代表代行の大串博志政治改革推進本部長は12月4日、国会内で開催された与野党7党(立憲民主党、自由民主党、日本維新の会、公明党、国民民主党、日本共産党、れいわ新選組)の政治改革責任者による「政治改革に関する各党協議会」の2回目に出席しました。この協議は、政治資金規正法再改正を年内に行うために自民党が呼びかけたもので、前回同様フルオープンにより議論の過程を公開する形で開催されました。

 冒頭、自民党の渡海紀三朗政治改革本部長は、各党が法案をまとめたことで考え方がより明確になってきたとして、今日はそれぞれの提案について説明を受け、野党が提唱する『熟議と公開』に基づいて、この協議会も意味のある会議にしていきたいと述べました。続けて、予算委員会と並行して政治改革に関する特別委員会で各党が提出した議員立法を審査することは可能であるとして、「しっかり時間を確保して議論できるようにしていきたい」との考えを示しました。

 続いて、各党がそれぞれ提出に向けて準備を進めている法案や考え方について、要綱等を元に説明し、意見交換を行いました。立憲民主党はまず落合貴之政治改革推進本部事務局長から、⑴政策活動費を禁止するための「政治資金規正法の一部を改正する法律案」、⑵政治家本人の責任強化や政治資金の監査の強化、収支報告書のネット公開、政治資金パーティーに関する公開基準の引き下げ等を定めるための「政治資金規正法等の一部を改正する法律案」、⑶企業・団体献金を禁止するための「政治資金規正法及び租税特別措置法の一部を改正する法律案」、⑷政治資金の世襲を制限するための「政治資金規正法の一部を改正する法律案」の4法案について説明しました。

 大串本部長からは、政策活動費の廃止、企業・団体献金の禁止は特に重要な論点であり、特に企業・団体献金の禁止については、「与党が議論を先送りするとの報道もあったが、平成の政治改革でやり残した30年来の宿題であり、臨時国会でしっかり結論を出すべきだ」と述べました。

 意見交換の中で、自民党の提案には企業・団体献金の禁止に言及がないことについて、自民党からは「企業・団体献金の禁止に触れていないのは、そもそも禁止すべきだとは考えていないからだ」との意見があり、それに対しては大串本部長から、立憲民主党は企業・団体献金を禁止すべきとの立場であることを明確に表明し、政治改革に後ろ向きの自民党の姿勢との違いを鮮明にしました。

ぶらさがり1.jpg

 協議終了後、大串本部長・落合事務局長は記者団からの取材に応じました。大串本部長は、自民党の提案に企業・団体献金の禁止が含まれておらず、協議の場でも企業・団体献金を禁止する考えはないとの発言が自民党からあったことについて、「政治をゆがめる根源とも言われる企業・団体献金を禁止しないとの考えは非常に残念」であると批判しました。また、自民党が提案した政策活動費の廃止は、公開方法に工夫を要する「要配慮支出」のカテゴリーの中で、一体何がどれだけ、どこにお金が入っているのかわからないという状態が続くことから、「新たな抜け穴をつくるもので到底、廃止とは言えないものだ。賛同できるものではなく、立憲民主党の政策活動費廃止法案(政治資金規正法の一部を改正する法律案)を幅広い野党で共同提出した上で、国会で成案を得るべく議論していきたい」と述べました。

 また、政治資金を監督する第三者機関の設置については各党で考え方に幅があるとした上で、まずは政治改革に関する特別委員会において国会議員同士で議論を重ね、政策活動費の廃止や企業・団体献金の禁止について結論を出すことの重要性を改めて強調しました。