枝野幸男代表記者会見(党大会終了後)
2021年1月31日(日)14時37分~14時59分
発行/立憲民主党役員室
★会見の模様を以下のURLで配信しています。
https://youtu.be/qUVqvvk8s6c
■冒頭発言
- なし
■質疑
- 2021年活動計画について(1)
- 新型コロナ 特措法改正について
- 2021年活動計画について(2)
- 新型コロナ 対策立案の基本姿勢について
- 農業政策について
- 2021年活動計画について(3)
- 浦添市長選挙について
- 2021年活動計画について(4)
■冒頭発言
【司会・大串博志役員室長】
それでは時間が参りましたので大会終了後の枝野代表の記者会見を始めさせていただきます。司会は便宜上、私、大串が務めさせていただきます。
まず、冒頭に私のほうから皆様に情報としてお伝えしておきます。きょう開催されました大会の全代議員の数は338名、そして、きょうの出席は320名です。したがって大会成立要件を十分満たしていた正式な大会として成立したということをまず冒頭にお伝えさせていただきたいと思います。
それでは記者会見に入りたいと思いますが、代表からは大会の中で代表挨拶をしていただきましたので冒頭ございませんので、皆様のほうから質問がありましたら手挙げボタンを押して手を挙げていただけたらと思います。ご質問のある方は手を挙げていただきますようによろしくお願いします。
■質疑
○2021年活動計画について(1)
【NHK・米津記者】
立憲民主党を中心に政権交代を目指す考えを枝野代表は強調されたが、支持率は低迷が続いていて、政権の受け皿になれているとは言い難いのが現状だと思う。ことしの衆議院選挙に向けてどのように支持率を上げていくお考えか。また、国民民主党を初めとする野党の連携をどのようにお考えかお聞きしたい。
【共同通信・玉井記者】
きょう「党員」「協力党員(サポーターズ)」「パートナーズ」という形で党をサポートする制度を整備なされたかと思うが、コロナ禍において党勢拡大にどう取り組むか。支持を広げるための具体的なアイデア、政権選択肢となるための具体的な取り組みについてお聞きしたい。あわせて、NHKさんとやや重なるが、野党協力ということで、4月に控える補欠選挙も含めて、野党候補の一本化についての考え方、選挙協力のあり方についてお聞きしたい。他党との調整状況、今後の調整に対する考え方についてもあわせてお聞きしたい。
【代表】
まさに、ずっと、とにかく政権の選択肢になる、選択肢として認めていただくということが目標でありますので、ここから総選挙の公示日に向けて、挨拶の中でも申し上げましたとおり、これには何か特効薬とか奇策はありません。地道に各地域での活動を展開していく以外にはない。これに尽きると思っています。
野党間の連携については、きょうの挨拶でも申し上げましたが、どこかのタイミングで私なりの政権構想を提示したいと思っております。それに賛同していただける全ての皆さんと最大限の連携ができればと思っていますが、現時点で、今、具体的なことを何か申し上げる段階ではありません。
「党員」「協力党員(サポーターズ)」「パートナーズ」を、できれば早く大々的に募集をかけたいところでございますが、感染拡大防止のために活動が制約をされているという状況でございます。ただ、この状況も地域によってだいぶ違いますので、それぞれの地域の事情を踏まえて、また、広げる広げ方も農村地域と都市部では全然違いますので、それぞれの地域で地道にやっていくしかないと思っています。
【毎日新聞・宮原記者】
きょう代表は立憲が目指す社会像として「誰一人取り残されることのない社会」とおっしゃったが、これまで「支え合いの社会」とおっしゃっていたことが多かったと思う。少し言い方が変わったかと思うが、この「誰一人取り残されることのない社会」は、これまで言っていたものとどういうニュアンスの違いがあるのかということが一つ。関連して、今回の挨拶の中で代表は政権構想をつくり上げるとおっしゃったが、いつまでにどういったものというのがあるのか。また、年末まで基本政策の策定を進めていて今ストップしていると思うが、選挙が近いことを考慮して政権構想づくりを優先させるということになるのか。そのあたりのお考えをお願いしたい。
【代表】
前段のほうの話はあまり意識していません。基本的には同じことを、どういう側面から申し上げているかということの違いだと私は思っております。互いに支え合うことによって、誰もが置き去りにされない社会ができ上がっていく。「互いに支え合う」ということは動きであって、結果が「誰一人取り残されない社会」になるということで、あまり違ったことを言っているつもりはありません。
後者ですが、まさに選挙の時期がいつになるのかがわかっていない段階でスケジュール的なことを確定的に申し上げることはできません。
それから、基本政策と政権構想との関係ですが、今はとにかくこの(新型)コロナの異常事態、緊急事態ですので、とにかく今これに全力集中しなければならないという状況であります。その状況が緩和をされるのと選挙のタイミング、つまり政権構想を打ち出さなければならないタイミングとがどういう関係になるのかということを見据えながら判断していくことになると思っています。
