岡田克也幹事長は5月28日、国会内で定例記者会見を開き、政治改革関連法案の与野党協議について発言しました。

 岡田幹事長は「先ほど自民党議員から『今日は山場』と言われ信じられない思い」「あれだけ不十分な自民党案で交渉のベースになると本気で思っているとしたら信じがたい。政策活動費、文通費についても領収書不要と基本的なことは変わっていない。その他の問題も極めて不十分。これをたたき台にしても成案はできない」と指摘しました。

 岡田幹事長は「野党の考え方を踏まえて、議論になるような形で提案をしてほしい。何のために議論をしてきたのか。何も変わらないまま、これで採決となれば、これは国民に対する裏切りと言われても仕方ない。公明党も自民党に同調すれば同じだ。国民の不信を取り戻すために洗いざらい政治とカネをめぐる問題、文通費、政策活動費、企業・団体献金、政治資金パーティーについて議論していく必要がある」と訴え、自民党に「真摯に取り組むよう」求めました。


岡田克也幹事長記者会見

2024年5月28日(火)15時00分~15時39分
発行/立憲民主党役員室

★会見の模様を以下のURLで配信しています。
https://youtu.be/5DnEMq0eg4E


■冒頭発言

■質疑


■冒頭発言

○政治改革 与野党協議について

【幹事長】
 きょうは常幹はございませんので、私のほうから。
 今、政治資金規正法改正案の与野党協議が始まったということですが、やや信じられない思いで聞いております。先ほども自民党の議員とたまたまエレベーターと一緒になって、「きょうが山場ですね」と言われて、「ええっ」という感じで言ってしまいました。つまり、あれだけ不十分な自民党案で、それで交渉のベースになっていると、もし本気で思っているとしたら、それは信じ難いことであります。
 政策活動費についても、全く内容が明らかでない。領収書のつかない政策活動費という基本的なところは変わっておりませんし、そのほかの問題についても極めて不十分。これをたたき台にして議論しても成案を得ることはできないと思っております。私たち野党の考え方をしっかりと踏まえて、そして、議論になるような形で提案をしてもらいたいと思っております。
 何のためにこれを半年間にわたっていろいろな議論をしてきたのか。結局何も変わらないまま、実質的には何も変わらないまま、もしこれで採決とかいうことになれば、これは国民に対する裏切りと言われても仕方がないし、公明党もそれに同調すれば公明党も同じだということになるのだと思います。
 国民の不信を(払拭し信頼を)取り戻すために、しっかりと洗いざらい、政治と金をめぐる問題点について、(旧)文通費、政策活動費、企業・団体献金、パーティー、そういうものも含めてしっかりと議論していく必要があると思っております。茂木方式についても、1000万円ということですから、これでは全く歯止めになっていないわけで、私たちは100万円という提案をしておりますが、そういうことも含めて真摯に取り組んでもらいたいと思います。


■質疑

○政治改革について(1)

【TBS】
 立憲民主党は政治資金パーティー全面禁止ということを掲げていらっしゃると思うが、先週の24日の時点までは、岡田さんご自身の政治資金パーティーを開かれるという方針を示されていた。この点に関しては、国民の中には立憲民主党の本気度に疑念を持つ方も多かったと思うが、その点については岡田さんはどのようにお答えになるか。

【幹事長】
 現時点ではそういうふうに思われても仕方がないと思います。
 ただ、これを党としてまとめたのが1月。その後、この記者会見の場で、一度ならずありましたが、私はきちんと説明をしてきたつもりです。
 つまり、我々は政治資金パーティーについて禁止の法案を出している。それから、2年前には企業・団体がパーティー券を買うことについて禁止(法案を提出)。しかし、それは個人献金にシフトしていくということを考えて提案しているのであって、そのための税制措置もあわせて法案の中に入っているわけです。そういうものがないままに、法案を提案したからといってパーティーを禁止してしまうということになると、自民党はやりたい放題ですから、これは選挙区においてまともな競争にならなくなると。したがって、手を縛るようなことはしないと。禁止の法案を出したからといって自分たちで手を縛って禁止するようなことはしないということは、私ははっきりとこの場で説明させていただいております。
 いろいろな流れの中で、国民の理解が得られない状態になりましたので、私はパーティーの中止ということを決めましたが、経緯を言えばそういうことです。メディアの皆さんも、それはご存じのはず。

