10月8日、小川淳也幹事長は国会内で会見を開きました。

 小川幹事長は、冒頭、昨日の代表質問での石破首相の答弁について「金融支援所得課税、選択的夫婦別姓、マイナンバーなどのあらゆることで石破カラーが封印され、本当に無色透明、無味無臭。非常に残念だった」と指摘しました。

 また、自民党の公認問題に触れ、公認や比例復活を認めるか否かについて、「全く意味がない議論だ」と断じました。そもそも「何百万円、何千万円ポケットに入れた人間はまず議員辞職してしかるべき」と強調。昨日越智隆雄衆院議員が次期衆院選への出馬を辞退したことを巡り、裏金問題を抱えている国会議員は公認を自ら辞退すべきだという見解を示しました。

 過去の事例と裏金問題を比較しつつ、今回自民党を離党した議員が数人にとどまったことから「裏金は違法行為で脱税の疑いすらあるにもかかわらず、自民党がこの問題を甘く見ていることが(処分内容に)象徴されている」と断じました。その上で、昨日行われた自民党全国幹事長会議で石破首相が選挙に勝つために何をやるかが最優先と述べ、森山幹事長も勝てない候補は公認できないと述べたことが報道されていることについて、「筋違いも甚だしい。どこまで行っても内向きで、御家事情、党内事情にしか目が向いていない」と厳しく指摘しました。


小川淳也幹事長記者会見

2024年10月8日(火)13時00分〜13時16分
発行/立憲民主党役員室

★会見の模様を以下のURLで配信しています。
https://youtu.be/JqUYtPuCMKQ


■冒頭発言

■質疑


■冒頭発言

【司会(中谷幹事長特別補佐)】
 それでは、定刻となりましたので、本日の幹事長記者会見を始めさせていただきます。それでは、幹事長、よろしくお願いします。

○代表質問を終えて

【幹事長】
 皆様、お忙しい中、ありがとうございます。きょうは常任幹事会の報告等はございませんが、ちょっと選挙期間中どうなるかは別として、せめて週1回、皆様の様々な疑問やいろいろなことにお答えし、対外的に発信する責任もあると思っておりますので、その務めを果たしたいと思います。
 昨日、代表質問。金融所得課税、(選択的)夫婦別姓、マイナンバー、あらゆることで石破カラーが封印され、本当に無色透明・無味無臭、非常に残念な代表質問、総理答弁だったなと。もはや総理大臣が誰であるのかすらわらない。そういう印象を受けておりますので、冒頭申し上げます。
 同じその日ですが、当方は公約発表、それから追加公認、着々と選挙準備を進めておりますので、これに関連してもお尋ねがあればと思います。