○新型コロナ 特措法改正について
【フリーランス・宮崎記者】
大会が終わったばかりで恐縮だが、特措法に関しては早速あす採決ということになる。自民党と立憲民主党の二つの党で修正合意をしたことに関して、けさの「日曜討論」で維新の政調会長と国民民主党の政調会長からは不満の声がやはり出た。こういったところに関して、通常国会はまだ長く続くが、今後の修正協議のあり方。おそらく今の状況だと自民党と立憲民主党の二つだけで次の総選挙まで行ってしまうことは可能な政治状況かと思うが、そういったことになるのか。選挙は近くないかもしれないが、選挙での野党の連携とはあまり関係ないと思うが、党の代表としての立場でお答えください。
【代表】
今回の特措法等の協議についても、国対委員長のところで、共産党さんや国民民主党さんにはこういうことで進めていくということを了解をしながら、ただし、それぞれの党、政策論的な考え方の違いがあるから、別に各党を代表して協議をするわけではないということをお互いに納得し合った上でこのプロセスを進めてきていると思っております。今後の、もし与野党で修正協議などのケースがあり得る場合のやり方は、これまでもそうですが、それぞれの状況・案件ごとに他の野党の皆さんの理解も得ながら一番いい形でやっていくということなので、まさにケース・バイ・ケースだと思っています。
○2021年活動計画について(2)
【北海道新聞・文記者】
1点目だが、本日の党大会、政権を担う政党として信頼獲得を目指していく姿勢というものを強く打ち出した大会と見ていて思ったが、現在国会でコロナ対策について政権の政策追及やさらに新しい政策提案などしているかと思うが、その政権の選択肢に向けて現状の手応えをどう考えているかが1点目。
2点目だが、政権構想というものは基本政策とどう違ってくるか。どれぐらいの具体的な政策を政権構想に落とし込むのか伺いたい。
【代表】
手応えですが、あえて申し上げますと、先ほど申しましたとおり、まだ政権の選択肢にはなれていない。ただ、公示日までに政権の選択肢になる。公示日に政権の選択肢として認めていただければ、必ず政権をとれる。そして、公示日までに政権の選択肢となれる、その手応えは十分持っています。
後者ですが、全くその二つは全然種類の違うものです。政権の選択肢として示す構想は、最大4年間の将来にわたる、何をしていくのかということを示すものが基本になる。もちろんそれ以上長期にわたるものの一歩を示しますというような部分もありますが、基本的には次の選挙で政権をとってから当面の4年間進めていくことが軸になる。基本政策というのは、これは10年、20年単位のものですから、全然違う次元のものです。
○新型コロナ 対策立案の基本姿勢について
【「フランス10」・及川記者】
代表は「FACTA」のインタビューで、次の選挙は一にも二にもコロナだと。そして、きょうもコロナゼロという社会ビジョンを示した。端的に伺いたいのは、自公政権のコロナ対策と何が違うのかということと、自公ではできないが立憲ならできるコロナ対策は何なのか、端的に伺いたい。
【代表】
二つの切り口があると思っています。
一つは、まさに我々が今「zeroコロナ」(ゼロコロナ)と申し上げている、ここに代表される、象徴される部分です。感染拡大を防ぎながら経済も回していくというやり方は明確にもう失敗をした、挫折をしたと思っていますが、これを自公政権は変えられないと思っています。まずは徹底して感染を抑え込む。そして新たな感染があっても短期間で封じ込められるレベルにまで下げて、そして万が一新たな感染が出た場合でもそれを追いかけることができる、こういうところまで、これをゼロコロナと呼んでいますが、そういう状況まで抑え込む。そこまでは徹底した補償や支援を行う。これをやらない限りは、実は経済活動が活発になればまた感染がふえて、また抑制しなければならないということを繰り返していくことになってしまう。したがって、とにかくゼロコロナを目指して、一時大変厳しい状況が続きますが、何度も繰り返すよりはとにかく一度ゼロ、限りなくゼロに近づける状況にしていくことが経済のためにもプラスであるという、ニュージーランドや台湾などが進めてきたこの路線に転換をしていく。これは我々でないとできないと思っています。
もう一つの切り口は、誰の話を聞いて政治をやっているのかと。業界団体などの上のほうの人たちの話を聞いてやっている政治では、特にこういう危機のときの困難に直面している人たちの声を受けとめることはできない。その典型が例えば「Go To トラベル」などだと思います。旅行業界・観光協会の業界の話を聞けばこれは結構なことになるかもしれませんが、そういったものの恩恵を受けられる業者と受けられない業者と分かれてくるし、結果的に今回の「Go To トラベル」でも恩恵を受けられたところ受けられなかったところに違いがあり、なおかつ、これの失敗によってのダメージは全体が受ける。それから、例えば大企業であれば企業が休業手当を払うはずだ、それを雇調金で調整できるはずだという、相変わらず建前に(自公政権は)立っています。そういった話を上澄みだけ聞いていたのでは、実際には大企業でも休業手当がもらえず、かといって支援金ももらえずという、今まさに困っている人たちが取り残される。私たちは、むしろ草の根の声こそがいわゆる業界団体などを通じた声よりも大事だという、この基本的な立ち位置に立っている。これが決定的に違っていると思っています。