【TBS】
 そうすると、岡田さんご自身としては、今でも手を縛られるべきではないというふうにお考えか。

【幹事長】
 基本そう考えています。ただ、今のタイミングは、まさしく審議をしている最中であり、適切でないというふうに考えています。

【TBS】
 やはり国民側としては立憲民主に対する期待も大きいと思うが、そういう中で、党の幹部が、この法案を審議している中でもパーティーを開くということについては、やはり批判が出て当然だと思うが、その辺りはいかがか。

【幹事長】
 そこはきょうも代議士会で説明をいたしました。昨日の役員会の場で二つのことを確認いたしました。既に報じられているとおりです。
 国会で政治改革の論戦中に政治資金パーティーの開催は国民の理解が得られない。
 政治改革法案の見通しがつくまでは執行部としては自粛することを確認する。
 こういうことです。

○次期衆院総選挙に向けて

【大分合同新聞】
 衆議院選の大分3区について質問したい。今、5月に入って、県内で立憲・社民それぞれに候補者擁立の動きがあり、野党結集の立場を重視する地元のほうからは党本部での候補者調整を求める声が上がっている。党本部間で現在そういった協議の進捗があるのかということと、そもそも協議されているのかというところを伺いたい。

【幹事長】
 大分3区は、地元的には社民党の皆さんも含めて協議をして候補者の擁立を決めてきたというふうに私は理解しております。ただ、それとは別に、社民党、党本部のベースで独自候補を立てると、そういう話になっていると。
 私たちはそういう事態は避けたいと思いますが、でも、社民党本部としてどうしても出すということであれば、これからの調整の問題になると思いますが、今までの経緯からいうと、出してほしくなかったなという思いはあります。

○政治改革について(2)

【NHK】
 政治改革について、まず、最初に伺いたい。冒頭でも述べられたが、野党との連携、公明党も含めてになるのかもしれないが、共通する点はかなり多いと思う。その点をいかがお考えか、改めて教えていただきたい。

【幹事長】
 きょうも、連座制の導入、政策活動費の禁止、企業・団体献金の禁止の3点については、野党として一致をして与党側に申入れをしているということです。具体的に細かいところはいろいろな差はありますが、大くくりのところでは野党が一致して与党に対して協議を申し入れているということで、しっかり協力しながら進めていきたいと思っています。

○定額減税について

【NHK】
 別件になるが、政府の、来月に迫っている定額減税について伺いたい。この制度の是非とともに、給与明細に明記する形になったことで、企業とか自治体への負担というものも報道されている。その辺のところの受け止めを伺いたい。

【幹事長】
 前も申し上げたと思いますが、これは選挙運動です。俺たちがちゃんとまけてやったんだぞと。それを企業に強いるという、本当に悪手、悪い手だと思います。私は、恥も外聞もないのかというふうに申し上げたいと思います。
 企業の側も、気持ちの中ではそういう思いで受け止めておられる方が多いと思いますが、政府から言われれば対応せざるを得ないということではないでしょうか。

【NHK】
 自治体への負担もややあるように見ているか。

【幹事長】
 これも前から言われていたことなのですね。ですから、減税の部分と給付の部分とのつなぎの問題とか、非常に制度が複雑なので、自治体も相当大変な状況だと思います。
 私たちが主張したように、全て給付で、しかも所得制限を入れてやれば、もっとコンパクトで素早い対応になった。減税に総理がこだわったために、こういう混乱を招いているということだと思います。

【NHK】
 関連して、最後になるが、自民党の中からは、定額減税を継続すべきではないかとも取れる発言もある。政府の中では今回限りという発言もあるが、継続していくことの是非とか、その辺はどう考えていらっしゃるか。

