていたのだから、リーダーシップを発揮してほしい」と強く訴えました。

 石橋議員はその他、「日本の出生数激減」「子育て支援金」「訪問介護の基本報酬額引き下げ」等について質問しました。

■石垣のりこ議員

20240304_114401_01.JPG

 石垣議員は、パレスチナ問題をめぐり、EUがUNRWA(国連パレスチナ難民救済事業機関)に対し支援を再開し、米国も上空から支援物資を投下、ICJ(国際司法裁判所)がイスラエルにジェノサイドを防ぐための「あらゆる措置」を講じるよう暫定措置命令を下している状況を踏まえ、日本政府に対しUNRWAへの支援を再開すべきだと求めました。

 また、今国会で「農政の憲法」と言われる「食料・農業・農村基本法」が改正予定であることを踏まえ、日本の抱える農政の課題について質問。特に、2022年度に導入された水田活用の直接支払い交付金制度の「5年水張りルール」の問題点を指摘しました。同交付金は、水田を畑地化しても「5年に一度、水張り」をしないと対象外となります。そのため石垣議員は、転用を政府が推奨し、畑地として軌道に乗っても「5年に一度、水を張れと言うのは無茶な注文」だと強調。このような農政では、さらなる離農や耕作放棄地が増えると岸田総理に迫りました。

 さらに、原発の変圧器について、三菱電機が40年間にわたりデータ改ざんし、東日本大震災における福島第一原発や能登半島地震における志賀原発の事例を踏まえ、そもそも耐震性に疑義があるとして、経産省の認識をただしました。

■小沢雅仁議員

20240304_133124-.jpg

 小沢議員は質疑で、自民党の裏金問題は政治の信頼を大きく失墜させ、国民の不信と疑念、失望と怒りを招いていると指摘。そのうえで地元・山梨県政にも暗い影を落としていると述べ、自民党籍(志師会)を持つ山梨県の長崎幸太郎知事の1182万円の政治資金収支報告書への不記載問題について取り上げました。

 自民党で行われた裏金問題のアンケート調査対象に長崎・山梨県知事が入っているかを問い、「対象外」だった旨の岸田総理の答弁を受けて問題視。「やったことは同じ。調査対象にすべき」として、岸田総理に対応を求めましたが、「県連の判断もある」「党全体で判断」「ご指摘を踏まえて実態を調査する」などとして総理は明言を避け、問題解決に臨む前向きな姿勢は示されませんでした。

 また、1182万円について長崎・山梨県知事は「現金を事務所の金庫に保管をし失念していた」「4年5カ月放置をしてきた」と説明している点について、政治資金規正法上容認できるものなのかを松本総務大臣に確認。松本大臣は一般論に終始し、収支報告書の評価について明言を避けました。小沢議員は「追徴課税や重加算税を課すべきだ」と強く求めました。小沢議員はさらに、知事へのインタビューをめぐって、この問題を取り上げないよう県側が「取材規制」し、山梨県政記者クラブが抗議している点も取り上げ、国民の知る権利・表現の自由を侵すものだと問題視しました。

■蓮舫議員

 蓮舫議員は、自民党議員の政治とカネの問題を受け、2008年の政治資金規正法改正では国会議員関係政治団体を新設、従来の公開基準より規制を強化し、透明性を高めたことを総務省に確認。その上で、新藤大臣が国会議員関係政治団体「自民党埼玉県第2選挙区支部」から、公開基準が緩い「その他政治団体」である自身の後援会へと政治資金を付け替えている点を追及しました。10年間で2億6千万円の寄付、国会議員として寄付控除を受けて集めたお金を後援会に移すことで明細開示率を99.1%から9.8%へと下げ、使途が分からないようにしていると問題視しました。「法律に則って適正に報告している」と強弁する新藤大臣に対し、「適正に行われたと唯一示すことができるのは帳簿を公開すること」だとして、3年間保存義務のある後援会の帳簿を同委員会に提出するよう求めました。

 蓮舫議員は、こうした疑惑のある大臣に経済財政政策を任せるわけにはいかないとして、党政治刷新本部長として調査するように求めましたが、岸田総理は「法律の範囲内で資金の移動等を行った。法律に違反しているとの指摘は当たらない。その上で、不都合があるとしたら各党共通のルールとして議論する」などと答弁。蓮舫議員は「合法だけど脱法だ」と断じました。

 蓮舫議員は、同様の手法を茂木幹事長や小泉法務大臣も使っていると指摘。「2008年施行の政治資金規正法改正の時は、与野党が実務者で協議をした。その時に『その他政治団体』も全部入れて透明化しようとするなか、最後まで頑として『国会議員関連政治団体だけにしてくれ』『その他は外してくれ』とこだわったのは自由民主党。その結果、この法の抜け穴を使って新藤大臣あるいは小泉法務大臣、自民党幹事長のように脱法行為を行っているのではないか。われわれは法改正を求めていくが、この法改正を行わないと少子化増税や防衛増税は絶対やってはいけない」と述べ、質問を締めくくりました。

20240304_144540.JPG