小川淳也幹事長は3月12日、国会内で会見を開き(1)東日本大震災(2)春闘(3)自民党の公認問題(4)高額療養費自己負担上限引き上げの見送り――等について発言しました。

(1)東日本大震災から14年を経たことに触れ、小川幹事長は「福島県は、風評被害を心配していたが、今は風化を心配している。フェイズが変わってきている」と指摘し「党派を超えて全力で復旧・復興、現地の不安の払しょくに努めたい」と述べました。

(2)本日が春闘の回答日であることを挙げ「要求率は平均6%。昨年を上回っており、実現を期待したい」と述べ「大事なことは、これらが中小零細企業へ、裾野広く波及していくこと」と指摘し、党として後押ししていくことを強調しました。

(3)自民党の杉田水脈氏の公認について「様々なヘイトスピーチ、人権侵害の疑いのある方。公党としての見識が問われる。石破総理は以前、批判をしていたと受け止めているが、それも含めて自民党の対応に大きな疑問を持っている」と述べました。 

(4)政府の高額療養費の自己負担上限の引き上げの見送りについて、小川幹事長は「異例の展開。判断が遅い。方針が二転三転して、政権としての判断力、信任の問題。予算案が衆議院に戻ってくることも含めて厳しく対処していきたい」と述べました。


小川淳也幹事長記者会見

2025年3月12日(水)15時56分~16時09分
発行/立憲民主党役員室

★会見の模様を以下のURLで配信しています。
https://youtube.com/live/Sqw3EBKHCbk


■冒頭発言

■質疑


■冒頭発言

【司会(中谷幹事長特別補佐)】
 それでは、お待たせいたしました、本日の幹事長定例記者会見を始めさせていただきたいと思います。まず冒頭、小川幹事長より、よろしくお願いします。

○第122回常任幹事会を開催

【幹事長】
 お待たせしました。ご協力ありがとうございます。
 ただいま常任幹事会を終えました。資料がお手元に行っているかとは思いますが、党所属議員の海外派遣。それから、口頭報告ですが、少し党事務局職員の働き方改革なども進めたいと思っております。政治改革推進本部の役員の更新。そして、各選挙結果の報告。また、党員・サポーターズ(協力党員)の登録に向けて党内の手続を、本年の登録を開始してまいります。
 参議院選挙の公認内定。栃木県選挙区、岐阜県選挙区、京都府選挙区において公認を内定いたしました。
 東京都議選においても、5名の公認候補、そして2名の推薦候補ということで、積極的に擁立を進めているところです。

○東日本大震災から14年を迎えて

【幹事長】
 昨日は東日本大震災から14年の節目の日でございました。
 ことしは福島に参りましたが、かつては風評被害を心配していた福島も、今では風化の心配をされているということで、随分フェーズが変わってきているというふうに感じております。
 党としても、これは党派を超えて、全力で、引き続きの復旧復興、また、現地の不安の払拭に努めてまいりたいと思っております。
 改めて、多くの犠牲に哀悼の意を、この場をおかりして表させてください。

○春闘について

【幹事長】
 本日、支持団体、連合との関係もございますが、春闘の集中回答日というふうに承っております。要求率は平均で6.09%と、昨年を上回っており、93年以来の高水準だとお聞きしております。満額で妥結した企業が相次いでいるとも聞いており、前年に続いて5%以上の賃上げ、これは少なくとも実現を期待したいと思います。
 大事なことは、これらが中小企業・零細事業所を含めて裾野広く波及していくことが大事でございまして、それらについても党として大いなる関心と、また、雇用環境の改善という意味では、応援団としてしっかり取り組みたいと思っております。

○国会審議について

【幹事長】
 高額療養費や年金改革関連法案等については、またご質問をいただきながら、少しご答弁申し上げたいと思っております。

○自民・杉田氏の参院選公認決定について

【幹事長】
 最後に、杉田水脈氏の公認が随分話題になっているようですが、様々なヘイトスピーチや人権侵害の疑いのある人物だと認識しており、この点は自民党の公党としての見識が問われるのではないかと、甚だ強い疑問と憤りを感じているところです。
 あわせて、特に石破総裁の執行部ですから、かつて石破総裁ご自身も(杉田氏の発言を)批判されていたというふうに受け止めておりますが、それも含めて、与党の自民党の対応に大きな疑問を持っているところです。
 あえて冒頭発言の中で言及させていただきたいと思います。


■質疑

【司会(幹事長特別補佐)】
 ありがとうございます。それでは、ここからは質疑応答に入らせていただきたいと思いますので、質問のある方は挙手にてよろしくお願い申し上げます。

○自民・西田議員の首相交代要求発言について

【共同通信】
 3点、個別にそれぞれ伺いたい。自民党の西田昌司参院議員が、党の会合の中で、今の体制では参院選を戦えないということで、総裁選の実施を求める発言をされた。自民党内での首相交代を求める声が具体化したことについて、いかが受け止めているか。

【幹事長】
 大体、これはちょっと私見を交えてですが、首相が3人替わると非常に党としての体力が落ちると、政権担当能力も劣化するというのが、経験上、感じているところです。
 石破政権はまだ発足して5か月、6か月ですか。まだまだそう月日がたっているわけではありませんが、特にこの間の高額療養費をめぐる混乱。そもそも衆議院選挙に敗北して続投した総理・総裁というのも史上かつておそらくないのではないかという気がしますが、この間の高額療養費をめぐる混乱、指導力不足は決定的だったのではないかと感じております。
 一方、ちょっと未確認なのですが、西田議員は改選期でしょうか。それから、裏金に関与していないですかね。政倫審に出たのか。ご自身の選挙が気になっての発言だとすれば、ちょっと言葉は悪いのですが、どっちもどっちという受け止めでもありますので、つけ加えて言及させていただきます。

