参院本会議で5月28日、「食料・農業・農村基本法改正案」の討論・採決が行われ、羽田次郎議員が反対討論を行いました。

 羽田議員は冒頭、「国の基(もとい)」である農業が危機的な状況にあると強調。立憲民主党は昨年から「農林水産キャラバン」を実施し、全国各地の農業現場から「悲痛な声を伺ってきた」と述べました。

 また安倍政権下では、「農業の成長産業化の美名の下で新自由主義的な政策が推し進められた」が、食料自給率の目標は一度も達成されず、農業者が減り、農地も減少し、農業・農村の弱体化が「一層進行した」と厳しく指摘しました。

 衆院においては法案修正を提案しましたが、政府・与党は「すべての項目に対応済みや対応不可との回答を突き付けてきた」と批判。「それではなぜ現場から、悲痛な声ばかりが聞こえてくるのか」として、政府・与党の姿勢を問題視しました。

 さらに参院での審議では、徳永エリ議員の質問に対し、坂本哲志・農林水産大臣が日本農業について「私は生産基盤が弱体化したとは思ってない」と「トンデモ発言」をしたと断罪。大臣の認識は、本法案提出の前提でもある「生産基盤の弱体化」を覆すものでもあり、この間の「農政に対する反省が微塵も見られない」と批判しました。

 本法案については多くの問題点があるとして羽田議員は、主に、(1)農業生産の基盤の整備及び保全について「水田の畑地化」を基本法に規定することは、自給可能な米の生産を総合的かつ計画的に削減していくことであり「食料安全保障」に逆行、(2)「農福連携」と言いながら障がい者を「農業者」と位置付けていない、(3)農村の振興に関する基本理念に地域の資源を活用した産業の振興について明記していない――等、以上3点を挙げました。

 その上で羽田議員は、農業人口の減少は「農業では食べていけないことが主な要因だ」と強調。基本理念に「持続可能な所得の確保」を規定すべきとして、参院では国民民主党と修正案を提案したが、政府・与党から「すべて拒否された」と批判。立憲民主党は、所得確保のために、「農地を維持する面積に応じて交付金を交付する制度(農地維持交付金)を創設すべき」と提案し、「この国の食料・農業・農村を守るため、私たちは愚直に政策を訴えていく」と表明し、政府案への反対討論を終えました。

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