○裏金議員の公認めぐる自民党の対応について

【幹事長】
 ちょっと冒頭で一つだけ。自民党が公認するとかしないとか、比例復活させるとかさせないとか、随分お家事情で党内のことをいろいろ騒いでいるようですが、ちょっと思い切って申し上げると、ほとんど興味がありません。全く意味がない議論だと思っています。
 皆さんも今この局面を追いかけることに必死だと思うのですが、ちょっと改めて初心に立ち返っていただきたい。これは、何百万円、何千万円をポケットに入れた人間は、まずそのときに議員辞職してしかるべきですからね、まず。それから、きのう越智さんが出馬辞退されたようですが、何をもって出馬するんだと、そもそも。公認なんて自ら辞退してくれと。ましてや、比例復活どうこう、これは党内事情ですから、勝手にやってくださいと。民からすると、興味ありません、関心ありませんという話ですから。ちょっとこれ、あまり目の前の事象・現象に追われ続けると本質を見失うので、ちょっとそれは私、強く申し上げたい点です。
 さらに一つだけ、参考までに。郵政解散のときに自民党は10人除名しました。20人離党勧告して、30人、党から追い出しているんですね。今回は1人、2人でしょう。あれは、郵便局の民営化に賛成するのか反対するのか、それは国会議員として正当な政治判断、政策判断ですから。その党規方針に従わなかったことをもって、30人、党から追い出しているんですから。今回は違法行為ですからね、脱税の疑いすらある。いかに自民党がこの問題を甘く見ているかということがそれに象徴されている。 そのこともあわせて、最後に。石破さんがきのう、これは選挙に勝つために何をやるかが最優先だと、全国幹事長会議でおっしゃったと報道されている。森山幹事長も、勝てない候補は公認できないというような類いのことをおっしゃっている。筋違いも甚だしい。どこまで行っても内向きで、お家事情、党内事情にしか目が向いていない。
 国民からすると、とにかく、この追加4人を非公認にするのだかどうだか知りませんが、重いのは43名を公認するということですから。4人公認しないということではありませんから。43名公認するということが重いのだから、それが勝てるとか勝てないとかは関係ありませんから。
 ここは筋目だから。違法行為をした連中を党としてお墨つきを与え、比例復活どうのこうの、関係ない。知ったこっちゃない。お墨つきを与え、公に認定し、国民に「この人に投票してくれ」と呼びかけるのかどうかが問題だから、勝てるも勝てないも関係ありません。違法行為を犯した疑いのある人を党としてどう処断するのかが問題だから。このことはちょっと(申し上げておきたい)。
 私、話、長いですか。党内外から、ちょっと「あんた(話が)長いよ」と言われていて、気をつけなければいけないと思っているのですが、ちょっと思いが強いことに加えて、背景を説明したいなという思いもあって、申し訳ない。

○「裏金問題撲滅・裏金議員一掃」青空対話集会について

【幹事長】
 それで、冒頭、最後です。私の青空集会、ちょっと自分で言うのはどうかと思うけれども、ある種お家芸というか、街頭であらゆる方々からあらゆる意見・質問を受けるというスタイルでずっと政治活動をやってきました。幹事長就任以来初めてになりますが、「裏金撲滅・裏金議員一掃」の青空対話集会を当該選挙区においてシリーズでやってまいります。
 1発目は、10月10日・木曜日、17時30分、東武東上線成増駅。ご存じのとおり東京11区、下村博文議員の選挙区です。
 第2弾、10月13日・日曜日、18時30分、八王子駅頭になると思いますが、東京24区、萩生田光一衆議院議員の地元で、「裏金撲滅・裏金議員一掃」の青空対話集会。
 あらゆる地元の有権者を初め様々な方々から、いろいろなお声、思いを受け止めて歩きたいと思っていますので、ご報告申し上げ、冒頭発言にいたします。
 あとは、ご意見、ご質問があれば、できるだけ短く答えたいと思っています。


■質疑

【司会(幹事長特別補佐)】
 ありがとうございます。それでは、各社の皆様方、質問を受けたいと思います。質問 のある方は挙手の上、そちらのマイクのほうまで行っていただいて質問をいただければと 思いますが、いかがでございますでしょうか。

○裏金議員の公認めぐる自民党の対応について

【NHK】
 裏金議員の非公認の問題について冒頭触れていらっしゃったが、非公認となった候補、まだ、何人、どこまでの範囲かという線引きは、なかなか、まだ注目し続けるべきところだと思うが、やはり比例復活がない分、選挙で公明支援というところに頼らなければならない事態が予想されるが、非公認とする6人は少なくとも公明党は推薦を見送るということを表明されている。ただ、対立候補を立てることのない自民党の非公認は実質意味がないというか、事実上自民党候補ではないかという点もあるかと思うが、その辺りは幹事長としてどのようにお考えか。また、今回の自民党の対応が十分だというふうにお考えかどうかお願いしたい。