【幹事長】
 これは私が予算委員会で、いつだったか忘れましたが、去年ですね、総理と議論いたしました。私の指摘は、参議院選挙を控えて、これは増税になるわけですからね、一旦減税にしたということを戻すということは。参議院選挙直前にそういうことをできるのですかと、結局続くことになりますねというふうに総理に確認しました。
 総理は答えをはぐらかしたのですが、そういうことになりかねない。そうすると非常に大きな財源を伴う措置で、しかも、何のためにやっているのかよくわからないような、そういう措置が何年も続いてしまう。大変な無駄遣いだと思います。

○梅谷議員への処分・措置について

【新潟日報】
 梅谷議員の関係で伺いたい。先般、梅谷議員について、処分案、党員資格停止1カ月、党の役職停止3カ月というご判断をされたかと思うが、こういった処分内容にされた理由をまだお伺いしていなかったので、教えていただきたい。

【幹事長】
 正確に申し上げますと、3カ月の役職停止は、これは措置。処分ではなく措置です。これは常任幹事会だけで決めることができて、既に決定しています。
 1カ月の資格停止は、これは処分なので、当然倫理委員会の意見を聞かなければいけないということで、倫理委員会の開催を求めて、もう倫理委員会は開催されたというふうに承知していますが、まだ結論を私は聞いておりませんので、倫理委員長から。それを踏まえた上で、常任幹事会を開催して、そこで最終的に決定するということになります。
 ですから、まだ1カ月の党員資格停止は決まっていませんので、現時点でコメントするのは適切ではないと思います。

【新潟日報】
 しかし、幹事長としては一旦その内容がふさわしいということで諮っておられるという状況だと思うので、今のところそういう判断をされた理由を伺いたい。

【幹事長】
 ただ、党として正式に決定していない、途中の段階ですので、今、私がコメントすることは適切ではないと思います。決まったところでコメントしたいと思います。

【新潟日報】
 もう一点。今回の事案の具体的な概要の部分だが、いつから、どのくらい配っていたか等々といった部分の説明だが、こちらのほうはまだ党からもご本人からもいただけていない状況と思っているが、こちらについては今後どのように進めていかれるか。

【幹事長】
 まだ捜査中なのですね。まだ事実関係が確定していないという状況で、今回の処分及び措置は、そういう途中の段階での経過的なものであるということは、この前ご説明をさせていただいたと思います。したがって、きちっと事実関係が明らかになり、それに対する当局の判断が下れば、それを踏まえて党として新たな対応が求められる可能性はあります。現時点は、そこに至らない段階での対応だということをご理解ください。
 だから、事実を全部把握しているとか、そういうことではないし、事実を把握するのはもちろん党としても努力しますが、それは当局がどう判断するかの問題だと思います。

【新潟日報】
 その辺の説明は、捜査の終結というか判断を待ってからというお考えか。

【幹事長】
 でないと、できないと思います、それは。

○政治改革について(3)

【時事通信】
 政治改革の関連でお尋ねしたい。先ほどの理事懇の修正協議の場で、公明党が政策活動費の使途明細の報告や、3年後の見直し規定など、4項目を要望した。まず、その要望内容についての受け止めと、公明党は自民の修正案に関して賛成する方向で調整という報道も出ている状況だが、公明党の要望内容の評価と、この間の公明党の姿勢、今後公明党に期待することについてお考えをお願いしたい。

【幹事長】
 先ほどもざくっと申し上げました。私も詳細を承知しているわけではありませんが、公明党は明細書の提出を求めていたはずです、政策活動費について。それとは全くかけ離れた、中身が全くわからないブラックボックスは変わりません。それで本当にいいのかということは公明党に申し上げたいと思います。
 自民党の、この領収書も何もない政策活動費を、いわば追認するような、そういうことになるのではないかと思っております。それでまさか賛成はしないでしょうねと、私は公明党を信じていますので、そういうふうに申し上げておきたいと思います。

○裏金問題 裏金原資の寄附金控除について(1)

