衆院消費者問題に関する特別委員会で12月7日、「法人等による寄附の不当な勧誘の防止等に関する法律案」と「消費者契約法及び独立行政法人国民生活センター法の一部を改正する法律案」(消費者契約法等改正案)について参考人質疑が行われ、早稲田ゆき衆院議員が質問に立ちました。
参考人として発言した統一教会の被害者救済の活動に携わってきた全国霊感商法対策弁護士連絡会事務局長の川井康雄弁護士は、旧統一教会問題について一番必要なこととして「正体隠しの違法な伝道活動の規制」と指摘し、今回の法案が成立したら、すぐに法制度の「検討を開始してほしい」と述べました。
早稲田議員は、政府案の債権者代位権について「要件が厳しく効果も薄いため被害者救済にならないのでは」と懸念を述べ、川井参考人に「どのような制度が望ましいか」と質問しました。
川井参考人は「脱会にまつわる支援の充実」と「従前の準禁治産者制度の類似制度」の2点をあげ「マインドコントロール的な被害が実際存在していることから、国が一定程度、自由な意思が抑圧されている人に家庭裁判所の監督が必須とした上で、本人の財産管理を適切に図っていく制度が必要」と述べました。
早稲田議員は、「信者本人が教団に対して有している取消権を家族が行使する」ことが現実的に可能かを問いました。
川井参考人は「信者本人が脱会した後に立証することが基本になるので、脱会前に家族が立証するのは不可能に近い」と実効性への疑問を指摘しました。
また、早稲田議員は宗教2世問題に関連し「信仰を理由とした親からの児童虐待、人権侵害などに対して、今回の法案では対応できない」と指摘し、「どのような法整備が必要になるか」質問しました。
川合参考人は「2世の問題はさまざまな問題がある。実態把握に努めることがスタート。現状の虐待概念にあたるものは児童相談所で適切に対応する。現行の体制、児童相談所で対応できるよう、人員の増強など体制強化が必要。また児相の職員や教育現場等で宗教被害の実態への理解を広めるなど周辺の環境を整備する必要がある」と述べました。また、「宗教的な虐待が、現状の児童虐待の概念で対応できるか専門家をまじえて検討が必要。対応できなというのであれば法改正が必要になる」と述べました。
川合参考人からは3年以内の見直し規定の短縮の必要性、配慮規定については「被害救済の観点からすると、要件があまりに厳しい。勧告の内容に献金の返金が含まれないと救済できない」といった問題点も指摘されました。