【幹事長】
 全く十分でないということは冒頭申し上げたとおりです。それから、刺客を立てるならばまだしも、公認はしませんが勝てる人は戦って勝ってきてくださいというのでは、この問題を心底反省していないということが象徴されていると思います。
 公明党さんに関して、非公認の方は推薦しないということを昨日から石井代表が公におっしゃったようですが、では、逆にお聞きしたいのは、何百万円の裏金をポケットに入れて、それでも公認される人が40名以上出てくるでしょう。その人たちを公明党さんは本当に推薦するんですかということを、ちょっと厳しめに問いたい。公明党さんも問われていると。まさにかねてから同じ穴のムジナと見られてはいけませんよという声が各党から飛んでいますが、改めてこの場でそれを追撃させていただきたいと思います。短めに。

○衆院総選挙に向けた取組について(1)

【NHK】
 もう一点だけ。こういう事態の中で、より衆院選の本格的な戦いが始まる中で、野党の候補者の一本化という点がかなり重要になってくるかと思うが、まだ具体的な国民や維新との対話が聞こえてこない中で、現状で詳細にどの選挙区を調整するかなどの調整を進めている段階はあるか。

【幹事長】
 もう公示まで予定されているのでいえば1週間。党幹部、その周辺、各党と様々重層的に対話、コミュニケーションの努力を重ねていることは事実です。
 しかし、かねてから申し上げているように、時間のない中で状況が容易でないこともまた事実でございまして、残念ながらきょうそれ以上のことを具体的に申し上げられる状況にはありません。

○「裏金撲滅・裏金議員一掃」青空対話集会について

【朝日新聞】
 まず、冒頭の発言であった、裏金議員のところの、裏金議員撲滅の青空集会。

【幹事長】
 「裏金撲滅」ね。議員撲滅というと、ちょっとさすがにあれだから。「裏金撲滅・裏金議員一掃」ね。

【朝日新聞】
 「裏金撲滅・裏金議員一掃」の青空集会だが、これは幹事長が主導でやられるということなのか、党全体を挙げていろいろな幹部が随時入っていくようなイメージなのか。どういう形でやるのか。

【幹事長】
 先陣を切りたいと思っていますが、できるだけ面的に広がっていくことを望んでいますし、正直そういう意見や声が党幹部の中にあったことも受けて先陣を切ろうと思っていますので、認識としては共有しています。広がりを持たせていきたいと思っています。

○衆院総選挙に向けた取組について(2)

【朝日新聞】
 関連で、自民党の裏金議員の選挙区だが、まだ関西とか一部九州のほうでは、立憲と、源流を同じくする国民も、どちらも立てていない選挙区がまだ幾つか残っていると思う。残り時間が短くなってきたが、ここの空白区をどうされるのかお願いしたい。

【幹事長】
 今お尋ねになった立憲・国民に関して言うと、裏金議員が関与している選挙区で空白なのは、もうほぼ、片手もいかないくらいです。維新や共産まで含めるとゼロです。
 ですから、先ほどのご質問で、各党との調整とか各党との協調とかにも関わる問題ですが、少なくとも有権者から見て裏金議員以外に全く選択肢がないという選挙区はないので、それを前提に、あとは、もちろん近しい党の候補がいればそれに越したことはないわけですが、先ほどのご質問にあった各党間調整や、できるだけ野党候補が絞られているに越したことはないという観点から総合判断していきたいという状況です。

【朝日新聞】
 となると、そこには必ずしも立憲として立てることにはこだわらないということか。

【幹事長】
 最終的にそう言わざるを得ない選挙区はあるかもしれません。もちろんぎりぎりまで努力をするわけですが、他党が既に立てられているということも横にらみしながらの対応になると思います。

○衆議院解散について

【朝日新聞】
 あと一点。あす石破総理は解散に踏み切る方針だ。今回の解散を何か名づけるとすれば、小川幹事長としては何解散と命名されるか。

【幹事長】
 私は割と口が悪いほうでして、人が悪いとはあまり自分では思っていないのですけれども、これは「裏金けつまくり、逃げ切り解散」以外の何物でもない。長いですか。