○農業政策について
【日本農業新聞・松本記者】
個別分野の話で恐縮だが、農業について伺いたい。秋までに必ず衆院選があるということだが、立憲民主党の農業政策の柱が何なのか。また、それをどうアピールしていくのか。具体的なお考えをお願いしたい。
【代表】
やはり柱になるのは戸別所得補償制度であると思っています。きちっと、どういう市況、価格の状況であっても、あるいは気候によって凶作などがあった場合であっても持続的に農業経営をしていける、そのための支え、戸別所得補償制度は不可欠であると。これをまず実現することが全ての入り口だと思っています。
その上で、実は農業政策と農村政策をもっとしっかりと一体化させる。あえて言えば、農村政策をしっかりと充実させていく。小規模の家族経営の農業でも地域に根差してやっていけるようにするためには、そうしたケースは兼業農家も多いわけですから、地場で雇用の場をしっかりとつくっていく。実は介護の職員に対する支援であるとか、それから自然エネルギー立国であるとか、これは農村地域などに雇用の場をつくっていく。そうすることによって兼業で農業を継続していける。そういう状況をつくっていく広い意味での農業政策だと思っています。
この2本の柱。こういった意味での農村政策と、そして戸別所得補償制度が大きな柱だと思っています。
○2021年活動計画について(3)
【北海道新聞・文記者】
立憲民主党は野党勢力というものを牽引する存在だと思うが、政権の選択肢、さらにその先の政権交代というものを目指すに当たって、国民民主党に対して例えば連立政権を呼びかけるという考えはあるのかどうかと、北海道2区補選もあり、連合政権を迫っている共産党との関係もいずれ形を示さなければいけないと思うが、どのように考えているのか伺いたい。
【代表】
他の政党との関係については、それぞれの政党と水面下できちっと話をした上でない状況で外に向かって話すことは避けるべきだと思っています。現時点で何か申し上げることはありません。
北海道2区についても、そういった意味ではミクロの意味で同じ状況です。
○浦添市長選挙について
【沖縄タイムス・又吉記者】
来週日曜に投開票となる沖縄県の浦添市長選について伺いたい。枝野代表は昨年、沖縄県連発足時に、那覇軍港の浦添移設については容認する姿勢を示されていたかと思うが、その後、県連代表の屋良衆院議員が、移設計画についてはこれから検証すると、代表の発言を修正する発言をされた。浦添市長選では那覇軍港移設に対する態度が争点になっており、改めて枝野代表ご自身から那覇軍港の浦添移設の是非についてお考えをお願いしたい。
【代表】
基本的には地域の課題でありますので、沖縄県連を中心にして、地域の状況を踏まえて考え方を整理していただくというのが基本だと思っています。
○2021年活動計画について(4)
【朝日新聞・吉川記者】
先ほど、それぞれの政党と水面下できちんと話していない状況で言えないということだったが、共産党との関係について、野党連合政権構想とか、共産党側から政策とかかなり具体的に立憲に投げられている面もあるかと思うが、そのあたり立憲側の回答というか立場というか、どのぐらいの時期までに示すとか、そういっためどなどおっしゃっていただけることがあればお願いしたい。
【代表】
共産党さんがいろいろなことをおっしゃっていることについては承知をしています。ただ、それについて我々としてどういう対応をさせていただき、どういうふうなことが一致できるのかできないのかということについては、まさに大きな選挙戦略にかかわることなので、現時点で何か外に向かって申し上げられる段階ではありません。
【フリーランス・宮崎記者】
きのう長野県上田市の千曲会が参議院補欠選挙に、羽田元総理の公設秘書で現在会社経営者の羽田二郎さんの擁立を組織として決定した。今後、長野県連代表は篠原さんだが、そこを通して党本部に推薦という形になるのだろうと思うが、千曲会という半世紀続く組織のほうで既に決まったが、党本部として推薦が上がってきた場合の対応。それと、4月の選挙は例えば国会議員やその秘書団などが入るというような、そういった総動員の態勢になるのか。
【代表】
報道は承知しておりますが、具体的に何か県連なりから党本部に上がってきているわけではありませんので、今は何も申し上げられる段階ではありません。候補者が決まっていない段階でありますので、なかなか具体的なことを申し上げられませんし、それからCOVID-19がどういう状況になっているのかということも見極めなければならないと思っていますが、最大限の力を入れてやっていきたいということは一般論として申し上げます。
【大串役員室長】
ほかにいかがでしょうか。今のところ手が挙がっている方いらっしゃいませんが、よろしいでしょうか。
それでは、党大会後の代表の記者会見をこれにて終了させていただきたいと思います。ご協力ありがとうございました。
【代表】
ありがとうございました。