【毎日新聞】
 話題変わり、自民党の菅家一郎衆院議員が、安倍派のキックバックを原資にした党支部への寄附で税優遇を受けたことを認めたようだ。この事案についての受け止めと、立憲と国民と有志の会でまとめた案においてはこの対策が盛り込まれているかと思うが、菅家さん本人が今後どう対応していくべきか、こういった事案を防ぐために何が必要か、改めて伺いたい。

【幹事長】
 話は二つあって、ちょっと分けて考えたほうがいいと思うのですが、まず、一般的に、私たちが自分の政党支部あるいは政治団体に個人として寄附をするということはよくある話なのですね。しかし、それが、その(控除を申請し)還付を受ける、その寄附したものの一部が戻ってくるというのは、法律で禁じられているわけではありませんが、だから私たちは今回禁じる法案を出すのですが、それは非常に誤解を招きやすい、適切でない措置だと思っております。
 今回の事案はそれにとどまらなくて、不記載のお金、(裏金として)戻ってきたお金を我が所得として寄附して、還付を受けたと、こういう話だと私は理解しているのです。そうすると、しかし、戻ってきたお金、不記載のお金を所得としてちゃんと申告しているのかという問題が出てきますよね。所得として申告していなければ、それは寄附できないはずです。申告していれば、それは税務当局が把握しているということになるのですが、そうすると当然それをベースにして課税がされてということになりますね。で、一部が還付されると。
 その辺の事実関係がどうなっているのかというのはちょっと私はよくわかりませんので、これ以上コメントしにくいのですが、一般論として考えると、所在不明、何か性格のわからない、還付された、キックバックしたお金を我が所得として寄附して、しかも、それで戻ってくるというのは、それは極めて不適切。そういう話だと思います。

○政治改革について(4)

【朝日新聞】
 政治改革の関連で伺いたい。一部報道で、自民党が、政治資金規正法に違反した場合に政党交付金を減額する案を取り入れる方向で検討しているという報道が出ている。これは立憲・国民・有志の会の案にも入っていて、元々国民民主党が主張していたものだが、自民党がこうした案を取り入れることに対する評価と、あわせて、一部からはこれは野党の足並みを乱す作戦ではないかという見方も出ているが、それに対する評価もお願いしたい。

【幹事長】
 取り入れるものは取り入れていただくことは結構だと思いますが、それだけではなく、我々の改革案というのは相当なボリュームと中身を持ったものなので、そのうちの一部だけ取り入れて、それでよしということにはなりません。

【朝日新聞】
 国民(民主党)が求めていたものを取り入れるという狙いについては、どうお感じになるか。

【幹事長】
 それが狙いなのかどうか。国民(民主党)の皆さんも、私たちの一緒に出した法案全体の中のごく一部が自民党がのんだからといって、全体をのむと、自民党案でよしとするというふうには、とても思えませんね。

○アベノミクスについて

【「フランス10」】
 昨日、菅義偉(前)総理大臣が仙台市で講演をされ、アベノミクスについて、失敗だといろいろ言われてきたが、民主党政権時に8000円台だった株価が今は4万円になっていると、再反論した。これについてどうお考えになるかと、アベノミクス、ずるずると金融緩和を続け、出口戦略がなかったが、立憲民主党としては出口戦略をどう考えているか伺いたい。

【幹事長】
 株価というのはいろいろな要素で決まりますので、別にアベノミクスだけで決まっているわけではないし、株価というのは経済指標の一つであって、それで全てを見るというのは全く間違った見解だと思います。
 よく総理が株を、菅さんもそうですが、確かに総理の執務室には株価のボードがありますから、それを見て毎日株価の動向に一喜一憂するなどということは、私は総理大臣としてはいかがなものかと思うわけですね。株価がすごく上がったから、それでアベノミクスは成功だというのは、非常に一面的な見方であると思います。