○予算審議について

【共同通信】
 予算案が参議院で審議中にもかかわらず、あす13日に衆院予算委員会が開催される方向となっている。こうした異例の展開についてどのようにお考えか伺いたい。

【幹事長】
 衆議院の予算委員会に応じていただいたことは最低限の誠意だと受け止めています。
 そもそも高額療養費の凍結をめぐる判断が遅いし、方針が二転三転して指導力や信任に傷がついているし、先ほどの西田議員の発言ではありませんが、政権としての判断力や、指導力や、ひいては信任の問題であると受け止めているところです。衆議院に戻ってくることも含めて、厳しく対峙・対処したいと思っております。

○消費税に関する議論について

【共同通信】
 最後に一点伺いたい。おととい3月10日、小川幹事長は党のユーチューブ番組「立憲ライブ」にて、消費税率の引上げ検討について強く否定なさった。党内では消費税減税を訴える声も根強くあり、ことし夏に改選を迎える一部の参院議員は既に街頭活動等で食料品の消費税率ゼロを訴えていることも承知している。こうした動向についていかがお考えか。

【幹事長】
 まず、私自身一人の政治家として、北欧型の福祉社会、しかも、安心が広がっているからこそ競争力があるという社会は、同時に政治の信頼が極めて高く、投票率も90%。これは一つのモデルであると、理想形の一つであるという認識は持っており、今でもそう思っています。
 一方、その北欧が消費税率が25%でしたので、これに関連した発言を過去したことは事実なのですが、現在の日本の政治状況・社会状況において、消費増税、消費税の引上げは、毛頭、びた一文、1ミリも、一切考えておりません。そのことだけは、誤解を招いていることに責任を感じつつなのですが、明確に否定させていただきたい。その趣旨で発言をさせていただきました。
 なお、党内においては、消費減税、あるいは食料品のゼロ税率、実は消費税率を5%にする減税法案をかつて党として提出したときの政調会長は私なのですが、それも含めて党内には様々な声があるということは、柔軟に、真摯に受け止めたいと思っております。
 これから、給付なのか減税なのか、いずれにしても国民生活は大変な物価高、円安を起因とする大変な物価高、それから賃金の不上昇に相当苦しんでいる緊急事態でありますので、この緊急・短期・暫定の切迫した対応策は党として必要だという考え方であります。減税なのか給付なのか、この点については両派のいろいろな声を聞きながら党として一定の着地を見出したい。そう思っているところです。

○企業・団体献金の禁止に向けて

【NHK】
 企業・団体献金について伺いたい。重徳政調会長は会見で、維新との間では共同歩調が取れるようになってきたと話され、野党として一つの案に収れんしていく努力が必要だということを強調されていたが、一方、国民民主党は与党が賛同しない法案は通らなくてなかなか難しいのではないかということで、与野党での協議の場を設けるべきではないかと話されている。立憲として、この辺りはどのような見解を持たれているか。

【幹事長】
 まず、政策活動費の廃止のときがそうでしたが、まずは野党としてまとまりたい、野党各党に対して協議を呼びかけたい、一定の妥結点を見出したいというのが本意です。その上で、当然成立は、こうした民主主義の基本に関わることなので、与野党間で合意がなされることが望ましい。
 しかし、それにしても、まず野党間で足並みをそろえることに努力したい。一義的にはそうしたいと思っています。

【NHK】
 そのお考えは、やはり国民民主党に対しても基本的には野党でまとまっていくことを優先すべきだということを今後も呼びかけていくということか。

【幹事長】
 現場ではそういう対話が重ねられていると報告を受けておりますし、その方向でこれからも努力をするという前提です。

○重要広範議案・年金改革法案の取扱いについて

【NHK】
 別件で、年金の関連法案で、厚労委員会できょう長妻さんが、今国会で法案を提出できないということであれば大臣の責任も問われるといった趣旨の発言をされた。現状で方針が政府としてまだ決まっていない状況だが、法案を重要広範として提出しなければならないものを、検討するという状況が続いていることについてどう思われているかと、仮に法案提出ができなかった場合の党としての対応、不信任も含めて検討されているのかどうか、その辺りを伺いたい。

【幹事長】
 まず、重要広範議案で予定どおり法案が提出されないというのは、仮にそうなれば憲政史上初ではないかということも耳にしており、極めて異例かつ異常な事態だと認識しております。
 それから、事前協議の呼びかけが事実上伝わってきておりますが、少なくとも法案を出す出さないの判断は政府と与党において責任を持ってやっていただきたい。出してくれば、出していただければ中身は大いに議論したいと思いますが、出す出さないの判断に野党を巻き込もうとすることは邪念ではないかと、責任逃れ、責任逃避の邪念ではないかと私は感じております。
 仮に、万一出せなかった場合、これは国会対策上、野党に対する信義則を相当傷つけることになります。それから、政府として、政権としての判断能力、これをまた更に傷つけることになる。責任問題になる。責任が生じる。
 そして、お尋ねの不信任云々は、これは会期内を通して様々な議論があると思いますが、政権の信任や威信が大いに傷つくということだけは間違いない。この時点ではそう申し上げたいと思います。

【司会(幹事長特別補佐)】
 そのほか、いかがでございますでしょうか。よろしいでしょうか。それでは本日の記者会見はこの辺りで終了させていただきたいと思います。皆様、ご参集いただきましてありがとうございました。

【幹事長】
 ありがとうございました。お疲れさまでした。

(以上)