【朝日新聞】
 一応、その命名した理由をお願いしたい。

【幹事長】
 よこしまなんですよ、一言で言えば。自民党総裁選劇そのものが、行き詰まった裏金問題に蓋をして煙に巻いて逃げ切りたいという意図が見え見えで、それで勝った石破さんが、十分な国会審議(が必要だと)、恣意的党利党略の解散はよくないと言い続けた人が、そのいわば茶番劇の最終章の座長を務めるわけですから、これはもう逃げ切り劇、けつまくり劇以外の何物でもない。極めて不届きで、不謹慎で、国民に対して不誠実だと思います。

○旧統一教会問題 牧原法相と教団の関係について

【読売新聞】
 旧統一教会の関係で一点伺いたい。きょう牧原法務大臣のほうが関連イベントにかなりの回数出席していたとご本人から説明があったが、こちらの受け止めをお願いしたい。

【幹事長】
 極めて不適切なことだと思います、事実だとすれば。おそらく事実なのでしょう。
 それから、石破総裁は、これは直接は裏金問題に関する発言かもしれませんが、新たな事実が出てくればきちんと真相究明をして国民の疑問に答えるとおっしゃっているわけですから、この点についても、(旧)統一教会並びに新法務大臣との関連についても、ぜひ真相究明と誠意ある説明を求めたい。
 加えて、一体、身体検査はどうなっていたのか、政権の危機管理上。
 それから、ご本人もこのまま法務大臣を続けられるおつもりがあるのかどうか。進退も含めて、極めてご本人がご本人自身に厳しくあるべきだということも申し添えたいと思います。

【「フランス10」】
 関連して。裏金のことを追及していくということだが、旧統一教会の問題、朝日新聞がスクープ写真をされたように、非常に自民党と密着していたということだが、それも同時に追及していかれるのか。

【幹事長】
 当然なかったことにはできません。今、いろいろ、解散命令の扱いなどを含めて、事態は係争中ですから、継続中ですから、真相も何も明らかになったわけではありませんから、なかったことにはできない。引き続き真相究明と誠意ある説明を求めていくという立場です。

【「フランス10」】
 立憲以外の野党でも統一教会と深く関係を持たれている方もいらっしゃるが、そういう場合は共闘とかというのはどうお考えになるか。

【幹事長】
 ごめんなさい。ちょっとそれは事実関係を確認しないと何とも言えないので、ご質問の趣旨を預からせてください。

○衆院総選挙に向けた取組について(3)

【西日本新聞】
 衆院選の野党候補の一本化に関する他の野党との交渉に関して、あすが解散で、衆院選の場合はもう解散後がほとんど事実上の選挙戦のスタートと言われ、各現職を含めた候補者、前職になる候補者も選挙区に張りついて活動を開始する時期となる。そのため、事実上の選挙戦が始まった後に交渉を進めるのは非常に難しいのではないかという見方が非常に強いかと思うが、あくまで公示まで交渉を続けて何かしら成果を出したいというお考えか。

【幹事長】
 公示日まで、ぎりぎりの努力、誠意を尽くすのは当然のことだと思っています。情勢が容易ではないことは申し上げたとおりです。
 それから、直ちに具体的に見える形でのアウトプットにつながるつながらないという問題と、新執行部が発足してきょうで2週間、できるだけ各党とのパイプを太くしていくと。ですから、お互い政党なので、いろいろと利害が一致することもあればしないこともあるのは当然なのですね。大事なのは、利害が一致しないときにあっても、互いに信頼、そして、ある種の互いのリスペクト、これを保てた党間関係にあるかどうかが極めて大事ですから、二重の意味合いで、ぎりぎりまで様々な対話とコミュニケーションの努力を取るというのは、この職責上、責任においても当然のことだと思っております。

【司会(幹事長特別補佐)】
 そのほか、いかがでございますでしょうか。よろしいでしょうか。
 では、本日の幹事長会見はこれにて終了させていただきます。どうもありがとうございました。

(以上)