【「フランス10」】
 出口戦略については。

【幹事長】
 出口戦略、特に第1の矢の金融のところですね。事実上、もうアベノミクスから手じまいをしている、始めているわけですね。
 私は日銀の決断を、遅過ぎたというふうに、ここで申し上げました。「日曜討論」で言ったときに、他の野党の皆さんは早過ぎると言われたので、ちょっと私は違和感を感じたのですが、遅過ぎたと。
 ただ、やはり手順としては相当丁寧にやっていかないと、そのときも申し上げたのですが、地雷がいっぱい埋まった、そういう道を歩むようなもので、間違えると、十数年もゼロ金利、マイナス金利でやってきた、それがどういうふうにマイナスの影響を及ぼすかというのは予測し難いところがありますので、注意深く丁寧に正常化していくということが求められると思います。
 日銀総裁の発言を聞いていると、それをちょっと慎重に言い過ぎて円安を招いたというところもあるかもしれませんが、非常に難しい舵取りだと思いますが、異常なことが長く続き過ぎて、その手じまいに苦労しているというのが現状だと思います。

○政治改革について(5)

【フリーランス】
 岡田さんが大阪でパーティーをやるということは、自民党の山下貴司さんが質問して、それを答えたのが本庄知史さんなので、これは非常に面白いなと思っていたが、自民党もよく研究していると思う。それで、岡田さんが取りやめたということは、あしたイオンの株主総会があるということとは関係あるか。

【幹事長】
 いや、どういう質問か、よくわかりません。お答えのしようがありません。

○東京都知事選について(1)

【フリーランス】
 都知事選だが、共産党の小池さんなどは、市民と野党の共闘ということで、まだ共闘のほうに加わっていない山本太郎さんたちを取り入れたいと言っているが、岡田さんとしては考えはどうか。

【幹事長】
 ちょっと私はわかりません。いずれにせよ、蓮舫さんが候補者としていろいろなことをこれから発信していかれると思いますので、私たちがそれを聞くまでにいろいろなコメントをするのは適切でないと思います。
 ただ、一般論として言うと、幅広く支援の輪を広げていくということは大事なことだと思います。

○裏金問題 裏金原資の寄附金控除について(2)

【共同通信】
 菅家一郎さんの話に戻るが、先ほど幹事長は一般論として極めて不適切だとおっしゃった。菅家さんは元々裏金事件で党からの処分を受けているところで、更に新たな不正が出てきたとも言える状況だと思うが、今まさに与野党の修正協議が行われているわけだが、そこへの影響というのはあるかどうか、いかがお考えか。

【幹事長】
 事実関係をまずはっきりさせることですね。その所得が、本当に税務申告でその分もちゃんとされていたのかどうか。されていないのに、所得があることにして、寄附したことにして、還付を受けていたら、これは明らかに極めておかしなことになりますよね。その事実関係がはっきりしないということはあります。
 ただ、今、その協議は、これは極めて重要な話なので、またこんな話が出てくるのかという感はありますが、それで協議自身が妨げられるようなことがあってはいけないと思います。

○政治改革について(6)

【フリーランス】
 ちょっと一般的にわからないので具体的に教えていただきたいが、先ほど幹事長は、パーティーについて、見通しがつくまで自粛というふうにおっしゃった。これは法案が成立する見通しという意味であれば、正式に成立して施行されるところまでタイムラグがあると思うが、見通しがつくまで自粛といったら、見通しとは客観的にどこまでというのはあるが、見通しがついた段階で自粛を解除するということは、正式に法律が成立して施行されるときまでにタイムラグがあったら、そのときにパーティーをやっていいというようなことにもなりかねないと思う。これについてもう少し具体的に教えていただきたい。

【幹事長】
 執行役員会ではそこまで議論していません。ただ、今まさしく議論している最中なので、今やることは適切でないと判断したものです。

【フリーランス】
 今やることは適切ではないということであれば、将来またパーティーを再開するということなのか。今、たぶん国民が期待しているのは、立憲民主党がパーティー禁止法案を成立させるということに全力を向けてやっているのではないかというところを期待していると思うが、それが何か法案が成立しなかったらパーティーをやっていいのではないかということになると、ちょっとそれは違うのではないかと。すなわち、現状においてパーティーをやることについてはやはりおかしいのではないかというところで国民の意識は大体まとまっていると思うが、それが法律が成立しているからとかいないからとか、そういった問題ではなく、やはり前向きに進めていくという姿勢を示してもらわないと、極めて言葉で抜け道があるのではないかというふうにやはり感じてしまうところがあるが、いかがか。

