立憲民主党は2月20日、自由民主党、日本維新の会、国民民主党、公明党、日本保守党、参政党の7党で「公職選挙法の一部を改正する法律案(ポスターの品位保持)」を、同時に立憲民主党、自由民主党、日本維新の会、国民民主党、公明党、日本保守党の6党で「公職選挙法の一部を改正する法律案(選挙運動に関する規格の簡素化)」を衆院に共同提出しました。
「公職選挙法の一部を改正する法律案(ポスターの品位保持)」は、昨年の夏の東京都知事選の際に、候補者と関係のないポスターが多数掲示されたり、風俗店の宣伝を載せた選挙ポスターが掲示されたりしたことなどの問題を受け、(1)ポスター掲示場に掲示するポスターの記載に関する義務として、①ポスターを使用する候補者の氏名を見やすく記載すること、②他人や他の政党、政治団体の名誉を傷つけたり、営利目的での使用等、ポスターとしての品位を損なう内容を記載してはならないこと(品位保持規定)、(2)ポスターを営利目的で掲示した場合には100万円以下の罰金を科す罰則を新設するものです。
また、東京都知事選や兵庫県知事選などで、選挙期間中のSNS利用を巡り、偽情報の拡散や対立候補への誹謗中傷、収益目的での動画拡散などが問題視されたこと、自らの当選を目的とせず他候補を支援する、いわゆる「2馬力選挙」が行われたことなどから、候補者間の公平の確保の状況について引き続き検討を加え、必要な措置を講ずることを附則に明記しました。
同時提出の「公職選挙法の一部を改正する法律案(選挙運動に関する規格の簡素化)」は、(1)選挙運動で使用する車両の規格を全ての選挙について「乗車定員10人以下で、総重量3.5トン未満とすること、(2)選挙ポスターの規格を全ての選挙について「長さ42㎝×幅40㎝以内」とすること、これに伴い、個人演説会用ポスターを廃止するものです。
令和5年6月の衆議院政治倫理の確立及び公職選挙法改正に関する特別委員会(倫選特)の自由討議の報告書の中で、概ね認識の一致が見られた2項目について法制化したものです。
法案提出後の記者会見で、筆頭提出者である自民党の逢沢一郎選挙制度調査会長は「理想を言えば、全会派が提出会派になっていただけることが望ましいと期待しておりましたが、各党内での議論をふまえてのご判断であったと思う。法案の賛否については全会派一致になることが望ましいと思っており、引き続き努力をしたいと思います。与野党協議に参加していない小会派への声掛けは、特に立憲さんが大変ご努力をいただいたということで、感謝しています」と述べ、「こういった議員立法を予算委員会の最中である2月の段階で提出をし、審議ができることは、かなり異例のことと理解している。ポスターの品位保持、昨今のいわゆる『2馬力問題』、それに伴う明らかな弊害、SNSの真偽不明の情報、明らかに偽情報と思われるものが拡散をする。そういったものは公選法で処罰の対象になるわけだが、臨機応変に、良い意味でスピード感を持って対処されていないという状況に、大変、与野党共通の危機感を持っている。国民のみなさんも大変な心配をしておられる。そういった全体の状況を与党が受け止めて、日程的にはかなり異例のことではあるが、このタイミングで成立をさせよう、そういう合意に至ったということは大変意義深いことである思う。念頭にあるのは6月の東京都議選、7月の参議院選挙であり、その二つの選挙を迎えるときに与野党で大きな合意ができたということは、良い選挙を確保していこう、ひいては日本の民主主義の基盤を整え直そうという意思の表れということで、国民のみなさまにも理解をいただきたいと願っています。」と述べた。
立憲民主党の共同提出者は、大串博志(党政治改革推進本部長)、落合貴之(同事務局長)の両衆院議員です。
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①_公選法改正案(ポスターの品位保持)【要綱・法案・新旧】 .pdf
②_公選法改正案(選挙運動に関する規格の簡素化)【要綱(別紙あり)・法案・新旧】.pdf