参院予算委員会で3月18日、集中審議が行われ、福山哲郎、古賀之士、宮口治子各議員が質疑に立ちました。

■福山哲郎議員

福山哲郎 参院予算委員会

 福山議員は冒頭、北朝鮮が弾道ミサイルを複数発射したことについて強く抗議しました。その上で、政府がNSC(国家安全保障会議)を開催していないのであれば、予算委の「時間をずらすことをを含め弾力的に検討する」と述べたところ、岸田総理はNSCを開催したと答弁しました。

 また、福山議員は自民党の裏金問題を追及。岸田総理総裁が17日の自民党党大会で、関係議員の「処分」の結論を得るよう茂木幹事長に「指示」したことについて、「今頃、指示したのか」と批判。「過激ダンス懇親会」を開催した自民党青年局の2人の国会議員、その一人である藤原崇衆院議員は「裏金議員でもある」として、早急に処分するよう要求しました。

 その上で福山議員が何度も「通常国会中に処分するのか」と岸田総理総裁をただしたところ、ようやく「私の今の感触、考えにおいては通常国会中には判断することを考えている」と答弁。また、福山議員が「処分前に解散をして、うやむやに全部してしまうことはないか」と追及したところ、岸田総理は「処分の前に解散は考えていない」と答弁しました。他方で福山議員が、処分を「4月の補欠選挙の後に先送り」することはないかただしたところ、岸田総理は明言を避けました。

 さらに福山議員は、検察に立件された岸田派(宏池会)について、「違法性のある犯罪をした派閥の会長は総理だ」として、岸田総理総裁の「政治的な責任」を追及。「記憶がありません、資料がありません、自分は知りませんでした、会計責任者がやりました」と答弁することは、安倍派(清和会)と同様であり、「総理がまず処分対象だ」と断じました。

福山哲郎 参院予算委員会

■古賀之士議員

古賀之士 参院予算委員会

 古賀議員は、(1)自民党の裏金問題、(2)年金制度、(3)奨学金制度――等について質問しました。

 先週の金曜日が確定申告の締め切り日だったことに触れ、裏金議員に確定申告をしたか確認をしたのか岸田総理に問い、岸田総理「納税は促していない」と答えました。古賀議員は「大変残念な答弁」と述べ、自民党として処分を検討する党紀委員会について確認をしました。岸田総理は「党紀委員会は党規に規定されている通り。検討はこれから始める」と具体的なことを語りませんでした。

 年金問題について、古賀議員は、今年が5年に1度の財政検証の年であり、年金の指標の節目であることに関連して、「年金を全くもらっていない人が75歳以上のうち2.4%、月の平均10万円未満の人が53%」と指摘し、「生活ができるのか」とただしました。

 武見厚労大臣は、低所得者向けのさまざまな施策によって経済的支援を行っていると説明をし、さらに岸田総理は、賃上げの重要性にも触れました。

 古賀議員は、春闘で満額回答が続く中、「中小零細の賃金アップがカギ」と指摘し、「年金額のアップは遅れているのでは」と政府の認識を問いました。岸田総理は「年金額がここ30年で最も高い引き上げだった」と述べましたが、古賀議員は「昨年春闘の平均は3.8%、年金額の引き上げは2.7%」「追いついていない」「年金受給者の不安はぬぐえない」と批判しました。

 年金額の基本的な考え方が「男性の賃金の5割を下回らないように」となっている点について、古賀議員は「将来的に、良い意味で男女関係なく賃金5割を下回らないように」と設定できるような社会になるべきだと訴えました。武見厚労大臣も「ライフコースが多様化する中で、今後の検討課題の一つ」と答えました。

 古賀議員は、奨学金制度の貸与型と給付型について、「貸与型はアメリカではローンと呼んでいる。給付型のスカラシップを増やすべきで、貸与型という名前をなくすべき。公的に改めていく決断をしてほしい」を岸田総理に迫りました。岸田総理は「周知徹底は行っていく」と述べました。

古賀之士 参院予算委員会

■宮口治子議員

宮口治子 参院予算委員会

 宮口議員は、(1)新型コロナウイルス感染症の後遺症問題、(2)「政治とカネ」、(3)子ども子育て支援金――等について質問しました。

 宮口議員は新型コロナウイルス感染症の後遺症問題を取り上げ、後遺症患者や家族らが3月21日に岸田総理へ面会を希望しているとして、総理に面会をするよう求めました。岸田総理は「まずは厚生労働省から意見を伺い、後遺症について更なる実態の解明と併せて対応を行っていくことが重要」と返しました。宮口議員は「12月に(後遺症患者らが)武見厚生労働大臣と面会されている。総理も小さな声を聴いてもらいたい」とあらためて要望しました。

 次に、宮口議員は法律に違反して議員の地位を不正に得た国会議員や、議員として活動していない国会議員の歳費等の事後返還を義務付ける法改正をするべきだと、岸田総理に求めました。昨年12月に公職選挙法違反(買収)の罪で有罪が確定し、当選無効となった元大阪市議に対し、市が支払った議員報酬など約1400万円の返還を求めた訴訟の判決で、最高裁が全額返還を命じたとする例も取り上げたうえで、2019年の参院選で河井案里氏が同じく買収により公職選挙法違反で当選無効となったにもかかわらず、2年分の歳費等4942万円を受け取っていたことや、今年1月7日に裏金問題により逮捕された池田佳隆衆院議員が、保釈後に1度も衆院本会議に出席しないまま、逮捕から今日まで約400万円の歳費等を受け取っていることについて、総理に見解を求めました。総理は「有罪となった議員の歳費の在り方等については自民党としても問題意識を共有している。各党・会派と議論をしていく」と答えました。

 また、宮口議員は、「こども・子育て支援金制度」で保護者の所得制限撤廃が明記されている「補装具費支給制度」と同様に、子どもが特別支援学校や特別支援学級などに通っている場合に学校で使う勉強道具から通学費、給食費などが一部助成される「特別支援教育就学奨励費」も所得制限を撤廃するよう岸田総理に求めました。岸田総理は「経済的に困難な世帯により手厚い支援を行うとともに、通学費など障害があることで特に負担の生じる経費については所得の上限なく支援を行っている。オンライン学習・通信費の新設などで支援の対象や支援額の拡充を行うために取り組んでいる」と回答しました。

宮口治子 参院予算委員会