【幹事長】
 安積さんもこの場に出ておられますので聞いておられたと思いますが、党の中でパーティーを禁止するということを決めたときに、一方で、それを心配する声があったのですね。今までパーティーをやっていると。政治活動を続けるために、それはその自己努力というものはやはり認められるべきだという声もある中で、私は最終的に取りまとめ責任者として、法案は出すと。しかし、法案を出したからといって、法案が成立するまでの間に自らの手を縛るようなことはしないということで党内の合意形成をしたというのが流れです。
 したがって、本来であればそういうことなのです。しかし、改革論議が佳境に入ってきましたので、執行役員会のメンバーは、やはり今、パーティーをすることは適切ではないというふうに判断したということです。
 元々そのパーティーそのものも、私たちは個人献金にシフトしていくという前提で、かなり思い切った税制優遇措置も盛り込んだ法案です。それがないままに、パーティーだけを自らの手を縛るというのは、私たちが法案をつくったときの党の中の合意とは異なることで、そのことは私は皆さんにもきちっと説明してきたつもりです。

○東京都知事選挙について(2)

【「FACTA」】
 補選三つ勝ったときが4月28日。僅か1カ月の間に、大変長い上げ潮というのか、きのうの静岡で勝って、蓮舫さんが出てくるのも、もうこれはサプライズではなく、やはり満を持して出てきていると私などは思う。当然蓮舫さんは野田さんや岡田幹事長には相談したと思うが、このムードをつくる意味で、どういうアドバイスをされたり、どう受け止めているのか、率直に伺いたい。

【幹事長】
 きのう蓮舫さんは発表されたのですね。きのう以降、私は蓮舫さんと話していませんので、最終的に彼女が決断されたのはおそらく一昨日くらいではないかと思うのですが、その間、私は話していないのです。その前はいろいろなコミュニケーションを取っていますが。だから、今の彼女の心境というのはちょっと私もわかりません。
 ただ、決断を思い切ってしたなと。した以上は、ぜひ勝ってもらいたいので、全力を挙げて応援したいと思っています。

○「りっけん政治塾」について(1)

【「FACTA」】
 ある種の上げ潮という意味でいうと、この間の泉さんの会見で、「りっけん政治塾」、いわゆる今の流れの中で、やはりそういう大きな流れを変えようという意味で人をという話が出ていたが、あれの話というのは、もうご説明あったかもしれないが、幹事長との間ではどういう感じで、「りっけん政治塾」。もちろん維新やほかも全部これまでやっていたわけで、当然それ以上のものをやるのだろうと思うが、その辺のところの仕組みというのか、どういうタイムスケジュールでこれをやっていこうとお考えになっているのか、幹事長のお考えを伺いたい。

【幹事長】
 なるべく早く、速やかにということになります。時機を逸してしまってもいけないと。私は遅くとも秋には選挙だと思っていますので、遅くともですね、それに間に合うように、すぐにでも始めなければいけないと思っています。

○政治改革について(6)

【共同通信】
 確認だが、幹事長が昨日のぶら下がりでおっしゃった、政治改革法案の見通しがつくまではというところだが、この政治改革法案というのは、これはパーティー禁止法案だけを指すということでよろしいか。あるいは、ほかの法案も含むのか。

【幹事長】
 一体ですよね、議論されているのも。

【共同通信】
 関連するが、小沢一郎先生がきょうの昼、記者団の取材に対して、幹事長や選対委員長が開催するとした後で中止された点について、信じられないと、党の意思として法案を出したのだから、その時点でやめるべきだったとおっしゃった。小川淳也前政調会長も先日のBS番組で、そういう党の法案をまとめた時点で既に道義的な責任は発生しているということで疑念を示されたが、こういった党内の批判について、改めてお考えがあれば。

【幹事長】
 先ほど申し上げたとおりです。政治改革本部、総会にお二人とも出てこられなかったのではないですか。どういうふうにして私が意見集約したかということがわかっていたら、そういう発言にはならないはずと思います。皆さんに説明したとおりです。

