枝野幸男代表は16日午前、アメリカ民主党のマーク・タカノ(Mark Takano)氏ら下院議員2名と、それぞれ30分程度ずつオンラインで会談を行いました。

 タカノ氏との会談では、冒頭、枝野代表からタカノ氏の当選祝いと立憲民主党の結党の報告を伝え、またバイデン氏に祝意を伝え、大統領就任後の日米関係についてディスカッションをしました。
 ディスカッションでは、新型コロナウイルス感染症対策、日米関係、中国情勢、北朝鮮情勢など幅広い課題について行われ、引き続きこのような意見交換の場を持つことで一致しました。

 会談には、福山哲郎幹事長と、亀井亜紀子国際局長が同席しました。

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 会談後、記者団の取材に応じた亀井局長は、会談内容について説明した後、「世界的にも、まだコロナ禍は続いており、なかなか外遊も出来ません。米国にとどまらず、さまざまな国の方々と引き続きオンライン会議システムを通じて会談を重ねて、関係を築いていきたい」と語りました。

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 記者からの主な質問とその回答(要旨)は以下のとおりです。

Q:タカノ氏とはこれまでも親交があったのか、またどういった経緯で会談に至ったのか

 2年前に枝野代表が訪米をしたときに、現地でワシントンでお会いした議員の1人で、マーク・タカノ下院議員とは親交があり、今回、民主党議員の方とバイデン政権が発足するにあたり、意見交換をしたいと思い、いろいろと水面下で打診をしましたところ、マーク・タカノ議員が喜んで応じてくださったということです。

Q:枝野代表から日米関係について、どのような発言があったか

 枝野代表からは、バイデン政権になり、おそらく国際社会のさまざまな問題、例えば環境問題など、そういう問題にアメリカはまたコミットしますよねと、こちらとしてはそう見ておりますがいかがでしょうかと投げかけし、先方からは、そういう方向になるでしょうと回答を得ました。
 ですので、国際的なルール、多国間の枠組みに戻り国際法に照らし合わせながら世界の問題によりコミットしていく、そう変わっていくであろうという先方のコメントでありました。

Q:枝野代表から、政権交代を目指す立場の立憲民主党として米国・バイデン政権との関係についての話はあったか

 立憲民主党の立場も代表から説明をいたしました。
 まず、立憲民主党が今年9月に再結成をし、2年前にタカノ氏とお会いしたときには70人規模の政党であったけれども、いまは151人の政党になりましたと。
 そして、政策・綱領には「健全な日米同盟を軸に」という表現がありますので、基本的には政権交代をしても外交関係、また日米同盟を基軸とするという、そこは変わりませんと、はっきりと先方にお伝えしました。
 その上で、例えば沖縄の基地問題で、自民党と考え方の違うところもありますが、相手があること、アメリカがあることですので、一方的にこちらが変更を求めることはなしに、胸襟を開いて話し合いをしたいと、そういうスタンスであることをお伝えしました。

Q:先日ヤング駐日米国臨時代理大使とも意見交換をしましたが、最近になり外国とのパイプづくりが活発化しているのか

 アメリカの政権交代が決まり、駐日アメリカ大使の人事もまた白紙に戻っており、ヤング臨時代理大使がこの1年ほど臨時のまま大使を続けておられる中で、新しくなった立憲民主党が、前の立憲民主党と政策的に何か違いがあるのかどうか大使は関心をお持ちでしたし、また新党結成のお祝いもかねてお見えになりました。
 私たちも、枝野代表はバイデン新政権が誕生すると見ていますが、昨日まではまだ正式には手続き終わってなかったわけですから、これで決定、落ち着いたと見ていいんですよねというような確認をしておりました。

Q:もう1人の方とはタカノ氏と同じような話をされたのか

 そうですね。こちらとしては、やはり一番の関心はバイデン政権に変わったときにアメリカの政策、特にアジアに対する政策がどのように変わってくるのか、変わらないのか。それに一番興味がありましたので、お二方の意見を伺ったということです。

Q:今後の外国要人との会談の予定や考え方は国際局としてあるのでしょうか

 まだ次の国名は具体的には考えておりませんけれども、ただ今朝初めてこういうZoomを通しての会議をしてみて、通訳を挟みましたけれども、かなり円滑に通常の会議と変わらないぐらいスムーズなコミュニケーションが取れるということが確認できましたので、これから、それこそ議員に限らず外交の専門家ですとか、アメリカで日本の政策に詳しい方ですとか、そういうことも視野に入れながら、意見交換や勉強会をしていかれればと思っています。