【フリーランス】
 4月25日に安住淳さんがホテルニューオータニにおいて2万円のモーニングセミナーを開いた。4月25日といえば、いろいろなことで議論が深まっていた時期だと思うが、これについてどう思うか。

【幹事長】
 党の考え方からすると、そのこと自身が駄目だということではないのです。ただ、きのう集約したように、やはり改革議論が高まっている中で、少なくとも我々役員は自粛すべきだと思います。

【フリーランス】
 では、その時点でやらないで、延期とか、あるいは自粛すべきだったと思うか。4月25日の前において。

【幹事長】
 パーティーをやるというのは、一般にはこれはわかる話なので、その当時どのくらいそれが批判されていたのか。やはり批判がぐっと上がったのは、この前の特別委員会での自民党議員が私の(パーティー)開催について発言した、それがきっかけだったのではないでしょうか。そこで一気に関心が高まったということですね。

【フリーランス】
 そういうことではなく、自民党なんかは、この不記載が出てきてからパーティーをやっている人間はいない。ですから、それは岡田さんの、要するに山下さんの本庄さんに対しての質問があったということではないと思うが。もうちょっと前から、それは高まっていたと思うが。

【幹事長】
 自民党の議員がどういう対応をしているかは私は承知しておりません。
 私たちの考え方は、先ほど申し上げたとおり、自ら手を縛るものではないということです。だけど、やはりこの時期は不適切だというふうに考えたものです。

【フリーランス】
 もう過ぎ去ったことは、安住国対委員長に対しては別に岡田幹事長としては何も言わないということか。

【幹事長】
 もう既にパーティーをしてしまっているものについて、当時そういう批判もないままにパーティーも行われたわけですから、それに対して私が何か言うつもりはありません。

○東京都知事選挙について(3)

【読売新聞】
 蓮舫議員が都知事選に表明された件で、反自民・非小池都政ということをおっしゃっているが、岡田幹事長は現状の小池知事の都政についてどのように見ておられるかお願いしたい。

【幹事長】
 都政の具体的なことを私はあまり承知しているわけではありませんが、彼女が最初に知事選に出たとき、私も(民進党)代表だったのですが、あのときに、豊洲移転と築地と双方を生かすということを、具体的なそういう標語は忘れてしまいましたが、おっしゃったはずなのですね。でも、最近の築地についての計画を見ると、市場機能というのは、にぎわいは多少あるかもしれませんが、市場機能としてはないという中で、あの公約は一体何だったのだろうかと。目くらましだったのではないかと、私は率直にそう思っています。そういう意味では、上手に、何といいますか、その場を取り繕って知事になったなと、そういう強い印象を持っています。

【読売新聞】
 蓮舫さんは、無所属で、オール東京で戦っていきたいと。この後マニフェストなり発表されると思うが、やはり立憲民主党としては、議員で現状あるので、与野党対決、小池知事の推薦もわからないが、どういう形になるかわからないにしても、現状お話しできる範囲で立憲としてどのように支援というか応援していきたいか、方針があればお願いしたい。

【幹事長】
 これは、蓮舫さん、あるいはその周りの方と、詰めた議論はしていませんので、まだ決意表明があったばかりですから、彼女自身も考え方を整理されると思いますので、その上で党としての関わり方を考えていきたいと思います。
 我々としては全力で後押しをしていきたいと思いますが、彼女には彼女の考え方があると思いますので、それを踏まえてやっていきたいと思います。

○「りっけん政治塾」について(2)

【「FACTA」】
 可及的速やかにやる政治塾だが、これは幹事長がやるのか。それとも、辻元さんですか、キャラバンをやっている人とか。どんな形でやるのか、もう少し具体的に教えていただきたい。

【幹事長】
 これは代表とよく相談してみます。私自身がやるということはないと思いますが、代表肝煎りですので、代表が中心を担って、実務的にそれを支える人たちを、組織を整備してやっていくということになると思います。

(以上)